PAGE TOP ↑
eJudo



※eJudo携帯版「e柔道」4月27日掲載記事より転載・編集しています。

ドコモ版QRコード KDDI版QRコード
 docomo版QRコード    au版QRコード


全日本カデ体重別選手権男子レポート
73㎏級~90㎏超級 2/2


白川剛章が2階級制覇達成、
代役出場の前濱忠大が貫目純矢を食って2位入賞
90kg級

13Jcadet_90_1.jpg
写真:厳しい2連戦を勝ち抜いて
決勝に駒を進めた前濱忠大
決勝に進出したのは白川剛章(福井工大福井高2年)と前濱忠大(大成高1年)の2人。

前濱は昨年の全国中学校大会3位。今大会は伊藤好信(新田高1年)の欠場で出場のチャンスを得たダークホースだ。1回戦は同じく全中3位の米山魁人(国士舘高1年)と対戦、「指導2」を先行される苦しい試合を3分7秒の小内刈「有効」、残り18秒の一本背負投「一本」と終盤で逆転して勝ち抜くと、準決勝では2連覇を狙う絶対の優勝候補・貫目純矢(崇徳高2年)を相手にしぶとく試合を進め、GS延長戦突入が濃厚と思われた残り10秒で背負投「有効」をもぎ取って優勢勝ち。見事決勝へと駒を進めることとなった。

一方の白川は昨年本大会の81kg級王者。1回戦は昨年全中2位の東部雄大(日体荏原高1年)と戦い、白川が払腰「有効」、東部が「指導2」奪取とタイスコアで迎えた残り25秒に得意の内股を豪快に決めて一本勝ち。準決勝は昨年2位で全国中学大会王者の浜野大生(大牟田高1年)を相手に「指導2」奪取後の大外刈「一本」(2:54)で快勝。連続一本勝ちで勢いに乗っての決勝進出。

13Jcadet_90_3.jpg
写真:白川が右内股から
右小内刈に連絡、前濱大きく崩れる
決勝は前濱が左、白川が右組みのケンカ四つ。

開始早々白川が釣り手で奥襟を叩き、腰を切る前技の牽制を見せると圧を感じた前濱が伏せて「待て」。

以降は互いに釣り手一本を持っての引き手争い。この間隙を縫って白川が右内股、前濱が足を高く上げて捌くが、白川は足を振り下ろしながら両手を絞って右小内刈に繋ぐ。前濱は大きく崩れて右腰から畳に落ち、白川が押し込んであわや「有効」と思われたが前濱なんとかこらえ切ってノーポイント。経過時間は29秒。

白川は釣り手を巧く操作し、相手を引き寄せて引き手を得る。形勢不利とみた前濱は先手を打って左背負投を放つが入りが浅く、白川は立ったまま捌き、前濱も立ち上がって攻撃継続。

13Jcadet_90_4.jpg
写真:白川が肘をこじ上げて
ケンケン内股、前濱を場外まで追う
50秒、白川が釣り手の肘をこじ上げて前濱を牽制、前濱が嫌ったところに右内股を放つ。展開に明らかに差がついたと判断した主審は前濱に「指導」を宣告。経過時間は56秒。

この攻防に手ごたえを得た白川は、下から握った釣手を畳んで接近、肘をこじあげて前技の牽制を連発。1分12秒にはこの動きに混ぜ込んで右内股を放ち、ケンケンで前濱を場外まで追って「待て」。

続く展開、白川は釣り手を高い位置で保ったまま手首を伏せ、肘を上げて相手を牽制する前技の牽制を連発。我慢できなくなった前濱は座り込みの左体落を放つが、その立ち際を狙って白川は釣り手を伏せて肘を上げた右内股一発。またもやケンケンで前濱を場外まで追って「待て」。

13Jcadet_90_5.jpg
写真:白川が巧みに釣り手を操作、
引き手争いを優位に運ぶ
白川は釣り手をあるいは畳み、あるいは突いて自在に距離を出し入れしながら引き手争いを優位に運ぶ。思い切った飛び込みが身上の前濱だが、白川の釣り手の牽制の巧みさになかなか攻撃のきっかけを掴めず、2分25秒には「取り組まない」の判断で前濱に2つ目の「指導」が与えられる。

13Jcadet_90_6.jpg
写真:白川が前濱を追う
以後も釣手の操作に勝る白川が試合を優位に運び、股中を狙った右体落、右内股で攻めてたびたび前濱を崩す。

3分33秒、白川の釣り手を振る動作に反応した前濱が左背負投に座り込むが、白川が右大外刈で応じて「待て」。

直後、前濱が左大内刈から鋭い動きで技を繋ぎ、左背負投。完全に股中に潜り込んだ一撃に会場ハッと息を飲むが、中途で動きが止まってしまい投げきれず「待て」。

13Jcadet_90_7.jpg
写真:前濱起死回生を狙った
左背負投も、引き手が切れてしまい
決まらず
前濱激しく前に出るが引き手争いに嵌って接近出来ず。残り数秒で前濱が低い左背負投、しかし引き手が切れて技が止まってしまう。白川は前濱の立ち際を待ち受けて右内股を放ち、前濱が場外に向かって崩れ伏せたところでタイムアップ。

終始優位に試合を運んだ白川が「指導2」の優勢で勝利。昨年の81kg級に続く全日本カデ2階級制覇を達成した。

13Jcadet_90_8.jpg
写真:2階級制覇達成の
白川剛章
【入賞者】
優勝:白川剛章(福井工大福井高2年)
準優勝:前濱忠大(大成高1年)

白川剛章選手のコメント
「今日の内容はまあまあ。準決勝で技出しが遅かったので、もっと先に仕掛けられるようにというのが課題です。インターハイと世界カデは日程がかぶりますが、どうなるのか、今はちょっとわかりません。得意の内股で「一本」を取れる選手になりたい」

【1回戦】
貫目純矢(崇徳高2年)○優勢[指導2]△長谷川誠(大成高2年)
前濱忠大(大成高1年)○優勢[技有・一本背負投]△米山魁人(国士舘高1年)
浜野大生(大牟田高1年)○GS僅差3-0△戸崎碧海(桐蔭学園高1年)
白川剛章(福井工大福井高2年)○内股(3:35)△東部雄大(日体荏原高1年)

【準決勝】
前濱忠大○優勢[有効・背負投]△貫目純矢
白川剛章○大外刈(2:54)△浜野大生

【決勝】
白川剛章○優勢[指導2]△前濱忠大


太田彪雅、逆転「一本」で再び山田伊織を破る
90kg超級

13Jcadet_o90_1.jpg
写真:準決勝、太田彪雅が
今入晃也から内股で一本勝ち
優勝候補筆頭のウルフアロン(東海大浦安高3年)が欠場。繰り上がりで一番手と目された吉良儀城(国士舘高2年)も準決勝で後輩の山田伊織(国士舘高1年)に一本負けを喫してこの階級は荒れた。

決勝は太田彪雅(白鴎大足利高1年)-山田伊織という顔合わせ。昨年の全国中学大会決勝の再現となるカードだ。

太田は1回戦で同学年の強者竹村昂大(国士舘高1年)を僅か25秒の小外刈「一本」で一蹴。準決勝は前戦で長井達也(日体荏原高1年)を破った今入晃也(埼玉栄中3年)から「指導2」奪取後の内股「一本」(2:55)とこれも快勝。抜群の内容で決勝進出を決めた。

一方の山田は1回戦の難関・長谷川優(東海大相模高2年)戦を送襟絞「一本」で切り抜け、準決勝は前述の通り吉良儀城から払腰「有効」、小外刈「一本」と連続で獲得して勝利。決勝へと駒を進めることとなった。

13Jcadet_o90_3.jpg
写真:太田が場外に向かって
右内股を仕掛け、掛け潰れる
決勝は太田が右、山田が左組みのケンカ四つ。

開始早々、釣手を上から持った太田が右内股、山田はのそりと捌いて立ったまま場外に出て「待て」。

以降は山田が前へ。太田はいなそうとするが、山田が腰を切って前技の構えを見せると腹ばいに伏せてしまい「待て」。経過時間は31秒。

山田は釣り手を下から持って前へ。太田は場外を背にするところまでまず下がり、そこから攻防という形が続く。1分4秒、太田が場外に向かって右内股を仕掛けて展開を切ったところで、主審は太田に「指導」を宣告。

13Jcadet_o90_4.jpg
写真:試合の流れを掴んだ山田が
左内股巻込
再開後も山田が釣り手を突いて前進。太田は前技のフェイントで鋭く腰を切るが山田良く見て送足払をあわせ、崩れた太田は自ら伏せる。

展開の不利を感じた太田はケンカ四つクロスの右内股でまず流れを作り直そうとするが、山田が前に出て太田が下がりながら掛けるという構図は変わらず。2分を過ぎたあたりから完全に試合は山田ペースとなり、山田は釣り手を縦回転で背中に叩き入れての左内股、2分41秒には鋭いステップを切っておいての左大内刈で太田を伏せさせる。

打開した太田は腰を切って前技に踏み込むが、腰を切る動作のたびに山田は却って前進。2分52秒、ついに太田に2つ目の「指導」が宣告される。

13Jcadet_o90_6.jpg
写真:太田が右小外掛に
踏み込む
一発に賭けたい太田は3分12秒に奥襟を叩いて右釣込腰。しかし山田は腹を突き出して止め、逆に左大外刈、左内股と放って差を詰めさせない。

状況を打開したい太田は腰を切って前技に踏み込むが、腰を切る動作のたびに山田は却って前進。場外に向かっての内股は心得た山田に股中で捌かれ、2分52秒、ついに太田に2つ目の「指導」が宣告される。

一発に賭けたい太田は3分12秒に奥襟を叩いて右釣込腰。しかし山田は腹を突き出して止め、逆に左大外刈、左内股と放って差を詰めさせない。

ところが残り24秒に大逆転劇。良い形で組み手を作った太田が右内股のフェイントから右小外掛、後襟を握った釣手の効きが良く、山田は大きく後方に崩れる。

13Jcadet_o90_7.jpg
写真:太田が逆転の「一本」
手応えを得た太田は踏み込んでいた右足を刈り込んで高く抜き上げ、胸を合わせてフィニッシュ。山田は真裏に放られて背中から落ち「一本」。

前に出る山田、下がりながら場外に向かって技を仕掛ける太田、そして展開で不利をかこった太田がフェイントの小外刈で逆転、とまさしくこの試合は昨年の全国中学大会決勝の再現。前回対戦とほぼ同じシナリオで太田が再び勝利、全日本カデ初優勝を決めた。

山田は2つ目の「指導」奪取直後、動きが硬くなり、技も若干浅くなっていた。伏線としては細過ぎるかもしれないが、弱気に傾いたその技に、崩壊の予感が漂わない始めた矢先の出来事であった。しかしこれは山田を責めるのは酷、太田の一発の威力と最後まであきらめないメンタルの強さを褒めるべきであろう。

ウルフの欠場や吉良の意外過ぎる敗退で、高校1年生世代による新人戦の様相を呈したトーナメントとはなったが、優勝した太田はこれで全国少年大会、全国小学生学年別柔道大会、全国中学校大会、そして全日本カデと出場し得るカテゴリの全国大会をすべて制覇したことになる。今後ますますの躍進に期待したい。

13Jcadet_o90_8.jpg
写真:小学時代からここまで
出場全カテゴリを制覇の
太田彪雅
【入賞者】
優勝:太田彪雅(白鴎大足利高1年)
準優勝:山田伊織(国士舘高1年)

太田彪雅選手のコメント
「前回の対戦より相手はずっと強くなっていました。逆転出来てよかったです。技出しが遅いので、もっと自分から技を出せるようになりたい。スタミナもまだまだ足りません。高校は練習量が多くてとてもきついです(笑)、次は世界カデで優勝を目指します」

【1回戦】
今入晃也(埼玉栄中3年)○GS指導2(GS1:32)△長井達也(日体荏原高1年)
太田彪雅(白鴎大足利高1年)○小外刈(0:25)△竹村昂大(国士舘高1年)
吉良儀城(国士舘高2年)○小外刈(3:00)△横山正尭(大成高1年)
山田伊織(国士舘高1年)○送襟絞(1:24)△長谷川優(東海大相模高2年)

【準決勝】
太田彪雅○内股(2:55)△今入晃也
山田伊織○小外刈(1:03)△吉良儀城

【決勝】
太田彪雅○小外掛(3:36)△山田伊織

前へ



※eJudo携帯版「e柔道」4月20日掲載記事より転載・編集しています。

ドコモ版QRコード KDDI版QRコード
 docomo版QRコード    au版QRコード


→eJudoトップページに戻る
→「ニュース・マッチレポート」に戻る