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※eJudo携帯版「e柔道」9月6日掲載記事より転載・編集しています。

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全日本実業個人男子マッチレポート 2/4

西岡和志、地力発揮して初優勝飾る
73㎏級

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写真:ダークホースの丸山は
初の決勝進出
今大会連覇中で第1シードの斎藤涼(旭化成)と第4シードの粟野靖浩(了徳寺学園職)が欠場、加えて第2シードの鳥居智男(関西医療学園)が3回戦で太田(自衛隊体育学校)にGS延長戦「有効」で敗れ、トーナメントの様相は戦前の予想と随分異なるものとなった。

決勝に進出したのは丸山兼矢(東芝)と西岡和志(京葉ガス)の2人。

斎藤、粟野のブロックから勝ちあがってきた丸山はノーシードからの勝ち上がり、まさしくダークホース。1回戦は糺徳雄(甲南柔友会)から背負投「一本」、2回戦は田上耕平(ワイエスフード)から「有効」優勢、3回戦は平野喜彦(和歌山柔栄会)を大外刈「一本」、4回戦は高原優樹(まるや接骨院)を「有効」優勢でベスト8入り。準々決勝は吉薗勇太(ダイコロ)を横四方固「一本」に仕留め、朝比奈竜太郎(高宮接骨院)との準決勝は残り40秒で「指導2」まで奪っての優勢勝ち。混戦をしぶとく勝ち上がって決勝進出を決めた。

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写真:準決勝、西岡は
田村和也の内股を止め、
股中でめくり回して「技有」奪取
西岡は1回戦で秋山直之(明治東洋医学院専門学校)から小内刈で一本勝ち。2回戦は昨年3位のシード選手・赤迫佑介(自衛隊体育学校)から「技有」を奪って優勢勝ち。以降は3回戦で本郷賢一郎(川越少年刑務所)を内股、4回戦で秋山直太(東京武道館柔友会)を合技、準々決勝で岩本直樹(ナチュラル)を内股と一本勝ちを連発して準決勝進出。準決勝は田村和也(パーク24)に開始51秒の燕返「有効」をリードされたが落ち着いて試合を進め、相手が手詰まりとなった4分9秒に内股透で「技有」を奪って逆転。初の決勝進出を決めた。

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写真:丸山が腕挫十字固、
西岡は完全に持ち上げるが
主審は「待て」を躊躇
決勝は丸山が右、西岡が左組みのケンカ四つ。

両者なかなか取り組まず。30秒、西岡が奥襟を掴みながら左膝車を叩き込むが丸山崩れながらも腹ばいで堪えてノーポイント。

相手を捕まえたい西岡、嫌う丸山。焦れた西岡が前に出たところに丸山、跳び十字に飛び込む。腕を極められたまま西岡は完全に丸山を持ち上げるが、主審は動揺したか「待て」の宣告を行わずにこれを見てしまい、丸山は再び腕を極めなおすと体を捨てて西岡を引き込み、両者は場外になだれ込む。ここのでようやく「待て」。西岡、この攻防で右肘を痛めた様子でしばし中断、場内は騒然。

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写真:西岡は左内股、
丸山は西岡の釣り手を
またいでまたも腕挫十字固を狙う
丸山は後ろに重心を置いたまま手先で組み手争いを続け、有利な組み手を作ったときに前に出てくる厄介な柔道。西岡は丸山を捕まえて技が効く間合いで一発を狙いたいところだが、自身が一手目にナーバスになったことと丸山の後ろ重心の組み手の相乗効果でなかなか形を作れない。丸山は手先で持つ、切るを繰り返しながら左内股に片手の左背負投と着実に手数を積み上げ、西岡は前に出て良い組み手を作りかける度に展開を切られる苦しい柔道。しかし互いに決め手はなく試合は終盤。

残り数秒、西岡、釣り手で背中を捕まえる。これまでは切られていたこの釣り手を西岡今度は帯に持ち変えて左内股。丸山が頭から畳に突き刺さりながらこれを耐えたところで本戦の5分は終了。試合はGS延長戦へ。

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写真:西岡は
なかなか丸山を捕まえきれない
延長戦も丸山は右構えから右手の手先を突き出して動かし、西岡の一手目を封殺にかかる。業を煮やした西岡が過程を飛ばして釣り手で背中を掴むが丸山はこの腕を突き放してすぐに脱出。主審はさすがにここで丸山に「取り組まない」判断の「指導」を宣告、GS24秒。

次の展開も丸山は片襟を差しての巴投で攻勢を演出、さらに前に出ると西岡はまっすぐ下がって場外へ。続く展開で西岡が押し返したところを丸山は場外に向かっての内股で展開を切る。丸山は手を離しながらの右体落、左一本背負投で試合の流れを保ち、西岡が前に出て一発を狙う展開が続く。

残り28秒、西岡が背中をたたいて左体落、丸山が伏せる。
以降お互い決め手なくタイムアップ。

旗判定は3人全てが西岡を支持。手数自体は圧倒的に丸山だったが、試合のコントロール権を終始西岡が握っていたことを3審が評価し、大差での決着となった。

うるさい組み手と手数の積み上げで優位を作り上げようとした丸山であるが、その動機付けは、明らかに西岡の投げへの警戒にあった。攻める西岡、いなす丸山という試合の本質を審判が慮った、いかにも実業柔道らしい判定結果であった。

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写真:優勝の西岡和志
【入賞者】
優勝:西岡和志(京葉ガス)
準優勝:丸山兼矢(東芝)
第3位:朝比奈竜太郎(高宮接骨院)、田村和也(パーク24)

西岡和志選手のコメント
「判定は負けたと思っていました。最良で1-2と思っていたのでラッキーでした。組み手を嫌われて技が繋げず、先に掛けられてしまいました。勝ったのは良いですがあまり良い内容ではないです。(腕挫十字固で極められた)腕は、試合中は気が張っていたので良かったんですが、今になって痛くなってきました。昨年ポカで負けてしまって、今年はリベンジのつもりでした。講道館杯で優勝して、世界で狙いたいです」

【準決勝】
西岡和志○優勢[技有・内股透]△田村和也
丸山兼矢○優勢[指導2]△朝比奈竜太郎

【決勝】
西岡和志○GS僅差3-0△丸山兼矢

全日本選手権出場の平尾譲一が初優勝
81㎏級


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写真:好成績で決勝に
駒を進めた垣田恭平
第2シードの海老泰博(旭化成)が準々決勝で山田恭平(東芝)に内股で一本負け、一昨年90kg級で優勝しているミスター実業柔道・吉永慎哉も2回戦で赤迫(戸高鉱業社)にGS延長戦「指導2」で敗退する波乱。

そんな中決勝に進出したのは第1シードの垣田恭平(旭化成)と第3シードの平尾譲一(パーク24)の2人。

昨年優勝の垣田は2回戦から登場。まず杉本岳暁(豊田自動織機)を支釣込足、3回戦はもと警察王者の海老沼聖(パーク24)を背負投、4回戦は佐藤大地(了徳寺学園職)を巴投と3連続一本勝ちで順当にベスト8進出。強敵稲葉将太(ダイコロ)に優勢勝ちを果たすと、準決勝は小林雅司(パーク24)を相手にまず内股透「有効」、次いで3分15秒に小外刈で一本勝ちを果たし、5戦して4つの一本勝ちという好成績で順当に決勝進出。

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写真:初の決勝進出を果たした
平尾。この日は4試合連続一本勝ち
と好調
一方、全日本選手権に出場を果たすという快挙を演じて売り出し中の平尾の勝ち上がりも良い。2回戦で阿部竜太(十全会・おおりん病院)を大内刈、3回戦で白井勇輝(旭化成)をGS延長戦の末に上四方固、4回戦は09年学生王者の田中康介(ALSOK)をこれもGS延長戦で大内刈、準々決勝は強豪河原正太(京葉ガス)を巴投と4試合連続の一本勝ち。準決勝は前述の通り前戦で海老泰博を破って勝ち上がってきた山田恭平から1分30秒、4分0秒と2つの「指導」を奪って優勢勝ち。初の決勝の畳に駒を進めてきた。

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写真:平尾が大内刈を
仕掛けて展開を保つ
決勝は垣田、平尾ともに左組みの相四つ。
最初の手合わせは垣田の左小内刈で平尾が伏せる、というものだったが直後の17秒、袖口を絞ったとの判断で垣田にのみ「指導1」。

このアドバンテージを得た平尾は消耗戦を志向し、両者厳しい組み手争いを繰り広げる。お互い両袖を絞りあったところから垣田は左袖釣込腰、平尾は大内刈で対抗。中盤も垣田がスライドしながらの左小内刈、平尾も左小内刈、左小外刈で対抗し、試合展開は一進一退。垣田は平尾は厳しい組み手の駆け引きに引きずり込まれてなかなか地力を発揮できない。

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写真:変則の組み手で
垣田の背中を掴んでいなし崩す平尾
3分30秒を過ぎたところで垣田は両袖の大内刈、小外刈と激しく攻め込み、姿勢が小さくなった平尾に劣勢の時間帯が訪れかける。しかし平尾はここから奮起、両袖の体落で掛け潰れながら展開を押し戻し、4分8秒から釣り手で背中を横から深く叩き、前に振り出しいなすと垣田は思わず伏せてしまう。直後の4分19秒、ついに垣田に「指導2」が宣告される。

垣田、打開を狙って前に出るが平尾は組み手と細かい足技で距離を詰めさせず、そのまま時間。平尾、試合巧者ぶりを存分に発揮して実業個人初優勝を飾った。

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写真:優勝の平尾譲一
【入賞者】
優勝:平尾譲一(パーク24)
準優勝:垣田恭平(旭化成)
第3位:小林雅司(パーク24)、山田恭平(東芝)

平尾譲一選手のコメント
「いやもう、決勝戦というもの自体がものすごく久しぶり、何年ぶりか思い出せないくらいです。毎回テーマを決めて試合に臨むんですが、「見つめる鍋は煮えない」という言葉がありまして、今回はこれを課題にしました。時計を見ずにがむしゃらに攻めようとしたわけなんですが、決勝はこれが出たんじゃないでしょうか。パーク24同士で決勝がやりたかったんですが、先に同僚の吉井が負けたことで、俺がやらないと、と気合が入りました。全日本選手権に出たことがまぐれでないと証明したかったし、良かったです。次の目標は講道館杯で格好良く優勝することです」

【準決勝】
垣田恭平○小外刈(3:15)△小林雅司
平尾譲一○優勢[指導2]△山田恭平

【決勝】
平尾譲一○優勢[指導2]△垣田恭平

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