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【レポート】東海大順当にベスト8へ、国士舘大は代表戦で筑波大振り切る/全日本学生柔道体重別団体優勝大会男子レポート①1回戦~準々決勝

(2021年12月14日)

※ eJudoメルマガ版12月8日掲載記事より転載・編集しています。
東海大順当にベスト8へ、国士舘大は代表戦で筑波大振り切る
全日本学生柔道体重別団体優勝大会(男子23回)レポート①1回戦~準々決勝
日時:2021(令和3)年12月8日(水)~9日(木)
会場:ベイコム総合体育館(尼崎市)
取材・文:古田英毅/eJudo編集部
写真:坂口美貴/eJudo編集部
→全試合結果

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昨年の中止を挟み、大会は2年ぶりの開催となった。

今年の「学生柔道3大会」最終戦となる全日本学生柔道体重別団体優勝大会が8日、ベイコム総合体育館(尼崎市)で開幕。コロナ禍による延期を受けた強行日程、11月13日の学生柔道優勝大会から3週間半で3大会をこなすという異例の弾丸シリーズの、これが最終戦である。

優勝候補は東海大と国士舘大の2校を筆頭としたシード各校。東海大はブダペスト世界選手権90kg級代表の村尾三四郎、そして学生体重別選手権を制したばかりの松村颯祐(100kg超級)と内村秀資(73kg級)の学生タイトルホルダー2名を加えた強力3枚が軸。そして選手全員がチームとしての戦略を理解し、かつこれを実現するための戦術的な引き出しを各々きちんと備えていることが最大の特徴。戦力に凹凸あれど、しかし戦線の凹みは極めて少ないという型の好チームだ。国士舘大は100kg超級の斉藤立と高橋翼を筆頭に60kg級の近藤隼斗、81kg級の竹市大祐、66kg級の唯野己哲と2年生世代の高校王者をずらり並べた陣容。同じく73kg級の高校王者で全日本学生体重別2位の2年生・田中裕大が負傷のため登録を外れたが、90kg級には全日本学生体重別2位で12月の全日本柔道選手権にも出場が決まっている中西一生を配しておりこちらも戦線に凹みがほとんどない。配列順噛み合えばもはや勝てるチームはないのではないかとすら思える豪華メンバーだ。

この2チームにいずれもメンバー充実の日本体育大、日本大、天理大、明治大らが挑むというのが大会大枠の様相。まずはトーナメントを4つのブロックに割り、ベスト4が出そろうまでの戦いを追いかけてみたい。

初日に組まれた1回戦から3回戦までの配列は先鋒から順に、73kg級(先鋒)、60kg級(次鋒)、100kg超級(五将)、81kg級(中堅)、100kg級(三将)、90kg級(副将)、66kg級(大将)。今回は例年と異なり最終日の配列も事前に発表されており、こちらは73kg級(先鋒)、100kg超級(次鋒)、81kg級(五将)、60kg級(中堅)、66kg級(三将)、100kg級(副将)、100kg超級(大将)となる。

■ Aブロック
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2回戦、東海大の次鋒辻岡慶次が関西大・浜崎誠大から一本背負投「技有」

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副将安部光太は「技有」ビハインドも、直後同じ形から相手の裏投に被り返し「一本」。

シード校:東海大、國學院大

東海大と國學院大のシード2校が順当にベスト8入りを果たした。

東海大は2回戦から登場。上記のポイントゲッター3枚を敢えて外した初戦の布陣は先鋒から市川晃次郎(73kg級)、辻岡慶次(60kg級)、中村雄太(100kg超級)、山中堅盛(81kg級)、瀧澤秀斗(100kg級)、安部光太(90kg級)、岸武蔵(66kg級)。関西大を畳に迎えたこの試合は先鋒市川が松山直暉に引き分ける難しいスタートとなったが、次鋒辻岡が打点極めて高い左一本背負投で得た「技有」による優勢でまず勝利。この先制点を受けた五将中村が敢えて手堅い試合を志向し、1分18秒崩袈裟固「一本」で2点目を挙げた時点でどうやら勝利の流れが定まった。以降は三将瀧澤の隅落「技有」優勢を挟んで一本勝ちを並べ、最終スコア6-0でこの試合を突破することとなった。全日本学生優勝大会勝利の立役者となった副将・安部は不安定な試合ぶり。集中し切れぬ表情のまま畳に現れ、果たして抱き勝負から中途半端に腰を切ったところに谷落を食って1分16秒「技有」を失い、しかし1分46秒同じ形から今度は鮮やかに切り返しての隅落「一本」で収拾するという振幅極めて激しい内容だった。安部のムラ気が垣間見えた試合でもあり、優勝大会で「お前の大会だと言い聞かせ続けた」(上水研一朗監督)ことで力を引き出した上水用兵の巧みさと大胆さが逆説的によくわかる一番でもあった。

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3回戦、市川龍之介が専修大・藤田陸から外巻込「技有」

3回戦の専修大戦は村尾と内村、そして60kg級の市川龍之介とレギュラー3枚を投入。先鋒から内村、市川、中村、杉山海、鈴木直登、村尾、林大智というメンバーで布陣し、内村が小外掛と横四方固の合技「一本」、市川が外巻込「技有」優勢と連勝した前衛2枚でほぼ試合の趨勢を決定。中村が松田新太を相手に引き分け、村尾も織茂峻伍を圧倒しながら引き分けたが、手堅く4-0でスコアをまとめてベスト8入りを決めた。村尾-織茂戦は開始58秒の小内刈「技有」が取り消し、以降も攻め続けたが「指導2」までで4分間が終了。村尾が無理をしなかったこともあるが、わずかな方向性のブレが即引き分けまで繋がってしまう、「引き分けありの体重別」というこの大会の難しさがあらためて感じられた一番だった。

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2回戦、國學院大の先鋒武岡毅が同志社大・倉部隆成から大外刈「一本」

國學院大は全日本学生体重別選手権90kg級をオール「一本」で制したばかりの押領司龍星、全日本選抜体重別選手権66kg級3位の武岡毅を軸とした好チーム。2回戦は押領司を取り置き、武岡を73kg級に、66kg級枠にはグランドスラム・バクー日本代表の相田勇司を据えるという贅沢な布陣で同志社大を5-0と一蹴。勝負どころとなった3回戦の鹿屋体育大戦は先鋒(73kg級)川田武史の背負投「一本」で先制、副将戦では押領司が面倒な吉野弘人に仕事をさせぬまま引き分け、最後は大将武岡の釣込腰「技有」に大外落「一本」で締めるという文句なしの内容。2-0で大過なくこの試合を乗り切り、無失点で東海大との対決まで辿り着くこととなった。

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東海大の次鋒松村颯祐が國學院大・斉本研アレクサンドルから裏投「一本」

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村尾三四郎が押領司龍星から大外刈でまず「技有」

【Aブロック準々決勝】
東海大 6-1 國學院大
[先鋒・73kg級]内村秀資〇裏投(3:40)△川田武史
[次鋒・100kg超級]松村颯祐〇裏投(0:34)△斉本研アレクサンドル
[五将・81kg級]山中堅盛〇裏投(2:16)△井上泰司
[中堅・60kg級]市川龍之介〇優勢[技有]△城野琉来
[三将・66kg級]林大智△反則[指導3](3:15)〇武岡毅
[副将・100kg級]鈴木直登〇送襟絞(3:47)△山本瑛介
[大将・90kg級]村尾三四郎〇大外刈(3:53)△押領司龍星

一夜明け、配列順組み変わった準々決勝はほぼベストメンバーで布陣した東海大が圧勝。先鋒内村、次鋒松村、中堅山中がすべて裏投「一本」で勝利するという前衛3枚のロケットスタートで勝負あり。國學院大は三将の武岡が「指導3」で勝利して一矢を報いたが、大将戦は東海大・村尾三四郎が押領司龍星からいずれも大外刈で「技有」「一本」と連取する圧勝。強者で強者を潰すという団体戦のもっとも良い形でこの試合を締めた。最終スコア6-1、東海大は3試合を戦って失点1のみという良いスタッツで準決勝進出決定。

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3回戦、國學院大の大将武岡毅が鹿屋体育大・鎌田樹から大外落「一本」

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準々決勝、東海大の五将山中堅盛が國學院大・井上泰司から裏投「一本」。

【Aブロック1回戦】
関西大 3-0 東北学院大
専修大 2-0 流通経済大
同志社大 4-0 新潟食料農業大
愛知大 3-1 帝京大
鹿屋体育大 4-0 清和大

【Aブロック2回戦】
東海大 6-0 関西大
専修大 5-0 星槎道都大
國學院大 5-0 同志社大
鹿屋体育大 2-1 愛知大

【Aブロック3回戦】
東海大 4-0 専修大
國學院大 2-0 鹿屋体育大

【Aブロック準々決勝】
東海大 6-1 國學院大

■ Bブロック
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2回戦、日本体育大の次鋒井上拓茉が甲南大・青井恵和から内股「技有」。

シード校:日本体育大、日本大

このブロックもシード2校が順当にベスト8入り。

日本体育大、初日の2戦はオーダーを固定。先鋒から順にグランドスラム・バクーで日本代表を務めたばかりの塚本綾(73kg級)、井上拓茉(60kg級)、グリーンカラニ海斗(100kg超級)、大竹龍之助(81kg級)、平山才稀(100kg級)、菅原幸大(90kg級)、森大将(66kg級)というメンバーで布陣した。元気の良い81kg級2年生コンビのうち菅原を1階級上に登録、73kg級から90kg級までの中量級に特に充実が感じられる布陣。2回戦の甲南大戦は塚本の合技「一本」を皮切りに得点を重ね、三将平山が戸田将太に大内刈「一本」で敗れる波乱があったものの、ここから菅原の裏投「一本」、森の合技「一本」で立て直してスコア6-1で勝利決定。3回戦は前戦で早稲田大を2-1で破った山梨学院大とマッチアップ、次鋒井上が山科雄也から挙げた腰車「技有」優勢、中堅大竹が山科良悟からマークした裏投「一本」をテコに2-1で勝利。ぶじ準々決勝進出を決めた。

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2回戦、日本大の三将金野晃大が国際武道大・坂本瑠南から支釣込足「一本」

日本大のスターティングは先鋒から村上優哉(73kg級)、大田原優斗(60kg級)、東部直希(100kg超級)、賀持喜道(81kg級)、金野晃大(100kg級)、北條嘉人(90kg級)、藤本大晴(66kg級)。学生体重別選手権の覇者北條を1階級上に登録したこの布陣で、まず2回戦は国際武道大を5-0で一蹴。五将東部の裏投、中堅賀持の内股、三将金野の支釣込足と中盤の3連続投技「一本」であっさり試合を決めてしまった。続く3回戦は大田原を多田風太にいったん交代、さらに賀持を崎山寛至に、金野を山口貴也に入れ替えて慶応大に対峙。五将東部が藤井崚将から内股「一本」、大将藤本大晴が須永廉也から残り6秒の「指導3」と挙げた得点2つを守ってスコア2-0で勝利決定。チーム全体として爆発力に欠ける印象はあるが、大過なく、実に手堅くベスト8入りを果たした。ここまで2試合で無得点とどこか噛み合わぬ先鋒村上、かつての取り味を感じさせぬまま織茂友多郎と引き分けた三将山口貴也の元気のなさが気にかかるところ。

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残り4秒、日本大の大将北條嘉人が海堀陽弥に左一本背負投。最後は反時計回りに押し込んで「技有」。

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映像チェックの結果合技「一本」が認められ、勝負の行方は代表決定戦に持ち込まれることとなる。

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代表戦、日本大の藤原大晴が日本体育大・森大将から背負投「技有」

【Bブロック準々決勝】
日本大 ①代-1 日本体育大
[先鋒・73kg級]松山葵偉×引分×石原樹
[次鋒・100kg超級]東部直希×引分×グリーンカラニ海斗
[五将・81kg級]賀持喜道×引分×塚本綾
[中堅・60kg級]多田風太△反則[指導3](3:24)〇井上拓茉
[三将・66kg級]藤原大晴×引分×森大将
[副将・100kg級]山口貴也×引分×平山才稀
[大将・90kg級]北條嘉人〇合技[谷落・一本背負投](3:56)△海堀陽弥
[代表・66kg級]藤原大晴〇GS技有・背負投(2:51)△森大将

大砲同士がマッチアップした東部直希―グリーンカラニ海斗の次鋒戦、ともにグランドスラム・バクーで代表を務めた賀持喜道―塚本綾による五将戦という注目対決2試合がいずれも引き分け。双方これぞという取りどころが見え難くなったタイミングで迎えた中堅戦で日体大・井上拓茉が殊勲の「指導3」勝利を挙げる。ビハインドを負った日本大は得点が期待された副将山口貴也が平山才稀に引き分け、日本体育大1点リードのまま試合は大将戦に持ち込まれることとなる。一本勝ちで代表戦に繋ぐ以外に道のなくなった日本大・北條嘉人は激しく追うが、巧みな組み手と柔らかい進退でクロージングを図る海堀陽弥をなかなか捕まえきれない。残り40秒に谷落「技有」を得たが「指導」の積み上げないままあっという間に試合は最終盤。もはや日本体育大の勝利決定かと思われた残り10秒、しかし北條がここで独特のタイミングの左一本背負投に海堀を捕まえる。海堀が右に脱力して抜け落ちていったん動きが止まったかに思われたが、北條はあくまで技を継続、残った左腕を首に巻きつけてごろりと転がし、抜けると見るや右技回転に切り替えて背中を着かせる。「待て」を掛けた主審が映像チェックを要求、この時点で残り時間はわずか4秒。そして両軍べンチ固唾をのむ中主審が「技有」を宣して北條の合技「一本」が確定。日本大がまさに土壇場で追いつき、試合は代表者1名による決定戦に持ち込まれることとなる。

66kg級枠の再現カードとなった代表戦は日本体育大・森大将が巧い組み手を見せ、日本大・藤原大晴にまず首抜きの「指導」1つが与えられる。しかし藤原落ち着いた進退で粘り強く陣地を回復。右相四つの森が引き手で襟を突いてくると支釣込足を合わせて伏せさせ、2分45秒には森に消極的試合姿勢の「指導」。直後の組み際、奮起した森が激しく奥襟を叩く。しかし藤原はアンテナ感度極めて高い状態、このチャンスを見逃さず冷静にこの動作に右背負投を合わせて「技有」。藤原の沈着冷静な試合ぶりが森の大胆さを上回った格好。総合力の高さで上回った日本大が見事ベスト4入りを果たすこととなった。

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3回戦、日本体育大の次鋒井上拓茉が山梨学院大・山科雄也から腰車「技有」

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2回戦、日本大の副将北條嘉人が国際武道大・大森育真から大内刈「技有」

【Bブロック1回戦】
甲南大 4-2 日本文理大
早稲田大 5-1 京都産業大
国際武道大 4-1 仙台大
北陸大 3-0 徳山大
慶應義塾大 ①代-1 近畿大

【Bブロック2回戦】
日本体育大 5-1 甲南大
山梨学院大 2-1 早稲田大
日本大 5-0 国際武道大
慶應義塾大 3-2 北陸大

【Bブロック3回戦】
日本体育大 2-1 山梨学院大
日本大 2-0 慶應義塾大

【Bブロック準々決勝】
日本大 ①代-1 日本体育大

■ Cブロック
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筑波大の次鋒豊島我空が国士舘大・近藤隼斗に右背負投

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見事決め切り「一本」、筑波大が先制点を得る。

シード校:国士舘大、東洋大

上側ブロックは激戦区。初戦(2回戦)で摂南大を7-0で一蹴した国士舘大、面倒な順天堂大に3-0で完勝した筑波大が3回戦で激突することとなった。

【Cブロック3回戦】
国士舘大 ②代-2 筑波大
[先鋒・73kg級]三谷大×引分×湯本祥真
[次鋒・60kg級]近藤隼斗△背負投(0:45)○豊島我空
[五将・100kg超級]斉藤立△優勢[技有・小内巻込]○関根聖隆
[中堅・81kg級]竹市大祐○優勢[技有・小外掛]△日野山剛
[三将・100kg級]金澤聡瑠×引分×長谷川功斉
[副将・90kg級]中西一生×引分×戸髙淳之介
[大将・66kg級]唯野己哲○合技[小外掛・浮技](3:59)△若狭智也
[代表・73kg級]三谷大○反則(GS24:13)△湯本祥真

第1日のベストバウトがこの試合。名のある選手をずらり並べた国士舘大を、筑波大が狙い定めて「殺しに掛かった」一番。試合が動いたのはグランドスラム・バクーで日本代表を務めたばかりの近藤隼斗に、かつて55kg級カテゴリで名を売った豊島我空がマッチアップした次鋒戦。己より重心低い相手にやや戸惑い気味の近藤に対し、肚の決まった豊島は右背負投、左一本背負投、巴投と技を繋いで激しい先制攻撃。近藤体勢を立て直そうと左出足払を放つが豊島は両足で踏ん張ったまま受け止めると、その戻りに合わせて素早く右背負投に滑り込む。エントリーは低く、膝を伸ばした投げは大きく、思い切り放たれたこの一撃に近藤はさからえずあっという間に1回転、背中から畳に埋まって45秒文句なしの「一本」。会心の投げに豊島は拳を思わず握りしめ、近藤は天井を仰いだままガックリ。強烈な一撃で筑波大が先制。

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五将戦、筑波大の関根聖隆が斉藤立から左小内巻込「技有」

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関根は自在の進退、一本背負投と小内刈の連携で攻めまくる。

そして続く五将戦。国士舘大絶対のエース斉藤立に、筑波大は敢えて100kg級の曲者・関根聖隆を「階級落ち」で当てる策に出た。この試合は左相四つ、関根はまず左一本背負投で先制攻撃。「待て」が掛かると外れたコンタクトレンズを直すためしばし時間を取るが、この間にも体を揺すり続けて気の逸る斉藤の心の乱れを見逃さない。続く展開、引き手で襟を掴み、釣り手を手先で争いながら座り込みの左一本背負投一撃。斉藤が踏ん張るとすばやく振り向いて左小内刈に連絡、刈り足を絡めたまま体を浴びせ49秒「技有」を得る。こうなれば畳上は関根の空間。寄っては離れ、離れては寄り、両手で組んでは片手を交換し、殿戦こそ我がフィールドとばかりに斉藤を翻弄する。関根が左一本背負投を2連発した1分18秒には斉藤に消極的試合姿勢の「指導」。関根の左一本背負投を斉藤が揺るがず受け止めるようになった中盤戦は斉藤側の「指導」奪取もあり得る流れも見え始めたが、2分44秒に関根が放った左一本背負投に体を屈してしまい、ここで展開はリセット。少なくとも斉藤の本戦4分以内での「指導3」奪取の可能性はほぼ潰え、逆にここで2つ目の「指導」が宣される。残り時間が20秒を過ぎると関根もはや組み合わず、手先でタッチするのみで離れることを繰り返す。このまま「技有」優勢で関根の勝利が決まった。これでスコアは2-0、筑波大は相手方のポイントゲッターから連続得点というこれ以上ない展開。一方の国士舘大は2点取るはずのエース2枚がいずれも失点、差し引きのダメージは「4」。これで試合が終わっても文句の言えないレベルの大損害である。斉藤は投げられた場面で左膝を負傷したか足を引きずって退場。これで少なくとも、今大会以後の出場はなくなった。

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竹市大祐が日野山剛から小外掛「技有」

続く中堅戦は竹市大祐が左、筑波大・日野山剛が右組みのケンカ四つ。竹市釣り手一本の攻防から僅かに袖を持つなり前技フェイントを入れての左小外掛で早々に「技有」確保。しかし以降は日野山の巧みな組み手と強気の進退を前にほとんどチャンスが作れない。これという技は残り25秒に放った右襟を両手で握っての左背負投一発に留まり、このまま本戦4分が終了。「技有」優勢で国士舘が1点を返す。三将戦は金澤聡瑠が相四つの長谷川功斉と圧の掛け合い。しかし金澤はいざ組み手で有利に立っても圧を掛けるのみで具体的な技がなく、チームのリードを念頭に手堅く戦う長谷川を崩すには至らない。互いに「指導」1つを失ったのみでこの試合は引き分けとなる。そして副将戦、国士舘はポイントゲッター中西一生も1年生の強者戸髙淳之介にチャンスを作れぬまま引き分け。戸髙は中西の担ぎ技を良く心得ており、組み手の完成に時間が掛かるケンカ四つという関係も利して手堅く進退。中盤巴投の掛け潰れから抑え込まれる場面もあったが冷静に4秒で脱出し、強者中西を相手に仕事を果たし切った。

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唯野己哲はリスクを割り切って思い切った勝負、若狭智也から右小外掛「技有」

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残り1秒、唯野の浮技が決まって2つ目の「技有」

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土壇場での同点劇に国士舘大ベンチは沸く。

スコア2-1のまま迎える大将戦は「一本」で代表戦に持ち込む以外に道のない国士舘大・唯野己哲が右、逆に一本負けさえしなければチームの勝利を決められる若狭智也が左組みのケンカ四つ。唯野の背負投を若狭が潰して「横三角」で攻めた序盤の攻防からは試合が動く気配は漂わず、率直にいって引き分けの気配濃厚。唯野このままではならじと釣り手で背中を掴んでの接近戦を挑むと、若狭巴投に掛け潰れて59秒偽装攻撃の「指導」。これに手ごたえを得た唯野は以後徹底して「抱き勝負」を挑む。もちろん引き手はなかなか持てないが、それでも片手の釣込腰に大腰、小外掛と大きな技を連発。若狭一時陣地を譲るが、しかし徐々に慣れ始めたか2分55秒に唯野が放った「韓国背負い」は完全に見切って引きずり、続いて自ら大きく巴投を仕掛けて大枠危なげなし。残り時間は1分、展望決して明るくない唯野はしかし諦めない。ここは破れが必要な場面とリスクを割り切り、残り40秒で抱きつきながらの右小外掛から思い切って体を捨てて勝負に出る。若狭倒れながらも振り返して両者同体に近い形で落ちるが、主審は唯野のアドバンテージを見極めて「技有」を宣告。どうしても一本勝ちが欲しい唯野あと1つの「技有」を求めて激しく前に出るもしかし若狭はその技を潰し、両足の巴投に飛び込み、冷静に時計の針を進め続ける。唯野の「モラエイ」様の攻撃を若狭がいなし、「待て」が掛かったところで残り時間は僅か4秒。誰もがこのままの試合終了、筑波大の内容差での勝利を確信した。しかし走って開始線に戻った唯野は「はじめ」が掛かるなり突進。背中を抱いて押し込み、若狭が思わず下がると大きく一歩追いかけながら時計回りの浮技に飛び込む。これまで右前隅への前技、そして左後隅への後技にいずれもしっかり対応して来た若狭だがこの発想のジャンプにはついていけず。理合ピタリの一撃に左足を抑えられたまま剛体となって左前隅に転がる。背中の接地は残り1秒、そしてタイマー0秒で主審が「技有」を宣告する。まさしく土壇場の合技「一本」で国士舘大が追いつき、スコア2-2のタイで本戦7試合が終了。勝負の行方は代表決定戦に委ねられることとなった。

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代表戦、三谷大は湯本祥真にあらゆる局面で圧を掛け続ける。

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三谷が右大外刈から突進、直後主審が試合を止める。

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湯本に「指導3」、24分13秒の激戦は三谷の勝利に終わった。

抽選の結果73kg級枠の再戦となった代表決定戦は国士舘大の三谷大、筑波大の湯本祥真ともに右組みの相四つ。湯本は全日本学生体重別選手権66kg級で3位になったばかりの強者だが、様相は一貫して三谷やや優位。三谷は階級落ちの湯本に対して力押しの方針を堅持。掛け急いで軽々に「際」を作っては技の切れる湯本を利するとばかりにまず組み合って繋がり、圧を掛ける時間を増やして体格のアドバンテージを最大限に生かす作戦に出る。単に圧を掛けるのではなく組み手争いのさなかも常に足元を蹴り崩しながら前進、組んでは圧力とまたしても足技というこの「丁寧な力押し」とでもいうべき戦型をGS延長戦で、それも階級が上の選手に徹底されると相手はきつい。そしてただでさえ湯本の技は切れ味ベース、圧を受けながらではどうしても技が軽くなる。三谷は湯本の技をジャストミートさせないまま後の先を狙い、機を見ては小外刈に大外刈で崩し、鎮める場面では敢えて双方の動きを殺し、あらゆる局面で圧を擦り込み続ける。湯本は技一発の威力をテコに抗し続けるがどうしても散発の印象は否めず、そしてたとえ相手を崩しても無理やり被さってこない三谷の前に身体能力を生かした「瞬間芸」を見せることも難しい。湯本の技一発、そして三谷の優位を取り続けるが決して「決め」の段階での無理はしないというこの構図から勝負は長期戦となり、試合時間はついに20分を超える。20分過ぎからはともにがっぷり組み合う消耗の激しい形が増えるが、双方隙をなかなか見せず、そして互いに機を見て繰り出す技の矛も収めず。そして双方が「指導」2つを失って迎えた24分13秒、三谷がひときわ鋭く右大外刈。受けた相手の足が大きく上がると見るや勝負どころとみたか腰を突っ込むようにして激しくケンケンで前進。湯本は落ち際に身を捩じってなんとかポイントを逃れるが、主審はここで合議を招集。湯本に消極的試合姿勢の「指導3」を宣し、ついに試合が終わった。端から試合が長くなることを覚悟して力と圧力、そして間断ない足技と戦型を定めた三谷の冷静さ、そしてこれを24分の長時間にわたってやりぬいたタフネスぶりは見事だった。2019年のこの大会、東海大との決勝戦でやはり代表戦を引き、11分45秒の激戦の末に敗れた経験を持つ三谷。あの悔しさを晴らさんとの意地が溢れる一番だった。

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2回戦、100kg級枠で出場した関根聖隆が順天堂大・多田昌人から一本背負投「一本」。次戦の大一番に向けて準備はしっかり整っていた。

国士舘大の粘り勝ち。しかしこの試合でより印象的だったのは筑波大の恐ろしさの方だった。選手個々の強さはもちろんだが、学生優勝大会準決勝の同カードでも圧勝を演出したベンチワークの良さがなんといっても光った。重心の低い豊島起用で戦型定まらぬ近藤の入りを狙い撃ちした60kg枠はもちろんのこと、敢えて階級落ち選手を送り込んだ100kg超級枠の関根起用にはひときわ凄みが漂う。離れた位置から片手でも大外刈・背負投・小内巻込を連携させて攻めまくる関根の柔道が団体戦向きであることは誰もが知るところだが、関根は今季一貫して不調。体のバランスがとり切れず、生命線の機動力も落ちて「大技で大技を繋ぐ」本来の柔道を貫くことが難しくなり、かつてほどのモチベーションの高さも感じられなくなっていた。起用自体を躊躇ってもおかしくない状況であったはず。ただし、体重155キロ、マトが大きく機動力にも欠ける斉藤は関根の柔道が最も噛み合うタイプ。この組み合わせであれば現状でも特徴が十分発揮できる。さらに言えば、関根は舞台が大きければ大きいほど燃えるタイプ。相手はグランドスラム・バクーに優勝したばかりで推薦枠での全日本選手権出場も決定、パリ五輪のホープとして日本中から注目を集めるスター候補斉藤立。この一番は今季の不調をただ1試合で「チャラ」に出来る、間違いなく人の記憶に刻まれる試合だ。しかもタイプ的には明らかに自分の柔道が噛み合う大型選手。ここまで状況が揃えば関根が力を出せないわけがないと踏んだのだろう。技術的な相性に選手の性格、全てを弁えたオーダーであったと言える。巨大戦力の国士舘を「殺す」にあたって、そしてハイスコアゲーム志向が難しい自軍の戦力事情にあって、相手のポイントゲッター2枚を刺すという狙いの定め方もまことに恐ろしい。戦線の凹みを突くのではなく急所だけを狙い、まさに死命を制した。論理的には、勝利して然るべきは筑波大の側であったと言える。

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大仕事を果たした4年生・三谷大をねぎらうチームメイト。

一方の国士舘大は大将唯野と代表三谷の奇跡的な頑張りに救われた試合であった。前衛のポイントゲッター2枚で2失点、大将戦の残り0秒でなんとか追いつくも抽選で引いた代表戦がレギュラー(田中)を欠く枠。字面だけ見ればこれは敗戦シナリオ以外の何物でもない。ここで踏ん張れる選手を育てていたという育成力の勝利とも、代表戦に特別な思いを持つ4年生三谷の登場という「引き」の運があったとも、ここまで悪い状況でも土俵に残るだけの巨大戦力があったとも解釈することが出来るが、戦略的には負け試合である。前述の関根起用に関しては、筑波大の超級戦力を考えれば十分読める範囲であったはず。抱きまくる、そしてケンカ四つが得手で階級が下の相手を「包む」ことに長け、かつ取りに来る相手には滅法強い高橋翼を継続起用すればここは1点確実だったのではないか。斉藤のスケール感であれば十分取り切れると踏んだということであろうが、実際には関根の先手柔道に明確な対処の引き出しないまま投げられ、希望のないまま試合を終えている。起用の根拠に足るだけの技術的な引き出しが選手になかった。勝利という結果は得たが、チームとしては高く評価することの難しい一番であった。

左膝を負傷した斉藤はこの大会以後は出場不可、16日後に控える全日本選手権の出場も危うくなった。

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3回戦、帝京科学大の先鋒鈴村亜矢瀬が坂本航輝から腰車「技有」

大混戦ブロックとなった逆側の山からは帝京科学大がベスト8に名乗り。1回戦で皇學館大に3-2で競り勝つと、2回戦は大阪体育大に5-1で圧勝。シード校東洋大との3回戦は先鋒鈴村亜矢瀬が坂本航輝から打点低い右腰車で「技有」を奪って先制。ここから試合は取り合いとなって2-2の内容差ビハインドで副将戦を迎えることとなったが、ここからまず橋本健太が兼藤仁士から隅返「一本」、大将幸田郎が松村士から小内巻込「一本」と2連勝。スコア4-2で準々決勝進出を決めた。

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五将戦、田中優大が菊池岳から小内刈「技有」

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近藤隼斗が「やぐら投げ」から内股に繋ぎ、「技有」

【Cブロック準々決勝】
国士舘大 4-0 帝京科学大
[先鋒・73kg級]髙橋慧〇袈裟固(1:14)△吉寶武蔵
[次鋒・100kg超級]髙橋翼×引分×仲南央斗
[五将・81kg級]田中優大〇合技[小内刈・背負投](2:41)△菊池岳
[中堅・60kg級]近藤隼斗〇合技[内股・背負投](2:32)△出口嘉人
[三将・66kg級]唯野己哲×引分×幸田朗
[副将・100kg級]金澤聡瑠〇払腰(0:38)△加藤涼真
[大将・90kg級]中西一生×引分×橋本健太

激戦から一夜明けた準々決勝は躍進帝京科学大を国士舘大が一蹴。前日の疲労を考慮してか三谷大をいったん休ませた73kg級枠で髙橋慧が期待に応えて一本勝ち。次鋒高橋翼は獲り切れず引き分けたが、ここから着々と点を上積み。最終スコア4-0で問題なくベスト4入りを決めた。

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2回戦、国士舘大の先鋒三谷大が摂南大・西村拳から三角絞「一本」

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2回戦、国士舘大の三将金澤聡瑠が摂南大・松田虎次郎から体落「一本」

【Cブロック1回戦】
摂南大 4-1 松山大
順天堂大 ①代-1 福岡大
帝京平成大 3-1 龍谷大
大阪体育大 6-0 北海学園大
帝京科学大 3-2 皇學館大

【Cブロック2回戦】
国士舘大 7-0 摂南大
筑波大 3-0 順天堂大
東洋大 4-1 帝京平成大
帝京科学大 5-1 大阪体育大

【Cブロック3回戦】
国士舘大 ②代-2 筑波大
帝京科学大 4-2 東洋大

【Cブロック準々決勝】
国士舘大 4-0 帝京科学大

■ Dブロック
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2回戦、天理大の先鋒勝部翔が中京大・平瀬慶太から背負投「技有」

シード校:天理大、明治大

上側の山からは天理大が無失点でベスト8入り。このシリーズ1度も出場のない中野寛太はやはり登録からも外れており、スターティングは先鋒から勝部翔(73kg級)、横田将也(60kg級)、山本亮太(100kg超級)、中村洸澄(81kg級)、植岡虎太郎(100kg級)、新井涼平(90kg級)、水戸大生(66kg級)。このメンバーで2回戦は中京大を5-0と一蹴。81kg級枠を山村陸人に入れ替えた3回戦の桐蔭横浜大戦も6-0の圧勝で大過なくベスト8入りを決めた。今大会のポイントゲッターは先日の全日本学生体重別73kg級3位の勝部翔と、100kg級優勝の植岡虎太郎。勝部はこの2試合いずれも背負投を2度決めての合技「一本」、植岡は徹底警戒を縫って背負投「技有」優勢に、小内刈「技有」優勢と、ともに2連勝で悪くない立ち上がり。

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3回戦、明治大の副将藤鷹裕大が小竹守から内股「一本」。明治大はここから3連勝で中央大を突き放した。

下側の山からは明治大が順当に準々決勝進出を決めた。初戦のオーダーは先鋒から岩井涼真(73kg級)、末松賢(60kg級)、長岡季空(100kg超級)、河村充(81kg級)、藤鷹裕大(100kg級)、森健心(90kg級)、光岡岳人(66kg級)。末松、藤鷹、森という軸を初戦から出動させたこのオーダーで2回戦は札幌大を6-0で一蹴。3回戦は大幅にオーダーを入れ替え、先鋒から平野龍也、関本賢太、羽田野竜輝、大西陸斗、藤鷹、森、佐藤大知という配列で布陣。この中央大戦は次鋒関本の背負投「一本」で先制も五将羽田野が長谷川碧を相手に引き分け、続く中堅大西が村松孝紀に裏投「一本」で星を落として4戦消化時点でスコアは1-1のタイ。しかし三将藤鷹が小竹守から挙げた内股「一本」をきっかけに後衛が3連勝。スコアを4-1まで伸ばしてぶじベスト8に駒を進めることとなった。

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三将戦、「技有」ビハインドの佐藤大知が竹内龍生から隅返「技有」

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そのまま抑え込んで合技「一本」。明治大は貴重な勝ち越し点を得る。

【Dブロック準々決勝】
明治大 2-1 天理大
[先鋒・73kg級]岩井涼真〇送襟絞(0:44)△勝部翔
[次鋒・100kg超級]羽田野竜輝△優勢[技有]〇酒井晃輝
[五将・81kg級]平野龍也×引分×中村洸登
[中堅・60kg級]末松賢×引分×古志侑樹
[三将・66kg級]佐藤大知〇合技[隅返・横四方固](3:15)△竹内龍生
[副将・100kg級]藤鷹裕大×引分×植岡虎太郎
[大将・90kg級]森健心×引分×新井涼平

明治大は岩井涼真が天理大のポイントゲッター勝部翔を送襟絞「一本」で下す強烈な先制パンチ。この「一本」1つを土台に以後は終始優位に試合を運ぶこととなる。次鋒戦は取り役を担うべき羽田野竜輝が酒井晃輝に大内刈「技有」優勢で敗れやや勢いを減じさせてしまったが、以後の2戦を引き分けて試合はスコア1-1、明治大リードのまま三将戦へと繋がれる。この66kg級枠の一番が試合全体の分水嶺、短い時間に勝運激しく両軍の間を行き来する激戦となった。開始1分すぎに天理大・竹内龍生が左小内巻込「技有」でリードしたが、佐藤大知はこれで肚が決まったか以後はケンカ四つの相手の背を抱き、体の力を直接伝える戦型にシフト。徐々に展開を取り戻し、残り1分に差し掛かるところでは寝技で縺れたところから一時横四方固に抑え込むところまで陣地を回復する。これは4秒で「解けた」となったが直後の展開にこの流れが結実。佐藤は釣り手で後帯をガッチリ握ると腰を低く構えて「引っ張り合い」に持ち込み、相手を固定すると身を翻して思い切った隅返一撃。相手の頭を低く、腰は高く。竹内手を着いて耐えんとするが佐藤は浮技に連絡して横に払い落し、起死回生の「技有」奪取。そのままがっちり横四方固に抑え込んで3分15秒合技「一本」で逆転勝ちを決めた。天理大のリードはこの試合内の僅か2分余のみ。スコア2-1、明治大が再び1点をリードする。

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藤鷹が左内股で先制攻撃。

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植岡虎太郎が得意の右背負投も藤鷹はしっかり防いで動ぜず。

明治大は「一本」2つ、天理大は「技有」1つ。勝利しないとその時点で敗退が決まってしまう天理大はここで100kg級の全日本学生王者植岡虎太郎が登場。明治大もこのポジションには東京学生大会を全試合一本勝ちで制した藤鷹裕大を配しており、この副将戦のエース対決が勝敗を分ける天王山となった。この試合は植岡が右、藤鷹が左組みのケンカ四つ。藤鷹は試合が始まるなり左内股に右一本背負投と連発する強烈な先制攻撃。これでやや出遅れた格好の植岡は体幹の強い藤鷹の圧を受けてなかなか自分の形が作れない。藤鷹は自軍リードの背景を意識してか手堅い試合ぶり、植岡は釣り手を効かせられず、2分過ぎに繰り出した右背負投も背筋を伸ばした藤鷹に振り戻されてポイントの予感は漂わない。一方の藤鷹の内股も芯を食うところまでは至らず、双方の防御が攻撃力の上を行く恰好であっという間に時間が過ぎ去る。そして双方ポイントなしのまま4分間が終了、湧きかえる明治大ベンチをよそに、植岡は頭を抱えて己を責める。「引き分け」が宣されたここで明治大の勝利が決定。最終戦は森健心が新井涼平ときっちり引き分け、スコア2-1で明治大が準決勝進出を決めることとなった。

結果決まった準決勝カードは、

東海大 ― 日本大
国士舘大 ― 明治大

の2試合となった。

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2回戦、天理大の大将水戸大生が中京大・西山遥人から小外刈「一本」

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2回戦、明治大の副将藤鷹裕大が札幌大・笹原真聖から小外掛「技有」

【Dブロック1回戦】
中京大 3-1 駒澤大
桐蔭横浜大 1-0 法政大
岡山商科大 3-0 福岡教育大
札幌大 4-1 上武大
中央大 5-1 金沢学院大
弘前大 2-0 大阪産業大

【Dブロック2回戦】
天理大 5-0 中京大
桐蔭横浜大 2-1 岡山商科大
明治大 6-0 札幌大
中央大 7-0 弘前大

【Dブロック3回戦】
天理大 6-0 桐蔭横浜大
明治大 4-1 中央大

【Dブロック準々決勝】
明治大 2-1 天理大

※ eJudoメルマガ版12月8日掲載記事より転載・編集しています。

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