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【レポート】高橋瑠璃が学生王座獲得、決勝のV候補対決は中原爽に完勝/2021年度全日本学生柔道体重別選手権大会女子78kg超級レポート

(2021年12月7日)

※ eJudoメルマガ版12月5日掲載記事より転載・編集しています。
高橋瑠璃が学生王座獲得、決勝のV候補対決は中原爽に完勝
2021年度全日本学生柔道体重別選手権大会(女子37回)78kg超級レポート
日時:2021(令和3)年11月25日
会場:千葉ポートアリーナ(千葉市)

取材・文:小林大悟/eJudo編集部
写真:辺見真也/eJudo編集部

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2回戦、髙橋瑠璃が松澤佑栞を体落で攻める

【決勝まで】

髙橋瑠璃(山梨学院大)と中原爽(福岡大)、優勝候補と目されていた両者が順当に決勝に勝ち上がった。

髙橋は2回戦から登場すると松澤佑栞(東海大)と対戦。小兵ながら組み手が巧く足技が切れる相手に苦戦するが、サイズ差を生かしてじっくりと戦い、GS4分22秒に「指導3」を得て勝ち抜ける。続く準々決勝は髙山紗楓(環太平洋大)に3分8秒、払巻込と崩袈裟固の合技「一本」で勝利してベスト4入り。準決勝では佐藤果(淑徳大)と「指導2」を取り合ってGS延長戦へと縺れ込むが、得意の体落を軸に攻め続け、GS1分12秒に消極的姿勢の「指導3」を得て勝ち抜け。派手さはないものの髙橋らしい堅実な試合運びで決勝進出を決めた。

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準決勝、中原爽が米川明穂を内股で攻める

一方の中原は1回戦で坂爪優渚(国際武道大)を1分45秒の上四方固「一本」で下して大会をスタート。2回戦では全日本学生優勝大会3人制で皇學館大優勝の原動力となった実力者・上林山未来(皇學館大)をまったく相手にせず、3分34秒、大内刈と支釣込足の合技「一本」で退ける。続く準々決勝では、吉峰芙母絵(近畿大)の巻き込みによる先手攻撃に手を焼くが、最後はGS3分41秒、相手が巻き込み伏せようとしたところに先んじて足を差し入れ、低空の内股「技有」で勝負を決める。準決勝の相手は米川明穂(筑波大)。この試合はケンカ四つの相手に釣り手を深く入れる度に内側の技で大きく崩される苦しい展開となるが、それでも果敢に前に出て攻め続け、GS6分30秒に消極的試合姿勢の「指導3」を得て勝利。サイズと地力、そして何より気持ちの強さを前面に押し出した柔道で決勝の畳に辿り着いた。

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髙橋瑠璃が中原爽から体落「技有」

【決勝】

髙橋瑠璃(山梨学院大)○合技[体落・崩袈裟固](1:10)△中原爽(福岡大)
髙橋が左、中原が右組みのケンカ四つ。髙橋は下から釣り手を持って相手の上体を上げるように体で押し込み、一方の中原は上から圧を掛けて対抗。この圧力勝負は組み手の技術に勝る髙橋に軍配が上がり、中原はじりじりと場外際へ。ここで中原が押し出されながら右内股を放つと、髙橋これを鋭く透かす。ポイントにこそならなかったが、中原の巨体が腹這いで勢い良く畳に落ちて「待て」。ここまで19秒。さらに続く展開の42秒、中原が浅く右内股を放つと、髙橋は再びこれに透かしを狙って、攻めたはずの中原が危機を迎える恰好で「待て」。ここまでの展開は組み手、圧、読み合いとすべて髙橋が優位。この流れで迎えた1分間際、髙橋は組み手争いで相手を押し込みながら釣り手で上から圧、引き手で袖口付近を持つ良い形を作ると、思い切り左体落に飛び込む。組み手争いから瞬時に形を作った一撃に中原は反応が間に合わず、相手の腋下に釣り手が挟まれたままバンザイに近い体勢で崩落。ごろりと転がり落ちて「技有」。寝技巧者の髙橋は余分な動作をせず、投げ終わりの形のまま崩袈裟固で10秒間を抑え切り1分10秒、合技「一本」。第1シードの髙橋が周囲の徹底マークを掻い潜り、みごと優勝を果たした。

髙橋は2週間前の全日本学生優勝大会準決勝、1点を追いかける大将戦で中原と対戦し、引き分けている。この時は優位とは決して言い難い内容であったが、2週間できっちり修正。今回は展開を取り、投げて、抑える完勝であった。これまでとは少々印象異なる、ターゲットに定めた選手に対する対応力の高さや戦略性の高さ、ハードルを乗り越える精神力の強さを示した一番だった。

成績上位者と髙橋のコメント、準々決勝以降の結果は下記。

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78kg超級優勝の髙橋瑠璃(左)、2位の中原爽。

【成績上位者】
(エントリー23名)
優 勝:髙橋瑠璃(山梨学院大)
準優勝:中原爽(福岡大)
第三位:佐藤果(淑徳大)、米川明穂(筑波大)

髙橋瑠璃選手のコメント
「一昨年はこの大会の決勝で負け。今日の優勝はひときわ嬉しい。皆に感謝したいです。この間の団体戦では後悔が残ったので、今日は戦い切れることが出来て良かった。ただ今日はなかなか思い通りにはいかず、決勝の相手の中原さんに対しても少し怖い気持ちがありました。70kg級の多田選手が優勝してバトンを繋いでくれたことが良かった。勇気を貰いました次は体重別団体でどれだけ勝利に貢献できるかを考えます。」

【準々決勝】
髙橋瑠璃(山梨学院大)○合技[払巻込・崩袈裟固](3:08)△髙山紗楓(環太平洋大)
佐藤果(淑徳大)○合技[払巻込・崩袈裟固](1:12)△伊藤まりあ(大阪体育大)
中原爽(福岡大)○GS技有・内股(GS3:41)△吉峰芙母絵(近畿大)
米川明穂(筑波大)○GS内股(GS2:15)△竹村安生(近畿大)

【準決勝】
髙橋瑠璃○GS反則[指導3](GS1:12)△佐藤果
中原爽○GS反則[指導3](GS6:30)△米川明穂

【決勝】
髙橋瑠璃○合技[体落・崩袈裟固](1:10)△中原爽

※ eJudoメルマガ版12月5日掲載記事より転載・編集しています。

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