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【レポート】渡邉聖子が決勝で立川桃にリベンジ、豪快「一本」で初優勝決める/2021年度全日本学生柔道体重別選手権大会女子63kg級レポート

(2021年12月7日)

※ eJudoメルマガ版12月7日掲載記事より転載・編集しています。
【レポート】渡邉聖子が決勝で立川桃にリベンジ、豪快「一本」で初優勝決める
2021年度全日本学生柔道体重別選手権大会(女子37回)63kg級レポート
日時:2021(令和3)年11月26日
会場:千葉ポートアリーナ(千葉市)

取材・文:原輝地/eJudo編集部
写真:辺見真也/eJudo編集部

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準々決勝、渡邉聖子は厳しい組み手と足技で杵渕萌を封殺。

【決勝まで】

決勝進出者は渡邉聖子(帝京大4年)と立川桃(東海大3年)、2019年大会で決勝を争ったV候補2名が順当に決勝まで勝ち上がった。

第1シードの渡邉は、地力の高さと組み手の巧さを生かしたヒットアンドアウェイ戦法を徹底。持てば蹴り崩し、組まれれば切るという行動律を踏み外さず、2回戦で野間陽(環太平洋大)に1分50秒の「指導3」反則、3回戦で都留麻瑞(筑波大)にGS23秒の「指導3」反則、準々決勝で杵渕萌(東海大)にGS1分58秒の「指導3」反則、準決勝で神田澄香(帝京科学大)にGS56秒の「指導3」反則と、「指導3」での勝利を4試合続けて決勝に勝ち上がった。内容は地味ながら、都留に杵渕と全日本学生優勝大会で良い柔道を見せていた強者2人にほとんど何もさせないまま勝利しており、調子はかなり良い様子。

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準々決勝、立川桃が山口葵良梨から大内刈「一本」

前回大会王者の立川も持ち味の地力と組み手、堅実な試合運びを生かしての勝ち上がり。初戦(2回戦)から高校時代に2度敗れている勝部桃(龍谷大)と顔を合わせる厳しい組み合わせだったが、この試合はGS延長戦28秒の大内刈「技有」で突破。続く3回戦は原口茜(福岡大)に裏投「技有」の優勢で勝利する。以降はインターハイ王者との連戦。準々決勝ではまず山口葵良梨(国士舘大)を相手にGS延長戦16秒大内刈「一本」で勝利。低空で刈り、上体のコントロールを効かせて思い切り乗り上げる豪快な一撃だった。続く準決勝では担ぎ技タイプの組み手巧者、しぶとさが売りの嘉重春樺(環太平洋大)とマッチアップ。両者が積極的に投げを狙ったこの試合はあわやポイントかという場面が幾度も生まれる緊張感のある展開。試合は「指導2」同士で迎えたGS7分38秒、嘉重に消極的姿勢の「指導3」が与えられて決着。立川がぶじ2大会連続の決勝進出を決めることとなった。

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決勝、渡邉は片膝を着いた立川の隙を逃さず、左内股「一本」

【決勝】
渡邉聖子○GS内股(GS0:22)△立川桃
渡邉、立川ともに左組みの相四つ。立川は渡邉に奥襟を叩かれることを警戒、先に引き手で袖を得るとまず片袖の左大外刈、続いて左背負投に低く潜りこんで先手志向で試合を進める。ファーストコンタクトで立川に先手を取られた渡邊、組み手争いは相手の土俵と心得た模様。駆け引きを最小限に引き手を得ると釣り手をクロスに入れ、左大外刈の大技一発。すぐさま展開を取り戻しに掛かる。

以後は互いの組み手が噛み合わず、1分3秒には「取り組まない」咎で「指導」。以後は渡邉が足技で蹴り崩しながら釣り手を振り立てては右大外刈、立川の側は釣り手を抑えて片袖の左背負投に左大内刈と打ち合い、展開は拮抗。1分48秒、渡邉の奥襟に屈する形で頭が下がった立川が左大内刈に掛け潰れて展開を切る。主審これを見逃さず偽装攻撃の咎で立川に2つ目の「指導」。手ごたえを得た渡邉は、その後も立川が最も嫌であろうこの蹴り崩しと奥襟確保のコンビネーションで攻め続けて主導権をがっちり確保。試合はここでGS延長戦へと突入する。

延長戦の開始早々、後のなくなった立川が組み際の左大内刈で勝負に出るが、渡邉の懐の深さに阻まれ不発。立川めげずに今度は引き手で脇を差して密着勝負を選択、組み手と逆に右大腰から右小外掛にぶらさがり「際」の勝負に賭ける。しかし渡邉は冷静、立ったまま受け切って態勢を整えるなり、立川の膝立ち状態を見極めて左内股に打って出る。体勢の高低差を利用し、低く回したこの技に立川抗う術なし。GS延長戦22秒、渡邉の「一本」で試合が終わった。

渡邉、2019年大会決勝の雪辱なる。落ち着いた試合ぶりでみごと初の学生王座を射止めた。

成績上位者と渡邉のコメント、準々決勝以降の結果は下記。

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63kg級優勝の渡邉聖子(左)と2位の立川桃

【成績上位者】
(エントリー32名)
優 勝:渡邉聖子(帝京大)
準優勝:立川桃(東海大)
第三位:神田澄香(帝京科学大)、嘉重春樺(環太平洋大)

渡邉聖子選手のコメント
「一昨年(2019年度大会)は2位で終わって悔しかった。最後のチャンスで必ず学生日本一になるんだと思って大会に臨みました。(―勝因は?)4分間の流れを見極めることを心がけました。相手に攻められる時間帯があっても大丈夫、必ずこちらに流れが来ると自分に言い聞かせて立て直すことが出来ました。今年の6月に右肘の靭帯を切ってしまい、復帰したのが10月でした。稽古が出来ない苦しい時期に下半身のフィジカル強化などこれまでとは違う面で鍛えられた.
チームのサポートをしながら客観的に自分を見る時間が出来たのもプラスになったと思います。立川選手げのリベンジは勿論考えていましたが、まず相手の対策よりも自分らしい柔道を貫くことを考えて試合をしました。結果的にそれが良かったのかなと思います。今後はまず尼崎の全日本学生柔道体重別団体優勝大会で優勝したいです。そのあとの講道館杯で優勝して、国際大会に繋げたいと思います。」

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2回戦、立川桃が勝部桃から大内刈「技有」

【準々決勝】
渡邉聖子(帝京大)○GS反則[指導3](GS1:58)△杵渕萌
神田澄香(帝京科学大)○合技[袖釣込腰・袈裟固](0:52)△新井風花
立川桃(東海大)○GS大内刈(GS0:16)△山口葵良梨
嘉重春樺(環太平洋大)○GS背負投(GS0:46)△高橋瑛美

【準決勝】
渡邉聖子○GS反則[指導3](GS0:56)△神田澄香
立川桃○GS反則[指導3](GS7:38)△嘉重春樺

【決勝】
渡邉聖子○GS内股(GS0:22)△立川桃

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※ eJudoメルマガ版12月7日掲載記事より転載・編集しています。

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