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【レポート】強豪連破、渕田萌生がキャリア初の日本一達成/2021年度全日本学生柔道体重別選手権大会女子57kg級レポート

(2021年12月7日)

※ eJudoメルマガ版12月5日掲載記事より転載・編集しています。
強豪連破、渕田萌生がキャリア初の日本一達成
2021年度全日本学生柔道体重別選手権大会(女子37回)57kg級レポート
日時:2021(令和3)年11月26日
会場:千葉ポートアリーナ(千葉市)

取材・文:原輝地/eJudo編集部
写真:辺見真也/eJudo編集部

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準決勝、込山未菜が丸山佳代から豪快「一本」

【決勝まで】

込山未菜(東海大2年)と渕田萌生(山梨学院大3年)が決勝に勝ち上がった。

込山は持ち味である豪快な投げを次々決めての決勝進出。初戦(2回戦)は佐藤希重(中京大)から開始1分に一本背負投「技有」を先行、そこから2分36秒までに一方的に「指導」3つを押し付けての「指導3」反則で勝利。3回戦では河上友紀(環太平洋大)を1分27秒の裏投「一本」で一蹴すると、準々決勝では大森朱莉(帝京大)をGS52秒の袖釣込腰「技有」で退けてベスト4入りを決める。続く準決勝では丸山佳代(明治国際医療大)をGS2分46秒の釣込腰「一本」で畳に沈め、決勝へと辿り着いた。

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準決勝、渕田萌生が香川瑞希から浮落「技有」

一方の渕田はこの日絶好調。1回戦で岡村美瑛(福岡大)を1分23秒、内股と崩上四方固の合技「一本」で下すと、2回戦では武田優香(龍谷大)を47秒の腕挫十字固「一本」で一蹴。さらに3回戦でも藤井志穂(環太平洋大)を3分45秒、背負投と巴投の合技「一本」で退け、一本勝ちを3試合を続ける抜群の内容でベスト8に勝ち上がる。続く準々決勝は技によるポイントは得られなかったものの、2年生世代のインターハイ王者中水流りり(早稲田大)を相手にしぶとく戦いGS7分9秒の「指導3」反則で勝利。準決勝では優勝候補の香川瑞希(東海大)を畳に迎える。この試合、渕田は55秒に自らの肩車をそのまま被り返されて隅落「技有」を失うが、この状況から3分33秒までに「指導2」を積み、試合終了間際の残り6秒、クロスグリップで密着した状態からの浮落で香川を時計回りに捻じり倒して「技有」を取り返す。投げ終わりの時点で横四方固の形が完成しており、4分6秒、合技「一本」。劇的な逆転で優勝候補を食い、勢いに乗って決勝を迎えることとなる。

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決勝は、先手で技をまとめた渕田に凱歌が上がることとなった。

【決勝】
渕田萌生○GS反則[指導3](GS1:33)△込山未菜
渕田、込山ともに右組みの相四つ。試合は激しい組み手争いからスタート。渕田は引き手で襟を確保すると、釣り手を絞らせたまま両足の巴投に潜り込み大きく込山を浮かせて先制攻撃。続く展開、込山が引き手で襟を握ると、渕田は両手でその引き手を捕まえ先んじて肩車に潜り込む。これは込山が潰して「待て」。ここまでの展開から、しっかり組み手の手順を踏んで得意の袖釣込腰を繰り出せる形を作りたい込山、一方組み手不十分でも先に仕掛けて手数を稼ぐ渕田という構図が見える。互いの意図は噛み合わず、当然ながら攻防も発展性薄く1分14秒には「取り組まない」咎で両者に「指導」。しかし以後もこの構図に則った展開は変わらず。込山は1分35秒に打点高く思い切った左袖釣込腰、2分32秒には渕田の巻き込み潰れを隅落に捉えかけるが、いずれもあと一歩で投げ切れず。渕田が先手を取り続ける形で試合が進み、3分9秒に込山に消極的試合姿勢の咎で2つ目の「指導」。最終盤、込山が思い切った左袖釣込腰。ぶらさがって潰れた渕田を立ったまままま後帯を握って圧し、立って来ぬと見るとこまま寝勝負を決意する。しかし決断いま一歩遅く、「腕緘返し」を狙って右腕を抱えたところで終了ブザー。試合はGS延長戦にもつれ込むこととなる。

延長となっても渕田の攻めのペースは落ちず、奥襟を叩いての右内股、巴投、片襟の右背負投と先んじて技が出る。そして迎えたGS延長戦1分33秒、釣り手で奥襟を得た渕田が右大内刈で攻めたところで主審は試合を止めると、込山に対して消極的の咎による3つ目の「指導」を宣告。渕田が込山得意の袖釣込腰を完封、見事キャリア初の日本一に輝いた。

本戦で潜在的な投げの可能性を濃く漂わせていたのは組み手不十分ながらも大きく袖釣込腰を仕掛け、たびたび後の先の技も決め掛けた込山の側。しかしGS延長戦に渕田が掛けたスパートに出遅れて流れを逸した。常に走り続けながら、GS延長戦に入ってなお一段加速した渕田のタフさが目立った一番だった。

成績上位者と渕田のコメント、準々決勝以降の結果は下記。

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57kg級優勝の渕田萌生(左)と2位の込山未菜

【成績上位者】
(エントリー34名)
優 勝:渕田萌生(山梨学院大)
準優勝:込山未菜(東海大)
第三位:丸山佳代(明治国際医療大)、香川瑞希(東海大)

渕田萌生選手のコメント
「ずっと稽古を重ねてきたが、なかなか結果が出せなかった。今日の優勝はすごく嬉しいです。同じチーム(山梨学院大)の多田純菜(70kg級)と髙橋瑠璃(78kg超級)が初日に優勝して、良いバトンを繋いでくれました。決勝で戦った込山選手は袖釣込腰が上手いのが分かっていたので、しっかり研究してきました。これまでずっと全国大会に出てもベスト8止まりだった。3位の壁を破っただけではなく優勝まで出来て、本当に嬉しいです。」

【準々決勝】
込山未菜(東海大)○GS技有・袖釣込腰(GS0:52)△大森朱莉(帝京大)
丸山佳代(明治国際医療大)○優勢[技有・裏投]△池田海実(早稲田大)
香川瑞希(東海大)○GS袈裟固(GS3:29)△中尾華奈(龍谷大)
渕田萌生(山梨学院大)○GS反則[指導3](GS7:09)△中水流りり(早稲田大)

【準決勝】
込山未菜○GS釣込腰(GS2:46)△丸山佳代
渕田萌生○合技[浮落・横四方固](4:06)△香川瑞希

【決勝】
渕田萌生○GS反則[指導3](GS1:33)△込山未菜

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