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【レポート】激戦ブロック勝ち上がって北條嘉人が優勝、決勝は同学年のライバル竹市大祐に勝利/2021年度全日本学生柔道体重別選手権大会男子81kg級レポート

(2021年12月5日)

※ eJudoメルマガ版12月2日掲載記事より転載・編集しています。
【レポート】激戦ブロック勝ち上がって北條嘉人が優勝、決勝は同学年のライバル竹市大祐に勝利
2021年度全日本学生柔道体重別選手権大会(男子40回)81kg級レポート
日時:2021(令和3)年11月25日
会場:千葉ポートアリーナ(千葉市)

取材・文:古田英毅/eJudo編集部

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準々決勝、竹市大祐が澤口宗志から左背負投「一本」

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準決勝、竹市が安藤稀梧から右背負投「一本」

【決勝まで】

決勝に進んだのは竹市大祐(国士舘大2年)と北條嘉人(日本大2年)。東京地区大会準決勝でも9分を超える熱戦を戦ったばかりの(竹市が小内巻込「一本」で勝利)ライバル同士が、学生日本一を決める畳で再び相まみえることとなった。

高校時代にジュニア以下のタイトルを総なめにしたスター候補・竹市は1回戦からの登場。初戦は林大地(山梨学院大)を左前隅に引き出し、引き出しながら右への肩車というテクニカルな一撃で開始14秒鮮やか「一本」。2回戦は前技フェイントからの左小外掛を押し込み、安田力也(仙台大)から3分6秒「一本」。3回戦は田中翔太(愛知大)を右小内巻込に隅返と立て続けに投げ、2分31秒合技「一本」。対戦相手のレベルが一段上がった準々決勝も澤口宗志(日本体育大)を相手に引き手で袖をガッチリ確保、相手が嫌ったところに左背負投を合わせ、1分14秒会心の「一本」。準決勝も同門の先輩安藤稀梧(国士舘大)をGS延長戦1分19秒右背負投「一本」に仕留め、全試合一本勝ちで決勝に進むこととなった。

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準々決勝、北條嘉人が田中優大から大内刈「技有」

北條は激戦ブロックに配された。まず2回戦、渕田基矢(近畿大)を独特のタイミングの左内股「一本」に沈めると、ここからは強豪と連戦。3回戦では東京地区大会の覇者、この日も早い時間の「一本」を2つ続けている山中堅盛(東海大)と戦うことになる。早くも最大の勝負どころが訪れた格好だが、この試合はGS延長戦50秒の崩袈裟固「一本」で勝ち抜け。ケンカ四つの山中の背中に低く抱き着いて誘い、襲った右小外掛を振り返して伏せさせるとそこから立たせず、綺麗な「袈裟抜き」から深く頭を抱えたまま抑え切った。準々決勝はここまで全試合一本勝ちの田中優大(国士舘大)から2分48秒合技「一本」で勝利。1分35秒、まずゆるりと当て、ここから刈り込むこれも独特のタイミングの左小外刈で「技有」確保。続いて背中を上から叩いての左大内刈で「技有」を得てベスト4入りを決めた。迎えた準決勝はここまで全試合一本勝ち、2週間前の全日本学生優勝大会に続いて絶好調の日野山剛(筑波大)を僅か1分33秒の左大内刈「一本」で退け、決勝進出決定。

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決勝、竹市は引き手の袖をいち早く掴み、組み手争いで優位に立つ。

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竹市は右へ肩車、押しとどめた北條が振り返して「技有」

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縦四方固で抑えて合技「一本」。北條は4度目の対戦でついに竹市を倒した。

【決勝】
北條嘉人○合技[浮落・縦四方固](2:30)△竹市大祐

ともに全試合一本勝ちで迎える大一番は、左組み同士の相四つ。竹市まず引き手を求め、一方的な形で袖を掴む。北條も引き手で袖を掴み返し、攻防は両袖に移行。竹市が釣り手を振りほどき、片襟の左背負投に座り込んだところで「待て」。1分0秒、双方に消極的試合姿勢による「指導」。竹市は引き手の確保が飛び抜けて速い。一呼吸で袖を掴み、あっと言う間に一方的に自分だけが把持する形を作ってしまう。しかし北條は粘り強く対峙、切り、あるいは持たせたまま襟を掴んで片手の左大外刈で流し、時には持ち返して両袖に持ち込み、とあくまで陣地を譲らない。膠着状態が続き、ともに一手目がタッチ出来なくなった1分54秒には双方に取り組まない咎で「指導2」。ともに後がなくなったこの場面で、竹市この試合初めて、釣り手から先に持つ。襟を掴んだまま引き手を絡ませてしばし争うと、低く体を落として釣り手方向への肩車。しかし北條先回りして体を外側に捌き、竹市の頭を潰す。そのまま釣り手で胴を抱え、竹市の伸びあがりに合わせて膝を胴体に突っ込むと、体を押し込みながら左前隅に捩じり倒して浮落「技有」。

乗り込み過ぎて決めの姿勢は不安定だったが、北條はあくまで頭へのプレッシャーを解かず左手で後帯を掴み、反時計回りに体を捌くと横四方固。ここで「抑え込み」の宣告を貰う。竹市が脚を持ち上げて頭を抜くと、体を捩じって来たその動きに合わせて今度は時計回りに飛んで上体を跨ぎ、縦四方固へと繋ぐ。この微妙なバランスの取り合いを制したことで勝負あり、以降竹市は動けず1分30秒合技「一本」。ここで北條の優勝が決まった。

北條、竹市の組み手の変更を素早く感知した勝負勘は見事。本人は「特に読んだというわけではなく、体が勝手に反応した」と語っていたが、明らかに釣り手側への攻撃を予期した動きだった。このあたりは金野潤監督が「言葉で考えるタイプではない」と語る、天才肌ぶりが匂うところ。綱渡りの「際」の連続を譲らず、スタートの優位を最後まで生かして抑え切った寝技も見事だった。

成績上位者と北條のコメント、準々決勝以降の結果は下記。

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81kg級優勝の北條嘉人(左)、2位の竹市大祐。

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2回戦、北條が渕田基矢から左内股「一本」

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3回戦、竹市が田中翔太から小内巻込「技有」

【成績上位者】
(エントリー54名)
優 勝:北條嘉人(日本大)
準優勝:竹市大祐(国士舘大)
第三位:安藤稀梧(国士舘大)、日野山剛(筑波大)

北條嘉人選手のコメント
「優勝は夢だったので嬉しいです。決勝まではずっとギリギリの試合でしたが、勝てて良かった。竹市選手とは4度目の対戦で初勝利。ようやく勝てたな、という感じです。きょうは寝技がポイントになるとずっと意識して戦っていて、決勝ではここ一番のところでその意識が生きたと思います。肩車を返したのは狙ったというわけではなく、『ここかな』という感じで体が勝手に動きました、(―将来の夢は)オリンピックに出てみたいです。(―近い目標は)・・・目標。そうですね、世界の舞台で戦いたいです。」

【準々決勝】
竹市大祐(国士舘大)○背負投(1:14)△澤口宗志(日本体育大)
安藤稀梧(国士舘大)○GS技有・内股(GS0:52)△山口良太(鹿屋体育大)
北條嘉人(日本大)○合技[小外刈・大内刈](2:48)△田中優大(国士舘大)
日野山剛(筑波大)○裏投(1:18)△崔宇辰(東海大)

【準決勝】
竹市大祐○GS背負投(GS1:19)△安藤稀梧
北條嘉人○大内刈(1:33)△日野山剛

【決勝】
北條嘉人○合技[浮落・縦四方固](2:30)△竹市大祐

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