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【プレビュー】アダミアンがツアー3連勝に挑戦、100kg超級はロシア期待の21歳エンドヴィツキーに注目/グランドスラム・アブダビ2021最終日男子プレビュー

(2021年11月27日)

※ eJudoメルマガ版11月27日掲載記事より転載・編集しています。
アダミアンがツアー3連勝に挑戦、100kg超級はロシア期待の21歳エンドヴィツキーに注目/グランドスラム・アブダビ2021最終日男子プレビュー
■ 90kg級 ブダペスト世界選手権2位のボボノフが参戦、対抗馬は因縁の相手シェロフ
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ダヴラト・ボボノフの優勝が既定路線

(エントリー15名)

2021年ブダペスト世界選手権2位、東京五輪3位のダヴラト・ボボノフ(ウズベキスタン)が今大会から戦線に復帰。第1シードに配された。しかしトップ層の出場はこの選手のみ。第2シードのコムロンショフ・ウストピリヨン(タジキスタン)、第3シードのエルラン・シェロフ(キルギスタン)までは有力選手の枠内だが、第4シードになると世界ランク44位、ほぼ無名のフランシスコ・バランタ(コロンビア)までレベルが下がってしまう。ノーシード位置には昨年の欧州ジュニア選手権王者フランシス・ダミエ(フランス)に今年の欧州U23選手権2位のマンスール・ロルサノフ(ロシア)と若手の注目株の姿があるが、常のワールドツアー大会と比べるとレベルの低さは否めない。

優勝候補はもちろんボボノフ。下側の山の準決勝でウストピリヨンとシェロフが戦い、勝者が決勝でボボノフに挑むというのが正シナリオだ。面白いのはシェロフが勝ち上がった場合。シェロフはシニア主要大会のメダル獲得歴こそまだないが、威力ある担ぎ技で度々階級のトップ層に勝利しており、今年のアジア・オセアニア選手権の団体戦ではなんとボボノフを背負投「一本」で破っている。その後は対戦なし、ボボノフにとっては嫌な相手のはず。実力はあくまでもボボノフが数段上だが、このカードが実現すれば勝敗が揺れる可能性も十分にあるだろう。シェロフにとってはワールドツアー初のメダルを獲得して一気に序列を上げる大チャンス。因縁対決の実現に期待だ。

【プールA】
第1シード:ダヴラト・ボボノフ(ウズベキスタン)
第8シード:モハブ・エルナハス(カナダ)

【プールB】
第4シード:フランシスコ・バランタ(コロンビア)
第5シード:アブデラフマネ・ディアオ(セネガル)
有力選手:オーレリアン・ディエス(フランス)、マンスール・ロルサノフ(ロシア)

【プールC】
第2シード:コムロンショフ・ウストピリヨン(タジキスタン)
第7シード:ジョン・ジェイン(アメリカ)

【プールD】
第3シード:エルラン・シェロフ(キルギスタン)
第6シード:ハリソン・キャッサー(オーストラリア)
有力選手:フランシス・ダミエ(フランス)

■ 100kg級 アダミアンのツアー3連勝なるか、最大のライバルは大巨人ツロボエフ
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アルマン・アダミアンがツアー3連勝に挑む

(エントリー13名)

第1シードは9月のグランプリ・ザグレブ、10月のグランドスラム・パリと2連勝中のアルマン・アダミアン(ロシア)。以下、第2シードに東京五輪5位のシャディー・エルナハス(カナダ)、第3シードに2019年東京世界選手権3位のマイケル・コレル(オランダ)、第4シードに今年の欧州選手権王者のトマ・ニキフォロフ(ベルギー)と、Aシード位置にはいずれも世界大会メダルクラスの実力者が座った。これだけでも豪華なのだが、さらに超長身選手のムザファルベク・ツロボエフ(ウズベキスタン)に一本背負投のスペシャリストのアレクサンドル・イディー(フランス)、今年の欧州ジュニア選手権王者のマトヴェイ・カニコフスキー(ロシア)らが味のある役者がずらり、魅力的なトーナメントだ。

形上の優勝候補は第1シードのアダミアン。しかし、上記の有力選手たちと絶対と言えるほどの力の差はなく、当日のコンディションや組み合わせの妙で誰が優勝してもおかしくない。アダミアンが連勝を3に伸ばしてパリ五輪レース序盤戦の牽引役というもっかの立ち位置を来年まで繋ぐのか、それとも東京五輪前の群雄割拠の状況に戻るのか。階級の層の厚さを考慮すれば遅かれ早かれ混戦状態となるのは間違いないが、現在世界ランク1位、国内にニイアズ・イリアソフ(ロシア)という強力なライバルの居るアダミアンにとっては今後の3年間に大きく影響する重要な戦いだ。
今回の出場者の中でアダミアンにとってもっとも怖いのは恐らくツロボエフ。2メートル超の長身から文脈を無視して左右に強烈な投げを打ってくる。両者が対戦するだろう準決勝は激戦必死の好カードだ。

【プールA】
第1シード:アルマン・アダミアン(ロシア)
第8シード:マティアス・マドセン(デンマーク)

【プールB】
第4シード:トマ・ニキフォロフ(ベルギー)
第5シード:ムザファルベク・ツロボエフ(ウズベキスタン)
有力選手:ファルク・ペテルシルカ(ドイツ)

【プールC】
第2シード:シャディー・エルナハス(カナダ)
第7シード:トーマス・ブリセノ(チリ)

【プールD】
第3シード:マイケル・コレル(オランダ)
第6シード:アレクサンドル・イディー(フランス)
有力選手:マトヴェイ・カニコフスキー(ロシア)

■ 100kg超級 ロシア期待のエンドヴィツキーがワールドツアー初参戦
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期待の21歳ヴァレリー・エンドヴィツキー

(エントリー17名)

第1シードのテムル・ラヒモフ(タジキスタン)を筆頭にトーナメントの中心はマルティ・プーマライネン(フィンランド)、ヴラダト・シミオネスク(ルーマニア)らワールドツアーではお馴染みのメンバー。国内の団体戦でテディ・リネール(フランス)に勝利したのをきっかけにプチブレイク中のジョセフ・テヘック(フランス)、そして国内のファンにとってはお馴染みの天理大所属オドフー・ツェツェンツェンゲル(モンゴル)など個性的な役者が揃っている。世界大会メダルクラスのスーパートップの出場はないが、レベル云々を超えて、純粋に見ていて楽しいトーナメントだ。

最大トピックはロシア期待の大器ヴァレリー・エンドヴィツキー(ロシア)のワールドツアー初参戦。現在21歳の長身選手、今月初めの欧州U-23選手権では、ゲラ・ザアリシヴィリ(ジョージア)を豪快な大外刈「一本」で屠り、決勝ではシプーツ・リハールト(ハンガリー)を出足払「技有」で退けて優勝を飾っている。今大会のメンバーはこのエンドヴィツキーの実力測定のために準備されたかのよう、難易度実に適切だ。今月頭のグランドスラム・バクーとは第1シードが同じラヒモフで全体のレベルも似通っており、本人、そしてロシアの強化陣も同大会で鮮烈なワールドツアーデビューを飾った斉藤立(国士舘大2年)の存在を強く意識しているはずだ。果たしてシニア選手を相手にどこまで戦えるのか、そして斉藤以上の強烈な印象を残すことはできるのか。初戦からその戦いに注目だ。

【プールA】
第1シード:テムル・ラヒモフ(タジキスタン)
第8シード:イェフヘニー・バリエフスキー(ウクライナ)

【プールB】
第4シード:マルティ・プーマライネン(フィンランド)
第5シード:オドフー・ツェツェンツェンゲル(モンゴル)

【プールC】
第2シード:ヴラダト・シミオネスク(ルーマニア)
第7シード:マルク・デシェンス(カナダ)

【プールD】
第3シード:ムバグニク・ンジャイ(セネガル)
第6シード:ジョセフ・テヘック(フランス)
有力選手:ヴァレリー・エンドヴィツキー(ロシア)

※ eJudoメルマガ版11月27日掲載記事より転載・編集しています。

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