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【プレビュー】注目は52kg級1回戦、「出戻り」五輪王者クラスニキに坪根菜々子が挑戦/グランドスラム・バクー2021第1日女子プレビュー(48kg級、52kg級、57kg級)

(2021年11月5日)

※ eJudoメルマガ版11月4日掲載記事より転載・編集しています。
注目は52kg級1回戦、「出戻り」五輪王者クラスニキに坪根菜々子が挑戦
グランドスラム・バクー2021第1日女子プレビュー(48kg級、52kg級、57kg級)
→グランドスラム・バクー2021日本代表選手
→グランドスラム・バクー2021組み合わせ

■ 48kg級 階級変えた立川莉奈が国際大会デビュー
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立川莉奈。48kg級転向後これが初めての国際大会。

(エントリー11名)

トップ層の参加はなし。唯一「上位陣」と言える東京五輪5位のシラ・リショニー(イスラエル)が第1シードに座り、以降はサビーナ・ギリアゾワ(ロシア)、ガンバータル・ナランツェツェグ(モンゴル)、アイシャ・グルバヌリ(アゼルバイジャン)とワールドツアーの常連選手3名がAシードに配された。グルバヌリは明らかに一段力が落ちるので、ガンバータルまでの3名に日本代表の立川莉奈(福岡県警察)を加えたところまでが優勝争いの圏内だ。

立川はもと52kg級の実力者。48kg級としての初陣となった昨秋の講道館杯では、後にブダペスト世界選手権を制する角田夏実(了徳寺大職)を初戦で破ってみごと優勝を飾っている。今大会は48kg級選手としての国際大会デビュー戦。組み合わせは準々決勝でギリアゾワ、準決勝でガンバータル、決勝でリショニーとこれぞの選手全員と戦わねばならない過酷なものだが、レベル自体は日本代表ならば勝って当然の相手ばかり。目指す結果は優勝のみだ。

【プールA】
第1シード:シラ・リショニー(イスラエル)
第8シード:ダリア・ピチュカレワ(ロシア)

【プールB】
第4シード:アイシャ・グルバヌリ(アゼルバイジャン)
第5シード:カタリナ・タンツェル(オーストリア)

【プールC】
第2シード:サビーナ・ギリアゾワ(ロシア)
第7シード:ナタリー・コレイン(ドイツ)
日本代表選手:立川莉奈(福岡県警察)

【プールD】
第3シード:ガンバータル・ナランツェツェグ(モンゴル)
第6シード:ラファエラ・バティスタ(ブラジル)

■ 52kg級 好役者参加の注目階級、坪根菜々子とクラスニキが初戦で激突
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48kg級の五輪金メダリスト、ディストリア・クラスニキが52kg級に「出戻り」

(エントリー12名)

優勝候補は第7シードに配された東京五輪48kg級金メダリストのディストリア・クラスニキ(コソボ)。ここに第1シードで東京五輪銅メダリストのチェルシー・ジャイルス(イギリス)、第2シードで同5位のプップ・レカ(ハンガリー)、そして日本代表の坪根菜々子(福岡大4年)が加わり、非常に見応えのあるトーナメントが組まれた。ほか、9月のグランプリ・ザグレブ優勝のアンバル・リヘル(ベルギー)、ビシュレルト・ホルロードイ(モンゴル)などワールドツアーの常連組も名を連ねており、優勝の難易度はハイシーズンに行われる真正の「グランドスラム」レベルにあると言っていい。

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4月の選抜体重別を制した坪根菜々子

日本代表の坪根は初戦でなんとクラスニキと対戦、これがトーナメント全体を通じて最大の見どころだ。クラスニキはもともと52kg級のトップ選手。昨年2月のグランドスラム・パリでは調整出場ながら52kg級に参戦、志々目愛(了徳寺大職)やオデット・ジュッフリダ(イタリア)ら並み居る強豪を破り、全試合一本勝ち(「指導3」反則含む)で優勝を攫っている。この来歴に鑑みるに、恐らく現時点でも地力はクラスニキの方が坪根よりも上。クラスニキの怪力に対してどのようなアプローチで挑むのか、坪根のプランニング、そして戦いぶりに期待だ。

なお、かつてのクラスニキの階級変更(52kg級→48kg級)はもともと同国のマイリンダ・ケルメンディ(コソボ)との競合を避けてのもの。そのケルメンディが現役を引退したいま、階級を上げてこのまま52kg級で戦い続ける可能性も高い。今後の52kg級シーンを占うという意味でも、クラスニキの戦いぶりから目が離せない。

【プールA】
第1シード:チェルシー・ジャイルス(イギリス)
第8シード:リリーア・ヌガエワ(ロシア)

【プールB】
第4シード:ビシュレルト・ホルロードイ(モンゴル)
第5シード:アナスタシア・ポリカルボワ(ロシア)

【プールC】
第2シード:プップ ・レカ(ハンガリー)
第7シード:ディストリア・クラスニキ(コソボ)
日本代表選手:坪根菜々子(福岡大4年)

【プールD】
第3シード:アンバル・リヘウ(ベルギー)
第6シード:アニカ・ヴルフェル(ドイツ)

■ 57kg級 玉置桃と柴田里帆が初戦で対決、ドーピング違反から復帰のシウバにも注目
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玉置桃。ブダペスト世界選手権では決勝まで進んだ。

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昨年の講道館杯を制して国際大会進出の柴田理帆。

(エントリー10名)

今年6月のブダペスト世界選手権銀メダリストの玉置桃(三井住友海上)が第1シード。この選手とドーピング違反による謹慎明けの2016年リオデジャネイロ五輪金メダリストのラファエラ・シウバ(ブラジル)が優勝争いの軸だ。ここに昨年の講道館杯王者の柴田理帆(JR東日本)、グランドスラム・パリ2位のカロリーネ・フリッツェ(ドイツ)も加わり、出場者僅か10名の小規模トーナメントながら優勝難度、注目度は非常に高い。

日本代表の玉置と柴田は揃ってプールAに配されてしまい、玉置にとっての初戦(準々決勝)で対戦することとなる。シウバが復帰直後で調子が読めない以上、この試合がそのまま事実上の決勝になる可能性も高い。もちろん日本のファンにとってはこの階級の最注目カードだ。組み際の先手攻撃、連続攻撃が売りの玉置と、組み合って投げを狙うオーソドックススタイルの柴田では、相性的な優位は玉置の側にあるはず。勝敗予想としては玉置を推さざるを得ない。柴田としては相手の組み手に付き合わずに早い段階で組んでしまい、一発のチャンスを窺いたいところ。10月のグランドスラム・パリでは国内3番手の舟久保遥香(三井住友海上)が素晴らしい内容で優勝を飾っており、どちらも絶対に負けられない状況。熱戦に期待したい。

なお、シウバは前述のとおり出場停止が解けたばかりでその出来、現時点の力が読み難い。果たしてパリ五輪でもメダルを狙えるだけの力を維持しているのか。52kg級のクラスニキと同様、シウバの出来は57kg級全体の今後を占う一大トピック。その戦いぶりに注目せざるを得ない。山場は準決勝のフリッツェ戦。この選手はザグレブ大会、パリ大会と連続でメダルを獲得している21歳の有望株。投げ一発に威力があり、柔道自体が非常に魅力的な選手だ。シウバがこの旬の選手を乗り越えられるか。非常に楽しみなカードである。

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ラファエラ・シウバの出来に世界の注目が集まる。

【プールA】
第1シード:玉置桃(三井住友海上)
第8シード:ラグワトゴー・エンフリーレン(モンゴル)
日本代表選手:柴田理帆(JR東日本)

【プールB】
第4シード:ジェシカ・ペレイラ(ブラジル)
第5シード:マリア・ホルグイン(アメリカ)

【プールC】
第2シード:ミナ・リベール(ベルギー)
第7シード:ムンフツェデフ・イチンホルロー(アゼルバイジャン)
有力選手:ラファエラ・シウバ(ブラジル)

【プールD】
第3シード:カロリーネ・フリッツェ(ドイツ)
第6シード:パウリーヌ・シュタルケ(ドイツ)

※ eJudoメルマガ版11月4日掲載記事より転載・編集しています。

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