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【プレビュー】グリガラシヴィリにスラマニゼ、今年もジョージアが本気の派遣敢行/欧州U-23柔道選手権オーバービュー

(2021年11月5日)

※ eJudoメルマガ版11月5日掲載記事より転載・編集しています。
グリガラシヴィリにスラマニゼ、今年もジョージアが本気の派遣敢行
欧州U-23柔道選手権オーバービュー
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ブダペスト世界選手権2位、東京五輪でも5位のタト・グリガラシヴィリは「こちら」を選んだ。

日本ではグランドスラム・バクーが注目を集めているが、実はまったく同じ日程で、欧州U-23選手権(5日~7日、ハンガリー・ブダペスト)も開催される。ワールドツアーが爛熟する中、若手の登竜門として近年とみにその存在感を増しているEJU(European Judo Union)主催のビッグイベントである。

昨年は81kg級でタト・グリガラシヴィリ(ジョージア)、90kg級でルカ・マイスラゼ(ジョージア)が優勝。100kg超級ではシプーツ・リハールト(ハンガリー・2連覇)とゲラ・ザアリシヴィリ(ジョージア)が決勝を争い、73kg級決勝カードはヴィクトル・ステルプ(モルドバ)とマフマドベク・マフマドベコフ(ロシア)だった。一昨年度大会の優勝者からは女子57kg級のエテリ・リパルテリアニ(ジョージア)や同63kg級のオズバス・ソフィ(ハンガリー)、男子66kg級のムラド・チョパノフ(ロシア)やもっかツアーで主役級を張る選手が続々輩出されており、ワールドツアーウォッチャーにとってはチェック必須の大会である。

今年度大会は、またもやジョージアが本気の派遣を敢行。若手が充実し過ぎてもはや「余る」状態であるはずだが、81kg級になんと目玉中の目玉・グリガラシヴィリを入れて来た。GSバクー同時開催にも関わらずこの大会の連覇を優先した格好。まだ五輪ポイントレースは始まっておらず、であればランキングポイントよりも欧州タイトルという「名誉」を取るということか。ジョージアは100kg級にイリア・スラマニゼ、100kg超級にはゲラ・ザアリシヴィリを入れており、今回もまことに厚い陣容。この100kg超級には3連覇を狙う地元シブーツもエントリー、さらに世界ジュニア選手権を制したサバ・イナネエイシヴィリ(ジョージア)に柔道に大物感あふれるヴァレリー・エンドヴィツキー(ロシア)らも加わってレベル極めて高し。女子は57kg級のエテリ・リパルテリアニ(ジョージア)と48kg級のアンドレア・ストヤディノフ(セルビア)の姿がひときわ目立つ。63kg級では2度目の優勝を狙うオズバスが第1シードに座った。

大会ウォッチの目安として、各階級の様相を下記に一言ずつまとめさせていただいた。バクーとの被りがまことに惜しいが、たとえ事後のアーカイブ映像であっても十分楽しめる大会だと思う。来年以降のワールドツアー視聴の豊かさが増すこと、間違いなし。ぜひご視聴をお薦めする。

■ 男子
【60kg級】
第1シードはワールドツアーでも活躍しているミフラジ・アックス(トルコ)。第2シードには2連覇を狙う昨年大会の覇者、2019年世界ジュニア選手権王者のコンスタンティン・シメオニディス(ロシア)が配されており、この2名が優勝争いの軸。いずれも豪快な投げ技が売りの好選手。決勝での投げの打ち合いに期待したい。

【66kg級】
先月のグランドスラム・パリで3位のオーランド・カゾラ(フランス)や2019年グランプリ・トビリシ2位のギオルギ・ツタシヴィリ(ジョージア)が出場しているものの、ワールドツアーの上位で活躍するような有力選手の出場はなし。混戦。

【73kg級】
ワールドツアーでも気風の良い柔道で存在感を示しているペトル・ペリヴァン(モルドバ)が優勝候補の第一。ここに2020年欧州ジュニア選手権王者のアルメン・アガイアン(ロシア)と同2位のハムザト・アフマロフ(ロシア)、今年のグランドスラム・トビリシ3位のアレコ・マミアシヴィリ(ジョージア)らが挑む。

【81kg級】
今年6月のブダペスト世界選手権銀メダリスト、昨年に続く2連覇を狙うタト・グリガラシヴィリ(ジョージア)が唯一絶対の優勝候補。ほかにも2019年世界ジュニア選手権王者のウラジミール・アハルカツィ(ジョージア)、同大会73kg級2位のゲオルギー・エルバキエフ(ロシア)、ジャコモ・ガンバ(イタリア)、ベネデク・トート(ハンガリー)、ゼリム・テカエフ(アゼルバイジャン)、ライカイ・ロベルト(ハンガリー)、ティジ・ニャミアン(フランス)ら力のある選手が多く参加している。優勝争いという点では(ジョージア選手同士の特殊な磁場に狂わされない限り)グリガラシヴィリで間違いないが、以降は混戦。

【90kg級】
2019年世界ジュニア選手権2位のグーズ・ローランド(ハンガリー)が第1シード。今年の欧州ジュニア選手権王者のニカ・ハラジシヴィリ(ジョージア)、昨年大会2位のエクブジョン・ナジロフ(ロシア)、欧州ジュニアカテゴリ上位常連のマンスール・ロルサノフ(ロシア)らがれに続く。Aシード選手のアレクシス・マチュー(フランス)、アレックス・クレット(ルーマニア)、スタニスラフ・グンチェンコ(ウクライナ)らも前述の優勝候補に伍する力を持っており、大枠としては混戦と規定して良いだろう。

【100kg級】
今年6月のブダペスト世界選手権3位のイリア・スラマニゼ(ジョージア)が第1シード、もちろん優勝候補の筆頭。挑む力があるのは、第2シードで同じくシニアで活躍するメルト・シスマンラル(トルコ)と、そこから一段力は落ちるが第3シードのヴェグ・ジョンボル(ハンガリー)。シスマンラルとジョンボルがスラマニゼへの挑戦権を賭けて戦う準決勝がみものだ。

【100kg超級】
本大会最大の注目階級。第1シードにゲラ・ザアリシビリ(ジョージア)がエントリー。ここにそのライバルで同大会2連覇中のシプーツ・リハールト(ハンガリー)、そのシプーツに勝利して今年の世界ジュニア選手権を制したサバ・イナネエイシヴィリ(ジョージア)、素材の良さは随一の長身選手ヴァレリー・エンドヴィツキー(ロシア)と、実に魅力的な3名の有望株が加わった。この4名全員が優勝候補。実績ではザアリシヴィリが一歩リードも実力は拮抗していると予想され、誰が優勝してもおかしくない。いずれもこれからパリまでの3年間で主役級の活躍が期待される逸材。その戦いに大注目だ。

【48kg級】
昨年のシニア欧州選手権2位のアンドレア・ストヤディノフ(セルビア)が第1シード。ほかにシニアで活躍している選手はおらず、圧勝が濃厚。勝ちぶりに注目したい。

【52kg級】
絶対的な優勝候補がいない。Aシード配置のナオミ・ファンクレフェル(オランダ)、マシャ・バルハウス(ドイツ)、マルティーナ・カスタグノーラ(イタリア)、ナデダ・ペトロヴィッチ(セルビア)の4名に、今年の世界ジュニア選手権3位のエルザ・ムミノヴィッチ(コソボ)を加えたところまでが優勝争いの圏内。

【57kg級】
第1シードのエテリ・リパルテリアニ(ジョージア)と第2シードのマリツァ・ペリシッチ(セルビア)、すでにシニアでも世界大会のメダルを狙うレベルの2名が優勝争いの軸。ここに昨年王者のプレウニ・コルネリッセ(オランダ)、同3位のヴェラ・ゼマノワ(チェコ)、9月のグランプリ・ザグレブ5位のフラカ・ロクサ(コソボ)を含めた5名がメダル候補。

【63kg級】
2019年世界ジュニア選手権王者、シニアでも経験豊富なオズバス・ソフィ(ハンガリー)が第1シード、もちろん優勝争いの一番手。このオズバスにアンジェリカ・シマンスカ(ポーランド)、ラウラ・ファズリウ(コソボ)、アニャ・オブラドヴィッチ(セルビア)の3名が挑む構図。実績では今年6月のブダペスト世界選手権で3位を獲得しているオブラドヴィッチが一段抜けているが、実力的に大きな差はないと見る。

【70kg級】
シニアで実績のある選手は皆無。誰が優勝してもおかしくない。

【78kg級】
シニアで活躍する選手は2019年東京世界選手権5位のパトリシア・サンパイオ(ポルトガル)のみ。第1シードに配されたこの選手に伍するような相手はおらず、大きなアクシデントがない限り優勝極めて濃厚。

【78kg超級】
昨年大会王者のラウラ・フュゾー(フランス)が優勝候補の第一。ここに2019年世界ジュニア選手権2位のダリア・ウラディミロワ(ロシア)と今年の世界ジュニア選手権3位、同大会でレア・フォンテーヌ(フランス)に勝利したヒラル・オズツルク(トルコ)が挑む。実力的にはフュゾーの優勝が堅いと予想されるが、オズツルクの巨体を活かした豪快な巻き込み技は要注目。

※ eJudoメルマガ版11月5日掲載記事より転載・編集しています。

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