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【レポート】団体と2冠達成、創志学園のエース石岡来望が大会席捲/第70回インターハイ柔道競技女子70kg級レポート

(2021年11月3日)

※ eJudoメルマガ版11月3日掲載記事より転載・編集しています。
団体と2冠達成、創志学園のエース石岡来望が大会席捲
第70回インターハイ柔道競技女子70kg級レポート
日時:2021年8月12日
会場:長野市真島総合スポーツアリーナ(ホワイトリング)

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2回戦、石岡来望が鈴木ひかりに左背負投、押し込んで乗り込み「技有」

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準決勝、石岡が辻ななるから左背負投「技有」

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3回戦、森静玖が杉野美涼から左内股で2つ目の「技有」。森は4試合連続で一本勝ちをマークした。

【決勝まで】

全国高校選手権63kg級の覇者、団体戦でもエースとして母校を初優勝に導いた石岡来望(岡山・創志学園高)がこの日も躍動。順当に決勝に駒を進めた。

初戦は相手の欠場による不戦勝ちだったが、以降は「秒殺」を連発。2回戦は鈴木ひかり(秋田・秋田商高)を2度目のコンタクトで片付け、僅か33秒左背負投と崩上四方固の合技「一本」で快勝。3回戦も相澤愛佳(群馬・前橋育英高)を開始51秒崩袈裟固「一本」で退け、山場と目された全国高校選手権無差別ベスト8・大森恵花(東京・渋谷教育学園高)との準々決勝もあっという間の決着。僅か38秒、左袖釣込腰と袈裟固の合技「一本」でまさに一蹴。ここまでの3試合をすべて1分掛からず決めるという圧倒的な強さ。準決勝は3年生世代の全国中学校大会王者・辻ななる(石川・津幡高)を相手に、両手で右襟を掴んだ左背負投一撃。逆側に逃れようとした相手をそのまま抜け落し、押し込んで制して49秒「技有」を得、このポイントを守り切って危なげなく決勝進出を決めた。

もう1人のファイナリストは大物の呼び声高い1年生、団体戦でもレギュラーとして準優勝に貢献した森静玖(佐賀・佐賀商高)。こちらも素晴らしい勝ち上がりを見せた。1回戦は澤田心花(高知・岡豊高)を開始30秒の内股「一本」に斬り落とす快勝。2回戦は柴田麻紗陽(富山・高岡第一高)からまず左内股「技有」、続いて相手の左背負投を押し込み返して隅落で2つ目の「技有」を奪って2分12秒合技「一本」に仕留める。3回戦は杉野美涼(鳥取・倉吉北高)を1分44秒の間に2度左内股で高々投げつけての合技「一本」、続く準々決勝は堺田莉央(大分・大分西高)を1分12秒隅落と袈裟固の合技「一本」とここまで4試合連続、それもすべて早い時間での一本勝ち。準決勝は全国高校選手権無差別ベスト8の渡邊菜月(大阪・東大阪大敬愛高)をGS延長戦46秒「指導3」で下して、1年生にして決勝の畳に辿り着く快挙を成し遂げた。

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決勝、石岡が左袖釣込腰。

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背負投様に引き落とし、「一本」。

【決勝】
石岡来望(岡山・創志学園高)○GS袖釣込腰(GS1:56)△森静玖(佐賀・佐賀商高)

石岡、森ともに左組みの相四つ。動きながら担ぎ技を仕掛けてペースを握りたい石岡と、組み止めて勝負をしたい森という構図。大枠としては組み手の巧い石岡が先に引き手を得て優位に立ち、絞り合いから引き落としての寝技に、担ぎ技の連続攻撃でペースを握る。しかし森も数少ないチャンスに的確に技を打ち返し、決定的な差は作らせない。組み手の攻防で試合が膠着した1分19秒と2分35秒に、両者に取り組まないとして「指導」が与えられ、「指導2」対「指導2」のタイスコアで勝負はGS延長戦へ。

延長戦に入ると、石岡がギアを一段上げて加速。引き手を持つなり片袖の左背負投で相手を抜き落とし、ローリングからの抑え込みを狙う。ギリギリのバランスの取り合いの中で足が抜け掛かるも、これは森が凌ぎきりGS31秒「待て」。以降も石岡が左体落に左背負投と連発して、相手を畳に這わせる展開が続く。森が時折打ち返すも、ほぼ一方的な石岡ペース。そして迎えたGS1分56秒、石岡は両袖の形を作ると、低く左袖釣込腰に潜り込む。理合はほぼ背負投、抜くようにして縦回転に引き落とすと、立ったまま耐えていた森は頭から落下。石岡もはや決めるのみと体で押し込んで「一本」となる。ここで石岡の優勝が決まった。

石岡は全国高校選手権個人、今大会団体戦に続いての優勝。今季行われた高校全国大会すべてのカテゴリで頂点に立つという「完全制覇」を成し遂げた。

団体戦優勝を牽引したのはスコア的にも内容的にも、間違いなく石岡。令和3年度大会は「石岡の大会」であったと規定してもいいだろう。インターハイ史上に特筆せらるべき、大活躍であった。

入賞者と石岡のコメント、準々決勝以降の結果は下記。全試合結果は記録ページを参照のこと。

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70kg級を制した石岡来望。今季は団体戦を含む高校カテゴリの全国大会すべてで優勝を飾った。

【入賞者】
(エントリー48名)
優 勝:石岡来望(岡山・創志学園高)
準優勝:森静玖(佐賀・佐賀商高)
第三位:渡邊菜月(大阪・東大阪大敬愛高)、辻ななる(石川・津幡高)
第五位:堺田莉央(大分・大分西高)、髙橋瑠奈(宮城・東北高)、川嶋海来(滋賀・比叡山高)、大森恵花(東京・渋谷教育学園高)

石岡来望選手のコメント
「団体戦は『みんなで獲った』という感覚がありましたが、個人戦はまだ勝った実感がないです。階級を上げて、その上で圧倒的に勝つことを目標にしてきましたので、自信はありました。自分は中学3年のときに全国大会で負けて、悔しいというよりも無力感が強く、どうしていいかわからなかった。そのときに佐野先生が声を掛けて下さって、古賀先生という凄い先生のもとで教えてもらえるとも話して下さり、もう一度日本一になろうと思うことが出来た。団体と個人の両方で優勝することで初めて古賀(稔彦)先生に恩返し出来ると思って頑張って来て、そのおかげで勝てたと思っています。目の前で後輩の荒川が優勝して自分も絶対やってやろうとあらためて気合いが入りました。(―階級を上げたのは団体戦のためだと話していました) パワーもついて、体で当たり負けしなくなったことで『攻め切る』こと、超攻撃的な柔道を貫けるようになった。それが良かったと思います。(―参考にしている選手はいますか) 技術面は阿部一二三が選手が好きで参考にしているのですが、人間としては古賀ひより先輩。常に声を出して引っ張っているし、まわりを引きつける力がある。こういうキャプテンになりたいなと思ってやって来ました。(―今後について)まだまだシニアで勝っていけるようになるには力が足りない。まずそこを追い求めたい。最終的には、オリンピックで優勝したいです。」

【準々決勝】
森静玖(佐賀・佐賀商高)○合技(1:12)△堺田莉央(大分・大分西高)
渡邊菜月(大阪・東大阪大敬愛高)○GS僅差(GS3:17)△髙橋瑠奈(宮城・東北高)
辻ななる(石川・津幡高)○GS僅差(GS3:54)△川嶋海来(滋賀・比叡山高)
石岡来望(岡山・創志学園高)○合技(0:38)△大森恵花(東京・渋谷教育学園高)

【準決勝】
森静玖(佐賀・佐賀商高)○GS反則[指導3](GS0:46)△渡邊菜月(大阪・東大阪大敬愛高)
石岡来望(岡山・創志学園高)○優勢[技有]△辻ななる(石川・津幡高)

【決勝】
石岡来望(岡山・創志学園高)○GS袖釣込腰(GS1:56)△森静玖(佐賀・佐賀商高)

※ eJudoメルマガ版11月3日掲載記事より転載・編集しています。

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