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【レポート】安枝風香が優勝、荒れたトーナメント得意の寝技で鎮める/第70回インターハイ柔道競技女子52kg級レポート

(2021年10月29日)

※ eJudoメルマガ版10月27日掲載記事より転載・編集しています。
安枝風香が優勝、荒れたトーナメント得意の寝技で鎮める
第70回インターハイ柔道競技女子52kg級レポート
日時:2021年8月11日(水)
会場:長野市真島総合スポーツアリーナ(ホワイトリング)

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3回戦、横山美幸が横田ひかりに右背負投を押し込む。映像チェックの結果「技有」が宣された。

【決勝まで】

優勝候補と目された強豪が早い段階で脱落。3月の全国高校選手権を制した新井心彩(埼玉・埼玉栄高)は2回戦で永田彩乃(大分・柳ヶ浦高)に「技有」優勢で苦杯。同大会2位の2019年全国中学校大会を圧勝、今大会が高校カテゴリの全国大会デビューとなる横田ひかり(長野・佐久長聖高)は横山美幸(愛知・大成高)のしぶとい柔道をクリアする引き出しが足りず、右背負投「技有」を失って3回戦敗退に終わった。

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準決勝、安枝風香が横山美幸から小外刈「技有」。

決勝に進んだのは安枝風香(京都・京都文教高)と落合倖(広島・市立沼田高)。

安枝は全国高校選手権では初戦敗退、今回はダークホース的存在。1回戦は平乙葉(山形・羽黒高)を59秒合技「一本」で下す好滑り出し。2回戦は小林美結(群馬・前橋育英高)を1分22秒横四方固「一本」、3回戦は久岡萌生(愛媛・新田高)を1分56秒右袖釣込腰と横四方固の合技「一本」、そして準々決勝は永田彩乃をGS1分42秒横四方固「一本」で下してベスト4入り。準決勝は横山美幸からGS延長戦13秒右小外刈「技有」を奪って勝利。新井に勝った永田、横田に勝った横山と大物を食った選手を立て続けに食って運気を取り込み、背負う「力」の量をも上げた印象。力強い柔道で決勝まで辿り着いた。

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3回戦、落合倖が川上梨奈から巴投「技有」

落合は全国高校選手権で3位入賞の強者。1回戦は不戦勝ち、初戦となった2回戦は濵岡あかり(千葉・八千代高)をGS延長戦3分39秒送襟絞「一本」に下し、3回戦は川上梨奈(滋賀・比叡山高)を両足で巧みにコントロールした巴投「技有」の優勢で退ける。準々決勝は福永葉子(宮崎・宮崎日大高)からGS延長戦1分28秒これも両足の巴投で「技有」を奪って勝利し、勝負どころと目された準決勝は全国高校選手権3位の山下葵生(兵庫・武庫川大附高)からGS延長戦1分4秒、相手に背を抱かせた状態から思い切りの良い右大内刈で「技有」を奪って決勝進出を決めた。

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安枝が「腹包み」から崩袈裟固に抑え込み、盤石の「一本」

【決勝】
安枝風香(京都・京都文教高)○崩袈裟固(1:57)△落合倖(広島・市立沼田高)

安枝、落合ともに右組みの相四つ。いずれも担ぎ技を軸に組み立てんと試み、相手の袖を絞り合う形で試合が進む。どちらも釣り手で十分な位置を持てない中、試合の主導権は、この状態からでも両袖の袖釣込腰がある安枝の側が取ることとなる。52秒には右袖釣込腰から右大内刈に連絡して畳に這わせ、この技を軸に攻め続ける。一方の落合はなかなか釣り手で襟を得られず、得意の右背負投を仕掛けられない。試合が折り返しに差し掛かった1分20秒、手詰まりになった落合が不十分な右一本背負投で伏せると、寝技の巧者・安枝はこれを逃さない。「腹包み」から相手を乗り越えて捲り、いわゆる「舟久保固め」でがっちりと抑え込む。宣告時点での形は不十分であったが、相手の動きに合わせて徐々に拘束を強め、1分57秒、崩袈裟固(「舟久保固め」の正式な決まり技名称)「一本」。

安枝、初の全国制覇なる。荒れたトーナメントを寝技で鎮めて5戦4一本勝ち。王者の名を得るにふさわしい戦いぶりだった。

入賞者と安枝のコメント、準々決勝以降の結果は下記。全試合結果は記録ページを参照のこと。

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優勝した安枝風香

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3回戦、川上梨奈をガッチリ抑え込む。

【入賞者】
(エントリー48名)
優 勝:安枝風香(京都・京都文教高)
準優勝:落合倖(広島・市立沼田高)
第三位:山下葵生(兵庫・武庫川大附高)、横山美幸(愛知・大成高)
第五位:福永葉子(宮崎・宮崎日大高)、岡元優樹(福岡・敬愛高)、宇井柚葵(佐賀・佐賀商高)、永田彩乃(大分・柳ヶ浦高)

安枝風香選手のコメント
「まだそんなに実感が湧いてなくて。あまり嬉しいという感じがないです(笑)。大会前は、入賞目指して1戦1戦全力で戦うというのが目標。ここまで勝ち上がれるとは思いませんでした。(―手ごたえを感じたのは?)3試合目が終わって、調子が良い、いけるのでは、と思いました。自分の柔道が出来ていて、ポイントも取れていた。(―決勝を振り返って) 寝技ではいけると思っていたので、寝技に入るチャンスをどう作っていくかを考えながら戦いました。(―得意な形、得意な技は?)引き込んでからの寝技には自信があります。得意な技はレスリングの『腕三角』に近い形です。(―オリンピックを見て?) 阿部詩さんが好きなのですが、決勝で自分と同じような技を使っていた。こういうレベルの高い選手でも使う技なんだ、と自信になりました。(―今後の目標は?)次は国体があるので、そこでしっかり勝てるようにしたい。」

【準々決勝】
落合倖(広島・市立沼田高)○GS技有(GS1:28)△福永葉子(宮崎・宮崎日大高)
山下葵生(兵庫・武庫川大附高)○GS技有(GS0:51)△岡元優樹(福岡・敬愛高)
横山美幸(愛知・大成高)○GS技有(GS0:42)△宇井柚葵(佐賀・佐賀商高)
安枝風香(京都・京都文教高)○GS横四方固(GS1:42)△永田彩乃(大分・柳ヶ浦高)

【準決勝】
落合倖(広島・市立沼田高)○GS技有(GS1:04)△山下葵生(兵庫・武庫川大附高)
安枝風香(京都・京都文教高)○GS技有(GS0:13)△横山美幸(愛知・大成高)

【決勝】
安枝風香(京都・京都文教高)○崩袈裟固(1:57)△落合倖(広島・市立沼田高)

※ eJudoメルマガ版10月27日掲載記事より転載・編集しています。

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