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【プレビュー】グランドスラム・パリ2021最終日女子3階級プレビュー

(2021年10月17日)

※ eJudoメルマガ版10月15日掲載記事より転載・編集しています。
グランドスラム・パリ2021最終日女子3階級プレビュー
(70kg級、78kg級、78kg超級)
■ 70kg級 世界王者マティッチ参戦、大野陽子と新添左季は準々決勝で潰し合い
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大野陽子

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選抜体重別を制した新添左季

(エントリー13名)

第1シードは6月のブダペスト世界選手権王者のバルバラ・マティッチ(クロアチア)。日本からも同2位の大野陽子(コマツ)と新添左季(自衛隊体育学校)が送り込まれ、少人数ながらもレベルの高いトーナメントが組まれた。

優勝争いの軸は大野と新添。マティッチは東京五輪での戦いぶりを見る限り、ブダペスト大会での出来はあくまで当日限定の「確変」の範疇と見なすべきだろう。日本勢2名はともにプールCに配されており、準々決勝(大野にとっては初戦)で早くも激突することになる。両者が最後に対戦したのは昨年2月のグランドスラム・パリの決勝。その際は大野が右一本背負投「一本」で勝利している。この結果、そして過去の対戦の様相から考えても、組み手と圧力で勝る大野に分があるはずだ。ただし新添は昨年来組み手の技術を明らかに上げており、選抜体重別を見る限り、昨年の前半とはこの点もはや別人と評しても良い域に達している。加えて最近の大野は攻めが単調になる傾向が強まっており、仮に大野の猪突猛進を新添が自らの技に変換するような展開になれば、これまでの力関係が逆転する可能性もある。いずれにしても激戦は必至。国内のこの階級は東京五輪金メダリストの新井千鶴(三井住友海上)が引退し、現在1番手の座は空席となっている。ここにどちらが収まってパリ五輪代表レースが始まるのか、注目である。

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バルバラ・マティッチ。ブダペスト世界選手権を制した。

【プールA】
第1シード:バルバラ・マティッチ(クロアチア)
第8シード:カイラ・イスフィ(フランス)

【プールB】
第4シード:ヒルデ・ヤヘル(オランダ)
第5シード:ケリー・ピーターセン=ポラード(イギリス)

【プールC】
第2シード:大野陽子(コマツ)
第7シード:新添左季(自衛隊体育学校)

【プールD】
第3シード:エレン・サンタナ(ブラジル)
第6シード:ケイティ=ジェミマ・イェーツ=ブラウン(イギリス)

■ 78kg級 混戦トーナメントに髙山莉加と泉真生が挑む
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髙山莉加

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泉真生

(エントリー16名)

スーパートップは不在ながら、実力者が揃ったレベルの高いトーナメント。日本代表の髙山莉加(三井住友海上)と泉真生(コマツ)のほか、オドレイ・チュメオ(フランス)、ルイーズ・マルツァーン(ドイツ)、ナタリー・パウエル(イギリス)、アレクサンドラ・バビンツェワ(ロシア)らワールドツアー上位常連組が名を連ねている。

実績面での優勝候補はチュメオとマルツァーン。ただしどちらもこのところいまひとつ元気がなく、確実に勝ち上がれるかというと断言はできない。下記に名を挙げた有力選手のほぼ全員に優勝のチャンスがある、混戦トーナメントと考えるべきだろう。

日本代表の2名はともにノーシード配置からのスタート。泉は激戦区のプールAに配され、初戦でパウエル、準々決勝でマルツァーンと強豪と連戦せねばならない組み合わせ。一方の髙山も泉ほどではないものの、初戦でカルラ・プロダン(クロアチア)、準々決勝でパトリシヤ・ブロリ(スロベニア)とサマ=アワ・カマハ(フランス)の勝者と戦うことになり、それなりに重い配置。とはいえ、ともに柔道自体の実力は今回の参加者のなかでも抜けており、ミスなく戦えば日本人同士の決勝の可能性が濃厚。髙山の側には準決勝で当たる位置に強敵のチュメオが配されているが、この選手は集中力に難があり、じっくりと戦えばそれほど苦労せずに勝利できるはずだ。

国内の78kg級は東京五輪金メダリストの濵田尚里(自衛隊体育学校)が大きく抜けており、以降は梅木真美(ALSOK)以下に大きな差がない団子状態となっている。どの選手もここから抜け出しかかると思わぬところで敗れ、また集団に呑まれてしまうという安定感のなさがその最大の因。果たして泉、あるいは髙山が今大会できっかけを掴むのか。みどころは、地力十分のふたりが、試合中に状況に応じた適切な戦術選択を為せるかどうか。注目したい。

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地元の期待を背負うオドレイ・チュメオ

【プールA】
第1シード:ルイーズ・マルツァーン(ドイツ)
第8シード:ナタリー・パウエル(イギリス)
日本代表選手:泉真生(コマツ)

【プールB】
第4シード:アレクサンドラ・バビンツェワ(ロシア)
第5シード:インバル・ラニル(イスラエル)

【プールC】
第2シード:カルラ・プロダン(クロアチア)
第7シード:パトリシヤ・ブロリ(スロベニア)
有力選手:サマ=アワ・カマハ(フランス)
日本代表選手:髙山莉加(三井住友海上)

【プールD】
第3シード:オドレイ・チュメオ(フランス)
第6シード:カレン・スティーフェンソン(オランダ)

■ 78kg超級 個性異なるフランス勢4名が競演
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ジュリア・トロフア

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アン=ファトゥメタ・ムバイロ

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レア・フォンテーヌ

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コラリー・ハイメ。大本命フォンテーヌと同時派遣された世界ジュニアを制したばかり。

(エントリー15名)

日本勢の出場はなし。第1シードにはホシェリ・ヌネス(ポルトガル)が座った。注目はそれぞれ個性異なる4名の強者を送り込む地元フランス。東京五輪銅メダリストの1番手ホマーヌ・ディッコ(フランス)こそ出場していないが、6月のブダペスト世界選手権以来鋭い投げを決めまくっているジュリア・トロフア(フランス)、機動力と馬力が持ち味のアン=ファトゥメタ・ムバイロ(フランス)、巨体が生む破壊力が売りのレア・フォンテーヌ(フランス)、先日の世界ジュニア選手権を制して勢いに乗る小型のコラリー・ハイメ(フランス)と、魅力的な選手をずらり並べた。フランス女子の育成力の1つの極まり、積年の成果の発表会の感すらある。実務的には、フランス国内の2番手決定戦と規定して良いはず。今大会の結果と内容が、ディッコ以降実質「1」しかないハイレベル大会派遣枠争いに与える影響は極めて大きい。熱戦に期待したい。

【プールA】
第1シード:ホシェリ・ヌネス(ポルトガル)
第8シード:アマルサイハン・アディヤスレン(モンゴル)

【プールB】
第4シード:アン=ファトゥメタ・ムバイロ(フランス)
第5シード:レア・フォンテーヌ(フランス)

【プールC】
第2シード:ラズ・ヘルシュコ(イスラエル)
第7シード:エッソハナム=ノエリン・コロ(トーゴ)

【プールD】
第3シード:ジュリア・トロフア(フランス)
第6シード:コラリー・ハイメ(フランス)

※ eJudoメルマガ版10月15日掲載記事より転載・編集しています。

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