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【プレビュー】グランドスラム・パリ2021第1日男子3階級プレビュー

(2021年10月16日)

※ eJudoメルマガ版10月12日掲載記事より転載・編集しています。
グランドスラム・パリ2021第1日男子3階級プレビュー
(60kg級、66kg級、73kg級)
■ 60kg級 古賀、準決勝で因縁のチャカドアと対戦
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古賀玄暉。ブダペスト世界選手権以来の実戦となる。

(エントリー18名)

永山竜樹(了徳寺大職)が左ハムストリング肉離れのため直前で欠場。当初予想されていた「永山一強」構図が崩れ、トーナメントは全員にチャンスのある混戦模様となった。

優勝候補は第1シードで東京五輪5位のトルニケ・チャカドア(オランダ)と、日本代表の古賀玄暉(旭化成)。この2人が純実力では一段抜けている。ほか、アンジェロ・パンターノ(イタリア)、ジョラン・フロリモン(フランス)ら先月末のグランプリ・ザグレブで良いパフォーマンスを見せた選手が姿を見せており、これら新興勢力が上位争いに割って入れるかどうかが大きなみどころ。

古賀は無念の初戦敗退に終わった6月のブダペスト世界選手権以来の試合。同大会では選抜体重別選手権前に負った左膝内側靭帯の怪我の影響もあり、本来のパフォーマンスを発揮できなかった。今大会では古賀本来の密着、担ぎ、変則を切れ目なく使い分ける豪快かつトリッキーな柔道を存分に見せて欲しいところ。まずは初戦、その調子のほどに注目したい。
組み合わせでは強豪密集のプールBに配されており、1回戦でアユブ・ブリエフ(ロシア)、2回戦でパンターノ、準々決勝でフロリモン、そして準決勝でチャカドアと対戦予定となっている。チャカドアは2019年グランドスラム大阪の初戦で敗れ、出世に蓋をされてしまった因縁の相手。予選ラウンドでで対戦するパンターノとフロリモンはいずれも柔道に一癖ある面倒な相手だが、ここを確実に勝ってベスト4まで進み、ここでチャカドアにリベンジを果たしてしまいたい。

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トルニケ・チャカドア。

【プールA】
第1シード:トルニケ・チャカドア(オランダ)
第8シード:フスト・ヌネス=ロドリゲス(スペイン)

【プールB】
第4シード:アンジェロ・パンターノ(イタリア)
第5シード:ジョラン・フロリモン(フランス)
有力選手:アユブ・ブリエフ(ロシア)
日本代表選手:古賀玄暉(旭化成)

【プールC】
第2シード:ロドリゴ=コスタ・ロペス(ポルトガル)
第7シード:ホマン・ヴァラディエ=ピカール(フランス)

【プールD】
第3シード:ラマザン・アブドゥラエフ(ロシア)
第6シード:ニコラエ・フォーカ(モルドバ)

■ 66kg級 優勝争いの軸はヴィエル、田中龍馬と藤阪泰恒、階級変更のアブラゼが挑む
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田中龍馬。19歳にして選抜体重別優勝、ファンを驚かせた。

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藤阪泰恒。初戦でヤゴ・アブラゼとマッチアップ。

(エントリー28名)

第1シードは2019年東京世界選手権銅メダリストのデニス・ヴィエル(モルドバ)。続く第2シードが世界ランク17位のウィリアン・リマ(ブラジル)といきなりレベルが下がってしまうのだが、今回のトーナメントの重心はシード選手にあらず。メインキャストはむしろノーシード枠に集中しており、こちらには日本代表の田中龍馬(筑波大2年)と藤阪泰恒(パーク24)、さらに60kg級から転向のヤゴ・アブラゼ(ロシア)とワリード・キア(フランス)が名を連ねてかなりの充実度。これら4名の新顔(と若手のリマ)が、ヴィエルに挑むというのが、優勝争いの構図だ。

この66kg級、日本国内では東京五輪金メダリストの阿部一二三(パーク24)と世界選手権2連覇中の丸山城志郎(ミキハウス)の2人が独走状態、3番手の座がなかなか定まらない状況が続いている。今回の代表は選抜体重別選手権王者の田中に同2位で昨年の講道館杯王者の藤阪。いずれもこの枠の「有資格者」と言える。特にまだ19歳の田中は期待大。前述の選抜体重別選手権では他の出場者から一段抜けた地力の強さを見せており、伸び盛りのジュニア世代であることも考えると、ここで一気にブレイクを果たす可能性もある。初出場のシニア国際大会でどこまでやってくれるのかまことに楽しみ。一方の藤阪も国内随一の組み手の巧さがあり、パワー自慢の海外勢を相手にどのような戦いを見せるのか、期待したい。

組み合わせではともに初戦に山場があり、田中が今年の世界ジュニア選手権3位で欧州ジュニア選手権王者のマクシム・ゴベル(フランス)、藤阪がアブラゼと対戦予定となっている。いずれも一筋縄ではいかない面倒な相手、初戦から目が離せない。特に藤阪vsアブラゼが面白い。まさに柔と剛のぶつかり合い。距離をとって組み手を利かせたい藤阪にひたすら間合いを詰めての一発を狙うアブラゼという構図になるはず。必見だ。

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デニス・ヴィエル。五輪明けから好調である。

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60kg級から階級を上げて参加のヤゴ・アブラゼ。

【プールA】
第1シード:デニス・ヴィエル(モルドバ)
第8シード:バットグトフ・エルヘムバヤル(モンゴル)

【プールB】
第4シード:ボジダル・テメルコフ(ブルガリア)
第5シード:アリ・ベルリナー(アメリカ)
有力選手:マクシム・ゴベル(フランス)
日本代表選手:田中龍馬(筑波大2年)

【プールC】
第2シード:ウィリアン・リマ(ブラジル)
第7シード:イフォ・フェホルステルト(オランダ)
有力選手:ヤゴ・アブラゼ(ロシア)
日本代表選手:藤阪泰恒(パーク24)

【プールD】
第3シード:ダニエル・ペレス=ロマン(スペイン)
第6シード:フアン・エルナンデス(コロンビア)
有力選手:ワリード・キア(フランス)

■ 73kg級 橋本とツェンドオチルがトーナメントの軸、過酷な組み合わせ引いた原田の戦いに注目
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橋本壮市。今回は第2シード配置となった。

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原田健士。ブダペスト世界選手権では団体戦で活躍。

(エントリー31名)

初日男子でもっとも強豪が揃った注目階級。優勝争いの軸は、2017年ブダペスト世界選手権王者の橋本壮市(パーク24)と東京五輪銅メダリストのツェンドオチル・ツォグトバータル(モンゴル)の2名。以降は世界選手権2年連続銅メダリスト(2017-2018)で先日のグランプリ・ゼグレブを制して好調のヒダヤット・ヘイダロフ(アゼルバイジャン)、ソモン・マフマドベコフ(タジキスタン)、デニス・イアルツェフ(ロシア)、原田健士(ALSOK)、アレクサンドル・ライク(ルーマニア)らが続くことになる。これら正道の「序列」外にも若手注目株のジョアン=ベンジャマン・ガバ(フランス)に、階級を上げて参加する東京五輪66kg級銀メダリストのヴァジャ・マルグヴェラシヴィリ(ジョージア)など注目すべき選手がずらり名を連ねており、トーナメントの見どころは極めて多い。

橋本は優勝を狙った6月のブダペスト世界選手権でまさかの3位に終わっており、今大会はそれ以来の実戦となる。圧倒的な強さで東京五輪を制した大野将平(旭化成)を追うため、そして背後に迫る原田の追撃を躱すためにも、今回は絶対に負けられない戦いだ。組み合わせでは2回戦でイアルツェフ、準決勝で恐らくヘイダロフと相対することになるが、いずれもこれまでの対戦を見る限りでは相性的には戦いやすい相手。良い勝ち方で決勝に進み、反対側の山を上ってくるであろうツェンドオチル、あるいは原田を迎え撃ちたい。

一方の原田は2回戦でガバ、準々決勝でツェンドオチルと相当に厳しい組み合わせ。ただし純実力では決して遅れは取っていないと見る。ガバ、ツェンドオチルともに積極的な攻撃柔道が持ち味の選手であり、原田らしい正面からの殴り合いに期待したい。まずは初戦を良い形で突破して、波に乗りたいところ。

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ツェンドオチル・ツォグトバータル

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ヒダヤット・ヘイダロフ

【プールA】
第1シード:ツェンドオチル・ツォグトバータル(モンゴル)
第8シード:サルバドール・カセス=ロカ(スペイン)
有力選手:エフゲニー・プロコプチュク(ロシア)、ジョアン=ベンジャマン・ガバ(フランス)
日本代表選手:原田健士(ALSOK)

【プールB】
第4シード:アレクサンドル・ライク(ルーマニア)
第5シード:ギヨーム・シェヌ(フランス)
有力選手:ダヴィド・リマ(ブラジル)、ヴァジャ・マルグヴェラシヴィリ(ジョージア)

【プールC】
第2シード:橋本壮市(パーク24)
第7シード:マルティン・ホヤック(スロベニア)
有力選手:デニス・イアルツェフ(ロシア)

【プールD】
第3シード:ソモン・マフマドベコフ(タジキスタン)
第6シード:ヒダヤット・ヘイダロフ(アゼルバイジャン)

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