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【即日レポート】第52回全国中学校柔道大会女子個人戦8階級

(2021年8月25日)

※ eJudoメルマガ版8月21日掲載記事より転載・編集しています。
第52回全国中学校柔道大会女子個人戦8階級・即日レポート
日時:2021(令和3)年8月24日
会場:ALSOKぐんま総合スポーツセンター ぐんまアリーナ(前橋市)

→全試合結果

■ 40kg級 2年生の北口愛衣香が優勝、決勝は「裏技」肩車決めて勝利
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準決勝、北口愛衣香が米井千晶から右一本背負投「技有」。

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準決勝、植田こころが若林美優から左一本背負投「技有」。

【準決勝まで】

決勝に進んだのは北口愛衣香(兵庫県・湊川中)と植田こころ(宮崎県・宮崎日大中)の2名。北口は2年生、植田はまだ1年生。若い世代2人が今年度大会最初のチャンピオンを争うこととなった。

北口は2回戦で坂山杏(大分・長洲中)を55秒袈裟固「一本」に仕留める好スタート。3回戦は森下南知(岐阜・恵那東中)を「技有」優勢で下し、準々決勝は佐藤心亜(秋田・仙北中)を僅か49秒合技「一本」に仕留める快勝。

迎えた準決勝は米井千晶(福岡・田原中)から右一本背負投「技有」を奪って優勢勝ち。見事決勝の畳に勝ち残ることとなった。「一本」2つに「技有」優勢2つという好勝ち上がりである。

植田はまず2回戦で野本朱夏(神奈川・茅ケ崎第一中)を1分39秒合技「一本」で下す。3回戦は山下奈々(奈良・五條東中)との消耗戦をGS2分40秒2つ目の「指導」を奪って僅差の優勢勝ちで突破。これで波に乗ると、準々決勝は大西いろは(石川・笠間中)を開始僅か8秒の一本背負投「一本」に斬り落とす会心の勝利。準決勝は若林美優(千葉・木更津第一中)を左一本背負投「技有」で下し、1年生にして中学日本一決めの大舞台に辿り着くこととなった。

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決勝、北口は植田の低い担ぎ技を捌くと回転式の片手絞で絞め上げる。

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GS延長戦、北口の肩車が決まって「技有」

【決勝】

北口愛衣香(兵庫県・湊川中)〇GS技有・肩車(GS0:55)△植田こころ(宮崎県・宮崎日大中)

北口は右組み。試合が始まるなり植田両袖の左袖釣込腰に掛け潰れるが、北口すぐさま「腹包み」で拘束して回転、抑え込みに掛かる。植田が脚を絡んで耐え、北口が引き抜いたところで形が崩れ「待て」。以後は植田が左一本背負投に左内巻込で低く掛け潰れ、北口が寝技で攻め返す展開が続く。植田の技は相手の体を抜いての低い内巻込がほとんどで技自体が決まる予感は薄く、あくまで寝勝負への移行が前提という印象。しかし北口の寝技の入りが早く厳しく、植田の攻めは単に掛け潰れて手数を稼ぐ形に留まる。しかし手数で先行されることに焦ったか反撃を始めた北口の右一本背負投もことごとく低く潰れる技となり、ベンチからは再三「高く掛けなさい」との指示が飛ぶ。北口は右一本背負投に左小内巻込、植田が左一本背負投崩れの内巻込と低い担ぎ技の応酬が続き、試合はGS延長戦へ。

延長戦も同様の展開、北口が潰れた植田を抑え込み掛かるが、植田素早く体をまるめて相手の重心の下に入って絡みつき、足の引き抜きを許さず「待て」。直後の展開、組み際に植田がまたもや低く左内巻込。しかし捌いた北口は、その立ち際を狙って右方向への肩車。同じ「潜り技」だが、この試合初めて見せるこの技は良く効き、北口は相手の体の下に深く侵入。背中で相手の体をコントロールして回し切ると植田ゴロリと転がり「技有」。試合時間はGS延長戦55秒、ここで北口の優勝が決まった。

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40kg級優勝の北口愛衣香

【入賞者】
優 勝:北口愛衣香(兵庫・湊川中)
準優勝:植田こころ(宮崎・宮崎日大中)
第三位:米井千晶(福岡・田原中)、若林美優(千葉・木更津第一中)
第五位:佐藤心亜(秋田・仙北中)、才田恵梨香(京都・男山第三中)、塩谷苺佳(群馬・伊勢崎第四中)、大西いろは(石川・笠間中)

北口愛衣香選手のコメント
「きょうは寝技への早い取り掛かりという課題がしっかり出来たことが良かった。決めた肩車は得意技。私の『裏技』の1つです。目標は決勝まで進んで、まず強化に入ることでした。結果、初めての全国優勝が出来た。嬉しいです。得意は足技で、小外刈、大内刈、小内刈を重点的に磨いています。次の目標の全中2連覇に向けて、この得意技をさらにしっかり稽古したいです。柔道を始めたのは幼稚園の年長から。小学4年生のときに阿部詩選手と1回稽古させてもらったことがあり、それ以来憧れています。」

【準々決勝】
北口愛衣香(兵庫・湊川中)○合技(0:49)△佐藤心亜(秋田・仙北中)
米井千晶(福岡・田原中)○合技(0:54)△才田恵梨香(京都・男山第三中)
若林美優(千葉・木更津第一中)○優勢[技有]△塩谷苺佳(群馬・伊勢崎第四中)
植田こころ(宮崎・宮崎日大中)○一本背負投(0:08)△大西いろは(石川・笠間中)

【準決勝】
北口愛衣香(兵庫・湊川中)○優勢[技有]△米井千晶(福岡・田原中)
植田こころ(宮崎・宮崎日大中)○優勢[技有]△若林美優(千葉・木更津第一中)

【決勝】
北口愛衣香(兵庫・湊川中)○GS技有・肩車(GS0:55)△植田こころ(宮崎・宮崎日大中)

■ 44kg級 篠崎天花が優勝 立って良し寝て良し、勝負の潮目誤らず
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決勝の畳に臨む白金里桜

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準々決勝、篠崎天花が澤田夏海から送襟絞「一本」

【準決勝まで】

白金里桜(長野県・佐久長聖中)と篠崎天花(福岡県・沖学園中)が決勝に勝ち上がった。

白金は接戦の連続をものにしての勝ち上がり。2回戦から登場するとまず戸堀誉悠(秋田県・角館中)に僅差優勢で勝利。さらに3回戦でも今泉華香(群馬県・赤堀中)をGS僅差(GS1:57)で破り、ベスト8入りを決める。続く準々決勝は廣瀬桃(埼玉県・芝西中)を相手に合計時間6分を超える消耗戦となるが、「技有」(GS3:30)を得て競り勝ち。準決勝では才田星名(奈良県・五條東中)を横四方固「一本」(1:18)で下して決勝進出を果たした。

一方の篠崎は2回戦で澤田夕寿綺(宮城県・多賀城中)を僅か7秒の内股「一本」に仕留めて大会をスタート。以降も3回戦で谷口睦稀(大阪府・長吉六反中)に1分18秒合技「一本」、準々決勝で澤田夏海(熊本県・西合志南)に開始30秒「腰絞め」での送襟絞「一本」と順調に「一本」を重ねて勝ち上がり、準決勝では錦杏樹(兵庫県・二見中)に「技有」優勢で勝利して決勝の畳に辿り着いた。

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決勝、篠崎が右大外刈で攻める

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篠崎の隅落「技有」で熱戦は決着となった。

【決勝】

篠崎天花(福岡県・沖学園中)〇GS技有・隅落(GS1:09)△白金里桜(長野県・佐久長聖中)

篠崎が右、白金が左組みのケンカ四つ。まず圧を掛け、相手が伏せると「腰絞め」を狙う篠崎に、得意の担ぎ技を仕掛け続けて主導権を握りたい白金という構図。白金は両袖の形で相手の圧に抗するが、1分11秒、この形が相手の攻撃を防いでいるとみなされ、ブロッキングの「指導」を失ってしまう。これを受けて白金は中盤以降担ぎ技を連発する戦法を選択。寝技で攻められながらも貪欲に技を出し続けて盛り返し、残り32秒、守勢に回っていた篠崎に消極的姿勢の「指導」が与えられる。反則ポイントはこれでタイ、勝負はそのままGS延長戦へ。

延長戦に入ると篠崎が一段ギアを上げ、右袖釣込腰に右大外刈と積極的に技を出して技を重ねる。GS1分9秒、この篠崎の攻勢に焦ったか、白金が仕掛けた左背負投がこれまでに比べて甘い。篠崎このチャンスを逃さず、相手を振り返して隅落「技有」。篠崎が優勝を飾った。

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44kg級優勝の篠崎天花

【入賞者】
優 勝:篠崎天花(福岡・沖学園中)
準優勝:白金里桜(長野・佐久長聖中)
第三位:才田星名(奈良・五條東中)、錦杏樹(兵庫・二見中)
第五位:廣瀬桃(埼玉・川口芝西中)、藤原美風(東京・渋谷教育学園中)、川野幸音(京都・藤森中)、澤田夏海(熊本・西合志南中)

篠崎天花選手のコメント
「先に掛けることを意識して戦いました。あとはとにかく気持ち。苦しい場面でも、気持ちだけでも前に出て、あきらめずに勝ちを狙いました。得意技は背負投。高校でも日本一になりたいです。」

【準々決勝】
白金里桜(長野・佐久長聖中)○GS技有(GS3:30)△廣瀬桃(埼玉・川口芝西中)
才田星名(奈良・五條東中)○GS僅差(GS3:22)△藤原美風(東京・渋谷教育学園中)
錦杏樹(兵庫・二見中)○縦四方固(2:25)△川野幸音(京都・藤森中)
篠崎天花(福岡・沖学園中)○送襟絞(0:30)△澤田夏海(熊本・西合志南中)

【準決勝】
白金里桜(長野・佐久長聖中)○横四方固(1:18)△才田星名(奈良・五條東中)
篠崎天花(福岡・沖学園中)○優勢[技有]△錦杏樹(兵庫・二見中)

【決勝】
篠崎天花(福岡・沖学園中)○GS技有・隅落(GS1:09)△白金里桜(長野・佐久長聖中)

■ 48kg級 倉田夏苗が初優勝、投げのセンスの良さ光る
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準決勝、荒川遥楓が伊藤愛美から背負投「技有」。これでビハインドを追いついた。

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準決勝、倉田夏苗が我妻結凪から袈裟固「一本」

【準決勝まで】

決勝進出者は荒川遥楓(奈良・五條東中)と倉田夏苗(東京・淑徳中)の2名。

荒川は2年生。2回戦は佐々木唯(群馬・伊勢崎第四中)を2分2秒合技「一本」で下し、3回戦は山内梨緒(北海道・函館五稜郭中)に「技有」優勢で勝利。準々決勝は三井咲花(大分・長洲中)をGS延長戦1分15秒隅落「技有」で下してベスト4入りを決める。

迎えた準決勝はここまで素晴らしい勝ち上がりを見せている伊藤愛美(秋田・御野場中)と大熱戦。中盤左大外刈を食って「技有」を失ったが、試合時間2分半を過ぎてから猛攻。タイミングをずらした左背負投で「技有」を得て追いつくと、直後相手の集中が切れた隙を見逃さず、再びの左背負投で今度は大きく転がして2つ目の「技有」。残り時間3秒逆転の合技「一本」でこの難戦を乗り切り、みごと決勝進出を決めた。一瞬の隙を見逃さぬ勝負勘の良さが際立った。

一方の倉田はセンスの良い投げを武器に、伸びやかな柔道を見せての勝ち上がり。2回戦は山倉汐喜(宮城・五城中)を大外刈「一本」で下し、続く3回戦は元井華(大阪・盾津中)を2分10秒大内刈「一本」で退ける。準々決勝は鈴木ひらり(広島・西条中)を「技有」優勢で下してベスト4入り。準決勝では我妻結凪(長野・丘中)と激戦、得意の内股で優位を取るとGS延長戦2分13秒ガッチリ袈裟固に抑え込んで「一本」。しっかり決勝の畳に辿り着くこととなった。

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決勝、倉田が荒川の小内刈を透かして捩じり、浮落「技有」

【決勝】

倉田夏苗(東京都・淑徳中)〇優勢[技有・浮落]△荒川遥楓(奈良県・五條東中)

倉田が右、荒川が左組みのケンカ四つ。倉田先んじて引き手で袖を掴んで前へ。やや慌てた荒川が左背負投に潰れるとすかさず「腰絞め」で絞め上げる。倉田のこの絞めは強烈。以後も荒川が担ぎ技で潰れ、倉田が素早く容赦なく絞めに掛かる展開が続く。2度目のこの展開となった開始25秒から59秒の攻防では絞め上げられた荒川が満面に朱を注いでなんとか「待て」を引き出すが、安易な掛け潰れなどもはや到底許されない印象。両袖の攻防から荒川が左小内刈、左袖釣込腰と放つが効き切らず、倉田釣り手で奥襟を持つと思い切った右内股。荒川大きく崩れて「待て」。

続く展開、荒川が組み際の左小内刈に打って出るが倉田が体を捌くと空振り、倉田素早く身を翻すと両手で大きく相手を捩じって振り投げ、1分55秒時計回りの浮落「技有」。そして間を置かずまたもや「腰絞め」で絞め上げる。これは「待て」となったが、続く展開も反撃を期した荒川の左袖釣込腰を潰すなりまたもや「腰絞め」。荒川反撃の糸口がつかめない。倉田が先んじて引き手を掴み、足元を蹴り崩して「待て」となったところで残り時間は僅か3秒。荒川組み際に左袖釣込腰、これを倉田がかわしたところでタイムアップとなった。

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48kg級優勝の倉田夏苗

【入賞者】
優 勝:倉田夏苗(東京・淑徳中)
準優勝:荒川遥楓(奈良・五條東中)
第三位:伊藤愛美(秋田・御野場中)、我妻結凪(長野・丘中)
第五位:鹿釜奈々美(福岡・田主丸中)、三井咲花(大分・長洲中)、鈴木ひらり(広島・西条中)、板橋真子(佐賀・昭栄中)

倉田夏苗選手のコメント
「嬉しいです。(―自信はありましたか?)なかったです。優勝は目指してはいましたが、特に手ごたえがあった試合もなく。(―決勝では相手の担ぎ技が先行。どう考えて戦いましたか)特に・・・。きちんと組み手をやろうとは思っていました。(投げた場面は)狙ったのではなく、勝手に体が動いたという感じです。柔道を始めたのは小学2年生から、いま得意な内股は小学5年生から取り組み始めました。(―淑徳でもかなり習いましたか?内股が得意な先輩が多いのでは?)はい。しっかり引け、とかなんとか、色々言われています(笑)。将来の目標は、特にないです。柔道は高校までは続けようと思っています。ただ、他に何をやりたいということも、今のところはないですね。(―練習はかなり厳しい?)きついです(笑)。ただ同級生と一緒にいるのはとても楽しいです。」

【準々決勝】
伊藤愛美(秋田・御野場中)○合技(1:36)△鹿釜奈々美(福岡・田主丸中)
荒川遥楓(奈良・五條東中)○GS技有(GS1:15)△三井咲花(大分・長洲中)
倉田夏苗(東京・淑徳中)○優勢[技有]△鈴木ひらり(広島・西条中)
我妻結凪(長野・丘中)○GS反則[指導3](GS1:41)△板橋真子(佐賀・昭栄中)

【準決勝】
荒川遥楓(奈良・五條東中)○合技(2:57)△伊藤愛美(秋田・御野場中)
倉田夏苗(東京・淑徳中)○GS袈裟固(GS2:13)△我妻結凪(長野・丘中)

【決勝】
倉田夏苗(東京・淑徳中)○優勢[技有・浮落]△荒川遥楓(奈良・五條東中)

■ 52kg級 2年生の岡元遥樺、粘り強い戦いで頂点極める
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寝技を生かして勝ち残った久下本晴香

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接戦の連続を制した岡元遥樺

【準決勝まで】

久下本晴香(奈良県・五條東中)と岡元遥樺(鹿児島県・財部中)が決勝に進んだ。

久下本は得意の寝技を存分に振るっての勝ち上がり。まず初戦(2回戦で)は加々見美羽(山梨県・吉田中)を1分10秒縦四方固「一本」で突破。続く3回戦こそ香月優奈子(大分県・長洲中)を相手に「指導2」を失いながらの「技有」優勢勝ちと苦戦したが、以降は準々決勝で平塚月碧(栃木県・姿川中)に1分13秒袈裟固「一本」、準決勝で吉永碧衣(熊本県・九州学院中)に1分45秒縦四方固「一本」と一本勝ちを続けて決勝進出を果たした。

対する岡元は接戦の連続をしぶとく勝ち抜いた。2回戦で田島綾乃(茨城県・勝田第一中)を1分2秒崩袈裟固「一本」に退けると、3回戦では木村結(北海道・平取中)から「技有」を得て優勢勝ち。続く準々決勝では大塚翔稀(福岡県・敬愛中)をGS3分10秒「指導1」を得ての僅差優勢で下してベスト4入りを決め、準決勝では曽根綾乃(広島県・口田中)に「技有」の優勢で勝利して、2年生にして決勝の畳に辿り着いた。

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決勝は岡元が右一本背負投で攻め、攻勢。

【決勝】

岡元遥樺(鹿児島県・財部中)〇優勢[僅差]△久下本晴香(奈良県・五條東中)

岡元、久下本ともに右組みの相四つ。両者はともに変則スタイル。岡元は引き手で前襟を持つ左構えから片襟の右背負投を仕掛け、久下本は引込返でからエントリーして寝勝負を狙い続ける。序盤は岡元が威力のある担ぎ技を連発して優勢。久下本も得意の引込返を狙うが、釣り手が離れてしまい、49秒に偽装攻撃の「指導」を失う。以降も試合の主導権は一貫して岡元。終盤には右背負投を重ね、残り42秒に消極的姿勢による「指導2」を奪う。これで後のなくなった久下本、続く展開で得意の引込返を仕掛けるが、これは岡元が読んで横に回避。それでも久下本は無理やり寝技に持ち込み、ローリングから抑え込みを狙う。これを岡元が懸命に凌いで「待て」。この時点で残り時間は9秒しか残されておらず、そのまま岡元の僅差優勢勝ちが決まった。

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52kg級優勝の岡元遥樺

【入賞者】
優 勝:岡元遥樺(鹿児島・財部中)
準優勝:久下本晴香(奈良・五條東中)
第三位:吉永碧衣(熊本・九州学院中)、曽根綾乃(広島・口田中)
第五位:坂山凛(愛知・大成中)、平塚月碧(栃木・姿川中)、永田夢空(長野・丘中)、大塚翔稀(福岡・敬愛中)

岡元遥樺選手のコメント
「準決勝からきつくなりました。決勝は寝技が得意な相手だったので、付き合わないように自分の柔道をすることを意識して戦いました。得意技は担ぎ技。3年生になっても勝てるよう、しっかり練習していきます。」

【準々決勝】
吉永碧衣(熊本・九州学院中)○GS反則[指導3](GS1:12)△坂山凛(愛知・大成中)
久下本晴香(奈良・五條東中)○袈裟固(1:13)△平塚月碧(栃木・姿川中)
曽根綾乃(広島・口田中)○合技(0:31)△永田夢空(長野・丘中)
岡元遥樺(鹿児島・財部中)○GS僅差(0:10)△大塚翔稀(福岡・敬愛中)

【準決勝】
久下本晴香(奈良・五條東中)○縦四方固(1:45)△吉永碧衣(熊本・九州学院中)
岡元遥樺(鹿児島・財部中)○優勢[技有]△曽根綾乃(広島・口田中)

【決勝】
岡元遥樺(鹿児島・財部中)○優勢[僅差]△久下本晴香(奈良・五條東中)

■ 57kg級 本田里來が圧勝、投げ・戦略ともに他をまったく寄せ付けず
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3回戦、本田里來が鈴木結虹から内股「技有」

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準々決勝、柴田夏樹から内股「技有」

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準々決勝、佐野明日香が高松ひかりを横四方固に抑え込む

決勝に進んだのは大本命と目される本田里來(福岡県・敬愛中)と、こちらも前評判の高い佐野明日香(埼玉県・川口西中)の強者2名。

本田は全国小学生学年別大会を2連覇しているこの世代の主役、この日も得意の内股を決め捲って他をまったく寄せ付けず。

2回戦は矢山夢(岡山・鶴山中)を開始49秒、ほぼファーストアタックの左内股で「一本」。続く3回戦は鈴木結虹(静岡・北浜東部中)から左内股「技有」、左大内刈「技有」と連取して22秒合技「一本」の快勝。準々決勝は柴田夏樹(千葉・みつわ台中)を相手にやや慎重になり、内股「技有」による優勢勝ちに留まったが、準決勝は福田さくら(島根・松江第二中)を2分32秒合技「一本」に仕留める。危ない場面まったくなく、しっかり決勝へと勝ち上がることとなった。ケレン味のない組み手と練れた釣り手の操作、的確な崩しになにより威力ある技と、良さを存分に発揮しての決勝進出。

佐野は2年生ながら強豪・川口西中のレギュラーを務め、関東ブロック大会では堂々優勝を飾っている強者。この日は前評判通り序盤から「一本」連発の良い勝ち上がりを見せる。2回戦は西結穂(石川・笠間中)を2分2秒合技「一本」で下し、続く3回戦は大塚心和(大分・挾間中)を2分7秒横四方固「一本」に仕留めてベスト8入り決定。準々決勝は高松ひかり(滋賀・甲西北中)を1分8秒合技「一本」で下し、準決勝は木村穂花(京都・洛南中)を相手にGS延長戦11秒「指導」をもぎとって僅差の優勢勝ち。一学年上の大物・本田への挑戦権を得た

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決勝、本田が左内股で「技有」先行

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左大内刈「一本」でトドメ。

【決勝】

本田里來(福岡県・敬愛中)〇大内刈(1:17)△佐野明日香(埼玉県・川口西中)

本田が左、佐野が右組みのケンカ四つ。本多引き手で袖、釣り手で横襟を持つほぼ万全の組み手から得意の左内股。心得た佐野谷落に食いついて返そうとするが、本田これは先刻承知とばかりに素早く体を捌いて振り向き被り、あわやポイントという形で叩き落として「待て」。試合が再開されると佐野いったん釣り手の掌で相手の首裏を抑えて頭を下げさせ、これを橋頭保に左袖釣込腰。しかし本田うまく捌き、釣り手を上げて可動域を確保すると左内股一閃。佐野股中で受け切ろうとするが、本田は回旋の角度を増して上体を斜めに引きずり込む。体を伸ばされた佐野耐えきれず吹っ飛び、42秒「技有」。

続く展開、本田が良い組み手を作ると佐野低く構えて守勢。本田左体落で崩し、腰を切って内股を匂わせると返し技を狙う佐野が思わず腰を抱いて一歩寄る。しかしこれは本田の罠、敢えて背中に食いつかせて密着を作るといったん外して左前隅に崩し、立ち直りに合わせてクルリと振り向き左大内刈に入り込む。袖を掴んだ引き手の拳で肘をねじ上げ、刈り足を深く絡ませた理合確かな一撃。佐野耐えきれず大きく崩れ、落下の開始を見極めた本田が体ごと押し込むと背中からまっすぐ畳に落ちて「一本」。試合時間は1分17秒、本田の全国中学校大会制覇が決まった。本田は小学5年、6年と連覇した全国小学生学年別大会以来の全国タイトル獲得。伸びやかな進退とセンス溢れる投技はもちろん、己の得意技を相手がどう見るか、いかに対応しようとするか見極めてゴールを定めた戦略性の高さと勝負勘の良さは特筆もの。単に強いだけではなく、力の出し方を知っている。中学生離れした試合だった。

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57kg級優勝の本田里來

【入賞者】
優 勝:本田里來(福岡・敬愛中)
準優勝:佐野明日香(埼玉・川口西中)
第三位:福田さくら(島根・松江第二中)、木村穂花(京都・洛南中)
第五位:近藤こころ(徳島・藍住中)、柴田夏樹(千葉・みつわ台中)、高松ひかり(滋賀・甲西北中)、鈴木ケイ(長野・鎌田中)

本田里來選手のコメント
「本当に嬉しいというだけ、言葉がありません。大変な状況にもかかわらず大会を開催してくださったことにまず感謝したいです。親にも、良いところが見せられました(笑)。(―小学で全国2連覇、中学でも勝たなければというプレッシャーがあったのでは?)県大会では体が固まってガチガチ、思うような柔道が出来ず、九州大会や全国大会に向けてかなり不安がありました。お兄ちゃんや先輩が『絶対大丈夫』と励ましてくれたことが力になりました。(―今日は思い通りの柔道が出来ましたか?)1試合『技有』しか取れなかったことが悔しいです。(―決勝について)相手が自分の内股を意識しているので、まずリアクションさせてから投げることを考えました。(―チームメイトも優勝、優勝旗2本を持ち帰りますね)本当は全員で獲りたかったのですが、皆が自分の柔道をした結果。これからも頑張って、高校3年のインターハイで全員で優勝したいと思います。(―将来の夢や、参考にしている選手がいれば)オリンピックで金メダルを獲ることが目標です。袖釣込腰は阿部詩選手、内股は芳田司選手の技を意識して練習しています。」

【準々決勝】
福田さくら(島根・松江第二中)○GS技有(GS0:13)△近藤こころ(徳島・藍住中)
本田里來(福岡・敬愛中)○優勢[技有]△柴田夏樹(千葉・みつわ台中)
佐野明日香(埼玉・川口西中)○合技(1:08)△高松ひかり(滋賀・甲西北中)
木村穂花(京都・洛南中)○優勢[技有]△鈴木ケイ(長野・鎌田中)

【準決勝】
本田里來(福岡・敬愛中)○合技(2:32)△福田さくら(島根・松江第二中)
佐野明日香(埼玉・川口西中)○GS僅差(GS0:11)△木村穂花(京都・洛南中)

【決勝】
本田里來(福岡・敬愛中)○大内刈(1:17)△佐野明日香(埼玉・川口西中)

■ 63kg級 工藤笑心が「一本」連発で初優勝飾る
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準々決勝、清水優陸が小峰葵結を攻める

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準決勝、工藤笑心が荒木心乃夏から内股「技有」

清水優陸(茨城県・美乃浜学園中)と工藤笑心(埼玉県・川口西中)が決勝まで勝ち上がった。

清水は2回戦から登場すると相場さつき(秋田県・御野場中)を体落「一本」(0:35)で一蹴。勝負どころとなった3回戦は木下亜連(奈良県・五條東中)をトータル7分超えの消耗戦の末にGS延長戦4分16秒「技有」で破ってベスト8入りを果たす。続く準々決勝は小峰葵結(佐賀県・昭栄中)に一方的に3つの「指導」を押し付け、2分14秒で勝利決定。準決勝でも永田りん子(静岡県・東海大翔洋中)を2分19秒合技「一本」に仕留めて決勝進出を果たした。

一方の工藤はここまでオール一本勝ち、抜群の勝ち上がり。まず2回戦で青栁輝(福島県・安積中)を合技「一本」(0:40)で下すと、3回戦では岡本文那(宮崎県・宮崎日大中)を1分0秒大外返「一本」、準々決勝では山本莉子(和歌山県・箕島中)を2分44秒崩袈裟固「一本」で破ってベスト4入り。準決勝でも荒木心乃夏(大分県・戴星学園中)から袈裟固「技有」リード、1分51秒には内股「技有」も追加。合技「一本」で勝利して決勝の畳に駒を進めることとなった。

【決勝】

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決勝、工藤が右大外刈「技有」。悪くなりかけた流れを一撃で吹き飛ばした。

【決勝】

工藤笑心(埼玉県・川口西中)〇GS技有・大外刈(GS4:22)△清水優陸(茨城県・美乃浜学園中)

工藤、清水ともに右組みの相四つ。組んで離れての激しい組み手争いから試合が始まる。序盤は工藤が奥を叩きながら前に出て優勢も、清水は得意の右方向への支釣込足を放って度々大きく崩して伏せさせ、展開を譲らない。しかしそれでも工藤が粘り強く前に出続け、やや守勢に回った清水に1分41秒、消極的姿勢の「指導」が与えられる。2分0秒には工藤が組み手をスイッチしての左腰車で勝負に出るが、これは清水が支釣込足で弾き返す。以後は組み手の攻防が続き、工藤優勢のまま勝負はGS延長戦へ。

延長戦に入ると一転して清水が攻勢。腰技の先手攻撃と威力のある足技で主導権を握り、GS1分5秒には工藤に消極的姿勢の「指導」が与えられる。工藤も右内股や右大外刈で攻めるが、時間の経過とともにスタミナに勝る清水の優位が増していく。しかしこの流れで迎えたGS4分過ぎ、がっぷり四つに組み合っての足技の応酬から場外際で工藤が右大外刈。一気に刈り倒して「技有」を得る。苦しい展開でもあきらめず攻め続けた工藤が、見事中学日本一の栄冠に輝くこととなった。

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63kg級優勝の工藤笑心

【入賞者】
優 勝:工藤笑心(埼玉・川口西中)
準優勝:清水優陸(茨城・美乃浜中)
第三位:永田りん子(静岡・東海大翔洋中)、荒木心乃夏(大分・戴星学園中)
第五位:中谷凛子(兵庫・駒ヶ林中)、小峰葵結(佐賀・昭栄中)、山本莉子(和歌山・箕島中)、永田理穏(島根・美保関中)

工藤笑心選手のコメント
「ずっときつい練習をやって来た、3年間の集大成と思って戦いました。(-団体戦でも活躍しました)団体で優勝を目指していたのですが果たせず、個人では絶対に優勝しようと思っていました。今日は1回戦から体が動いて調子が良かった。昨日の夜、先生方がこれまで日本一になった先輩方がどういうモチベーションで臨んだかを話してくれ、うまく気持ちが作れていたのだと思います。得意技は内股です。(―参考にしている選手はいますか)新井千鶴選手!あの内股を目指して日々練習を積んでいます。中学では日本一になれたので、高校ではインターハイ3連覇を目指して頑張ります。」

【準々決勝】
永田りん子(静岡・東海大翔洋中)○横四方固(1:15)△中谷凛子(兵庫・駒ヶ林中)
清水優陸(茨城・美乃浜中)○反則[指導3](2:14)△小峰葵結(佐賀・昭栄中)
工藤笑心(埼玉・川口西中)○崩袈裟固(2:44)△山本莉子(和歌山・箕島中)
荒木心乃夏(大分・戴星学園中)○合技(0:27)△永田理穏(島根・美保関中)

【準決勝】
清水優陸(茨城・美乃浜中)○合技(2:19)△永田りん子(静岡・東海大翔洋中)
工藤笑心(埼玉・川口西中)○合技(1:51)△荒木心乃夏(大分・戴星学園中)

【決勝】
工藤笑心(埼玉・川口西中)○GS技有・大外刈(GS4:22)△清水優陸(茨城・美乃浜中)

■ 70kg級 福嶋勇凪が優勝、団体戦との二冠獲得果たす
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準々決勝、田中あいが井上朋香から鮮やかな跳腰「一本」

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準決勝、福嶋勇凪が栗原あづから払腰でまず「技有」。

【準決勝まで】

決勝に勝ち残ったのは田中あい(兵庫県・小野中)と福嶋勇凪(福岡県・敬愛中)の3年生2人。ともに他をまったく寄せ付けぬ、圧倒的な勝ち上がりを見せた。

田中はここまで全試合一本勝ち。2回戦は丹沢真奈美(山梨・富士学苑中)を30秒合技「一本」で下し、3回戦も僅か37秒、髙橋南乃(熊本・龍田中)を合技「一本」に下す圧勝。準々決勝は井上朋香(北海道・幕別札内中)を1分38秒の間に2度投げての合技「一本」で退け、準決勝は久保まこ(鹿児島・川内中央中)を1分17秒内股「一本」に屠る快勝。この決勝で初の日本一に挑む。

福嶋は団体戦では先鋒として全試合一本勝ちを果たしてチームの優勝を牽引、この個人戦は二冠を狙っての出場。団体戦では最長試合時間が1分35秒という圧倒的な出来を見せてくれたが、この個人戦もこれに勝るとも劣らない素晴らしい内容。2回戦は田﨑碧子(新潟・長岡南中)を15秒内股「一本」、3回戦は田中麗奈(京都・藤森中)を15秒払腰「一本」、準々決勝は小池咲愛(岡山・岡山理大附属中)を23秒払巻込「一本」と3試合戦った合計試合時間が僅か53秒というすさまじい立ち上がり。準決勝は栗原あづ(群馬・宮郷中)を33秒の間に左払腰「技有」に左払巻込「技有」と2度投げての合技「一本」。なんとここまでで1分33秒しか試合をしていない。規格外の強さを見せ、最後のまとめの決勝に臨む。

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決勝、福嶋が躊躇なく田中の内股の裏を取り、谷落「技有」。

【決勝】

福嶋勇凪(福岡県・敬愛中)〇優勢[技有・谷落]△田中あい(兵庫県・小野中)

福嶋が左、田中が右組みのケンカ四つ。釣り手一本の攻防が続くが、上から被せて持つ福嶋が一貫して優位の印象。田中片手状態から一瞬引き手を持って右内股、すぐ正対に立ち戻る牽制を見せる。福嶋は左内股を一発打ち返して田中に展開の先行を許さず、釣り手を上から入れて組み勝った状態のままチャンスを窺う。43秒、引き手を得た田中がまたもや右内股。先ほどと同じタイミングであるいは立ち戻ることを視野に入れた技とも思われたが、前段この動きを見ている福嶋躊躇なく谷落を合わせ、重心高く入った田中は堪らず背中から落下「技有」。

以後も福嶋釣り手を上から持って被せ、優位を取ったまま引き手を求める。田中肘を抜く形で右背負投を試みんとするが起こりの段階で福嶋が釣り手を潰し、回転を許さず。潰れた田中を福嶋が絞技で圧して「待て」。田中なんとか反撃を試みるが釣り手を殺されているため有効打が打てず、度々見せる右内股は形をやり直すための牽制技の域に留まる。福嶋はフェイントの左小外刈を交えながら危なげない進退。残り時間僅か、田中が遮二無二組み付くと福嶋が左内股で迎え撃つ。崩れ伏せた田中の腕を福嶋が後ろ手にまとめ、抑え込みを狙わんとしたところで終了ブザー。「技有」優勢で福嶋の優勝が決まった。

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70kg級優勝の福嶋勇凪。

【入賞者】
優 勝:福嶋勇凪(福岡・敬愛中)
準優勝:田中あい(兵庫・小野中)
第三位:久保まこ(鹿児島・川内中央中)、栗原あづ(群馬・宮郷中)
第五位:井上朋香(北海道・幕別札内中)、坂田優愛(奈良・五條東中)、小池咲愛(岡山・岡山理大附属中)、田端日茉理(長崎・福江中)

福嶋勇凪選手のコメント
「2回戦と準決勝で強い人と当たる、ここが山場だと思っていました。準決勝までは自分の組み手と練習してきたことを出せたと思います。決勝は組むのが遅かったり、投げられそうなところで投げられないことがあった。勝てたことは良かったですが、納得はしていません。得意技は内股。高校でも、インターハイで優勝したいです。」

【準々決勝】
田中あい(兵庫・小野中)○合技(1:38)△井上朋香(北海道・幕別札内中)
久保まこ(鹿児島・川内中央中)○小外掛(2:26)△坂田優愛(奈良・五條東中)
福嶋勇凪(福岡・敬愛中)○払巻込(0:23)△小池咲愛(岡山・岡山理大附属中)
栗原あづ(群馬・宮郷中)○優勢[技有]△田端日茉理(長崎・福江中)

【準決勝】
田中あい(兵庫・小野中)○内股(1:17)△久保まこ(鹿児島・川内中央中)
福嶋勇凪(福岡・敬愛中)○合技(0:33)△栗原あづ(群馬・宮郷中)

【決勝】
福嶋勇凪(福岡・敬愛中)○優勢[技有・谷落]△田中あい(兵庫・小野中)

■ 70kg超級 小出穂香が「一本」連発、最重量級の頂点に立つ
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70kg超級準決勝、小出穂香が山口千弘から浮落「技有」。小出の特徴がよく表れた一発だった。

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準決勝、髙橋梨子が花木実友を横四方固に捉える。最後はまたいで縦四方固に移り「一本」

【準決勝まで】

小出穂香(神奈川県・茅ケ崎第一中)と髙橋梨子(栃木県・豊郷中)が決勝に勝ち上がった。

小出は勝負どころとなった準決勝以外を全て一本勝ちの素晴らしい勝ち上がり。2回戦で福山琴子(鹿児島県・鹿屋東中)を2分34秒合技「一本」で下して大会をスタートすると、以降は3回戦で中山美音(高知県・高知中)に1分14秒合技「一本」、準々決勝で石川奈七子(岩手県・矢巾中)に2分12秒合技「一本」と順調にベスト4に進出。準決勝の大一番、団体との二冠を狙う山口千弘(福岡県・敬愛中)との対戦は相手の右大内刈を一歩引いて透かすなり、大きく捩じっての浮落一撃。上体を伸ばされた山口逆らえず背中から落下「技有」、この一発で優勢勝ちを果たした。体の強さと柔らかさ、空間を使った崩しの上手さと「浴びせる」能力の高さ、己の特徴を存分に発揮しての決勝進出。

対する髙橋はGS延長戦の連続をしぶとく勝ち上がっての決勝進出。初戦(2回戦)は中川杏奈(福井県・丸岡南中)に2分12秒払巻込「一本」と良い滑り出し。以降は菅本彩乃(山口県・高川学園中)にGS延長戦50秒「技有」優勢、準々決勝で荻野友里(東京都・国士舘中)にGS延長戦17秒「技有」優勢と2試合続けて延長戦を制してベスト4入り。迎えた準決勝は花木実友(新潟県・白根北中)を相手に約8分間とひときわ長い試合となる。途中で抑え込まれる場面もあったものの、ポイント寸前で逃れ、最後はGS延長戦4分55秒縦四方固「一本」で勝利。2年生ながら見事決勝への勝ち上がりを果たした。

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決勝、小出が小外刈で「技有」でリード。

【決勝】

小出穂香(神奈川県・茅ケ崎第一中)〇合技[小外刈・浮落](2:51)△髙橋梨子(栃木県・豊郷中)

小出、髙橋ともに右組みの相四つ。試合が始まるなり小出は猛然と前に出て奥襟を確保。相手を左右に振りながら足を飛ばし、27秒、場外際で右小外刈。脇を掬いながら浴びせて「技有」を先行する。リードを得た小出だが、以降も攻めの手を緩めず、右の足技と左の浮腰を交互に仕掛けながら前に出続ける。髙橋には1分5秒、1分58秒と消極的姿勢の「指導」が与えられる。しかし続く展開では相手に絞られた袖を足を使って切ろうとした小出にも「指導」。これでやや焦ったか、直後の展開では髙橋に右一本背負投で懐深くまで侵入される危ない場面が生まれる。ベンチからは「組み合うだけで良い」という指示が幾度か飛ぶが、小出は攻めの姿勢を崩さず、2分51秒、右を差しての時計回りの左浮落で浴びせ投げ「技有」を追加。合技「一本」で優勝を決めた。

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70kg超級優勝の小出穂香。

【入賞者】
優 勝:小出穂香(神奈川・茅ケ崎第一中)
準優勝:髙橋梨子(栃木・豊郷中)
第三位:花木実友(新潟・白根北中)、山口千弘(福岡・敬愛中)
第五位:坂口友莉亜(茨城・結城中)、荻野友里(東京・国士舘中)、石川奈七子(岩手・矢巾中)、椿原梨央(和歌山・箕島中)

小出穂香選手のコメント
「今日は組み手が上手くいき、自分から攻めていくことが出来ました。得意は足技。特にこの技というよりは足技全体が得意です。県大会と関東大会で優勝出来たので、今日も自信を持って戦えました。将来は看護師になりたいので柔道は高校までで良いかなと思っていますが、それまでは続けて、しっかり頑張りたいと思います。」

【準々決勝】
花木実友(新潟・白根北中)○送襟絞(2:25)△坂口友莉亜(茨城・結城中)
髙橋梨子(栃木・豊郷中)○GS技有(GS0:17)△荻野友里(東京・国士舘中)
小出穂香(神奈川・茅ケ崎第一中)○合技(2:12)△石川奈七子(岩手・矢巾中)
山口千弘(福岡・敬愛中)○優勢[僅差]△椿原梨央(和歌山・箕島中)

【準決勝】
髙橋梨子(栃木・豊郷中)○GS縦四方固(GS5:55)△花木実友(新潟・白根北中)
小出穂香(神奈川・茅ケ崎第一中)○優勢[技有]△山口千弘(福岡・敬愛中)

【決勝】
小出穂香(神奈川・茅ケ崎第一中)○合技(2:51)△髙橋梨子(栃木・豊郷中)

※ eJudoメルマガ版8月21日掲載記事より転載・編集しています。

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