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【直前プレビュー】芳田は決勝でクリムカイト・シジクの勝者待ち受ける/東京オリンピック柔道競技女子57kg級

(2021年7月25日)

※ eJudoメルマガ版7月25日掲載記事より転載・編集しています。
【直前プレビュー】三強の山きれいに分かれる、芳田は決勝でクリムカイト・シジクの勝者待ち受ける
東京オリンピック柔道競技女子57kg級直前展望
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日本代表は芳田司

(エントリー25名)

エントリーは25名。「概況解説・シード予想で示した予想からの、シード選手配置の変更はなし。全体としては強豪がバランス良くトーナメント全体に散らばっており、2回戦以降はどのプールでも有力選手同士のハイレベルな戦いが見られるはずだ。第1グループでシード枠に入っていなかった選手では、エテリ・リパルテリアニ(ジョージア)がプールBのテレザ・シュトル(ドイツ)直下、そしてダリア・メジェツカイア(ロシア)がプールCの芳田司(コマツ)直下にそれぞれ配された。順当ならば芳田は初戦(2回戦)でメジェツカイアを迎え撃つことになる。初戦の相手としては少々重い相手だが、ほかの優勝候補2名、ジェシカ・クリムカイト(カナダ)とサハ=レオニー・シジク(フランス)にも相応に山場が置かれており、特別芳田が厳しいということはない。本階級は上位陣がほぼシードに入っているため、上位戦の予想メンバーも「概況解説・シード予想から大きく変わる点はなし。シュトルとリパルテリアニ、ティムナ・ネルソン=レヴィー(イスラエル)とマリツァ・ペリシッチ(セルビア)が入れ替わる可能性があるが、それについてはプール評で補完していきたい。

有力選手の配置、各プールの勝ち上がり展望は下記。各選手の特徴については「選手名鑑」を、組み合わせは公式サイトで山組を確認のこと。。

■ プールA
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第1シードはジェシカ・クリムカイト

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挑戦者はテルマ・モンテイロとなるはず。

第1シード:ジェシカ・クリムカイト(カナダ)
第8シード:テルマ・モンテイロ(ポルトガル)
有力選手:イヴェリナ・イリエワ(ブルガリア)ユリア・コヴァルツィク(ポーランド)カラカス ・ヘドウィグ(ハンガリー)

勝ち上がり候補はシード選手2名。ともに2回戦に山場が設定され、クリムカイトはイヴェリナ・イリエワ(ブルガリア)、モンテイロはユリア・コヴァルチク(ポーランド)とカラカス・ヘドウィグ(ハンガリー)の勝者からそれぞれ挑戦を受けることになる。クリムカイトの側は平均点の出来でも十分に勝利可能と思われるが、モンテイロの側はなかなかタフな組み合わせ。最近の調子からは恐らくカラカスが勝ち上がってくるはずだが、両者は昨年11月の欧州選手権の決勝で対戦しており、その際は試合時間8分を超える熱戦の末にカラカスが「指導3」で勝利している。対戦成績自体はモンテイロが7勝2敗と勝ち越しており今回も勝利すると予想するが、現在の両者の力関係を考えれば今度も長時間の消耗戦になる可能性が十分にある。その場合次戦のクリムカイト戦に及ぼす影響は極めて大きく、モンテイロとしてはいかにここを損耗少なく切り抜けられるかが序盤戦のポイントだ。なお、クリムカイトとモンテイロは過去クリムカイトが3勝0敗と一方的に勝ち越している。前述の組み合わせの事情も含めて考えれば、クリムカイトのベスト4進出はほぼ間違いない。

■ プールB
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サハ=レオニー・シジク

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ジョーカーのエテリ・リパルテリアニはこの山に配された

第4シード:サハ=レオニー・シジク(フランス)
第5シード:テレザ・シュトル(ドイツ)
有力選手:キム・チス(韓国)ミリアム・ローパー(パナマ)エテリ・リパルテリアニ(ジョージア)

シジクのベスト4進出が濃厚。ただし準々決勝で対戦する位置に本階級きっての伏兵であるリパルテリアニが置かれており、この選手が勝ち上がって来た場合には何らかのアクシデントが起こる可能性もある。リパルテリアニは先に2回戦でシュトルに挑むことになり、これがこの山の序盤戦最初の見どころ。過去の戦績はシュトルの2勝0敗であるが最後に戦ったのはまだリパルテリアニがカデ上がりだった2018年で、参考記録にしかならない。勝敗を分けるのは恐らく、単純にどちらに地力があるか。序列で言えばシュトルを推すべきだが、このところのリパルテリアニの急激な成長を考えれば、ここで勝利して序列も逆転してしまう可能性が大だ。よって準々決勝のカードはシジクvsリパルテリアニと予想したい。対戦成績はシジク3勝0敗。今年4月の欧州選手権で対戦した際にはシジクが支釣込足と移腰の合技「一本」で勝利している。しかし、その際もリパルテリアニの密着を受け入れて戦ってしまっており、隙がないわけではない。あくまでも勝ち上がりはシジクと予想するが、この選手の弱点である業師ゆえの防御面の甘さが出てしまった場合には、番狂わせもあり得るはずだ。

■ プールC
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芳田の初戦はダリア・メジェツカイア。

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スタイルが面倒なマリツァ・ペリシッチ。

第2シード:芳田司(コマツ)
第7シード:ティムナ・ネルソン=レヴィー(イスラエル)
有力選手:ダリア・メジェツカイア(ロシア)ルー・トンジュアン(中国)マリツァ・ペリシッチ(セルビア)

芳田の山。本文にも書いたとおり初戦(2回戦)の相手にメジェツカイアが配されており、これが最初の山場。ただし芳田はこの選手とは相性が良く対戦成績は2勝0敗。今大会のロシア勢があまり良いパフォーマンスを見せていないことからも、さほど苦労せずに勝利できるだろう。ただし、続く準々決勝は相性的に要注意。ここにはシード選手のネルソン=レヴィーとペリシッチの勝者が勝ち上がってくる。格はネルソン=レヴィーの方が上だが、実は対戦成績ではペリシッチが2勝0敗と一方的に勝ち越している。相手はこちらになるだろう。ペリシッチは左構えから右一本背負投を連発してくる粘戦タイプ。芳田のようにじっくり組んで技を狙う相手を手数で塗り潰すのが得意だ。戦いにくい相手だと思われる。立技だけで勝負すれば手数を積まれてジリ貧になる可能性もあり、相手が伏せる度にしつこく寝技で攻めて勝負したい。実力自体は芳田が数段上、戦略を間違えなければ確実に勝てるはずだ。

■ プールD
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ノラ・ジャコヴァ

第3シード:ノラ・ジャコヴァ(コソボ)
第6シード:レン・チェンリン(台湾)
有力選手:ザブリナ・フィルツモザー(オーストリア)サンネ・フェルハーヘン(オランダ)ドルジスレン・スミヤ(モンゴル)カヤ・カイゼル(スロベニア)

勝ち上がり候補はジャコヴァ。ただし下側の山にはレン・チェンリン(台湾)、ドルジスレン・スミヤ(モンゴル)、カヤ・カイゼル(スロベニア)と力のある選手が3名詰め込まれている。ここからはシード順どおりにレンが勝ち上がると予想するが、その場合ジャコヴァとの対戦成績は2勝2敗と五分。リオ五輪後に限るとジャコヴァが2連勝しているものの、レンは最近一段力を増し、非常に充実している。33歳にして第2の全盛期の感すらあり。あくまでも実力では地力に勝るジャコヴァに分があると予想するが、レンが勝ってもまったくおかしくない。

■ 準決勝~決勝
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芳田とシジク、最後に相まみえたのは今年1月のワールドマスターズ決勝。

準決勝以降の組み合わせ予想については「概況解説・シード予想から変更がないためそちらをお読みいただきたい。芳田は組み合わせ的にもほかの2名よりは恵まれており、力も十分優勝に足るものを持っている。何度も述べさせてもらっているとおり現在の芳田の強みは何でもできる全方位性。観戦する際は是非相手の弱点はどこかを考え、そして芳田がここを的確に突いて勝利していく様に注目してほしい。

※ eJudoメルマガ版7月25日掲載記事より転載・編集しています。

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