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【レポート】埼玉栄が無失点で9度目の優勝決める/第69回関東高等学校柔道大会女子団体戦レポート

(2021年7月11日)

※ eJudoメルマガ版7月11日掲載記事より転載・編集しています。
【レポート】埼玉栄が無失点で9度目の優勝決める
第69回関東高等学校柔道大会女子団体戦レポート
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日時:2021年6月12日~13日
会場:山梨県小瀬スポーツ公園武道館(甲府市)
※先鋒と中堅 は体重57kg以下、大将は無差別
※試合時間は3回戦まで3分、準々決勝から4分

取材・文:eJudo編集部

■ 準決勝まで
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準々決勝、帝京の大将大高ひかりが前橋育英・相澤愛佳を抑え込む

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準々決勝、富士学苑の大将山本海蘭は岩倉・田中輝乃の猛攻にも揺るがず。

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準々決勝、桐蔭学園の中堅江口凜が修徳・宮木果乃から縦四方固「一本」

29校がエントリーを許された今大会、ベスト4の顔ぶれは帝京高(東京)、富士学苑高(山梨)、桐蔭学園高(神奈川)、埼玉栄高(埼玉)。予想通りの強豪4校がしっかり勝ち残った。

帝京は1回戦の千葉明徳高(千葉)戦を2-0で勝ち抜くと、最初の山場と目された横須賀学院高(神奈川)との2回戦で大将を酒井葵海から全国中学校大会70kg超級2連覇者・大高ひかりに入れ替え。大高が井上桜から挙げた払巻込「一本」をテコに1-1の内容差でこの試合を乗り切ると、準々決勝で前橋育英を2-0で下してベスト4入り決定。

富士学苑は先鋒から西ノ内智優、大久保藍、山本海蘭という布陣で大会をスタート。初戦は三浦学苑高(神奈川)とマッチアップ、西ノ内が小宮山美佳と引き分けたが以降は一本勝ち2つを並べて2-0で突破。児玉高(埼玉)との2回戦では中堅戦で全国高校選手権57kg級準優勝者の井田有希に大久保が一本背負投「一本」で敗れたが、西ノ内と山本の一本勝ち2つをテコにスコア2-1で勝ち抜け決定。準々決勝の岩倉高(東京)戦からは先鋒を竹中真琴に入れ替え、1点リードで迎えた大将戦では山本が63kg級東京都代表の田中輝乃から「技有」優勢で勝利してスコア2-1で勝利決定。強豪ばかりとの連戦を、いずれも2得点以上を挙げる攻撃力の高さを見せてベスト4入りを決めた。

桐蔭学園は2回戦からの登場。西武台千葉高(千葉)を相手に先鋒舩山葵音が苦杯。根岸櫻子に合技「一本」で先制点献上というスタートだったが、ここから全国高校選手権57kg級の覇者・江口凜と同無差別3位の星野七虹がいずれも1分掛からず袈裟固「一本」で勝利して大過なし、2-1で初戦を突破。準々決勝の修徳高(東京)戦はこれも江口と星野が一本勝ち2つを並べて2-0で突破した。

埼玉栄は強力布陣。2回戦から渋谷教育学園渋谷高(東京)とかなりハードル高い組み合わせだったが、全国高校選手権52kg級の覇者新井心彩が藤原七彩からまず合技「一本」をあげて先制。中堅栗原理梨の笠川真尋との引き分けを受けた大将戦では、全国中学校柔道大会70kg超級2位の新井万央が、高校選手権無差別ベスト8の大森恵花から「指導」2つを得ての勝利で力を見せつける。2-0でこの試合を突破すると、準々決勝では、前戦の反則負けで中堅を欠く八千代高(千葉)を3-0で一蹴。失点ゼロでベスト4入りを決めた。

■ 準決勝
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大将戦、山本海蘭が大高ひかりから鮮やかな内股透「技有」

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新井万央が星野七虹から裏投「一本」

富士学苑高(山梨) 3-0 帝京高(東京)
(先)竹中真琴〇優勢[技有・小外刈]△鈴木彩矢
(中)大久保藍〇優勢[技有・背負投]△山崎麗菜長
(大)山本海蘭〇合技[内股透・崩上四方固](1:08)△大高ひかり

富士学苑が圧勝。竹中真琴と大久保藍の連勝で早々に勝負を決めると、大将戦では全国中学校大会70kg級2位の山本海蘭が大高ひかりを内股透と崩上四方固の合技「一本」に仕留める最高の締め。なんとスコア3-0という大差で決勝進出を決めた。

埼玉栄高(埼玉) 2-0 桐蔭学園高(神奈川)
(先)新井心彩〇優勢[技有・袖釣込腰]△舩山葵音
(中)栗原理梨×引分×江口凜
(大)新井万央〇裏投(3:07)△星野七虹

中堅戦における江口凜の存在、パワー派のぶつかり合いとなる大将戦を考えれば、もっとも大事なのは先鋒戦。新井心彩が取るか、舩山葵音が引き分けるかで試合の流れはまったく変わる。ここで新井が「技有」優勢でしっかり勝利を収めたことで埼玉栄が一段階段を上がった。中堅戦は栗原理梨が江口を止めて、ほぼ勝負あった印象。大将戦はもはや勝負に出るしかない星野七虹との腰の入れあいから新井万央が裏投「一本」で勝利。緊張感ある盤面構成だったが、勝負どころを抑え続けた埼玉栄がスコア2-0の大差で勝ち抜けを決めることとなった。

■ 決勝
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先鋒戦、新井心彩が値千金の送襟絞「一本」

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栗原理梨が大久保藍を攻める

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新井万央は堅守に舵を切り、山本海蘭の攻めを受け切る。

埼玉栄高(埼玉) 1-0 富士学苑高(山梨)
(先)新井心彩〇送襟絞(3:03)△竹中真琴
(中)栗原理梨×引分×大久保藍
(大)新井万央×引分×山本海蘭

先鋒戦は新井心彩が左、竹中真琴が右組のケンカ四つ。両者ともに相手の釣手の位置が気になり、なかなか効果的な攻撃が見いだせない。終盤になり、新井心が左内股を仕掛け、思わず伏せて受けた竹中の一瞬の隙を逃さず、いわゆる「腰絞め」に捉える。進行の過程で手で竹中の脚をも拘束し、形はほぼ完璧、竹中は必死に耐えるが、動きが止まった時点で、主審は「落ちた」と判断し、「一本」を宣告。技を解くと竹中は意識を失っていなかったが、審判員による協議の末この判定は取り消されず。新井の一本勝ちが認められ、埼玉栄が貴重な先取点を得る。

中堅戦は栗原理梨、大久保藍ともに右組みの相四つ。前戦の桐蔭学園戦では全国高校選手権57kg級王者の江口凜と引き分けた栗原はこの試合でも軽快な動き。対する大久保は失点を取り返すべく積極的に肩車や袖釣込腰を仕掛けるも、ポイントを奪うような山場を作り出すことができず。この試合は引分に終わる。埼玉栄が勝利に向けてさらに一段階段を登った形。

大将戦は新井万央が右、山本海蘭が左のケンカ四つ。両者は今年の関東柔道選手権大会でも対戦経験があり(新井が勝利)、山本にとっては雪辱の機会である。170センチの長身・新井に対し、山本は序盤から左内股を中心に攻め立てる。一方の新井は1点リードの戦局を考えてか堅守に徹し、無理押しをせず安定した試合運び。山本、1分2秒には組み際の背負投で新井を大きく崩す。以後も攻撃の止まない山本に対し、やや受けに回り過ぎた新井に2分25秒「指導」。山本直後の2分35秒には組み際に釣手のみの背負投を放ち、再び大きく崩して一段加速。しかし残り時間は新井がうまくさばき、この試合は引き分けで終了。埼玉栄が1-0で勝利確定、関東高校柔道大会で9回目の優勝を飾った。

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9度目の優勝を飾った埼玉栄高

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2位の富士学苑高

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3位の桐蔭学園高

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3位の帝京高

【成績上位者】
優 勝:埼玉栄高(埼玉)
準優勝:富士学苑高(山梨)
第三位:帝京高(東京)、桐蔭学園高(神奈川)

【準々決勝】

帝京高(東京) 2-0 前橋育英高(群馬)
(先)鈴木彩矢×引分×関口凜
(中)山崎麗菜長〇優勢[技有]△永岡采枝
(大)大高ひかり〇合技(2:15)△相澤愛佳

富士学苑高(山梨) 2-0 岩倉高(東京)
(先)竹中真琴×引分×村山星花
(中)大久保藍〇反則[指導3](3:40)△津田日菜
(大)山本海蘭〇優勢[技有]△田中輝乃

桐蔭学園高(神奈川) 2-0 修徳高(東京)
(先)舩山葵音×引分×中山歩
(中)江口凜〇縦四方固(3:14)△宮木果乃
(大)星野七虹〇合技(0:56)△枝川茉央

埼玉栄高(埼玉) 2-0 八千代高(千葉)
(先)新井心彩〇優勢[僅差]△横山美月
(中)栗原理梨〇不戦△
(大)新井万央〇内股(0:18)△戸山このみ


【準決勝】

富士学苑高(山梨) 3-0 帝京高(東京)
(先)竹中真琴〇優勢[技有・小外刈]△鈴木彩矢
(中)大久保藍〇優勢[技有・背負投]△山崎麗菜長
(大)山本海蘭〇合技[内股透・崩上四方固](1:08)△大高ひかり

埼玉栄高(埼玉) 2-0 桐蔭学園高(神奈川)
(先)新井心彩〇優勢[技有・袖釣込腰]△舩山葵音
(中)栗原理梨×引分×江口凜
(大)新井万央〇裏投(3:07)△星野七虹

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表彰式に臨む埼玉栄高

【決勝】

埼玉栄高(埼玉) 1-0 富士学苑高(山梨)
(先)新井心彩〇送襟絞(3:03)△竹中真琴
(中)栗原理梨×引分×大久保藍
(大)新井万央×引分×山本海蘭

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