PAGE TOP ↑
eJudo

【eJudo’s EYE】阿部一二三は視界良好、課題は低い担ぎ技との「付き合い方」/グランドスラム・アンタルヤ評

(2021年4月27日)

※ eJudoメルマガ版4月27日掲載記事より転載・編集しています。
【eJudo’s EYE】阿部一二三は視界良好、課題は低い担ぎ技との「付き合い方」/グランドスラム・アンタルヤ評
eJudo Photo
1年2か月ぶりとなる国際大会で見事優勝を飾った阿部一二三。

文責:古田英毅
Text by Hideki Furuta

グランドスラム・タシケントからヨーロッパ選手権まで7週間にわたって続いた、近年稀に見る大会超過密期(グランドスラムが3つ、大陸選手権が必見のものだけで2つ、全国大会が3つ!)がようやく終わった。こちらも試合を見て速報を出すだけでもう手一杯という状況だったのだが、どうやら一区切り。もろもろ少しづつ、短くアウトプットしていきたい。まだGSカザンが控えているが、一応出場がひとめぐりしたということでまずは日本の五輪代表評から。

まず、グランドスラム・アンタルヤに優勝した阿部一二三の戦いぶりについて。

観客として国際大会にどっぷり浸かる中で久々その姿を見てまず思ったのは、阿部がやはり唯一無二の、ちょっと今の国際シーンでは出てこないタイプの面白い選手だということ。引き手一本で遠間に構え、釣り手の把持と同時に打点の高い担ぎ技を叩き込む、斬撃の強さに特化した居合い抜きスタイル。遠間に身を置いたまま、相手にこの高い打点の担ぎ技の一撃を意識させること自体が「作り」。こういう方向性で尖っている選手は、いまの世界の一線にはいない。以前阿部のスタイルが紛うことなき変則であると喝破したことがあるのだが、オリジナリティの高い変則ファイター多きいまの国際柔道にあっても阿部は希有、たぶんこういうタイプは日本以外からは出てこない。「二本しっかり持って『一本』を取る」という万人が掲げる日本柔道理想の姿とは少々毛色が異なるが、やはり阿部もこの国以外からは生まれようがない、「日本らしい選手」なのだ。長期欠場の間の66kg級世界の栄枯盛衰を経てその面白さがさらに際立つ形になったな、というのがファーストインプレッション。

...続きを読む

※ eJudoメルマガ版4月27日掲載記事より転載・編集しています。

→eJudoトップページに戻る
→「ニュース・マッチレポート」に戻る
→「書評・DVD評」に戻る