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【プレビュー】男子7階級展望/2021年全日本選抜柔道体重別選手権大会

(2021年4月4日)

※ eJudoメルマガ版4月4日掲載記事より転載・編集しています。
【プレビュー】男子7階級展望/2021年全日本選抜柔道体重別選手権大会
文責:eJudo編集部

■ 60kg級 永山欠場で様相激変、史上稀にみる大混戦
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小西誠志郎(自衛隊体育学校)

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米村克麻(センコー)

第1シードに配されていた東京五輪補欠代表の永山竜樹(了徳寺大学職員)が急性腰痛症、隅角分離症のために欠場。繰り上げで山本達彦(北関東綜合警備保障)がその枠に入った。

永山という柱を抜かれたトーナメントの様子は激変。シニアの世界大会経験者が誰もいない、誰が優勝してもおかしくない史上稀にみる混戦である。

形上の優勝候補は昨年10月の講道館杯で決勝の誤審により両者優勝となった米村克麻(センコー)と小西誠志郎(自衛隊体育学校)。ともに下側の山に配置されており、準決勝で潰し合うことになる。両者とも講道館杯でのパフォーマンスはまさにキャリアハイ、飛び抜けた出来であったが、ゆえに、かえってその再現性のほどは予想しがたい。米村の初戦は百戦錬磨の竪山将(パーク24)、小西には爆発力ある納庄兵芽(日本エースサポート)が配されており、まずここをしっかり勝ち上がれるかどうか。ファンとしては、お預けになっている講道館杯決勝の決着に注目というところ。混戦の60kg級世界にあって、2大会連続でビッグタイトルを獲得すれば、得られる権利はかなり大きいはず。米村と小西にとっては大チャンスである。

上側の山も下側に負けない大混戦。昨年の講道館杯の結果からすれば古賀玄暉(旭化成)が勝ち上がる可能性が高いと思われるが、準決勝の相手は2019年講道館杯優勝者の青木大(パーク24)となることが濃厚。長い手足を使って抱き込む形が基本形の、階級屈指の長身選手である。昨年の講道館杯の3位決定戦では古賀が大外刈「技有」で勝利しているが、方法論的なアドバンテージや実績を加味すると、純戦力的にはまだ青木が上と読む。こちらが勝ち上がるシナリオも十分に考えられるだろう。

■ 66kg級 序列再編期に組まれた大混戦、勢い繋げたい相田勇司
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相田勇司(國學院大3年)

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藤阪泰恒(パーク24)

絶対的な優勝候補であった第1シードの丸山城志郎(ミキハウス)が右足関節捻挫のために欠場。充期限以降の届け出となったために代替選手は選ばれず、この階級は7名で戦われることになる。

優勝候補は昨年10月の講道館杯を優勝した藤阪泰恒(パーク24)と同2位の相田勇司(國學院大3年)。この2名もシード扱いで配置は揃って下側の山、早くも準決勝で対戦することになる。2019年に講道館杯を制した相田は同年のグランドスラム大阪でも活躍したが、直後コロナ禍によって大会が窮し。いまだ成果に見合った国際大会派遣の機会を得られていない。一方の藤阪もグランドスラム大阪が中止となったためにいまだ国際大会への派遣はなく、双方ともにここで存在感を落とすわけにはいかない。特に若い相田は「選抜体重別優勝」という金看板を得て、2019年末に得つつあった次代の旗手という立場を確定させてしまいたいところ。講道館杯決勝では藤阪が豪快な払腰「技有」で勝利しているカードだが、試合全体としては相田が押しており、実力的にはほとんど差がない。双方平均値の出来なら相田に分あり、藤阪が好調を維持できているかどうかがカギになるだろう。

上側の山はさらに読み難い、若手選手3人による大混戦。丸山の欠場で1試合少ない体力的なアドバンテージと昨年の講道館杯の逞しい戦いぶりから、ここは最年少者・田中龍馬(筑波大2年)の勝ち上がりを推したい。

長く上位陣の顔ぶれが固定されてきた66kg級だが、今大会では磯田範仁(国士舘大学職)や田川兼三(学習院中等科教)といったこれまで3番手、4番手を維持してきた選手が出場枠から漏れている。明らかな序列の再編期に組まれたこの大混戦から誰が抜け出すか。熱戦に期待したい。

■ 73kg級 橋本壮市の練れた組み手に注目、挑戦者はいずれも超攻撃型
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橋本壮市(パーク24)

東京五輪補欠の橋本壮市(パーク24)が第1シード。講道館杯2連覇の原田健士(ALSOK)と同大会3年連続2位の海老沼匡(パーク24)がそれぞれ第2、第3シード扱いで反対側の山に配された。優勝争いはこの3名が軸。

優勝候補の最右翼は2017年ブダペスト世界選手権王者、いまも世界の頂点に近い力を維持している橋本。来る6月の世界選手権でも間違いなくV候補筆頭格である。まずは、代表選出確実の立場ながら、敢えてこの厳しい場に出場してきた橋本の侠気に拍手を送りたい。

組み合わせは初戦で大吉賢(了徳寺大職)、続く準決勝で塚本綾(日本体育大4年)か島田隆志郎(パーク24)の勝者という、いずれも「攻撃」に極端に振ったタイプの選手との対戦が組まれた。橋本といえば「橋本スペシャル」など独自の投げ技のイメージが強いが、ベースは相手を封じ、しかもそれがそのまま自ら攻めのスイッチとして機能する、誰にも真似のできない練れた組み手にある。彼ら攻撃的な挑戦者たちを橋本がどう封じて料理するのか、それともこの防壁を掻い潜って一撃を食らわす強者が現れるのか。橋本の組み手を軸とした攻防が最大の見どころだ。

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原田健士(ALSOK)

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海老沼匡(パーク24)

下側の山は、原田と海老沼の勝ち上がりが濃厚。原田は初戦の立川新(旭化成)戦が大きな山場。この試合の構図は「矛と盾」、自らの良さを押し付けることに長けた超攻撃型の原田と相手の良さを消すことを得意とする立川という、魅力的な顔合わせだ。しかし立川、近年は負傷もあって講道館杯を3連覇した当時の強さと勢いが失われており、昨年の講道館杯の原田戦は一方的な内容で敗れている。今回も原田が投げ勝つ可能性が高いだろう。続く原田と海老沼による準決勝は、一転派手な投げ合い必至。海老沼には相手の良さを引き出してしまう「名勝負メイカー」的な側面があり、これと原田の超攻撃的なスタイルが掛け算されることで、過去の直接対決はすべて見応えのある投げの打ち合いとなってきた。これは第2日屈指の好カード。瞬き厳禁で観戦したい。「一本」級の投げが何回出てもおかしくない予想不可能のカードであるが、これまでの対戦成績から仮に原田の勝ち上がりと考えておきたい。

よって決勝カードは橋本と原田。地力、実績ともに橋本が上だが、原田には怖いもの知らずの勝負度胸、そして勢いがある。そしてこの試合も焦点は橋本の組み手。橋本の「封じる」「攻める」二極を両立させる練れた組み手を、原田がいかに掻い潜ってチャンスを掴むかがみどころだ。単純に「手順を飛ばす」だけでは橋本の組み手は突破し難いが、講道館杯決勝で見せた内股のように原田の方法論には良い意味での破調があり、面白いアプローチを見せてくれる可能性が大。もっか国内最強の盾と鉾、どちらに軍配が上がるのかまことに楽しみな一番だ。

■ 81kg級 「全日本男」佐々木健志が体重別に降臨、迎え撃つ銀メダリスト藤原崇太郎
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藤原崇太郎(旭化成)

東京五輪補欠代表の藤原崇太郎(旭化成)が第1シード。昨年の講道館杯王者の小原拳哉(パーク24)と体重無差別の全日本選手権で3位入賞した佐々木健志(ALSOK)が藤原とは反対側の山に置かれた。優勝争いの軸は藤原と佐々木だ。

藤原は2018年バクー世界選手権で2位を獲得するなど一時は国内1番手にあったが、2019年東京世界選手権の初戦敗退や直接対決での敗戦が響き、永瀬貴規(旭化成)に逆転で代表の座を奪われている。今大会は、代表権を逃してから初めての戦い。ここでしっかり力を示して、2024年パリ五輪に向けた永瀬追撃の第一歩としたい。組み合わせは初戦で丸山剛毅(パーク24)、準決勝で江畑丈夫(パーク24)と賀持喜道(日本大学2年)の勝者と対戦予定。丸山との初戦が最初の山場だ。丸山は調子に波があるタイプで成績が安定していないが、「瞬間最大風速」は階級屈指。選抜のような「少人数トーナメントの初戦」などはまさにその怖さが最大限になるフィールドである。力だけを考えれば藤原が勝利する可能性が高いが、何が起こるかわからない試合でもある。イレギュラーな展開を避けるためにも、藤原の持ち味である丁寧な組み手と作り、ここを徹底したいところ。準決勝の相手は、江畑丈夫(パーク24)か賀持喜道(日本大3年)で柔道に癖があるタイプではない。丸山戦を勝ち上がれば一気に決勝進出が見えてくる。

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佐々木健志(ALSOK)

一方の佐々木も、2018年にはグランドスラム大阪とワールドマスターズに連勝するなど一時は国内1番手といえる成績を残したが、2019年にはその異常な反射スピードと身体能力ゆえの自爆が続き、大きく序列を落としている。以降なかなか存在感を示せずにいたが、コロナ禍を経た昨年12月の全日本選手権で大爆発、王子谷剛志(旭化成)、加藤博剛(千葉県警察)、垣田恭兵(旭化成)と名だたる強豪を一蹴し、ベスト4入りでみごと復活を遂げた。今大会は81kg級としての実質的な復帰戦。組み合わせでは初戦で友清光(日本製鉄)、準決勝で小原拳哉(パーク24)と佐藤正大(自衛隊体育学校)の勝者と対戦することになる。いずれも勝負力の高い実力者であるが、佐々木が全日本選手権で見せた圧倒的な出来からすれば敗れることは考えがたい。ただし、減量を経てどの程度あの力を発揮できるのかは未知数。勝負を分けるポイントは多々あるが、なによりもまず、佐々木が減量なしの無差別戦で見せた攻撃力をどこまで維持出来ているのかに注目したい。

決勝は藤原と佐々木の対戦を予想する。この2人はかつてこの階級の1番手を掛けて激しく出世を争った同世代のライバル同士。現状の「力」は佐々木が上ではないかと思われるが、藤原の組み手の上手さや試合の流れを読む勘も異次元級。どちらが勝ってもおかしくない。藤原は強くなっているが、密着や「際」の勝負など、攻撃性が高くなっているのが近年の変化。佐々木としては逆に、以前よりも戦いやすいのではという予想も可能だ。

2人の対決は、そのままパリ五輪代表選考の主役争いでもある。熱い戦いになることは間違いない。

■ 90kg級 V候補筆頭は村尾三四郎、スケール大きい柔道に期待
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村尾三四郎(東海大3年)

第1シードに置かれていた東京五輪補欠代表の長澤憲大(パーク24)が右膝内側側副靭帯損傷のために欠場。さらに2016年リオデジャネイロ五輪金メダリストのベイカー茉秋(日本中央競馬会)も右肘関節亜脱臼を理由に出場を取り止めた。長澤の位置には代替選手として戸髙淳之介(延岡学園高3年)が繰り上がりで出場。ベイカーの枠は補充期間以降の届け出のために選手の補充は行われない。

優勝候補筆頭は講道館杯2連覇者の村尾三四郎(東海大3年)。昨年の講道館杯ではオール一本勝ち(初戦の「指導3」を含む)という圧倒的な内容で優勝を飾っている。同大会での戦いを見る限り、力は図抜けている。優勝争いの対抗馬と目されていた長澤とベイカーが揃って欠場となったことを考えれば、前評判どおりの強さで村尾が初優勝を飾る可能性が高いだろう。ただし、この階級の出場者はいずれも技一撃の威力で売る好選手ばかり。田嶋剛希(パーク24)、増山香補(パーク24)、長井晃志(警視庁内定者)、大町隆雄(山口県警察)とそれぞれ属性異なる担ぎ技のスペシャリスト4名に、講道館杯で大会ベスト「一本」級の払釣込足を披露した森健心(明治大2年)と、いずれもアップセット因子を孕む選手ばかりだ。油断のならない大会でもある。

組み合わせでは村尾は初戦で森、次戦で田嶋と対戦することになる。実力からすると田嶋の方が上ながら、属性的に怖いのはむしろ森。まず食うことはないと思うが、足技、特に払い技には実力差を無効化して一瞬で試合を終わらせてしまう属性があり、その名手である森は厄介な相手だ。初戦ということもあり、あえてスピードを抑えて、まずしっかりと組み止めてから戦いたいところ。次戦の田嶋は豪快な担ぎ技と密着技を得意する超攻撃型。村尾とは相性が噛み合うと予想され、激しい投げの打ち合いになると予想される。とはいえ、現状の実力ならば村尾に分があると思われ、苦戦することはあっても最終的には村尾が勝利するはずだ。

トーナメント上側の山は担ぎ技系同士が潰し合う大混戦。まず1回戦で増山と大町が戦い、その勝者が準決勝で長井と対戦する予定となっている。高く担ぎ上げる背負投の増山に低く力強い背負投が得意の大町、組み際の「韓国背負い」が武器の長井と同じ背負投でもそれぞれのスタイルはまったく異なる。勝ち上がり予想としては増山を推すが、勝敗は別に各試合の背負投の応酬を楽しみたい。

決勝は上側のブロックから誰が勝ち上がったとしても村尾の勝利が濃厚。それだけ村尾の力は抜けている。村尾が優勝した場合には6月のブダペスト世界選手権に選出される可能性が高く、初の世界大会代表に向けてかなりモチベーションが上がっているはず。村尾らしい遠間から一気に加速して仕掛ける、相手を呑み込むような迫力のある刈り技、跳ね技の炸裂に期待したい。

■ 100kg級 優勝候補筆頭は飯田健太郎、最難関は準決勝
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飯田健太郎(旭化成)

東京五輪補欠代表の飯田健太郎(旭化成)が第1シード。第2シードには昨年の全日本選手権王者の羽賀龍之介(旭化成)が置かれていたが、筋膜性腰痛のために大会直前に欠場を発表した。補充期限以降の届け出のため、代替選手は補充されていない。トーナメントには西山大希(日本製鉄)、石内裕貴(旭化成)、垣田恭兵(旭化成)らスター級の実力者が名を連ねているが、過去の戦績や戦いぶりからすれば飯田が頭ひとつ抜けている。トーナメントの中心は間違いなく飯田。

飯田は初戦で中野智博(早稲田大1年)、準決勝では垣田と山口貴也(日本大学4年)の勝者と対戦することになる。中野とはまだまだ力の差があると思われるが、恐らく次戦に勝ち上がってくるであろう垣田は策士、しかも相性的に飯田が苦手とする低重心の曲者タイプである。所属の後輩に「洗礼」を与えるべく様々な策を巡らせているはずで、相当な苦戦が予想される。純戦力では飯田に分があり勝利するのはあくまでも飯田と予想するが、飯田は昨年の全日本選手権で田中源大(日本製鉄)に敗れた場面に象徴されるように、我慢し切れず勝ち急いで思わぬ一撃を食って敗れることが多々ある。垣田はまさにその弱点に付け込んでくるはず。いかに我慢し、丁寧に戦えるかがポイントになるだろう。

一方、羽賀の消えた下側の山からは初戦で組まれている西山-石内戦の勝者がそのまま勝ち上がると思われる。ともに威力のある投げが魅力の両者だが、実は袖の絞りが強烈な西山に釣り手のコントロールが巧みな石内と、ともに階級内でも有数の組み手巧者でもある。投げで決着する可能性が高いカードだが、それ以上に組み手の攻防に注目して楽しみたい一番である。勝敗予想は過去の実績と保有する手札の多さから、西山と予想したい。

よって決勝カードは飯田と西山。これは昨年の講道館杯の決勝と同じ組み合わせであり、その際は飯田が燕返「一本」で勝利している。相性的にも飯田にとって正統派の西山は戦いにくい相手ではなく、今回も飯田が勝利する可能性が高いだろう。豪快な「一本」で勝利して恐らく選出されるであろう6月のブダペスト世界選手権に向けて勢いをつけたい。

■ 100kg超級 本命影浦抜けて様相は混戦、新星斉藤立の活躍に期待
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斉藤立(国士舘大2年)

第1シードで東京五輪補欠代表の影浦心(日本中央競馬会)が腰椎捻挫を理由に欠場。代替選手として王子谷剛志(旭化成)が繰り上がりで出場する。

優勝候補の影浦が抜けたことでトーナメントの主要テーマであった「国内2番手争い」は流局。影浦が暫定的にその地位を維持することとなった。優勝争いについてはほぼ全員が横一線。過去の実績では第2シード配置の小川雄勢(パーク24)がやや抜けているが、最近はいまひとつ結果を残せておらず、優勝候補というほどの絶対性はない。誰もに優勝の可能性がある、混戦模様。

最注目は2019年講道館杯以来の大会出場となる若手のホープ斉藤立(国士舘大2年)。負傷とコロナ禍が重なったことで1年以上試合に出場しておらず、現在の実力は未知数。この間にどの程度稽古を積めているのか、どのような方向で成長しているのか、興味は尽きない。組み合わせでは初戦で香川大吾(ALSOK)、準決勝で小川と松村颯祐(東海大4年)との対戦が組まれた。山場はまず、香川との初戦。斉藤は強さで押す相手に対しては無類の強さを誇り、過去講道館杯では小川にも「指導3」の反則で勝利している。しかし一方で圧を逸らしてくる巧さのある相手は苦手としており、同大会でも太田彪雅(旭化成)と佐藤和哉(日本製鉄)に敗れている。香川はパワーをベースとした柔道スタイルながら、組み手の駆け引きに長けた巧者でもあり、斉藤の現在地を測るには格好の相手。この試合を良い内容で勝ち上がれるようであれば、一気に優勝も見えてくる。続く準決勝には小川が勝ち上がってくると思われ、これは全階級を通じた屈指の好カード。前述のとおり前回対戦では斉藤が勝利しているが、小川としては2連敗はなんとしても避けたい。熱戦が期待できるだろう。前回対戦を補助線に、仮に斉藤の勝利として稿を進めたい。

上側の山は初戦で王子谷と中野寛太(天理大3年)、そして佐藤と太田と、似た属性の選手による対戦2試合が組まれ、その勝者が準決勝で戦うことになる。上側は王子谷のベスト4入りと読むが、下側は難しい。佐藤-王子谷であれば、これは昨年12月の全日本選手権で王子谷が「指導3」の反則で勝利しているカード。その前の講道館杯では反対に佐藤が同じく「指導3」の反則で王子谷を破っているため絶対的な指標ではないが、繰り上げ出場の気合いを買って、仮に王子谷の勝利を推す。太田-王子谷であれば、全日本の出来から太田を推したいところだが、得意の相四つだけに王子谷の出来がよければ太田の技巧を塗りつぶしてしまう可能性も十分。

変数が多すぎるが、仮に決勝は王子谷と斉藤の対戦になると予想する。これからキャリアを登らんとする斉藤に復活を目指す王子谷と両者の立ち位置は対照的。正面からの力比べになるだろう相性を考慮すれば、斉藤の優位すらじゅうぶん考えられる。世代交代、そして斉藤の本格的なシニアデビューに期待したい。ファンとしてはできるのならば斉藤が国内を代表する技巧派の佐藤や太田とどのように戦うのかも非常に気になるところ。仮にこのどちらかが勝ち上がってきた場合には、それに対して斉藤がこれまでのような圧と柔らかさで挑むのか、それとも組み手や試合運びの上手さを獲得して、この土俵で抗するのか、その点に注目して観戦したい。

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