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【レポート】1年生同士の対決は池田湖音に軍配、一瞬のチャンス見逃さず/第43回全国高等学校柔道選手権女子48kg級レポート

(2021年3月28日)

※ eJudoメルマガ版3月27日掲載記事より転載・編集しています。
1年生同士の対決は池田湖音に軍配、一瞬のチャンス見逃さず
第43回全国高等学校柔道選手権女子48kg級レポート
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準決勝、近藤美月が西ノ内智優から横四方固「一本」

取材・文:eJudo編集部

【決勝まで】

ともに1年生の近藤美月(佐賀県・佐賀商高)と池田湖音(埼玉県・埼玉栄高)が決勝に勝ち上がった。

近藤は2回戦から登場すると、いきなり初戦で優勝候補の1人である2018年全国中学校柔道大会40kg級覇者の百⽥久奈(静岡県・藤枝順⼼高)と対戦。この最初の山場を得意の左内股「技有」の優勢で切り抜けると、3回戦でも⼭本⼸華(⻑崎県・⻑崎明誠高)を豪快な左内股「一本」(1:56)、準々決勝で原⽥菜々⼦(福岡県・⼤牟⽥高)をGS延長戦での左内股「技有」(GS5:57)と3戦連続で得意の内股を決めてベスト4へと勝ち上がる。続く準決勝の⻄ノ内智優(⼭梨県・富⼠学苑高)との試合では持ち味の投げ技こそ決まらなかったものの、相手が「腹包み」から抑え込みを狙って来たところを反対に被り返しての横四方固「一本」(GS4:44)で勝利。全試合で技によるポイントを得て決勝へと駒を進めた。

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準決勝、池田湖音が原田瑞希から鮮やかな内股透「一本」

一方の池田も持ち味である組み手と試合運びの巧さを存分に発揮しての勝ち上がり。1回戦で秋⽥裕希乃(愛媛県・新⽥高)を左の「韓国背負い」による「技有」の優勢勝ちで下すと、2回戦では家本美貴(⼭⼝県・⾼川学園高)から内股透で「技有」、「一本」(2:43)と連取して勝利。3回戦の三浦⼼花(北海道・札幌⼭の⼿高)との試合はGS延長戦の僅差勝利(GS0:42)となったが、以降は再び試合ごとに調子を上げ、準々決勝では⾕⼝由莉(⼤阪府・常翔学園高)を釣り手のみの左背負投で逆に落としての「技有」(GS0:51)で勝利。さらに続く準決勝では原⽥瑞希(⼤分県・柳ヶ浦高)を鮮やかな内股透の秒殺「一本」(0:24)に仕留めて決勝進出を決めた。

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近藤が池田を内股巻込で攻める

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組み際に池田が「韓国背負い」

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回旋を加えながら押し込み「技有」

【決勝】
池田湖音○優勢[技有・背負投]△近藤美月
1年生同士による決勝は、池田、近藤ともに左組みの相四つ。組み勝って腰技、跳ね技を仕掛けたい近藤に、これを凌ぎつつ担ぎ技を狙う池田という構図。組み手争いから試合が始まり、互いに横にずれて相手の釣り手を抑えに掛かる。先に近藤が引き手で良い位置を得るが、池田は低く構えて回り込みながら引き手の捌きで相手に十分な釣り手を与えず、この攻防は近藤が強引な左内股で伏せて終息「待て」となる。続く展開も横変形での組み手争いとなり、1分0秒、両者に消極的試合姿勢の「指導」。試合は近藤がやや優位も、膠着状態。しかし、こから近藤は組み立てを変え、片襟の左背負投に釣り手で相手の腕を抱えての左体落と低い技を重ねる。さらに続く攻防では先に釣り手で相手の引き手を得てから手繰って奥を叩くなど組み手の手順も変え、攻めに山場を作る。この時間帯に攻め続けたのは明らかに近藤、しかし1分54秒、主審はなぜか近藤の側のみに消極的の「指導2」を与える。この判定に近藤はやや動揺した様子。すると直後の組み際、焦った近藤が雑に組みついたチャンスを逃さず、池田が鋭い左の「韓国背負い」に飛び込む。一瞬気の抜けていた近藤は反応間に合わず、池田が回旋を加えながら押し込むと体側から落下。映像による確認の結果、2分2秒に池田に「技有」が与えられる(掲示ミスで近藤に「技有」と表示されるもこれはまもなく訂正)。リードを許した近藤は激しく前に出て攻めるが、組み手巧者の池田は低く構えて相手の釣り手を引き手で捌き続け、危なげなく試合終了を迎える。勝利を決めた池田は畳を降りると満面の笑み。組み手の巧さと試合の流れを的確に見極める戦略眼が際立った試合だった。

度々文中でも言及しているとおり、決勝に進出した両者はまだ1年生。技巧派の池田に技一発に威力のある本格派の近藤と両者のカラーは対象的だが、いずれも今後の成長が非常に楽しみだ。

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優勝した池田湖音

【入賞者】
優 勝:池田湖音(埼玉県・埼玉栄高)
準優勝:近藤美月(佐賀県・佐賀商高)
第三位:西ノ内智優(山梨県・富士学苑高)、原田瑞希(大分県・柳ヶ浦高)
第五位:唐澤美咲(群馬県・常磐高)、原田菜々子(福岡県・大牟田高)、坂口日菜向(熊本県・熊本西高)、谷口由莉(大阪府・常翔学園高)

池田湖音選手のコメント
「本当に、目指してきたのですごく嬉しいです。(決勝は)最後なので絶対に勝とうという気持ちで戦いました。狙っていた組み際でしっかりポイントが取れて良かったです。今日は色んな技や組み手を使って、最後にポイントを取って勝つことを目指して頑張りました。これからも頑張って日本一になって、世界で戦える選手になりたいです。」

【準々決勝】
西ノ内智優○GS崩上四方固(GS2:12)△唐澤美咲
近藤美月○GS技有・内股(GS8:57)△原田菜々子
原田瑞希○内股(0:49)△坂口日菜向
池田湖音○GS技有・背負投(GS0:51)△谷口由莉

【準決勝】
近藤美月○GS横四方固(GS4:44)△西ノ内智優
池田湖音○内股透(0:24)△原田瑞希

【決勝】
池田湖音○優勢[技有・背負投]△近藤美月

※ eJudoメルマガ版3月27日掲載記事より転載・編集しています。

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