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【プレビュー】強豪揃った豪華2階級、永瀬貴規の出来に注目/グランドスラム・タシケント2021第2日男子プレビュー(73kg級、81kg級)

(2021年3月6日)

※ eJudoメルマガ版3月6日掲載記事より転載・編集しています。
【プレビュー】強豪揃った豪華2階級、永瀬貴規の出来に注目
グランドスラム・タシケント2021第2日男子プレビュー(73kg級、81kg級)
グランドスラム・タシケント組み合わせ(公式サイト)
文責:eJudo編集部

■ 73kg級 オルジョフが第1シード張るハイレベルトーナメント、テルアビブ大会優勝の新星ライクに注目
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ルスタン・オルジョフ(アゼルバイジャン)

(エントリー49名)

レベルの高いトーナメント。当初出場予定であった大野将平(旭化成)が左大腿部筋損傷のために出場を回避したが、有力選手が数多く顔を揃えてみどころは十分である。第1シードは世界大会で3度2位を獲得しているルスタン・オルジョフ(アゼルバイジャン)。さらにファビオ・バジーレ(イタリア)、トミー・マシアス(スウェーデン)らおなじみの上位陣が脇を固め、昨年の欧州王者ヴィクトル・ステルプ(モルドバ)、先月のグランドスラム・テルアビブを制して勢いに乗るアレクサンドル・ライク(ルーマニア)ら今が旬の注目選手もしっかり顔を揃えている。現在代表を激しく争うツェンドオチル・ツォグトバータル(モンゴル)とガンバータル・オドバヤル(モンゴル)のモンゴル勢2名も加わっており、トーナメントの密度はかなりのもの。シード外にもフェルディナンド・カラペティアン(アルメニア)ら実力者が多く配置されており、序盤戦から好カードが続くことになる。

実力と実績から、優勝候補はもちろんオルジョフ。ただしこの選手は照準を定めた大会以外では良いパフォーマンスをみせておらず、「名前」ほどに絶対的な存在ではない。実相としては、有力選手ほぼ全員に優勝のチャンスがある混戦と考えて良いだろう。注目選手はライク。先月のグランドスラム・テルアビブでほぼノーマークから優勝を飾っており、勢いのまま今大会でも上位進出を狙う。この選手はもと大成高の女子監督で、現在はルーマニアナショナルチームの監督を務める大石公平氏の秘蔵っ子。組み手の左右が利き、左右に内股、大腰と威力のある大技を繰り出す好選手だ。今大会は初戦のギヨーム・シェヌ(フランス)をクリアすると次戦でバジーレ、さらにマシアスと連戦せねばならない厳しい配置だが、仮にこの組み合わせでも勝ち上がるようだと階級上位に定着するシナリオが見えてくる。マークを受けるなかでどのような試合を見せるのか、初戦からチェックしておきたい。

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テルアビブ大会で驚きの優勝を果たしたアレクサンドル・ライク。大石公平氏の秘蔵っ子だ。

【プールA】
第1シード:ルスタン・オルジョフ(アゼルバイジャン)
第8シード:ガンバータル・オドバヤル(モンゴル)
有力選手:マルティン・ホヤック(スロベニア)、マルセロ・コンティーニ(ブラジル)、ヴァジム・ショーカ(ベラルーシ)、フェルディナンド・カラペティアン(アルメニア)、ウングヴァリ ・ミクロス(ハンガリー)

【プールB】
第4シード:ヴィクトル・ステルプ(モルドバ)
第5シード:ジャンサイ・スマグロフ(カザフスタン)
有力選手:アルテム・ホムラ(ウクライナ)、ジョヴァンニ・エスポージト(イタリア)、ニルス・ストンプ(スイス)

【プールC】
第2シード:トミー・マシアス(スウェーデン)
第7シード:ファビオ・バジーレ(イタリア)
有力選手:エドゥアルド・バルボサ(ブラジル)、アレクサンドル・ライク(ルーマニア)、ギヨーム・シェヌ(フランス)

【プールD】
第3シード:ソモン・マフマドベコフ(タジキスタン)
第6シード:ツェンドオチル・ツォグトバータル(モンゴル)
有力選手:エフゲニー・プロコプチュク(ロシア)、ゲオルギオス・アゾイディス(ギリシャ)、ペトル・ペリヴァン(モルドバ)

■ 81kg級 モラエイら強豪揃った豪華陣容、注目は永瀬貴規の出来
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永瀬貴規

(エントリー50名)

常の通り、選手層の厚さを反映する形で豪華なトーナメントが組まれた。永瀬貴規(旭化成)とサイード・モラエイ(モンゴル)の世界王者ふたりを筆頭に、2019年東京世界選手権2位のマティアス・カッス(ベルギー)、先月のグランドスラム・テルアビブを制したシャロフィディン・ボルタボエフ(ウズベキスタン)、さらにドミニク・レッセル(ドイツ)、イヴァイロ・イヴァノフ(ブルガリア)、モハメド・アブデラル(エジプト)と世界大会の表彰台を狙うレベルの強豪が数多く参戦している。シード外にもイ・スンホ(韓国)やアレクサンダー・ヴィーチェルツァク(ドイツ)など表彰台クラスの力を持つ選手がおり、序盤戦から好カードが目白押しだ。

注目はなんといっても東京五輪の代表内定後初の試合出場となる永瀬の出来。永瀬は2017年ブダペスト世界選手権で膝を負傷し約1年間戦線を離脱。五輪の代表レースでは出遅れる形となっていたが、2019年4月の全日本選抜体重別選手権から同年11月のグランドスラム大阪までハイレベル大会に5連勝、逆転で五輪代表の座を手にした。しかし、最後の大会出場となった昨年2月のグランドスラム・デュッセルドルフではタト・グリガラシヴィリ(ジョージア)の前に初戦敗退を喫している。グリガラシヴィリが同大会で優勝、さらに昨年の欧州選手権と今年1月のワールドマスターズを圧勝して五輪金メダル候補に出世したことから体面は保たれた格好だが、永瀬としては一刻も早く大会に出場してこの悪いイメージを払拭したかったはずだ。今大会は1年間待ちに待った汚名返上の機会、しかしこれは同時に、敗れると2大会連続でミッション失敗という傷を負ってしまう、負けられない大会でもある。幸い永瀬の山にはこれといった強豪はおらず、上位陣と当たるのはベスト8のレッセル以降。初戦(2回戦)で戦うであろうルスラン・ムッサエフ(カザフスタン)はややうるさい相手で注意が必要だが、ここさえしっかり勝ち上がって本来の力が発揮出来る素地が整えば、一気に優勝が見えてくるだろう。順当に勝ち上がれば準決勝でモラエイとの世界王者対決が組まれる可能性が高く、実現すればこれが初顔合わせ。東京五輪に向けてどんな伏線が仕込まれるのか、勝ち負け、内容のみならず濃やかな駆け引きまでしっかり見ておきたい一番である。

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2週間前のテルアビブ大会を制して意気揚がるシャロフィディン・ボルタボエフ(ウズベキスタン)

【プールA】
第1シード:マティアス・カッス(ベルギー)
第8シード:エドゥアルド=ユウジ・サントス(ブラジル)
有力選手:アレクサンダー・ヴィーチェルツァク(ドイツ)、アントニオ・エスポージト(イタリア)、ニャムスレン・ダグワスレン(モンゴル)

【プールB】
第4シード:シャロフィディン・ボルタボエフ(ウズベキスタン)
第5シード:イヴァイロ・イヴァノフ(ブルガリア)
有力選手:イ・スンホ(韓国)、ウラジミール・ゾロエフ(キルギスタン)、モハメド・アブデラル(エジプト)、ニコラ・シラ(フランス)、ゼベダ・レフヴィアシヴィリ(セルビア)、ディダル・ハムザ(カザフスタン)

【プールC】
第2シード:サイード・モラエイ(モンゴル)
第7シード:クリスティアン・パルラーティ(イタリア)
有力選手:アバス・アジゾフ(ロシア)、イ・ムンジン(韓国)、サミ・シュシ(ベルギー)ウングヴァリ ・アッティラ(ハンガリー)

【プールD】
第3シード:ドミニク・レッセル(ドイツ)
第6シード:永瀬貴規(旭化成)
有力選手:ヒダヤット・ヘイダロフ(アゼルバイジャン)、ギヨション・ボボエフ(ウズベキスタン)、アルファ=ウマ・ジャロ(フランス)、ルスラン・ムッサエフ(カザフスタン)

※ eJudoメルマガ版3月6日掲載記事より転載・編集しています。

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