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第35回皇后盃全日本女子柔道選手権・全試合詳細 ①一回戦

(2021年2月28日)

※ eJudoメルマガ版2月28日掲載記事より転載・編集しています。
第35回皇后盃全日本女子柔道選手権・全試合詳細 ①一回戦
日時:2020(令和2)年12月27日
会場:講道館大道場

→全試合結果

■ 一回戦
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浜未悠が立川真奈から小外刈「技有」

【1回戦 第1試合】
浜未悠(東海・百五銀行)○合技[小外刈・横四方固](3:02)△立川真奈(四国・新田高3年)
左相四つ。互いに釣り手を絞り合う攻防から試合が始まる。立川は足を飛ばして揺さぶりながら片襟の技を狙い、一方の浜は相手のペースに付き合わずじっくり組み手の手順を進める。袖の絞り合いで試合が膠着した1分28秒、両者に消極的試合姿勢による「指導」。試合時間2分半を超えたところで、立川が左小内刈に左大内刈と切れのある足技で浜をぐらつかせる場面が続けて生まれ、流れが立川の側にやや傾いた印象。しかし2分48秒、浜は低い位置ながらも釣り手で襟を得ると、両者横にずれた横変形の形からまず左小外刈で追い込み、次いで二の矢の左小内刈。これで相手が大きく崩れたところをさらに左小外刈で刈り取り、「技有」を得る。そのままがっちり横四方固で抑え込み、3分2秒、合技「一本」。

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髙山莉加が本山星を崩上四方固で抑え込む。

【1回戦 第2試合】
髙山莉加(東京・三井住友海上)○崩上四方固(1:23)△本山星(東北・宮城県警察)
髙山が右、本山が左組みのケンカ四つ。30秒に本山が上から圧が掛かる十分な形を作ると、高山は冷静に右外巻込を仕掛けて展開を切る。続く55秒、髙山は相手の引き手が切れたタイミングで低い一本背負投に飛び込み、脇に抜けて横に付くと隅返の要領で捲り返して崩上四方固で抑え込む。両手で胴に抱きつく不十分な形だったが、相手の動きに合わせて位置を変えながら20秒抑え込みきって1分23秒「一本」。髙山の気合いと冷静さ、ともに際立った一番。

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梅津志悠が荒木穂乃佳から大外巻込「有効」

【1回戦 第3試合】
梅津志悠(東京・三井住友海上)○GS有効・大外巻込(GS2:19)△荒木穂乃佳(近畿・兵庫県警察)
右相四つ。体格で劣る荒木は先に引き手で袖口付近を絞る形を徹底し、これを畳んで相手の体に押し付けながら組み際の技を狙う。一方の梅津は体格差とパワーを利し、袖を絞らせたまま片襟を掴んでは巻込技で度々相手を大きく崩す。2分10秒、梅津が片襟の右大外刈で荒木を崩して伏せさせたところで荒木に消極的の「指導」。大枠この構図に変化がないまま試合はGS延長戦へ。GS55秒、相手の袖の絞りを嫌って伏せた梅津にも偽装攻撃の「指導」。これで梅津は奮起、不十分な形のまま圧を掛けて前に出、強引に投げを狙い始める。GS2分21秒、梅津は引き手で前襟を掴むと間髪入れずに釣り手で腕を抱き込み、右大外巻込。荒木は背中に食らいついて潰すが、梅津強引に投げ切って「有効」。これで勝負が決した。

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大辻瑛美が佐々木南から大外落「有効」

【1回戦 第4試合】
大辻瑛美(関東・自衛隊体育学校)○GS有効・大外落(GS0:25)△佐々木南(北海道・山梨学院大1年)
長身痩躯の佐々木に57kg級のベテラン大辻がマッチアップする一番は、両者右組みの相四つ。佐々木がまず引き手で前襟、次いで釣り手で奥を叩くセオリーどおりの手順を狙うと、大辻は釣り手で相手の釣り手を対角に抑える形を橋頭堡に、右大外落、右背負投と片襟の技で度々佐々木を大きく崩す。大辻は機を見て手順を飛ばし、釣り手で袖、引き手で襟を持ったまま技を仕掛けるなど融通無碍の進退。佐々木は自らの柔道ができず、1分47秒、消極的の「指導」を失う。以降も大枠の構図は変わらず。しかし、本戦終了間際に佐々木が両襟からの右大内刈で大辻を伏せさせる場面が生まれ、直後大辻に極端な防御姿勢の「指導」が与えられる。ここで試合時間は終了、両者「指導」1つずつでスコアが並んだところで試合はGS延長戦へ。GS14秒、大辻は釣り手で下から手繰るように相手の釣り手の袖口を得ると、右大内刈を撃ちながら引き手も同じ位置を握り、そのまま両手で相手の袖を引き落とす形で右大外落に飛び込む。意外な組み立てに反応が遅れた佐々木は体側から畳に落ち、GS25秒「有効」。軽量級の大辻が老獪な柔道で体重に勝る若手を翻弄、見事初戦突破を果たした。

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玉置桃は組み際の技で主導権を確保

【1回戦 第5試合】
玉置桃(推薦・三井住友海上)○GS反則[指導3](GS2:23)△白石麻葵佳(近畿・立命館大4年)
左相四つ。玉置は試合自体を楽しむかのように、笑みを浮かべながらの進退。最重量級の白石を相手に、組み際に技を仕掛けては離れるヒットアンドアウェイ戦法で対峙する。1分3秒、両者に「取り組まない」咎の「指導」。試合は大枠玉置が優勢、1分15秒には片襟の左大外刈で相手の懐深くに侵入し、左背負投に繋いで惜しい場面を作る。白石も時折奥襟を得た良い形を作るが、玉置はすぐさま担ぎ技や捨身技を仕掛けて状況を壊してしまう。2分43秒には白石に消極的試合姿勢の「指導2」。しかし白石も奮起、終盤釣り手を絞られたまま圧を掛けて前進し、3分35秒には玉置から片襟の「指導2」を引き出す。両者タイスコアとなって試合はGS延長戦へ。延長戦では玉置の動きに慣れてきた白石が相手の攻撃の終わりに技を狙うようになり、GS1分過ぎには掛け潰れた玉置を抑え掛ける。しかしここは玉置が耐えきり「待て」。結果としてはこれが白石にとっては最大のチャンス、以降は再び玉置が一方的に組み際の技を仕掛ける展開が続く。GS2分27秒、玉置が両袖の左袖釣込腰から腕緘を狙ったところで白石に消極的の「指導3」が与えられて試合は決着した。

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福嶋千夏がチャンスを見逃さず、中江美裕の腕を固めて抑え込みに移行。

【1回戦 第6試合】
福嶋千夏(九州・福岡県警察)○崩上四方固(3:45)△中江美裕(東海・アドヴィックス)
右相四つ。中江が組み手の巧さで主導権を握り続ける。まずは開始直後にいきなり袖と奥襟を得た完璧な形を作り、相手を圧し潰して送襟絞を狙う。直後の42秒、福嶋に極端な防御姿勢による「指導」。中江1分25秒には完璧な組み手から足を飛ばしながら相手を場外に押し込み、場外の「指導2」を追加。福嶋は早くもスコア上後がなくなってしまう厳しい状況。しかし、ここから福嶋は不十分な形を厭わず技を打ち始める。両袖の右袖釣込腰、さらに相手が袖を絞らんと体重を掛けたところへの右膝車と繰り出して対抗。中江の優位は変わらずも、福嶋が流れを引き寄せ始めた印象。本戦終盤の3分25秒、引き手を絞り合った状態から福嶋が浅く右大内刈、右小内刈と繋ぐと、中江はこの終わりに合わせて右体落。しかし絞られていた釣り手が残った状態で潰れてしまい、福嶋このチャンスを見逃さず腕挫手固の形で捲り、崩上四方固で抑え込む。既に肘関節が極まっていたのか「抑え込み」宣告から10秒経過した3分45秒、中江が「参った」。

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寺田宇多菜が菅原歩巴から大内刈「技有」

【1回戦 第7試合】
寺田宇多菜(関東・桐蔭横浜大4年)○優勢[技有・大内刈]△菅原歩巴(東北・久慈東高教)
右相四つ。寺田は動き軽快、先に引き手で相手の釣り手を絞り、揺さぶりながら左の担ぎ技を狙う。一方の菅原は袖を絞られたまま敢えて強引に技を出してこれに対抗、1分14秒には片襟の左大外刈で寺田を勢い良く畳に叩きつける。強烈な一撃であったが、これは寺田が腹ばいで逃れてポイントにはならず。寺田の左「小内差し」を菅原が返そうとして崩れた1分51秒、菅原に消極的試合姿勢の「指導」が与えられる。以降も寺田は一本背負投の形に腕を抱える技を多用し、菅原がカウンターを狙う形で試合が進行する。2分58秒には寺田が瞬時に釣り手を袖に持ち替えての左袖釣込腰で相手の懐深くまで潜り込む惜しい技を見せ、3分23秒には菅原に消極的試合姿勢の「指導2」。試合はこのままGS延長戦までもつれ込むかと思われたが、3分41秒、寺田は引き手のみを一方的に得た状態から奥を叩きながら左大内刈に飛び込む。重心を後ろに残していた菅原は反応しきれず後方に吹き飛び、寺田が浴びせるように捲り決めて「技有」。寺田はそのまま寝技で攻め続け、試合終了を迎える。

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梅木真美が橋高朱里から足車「技有」

【1回戦 第8試合】
梅木真美(推薦・ALSOK)○合技[足車・横四方固](2:56)△橋高朱里(北信越・金沢学院大教)
左相四つ。梅木は試合が始まるなり引き手と奥襟を得て圧殺。橋高は堪らず片襟で耐えてしまい、15秒早くも橋高に片襟の「指導」。以降も梅木が奥襟を得て圧殺、これを橋高が凌ぐという構図で試合が進む。梅木が左内股から「横三角」を狙った2分20秒、橋高に消極的試合姿勢の「指導2」。スコア上後のなくなった橋高が梅木の組み手に応じると、奥襟を得た梅木は相手を前に煽り出しながら左足車一撃「技有」。そのまま横四方固で抑え込み、2分56秒、合技「一本」に至る。

<→二回戦に続く>

※ eJudoメルマガ版2月28日掲載記事より転載・編集しています。

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