PAGE TOP ↑
eJudo

【プレビュー】3階級いずれもハイレベル、クルパレクとツシシヴィリの復調なるかに注目/グランドスラム・テルアビブ2021最終日男子プレビュー(90kg級、100kg級、100kg超級)

(2021年2月20日)

※ eJudoメルマガ版2月20日掲載記事より転載・編集しています。
【プレビュー】3階級いずれもハイレベル、クルパレクとツシシヴィリの復調なるかに注目
グランドスラム・テルアビブ2021最終日男子プレビュー(90kg級、100kg級、100kg超級)
→グランドスラム・テルアビブ2021組み合わせ(公式サイト)

文責:eJudo編集部

■ 90kg級 シェラザディシヴィリが戦線復帰、注目はグヴィニアシヴィリとベカウリのジョージア対決
eJudo Photo
第1シードはニコロス・シェラザディシヴィリ(スペイン)

(エントリー33名)

1月のワールドマスターズの出場を見送って力を蓄えていた2018年バクー世界選手権王者ニコロス・シェラザディシヴィリ(スペイン)が今大会で戦線復帰。この選手を第1シードに、ベカ・グヴィニアシヴィリ(ジョージア)、ダヴラト・ボボノフ(ウズベキスタン)、ママダリ・メフディエフ(アゼルバイジャン)、マーカス・ニーマン(スウェーデン)らがエントリー、ハイレベルなトーナメントが組まれた。

優勝争いはもちろんだが、ジョージアの代表争いが面白い。今大会はワールドマスターズに続いて今大会もグヴィニアシヴィリとラシャ・ベカウリ(ジョージア)を揃って派遣。最近の成績ではグヴィニアシヴィリがややリードしている印象だが、まだ決定的な差はついていない。両者の直接対決が組まれるのは準決勝、国際大会での対戦は初となる。グヴィニアシヴィリには準々決勝にボボボフ戦という大きな山場があるが、ベカウリの側にはこれといった対抗馬がおらず余程のことがない限り勝ち上がりが濃厚。直接対決実現の可能性はかなり高いと思われる。熱戦必至、見逃せない好カードだ。

eJudo Photo
激しい代表争いの渦中にあるベカ・グヴィニアシヴィリ(ジョージア)

【プールA】
第1シード:ニコロス・シェラザディシヴィリ(スペイン)
第8シード:マーカス・ニーマン(スウェーデン)
有力選手:リ・コツマン(イスラエル)、クエジョウ・ナーバリ(ウクライナ)、シリル・グロスクラウス(スイス)、イスラム・ボズバエフ(カザフスタン)

【プールB】
第4シード:ママダリ・メフディエフ(アゼルバイジャン)
第5シード:トート ・クリスティアン(ハンガリー)
有力選手:オーレリアン・ディエス(フランス)、コムロンショフ・ウストピリヨン(タジキスタン)

【プールC】
第2シード:ベカ・グヴィニアシヴィリ(ジョージア)
第7シード:ダヴラト・ボボノフ(ウズベキスタン)
有力選手:ロベルト・フロレンティーノ(ドミニカ共和国)、ゴズ ・ローランド(ハンガリー)

【プールD】
第3シード:ラシャ・ベカウリ(ジョージア)
第6シード:ラファエル・マセド(ブラジル)
有力選手:イェスパー・シュミンク(オランダ)、ピオトル・クチェラ(ポーランド)、ニコラス・ムンガイ(イタリア)

■ 100kg級 再浮上狙うイリアソフがV候補筆頭、一段強くなったコツォイエフに注目
eJudo Photo
ニイアズ・イリアソフ(ロシア)

(エントリー33名)

世界大会表彰台クラスの強豪が揃った、レベルの高いトーナメント。第1シードには地元イスラエルのペテル・パルチク(イスラエル)が座った。優勝候補筆頭は2019年東京世界選手権2位のニイアズ・イリアソフ(ロシア)。言わずと知れた階級を代表する強者だが、ここのところ結果を残せておらず、昨年11月のヨーロッパ選手権では初戦で90kg級から階級を上げたばかりのアレクサンダー・クコリ(セルビア)にまさかの苦杯、先月のワールドマスターズ・ドーハでは当日に欠場して汚名返上の機会を逃してしまっている。そうこうする間に代表争いのライバルであるアルマン・アダミアン(ロシア)がヨーロッパ選手権2位、ワールドマスターズ3位と地味ながらしっかり結果を残すという、かなり追い詰められた状況。ここは是が非でも優勝が欲しいところだ。

ほか、優勝に近い選手としてはワールドマスターズで2位を獲得するなどこのところ好調のゼリム・コツォイエフ(アゼルバイジャン)の名前を挙げておきたい。かつてはあと一歩勝ちきれない印象だったが、明らかに地力が一段上がっており、それに伴って成績も高い位置で安定してきている。今回も結果を残すようであれば世界大会のメダル候補の一人と見なしても良いだろう。なお、今大会には国内のライバルのエルマー・ガシモフ(アゼルバイジャン)も派遣されている。最近の成績を考えれば代表はコツォイエフでまず決まりと思われるが、ガシモフもここぞとターゲットを決めた大会では毎回結果を残している実力者。コツォイエフとしては確実に結果を残して差を広げておきたい。今回はともにプールBに配されており、準々決勝で直接対決の可能性がある。実現するようであれば、まさに必見である。

イリア・スラマニゼ(ジョージア)とシメオン・カタリナ(オランダ)の若手2人も気に掛けておきたい。スラマニゼは昨年のヨーロッパジュニア選手権王者。同大会では既にシニアでも活躍するメルト・シスマンラル(トルコ)を2分弱の間に2度投げて一蹴しており、現時点で相当な力を持っていると予想される。過去のワールドツアー参戦は昨年1月のグランプリ・テルアビブ大会の1度のみ、この際は2回戦でチョ・グハン(韓国)と対戦するという厳しい組み合わせに泣き、力を発揮する前にトーナメントを去っている。1年ぶりの出場となるシニアの舞台でどこまでやれるのか、非常に楽しみ。カタリナは先月のワールドマスターズでノーマークからイリアソフが欠場した空白地帯を勝ち上がって5位入賞を果たした選手。同大会では現役世界王者のジョルジ・フォンセカ(ポルトガル)を破るなどの活躍を見せており、試合内容を見る限り十分に上位で戦う力があると思われる。今大会でその真価を見極めたい。

【プールA】
第1シード:ペテル・パルチク(イスラエル)
第8シード:レオナルド・ゴンサルヴェス(ブラジル)
有力選手:アーロン・ファラ(オーストリア)、イワン・レマレンコ(UAE)、シメオン・カタリナ(オランダ)、サーイエニッチ ・ミクロス(ハンガリー)

【プールB】
第4シード:ゼリム・コツォイエフ(アゼルバイジャン)
第5シード:エルマー・ガシモフ(アゼルバイジャン)
有力選手:トマ・ニキフォロフ(ベルギー)、ヨアキム・ドファービー(スウェーデン)、アレクサンダー・クコル(セルビア)、オニセ・サネブリゼ(ジョージア)

【プールC】
第2シード:マイケル・コレル(オランダ)
第7シード:ベンジャミン・フレッチャー(アイルランド)
有力選手:グリゴリ・ミナシキン(エストニア)、カイハン・オズチチェク=タカギ(オーストラリア)、ボヤン・ドセン(セルビア)、イリア・スラマニゼ(ジョージア)、ダニエル・ディチェフ(ブルガリア)

【プールD】
第3シード:ニイアズ・イリアソフ(ロシア)
第6シード:ムハマドカリム・フラモフ(ウズベキスタン)
有力選手:メルト・シスマンラル(トルコ)、ヴェグ・ジャンボル(ハンガリー)、イェフゲニース・ボロダフコ(ラトビア)、マティアス・マドセン(デンマーク)、ミキタ・スヴィリド(ベラルーシ)

■ 100kg超級 クルパレクとツシシヴィリ、世界王者2人がV争いの軸
eJudo Photo
ルカシュ・クルパレク(チェコ)

(エントリー30名)

現役世界王者のルカシュ・クルパレク(チェコ)と2018年バクー世界選手権王者のグラム・ツシシヴィリ(ジョージア)が参戦。それぞれ第1、第2シードに配されたこの2名が優勝争いの軸だ。ただし、ともにコロナ禍による大会中断期間が明けてからまだ本来のパフォーマンスを1度も見せておらず、その出来は読み難い。まずは初戦でそのコンディションのほどに注目したい。トーナメントにはタメルラン・バシャエフ(ロシア)、ロイ・メイヤー(オランダ)、オール・サッソン(イスラエル)などワールドツアーの表彰台常連が多く名を連ねており、序盤戦から見応えのある戦いが見られるはずだ。

ワールドマスターズまでこれでもかと同時派遣が続けられていたバシャエフとイナル・タソエフ(ロシア)のロシア勢は、今回はバシャエフのみの出場。これまでの3大会、とくにワールドマスターズでのテディ・リネール(フランス)との対戦の内容の差でタソエフの優位が確定したと予想するが、今回はバシャエフが「追試」の形でチャンスを貰った格好。出場者のレベルは前述のとおり申し分なし、なんとしてもここで優勝して可能性を残したいところ。

ロシアつながりでもう1トピック。今大会にはカズベク・ザンキシエフ(ロシア)が階級を100kg級から上げて出場している。やや流行りには乗り遅れた感があるが、100kg級からの階級変更組は柔道の相性が噛み合い、一定期間かなりの活躍を見せる傾向がある。ザンキシエフにもこの適性があるのか、気に掛けて見ておきたいところ。

「山」としては、若手注目株が詰め込まれているプールD下側がなかなか面白い。シード位置のゲラ・ザアリシヴィリ(ジョージア)の初戦の相手にシプーツ・リハールト(ハンガリー)、その勝者と次戦で対戦する位置にジャマル・フェイジエフ(アゼルバイジャン)が置かれている。注目はザアリシヴィリとシプーツのライバル対決。両者の対戦は毎回気持ちのぶつかりある好勝負となっており、今回も熱戦となること必至である。

eJudo Photo
グラム・ツシシヴィリ(ジョージア)

【プールA】
第1シード:ルカシュ・クルパレク(チェコ)
第8シード:ウシャンギ・コカウリ(アゼルバイジャン)
有力選手:アリアクサンドル・ヴァハヴィアク(ベラルーシ)、ユール・スパイカース(オランダ)

【プールB】
第4シード:オ-ル・サッソン(イスラエル)
第5シード:タメルラン・バシャエフ(ロシア)
有力選手:アリシェル・ユスポフ(ウズベキスタン)、ヴラダト・シミオネスク(ルーマニア)、エリック・アブラモフ(ドイツ)、ユーリ・クラコヴェツキ(キルギスタン)

【プールC】
第2シード:グラム・ツシシヴィリ(ジョージア)
第7シード:ステファン・ヘギー(オーストリア)
有力選手:テムル・ラヒモフ(タジキスタン)

【プールD】
第3シード:ロイ・メイヤー(オランダ)
第6シード:ゲラ・ザアリシヴィリ(ジョージア)
有力選手:カズベク

※ eJudoメルマガ版2月20日掲載記事より転載・編集しています。

→eJudoトップページに戻る
→「ニュース・マッチレポート」に戻る
→「書評・DVD評」に戻る