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【プレビュー】モラエイとムキの初対決なるか?/グランドスラム・テルアビブ2021第2日男子プレビュー(73kg級、81kg級)

(2021年2月19日)

※ eJudoメルマガ版2月19日掲載記事より転載・編集しています。
【プレビュー】モラエイとムキの初対決なるか?
グランドスラム・テルアビブ2021第2日男子プレビュー(73kg級、81kg級)
→グランドスラム・テルアビブ2021組み合わせ(公式サイト)

文責:eJudo編集部

■ 73kg級 シード選手8名が軸も、勝者の予想つかぬ混戦階級
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第1シードはトハル・ブトブル(イスラエル)

(エントリー45名)

メダリスト候補たちの後を追う、階級の第2グループが中心となった混戦トーナメント。1人単体でトーナメントの軸となれるようなスーパートップは出場しておらず、事前予測の段階で優勝候補を絞り込むことは難しい。実績と地力で言えばラシャ・シャヴダトゥアシヴィリ(ジョージア)とトミー・マシアス(スウェーデン)がやや抜けている印象だが、下記の有力選手リストに挙げた全員にチャンスがあると言っていだろう。第1シードは、攻撃力や戦術といったバロメーターの平均値の高さをテコにランキング上位をキープしているトハル・ブトブル(イスラエル)。トーナメントは8名のシード選手を中心に進むと予想され、そこにファビオ・バジーレ(イタリア)、ベフルジ・ホジャゾダ(タジキスタン)らシードから漏れた強豪が挑むというのが大枠の構図だ。

ワールドツアーの常連組以外では、昨年のヨーロッパ選手権王者のヴィクトル・ステルプ(モルドバ)とニルス・スタンプ(スイス)の若手2名に注目したい。いずれも体の力の強さと懐の深さを生かした力強い柔道が持ち味だ。先月のワールドマスターズではともに表彰台を逃しており、勢いを一度削がれた、その「次」である今大会が階級の序列に飲み込まれてしまうかどうかの分水嶺。ここでメダルに届くかどうかで、今後の出世のレベルをある程度を占うことができるだろう。

序盤戦の注目は、強豪が密集したプールB上側の山。1回戦で2018年ヨーロッパ王者のフェルディナンド・カラペティアン(アルメニア)とバジーレの試合が組まれており、その勝者が次戦でムサ・モグシコフ(ロシア)と対戦、さらにその勝者が3回戦で81kg級から階級を戻して出場のヌグザリ・タタラシヴィリ(ジョージア)とマッチアップするという極めて過酷なブロックとなっている。全試合が注目カード。最近の成績を考えればバジーレが勝ち上がる可能性が高いと思われるが、久々の登場となるタタラシヴィリの出来も含め、全試合見逃すことなくチェックしたい。

【プールA】
第1シード:トハル・ブトブル(イスラエル)
第8シード:ヴィクトル・ステルプ(モルドバ)
有力選手:エドゥアルド・バルボサ(ブラジル)、ゲオルギオス・アゾイディス(ギリシャ)、マルティン・ホヤック(スロベニア)

【プールB】
第4シード:ムサ・モグシコフ(ロシア)
第5シード:ソモン・マフマドベコフ(タジキスタン)
有力選手:フェルディナンド・カラペティアン(アルメニア)ファビオ・バジーレ(イタリア)、ヌグザリ・タタラシヴィリ(ジョージア)、ヴァジム・ショーカ(ベラルーシ)、アルテム・ホムラ(ウクライナ)

【プールC】
第2シード:トミー・マシアス(スウェーデン)
第7シード:ラシャ・シャヴダトゥアシヴィリ(ジョージア)
有力選手:ベフルジ・ホジャゾダ(タジキスタン)、ペトル・ペリヴァン(モルドバ)、ジャンサイ・スマグロフ(カザフスタン)、ギヨーム・シェヌ(フランス)、ニルス・スタンプ(スイス)

【プールD】
第3シード:アキル・ジャコヴァ(コソボ)
第6シード:イゴール・ヴァンドケ(ドイツ)
有力選手:ヴィクトル・スクヴォトフ(UAE)、ジョヴァンニ・エスポージト(イタリア)

■ 81kg級 今大会の最激戦階級、モラエイとムキの歴史的初対決に注目
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2018年バクー世界選手権王者、サイード・モラエイ(モンゴル)

(エントリー39名)

これぞという強豪がひととおり顔を揃えた豪華トーナメント。リオ五輪以降の世界王者が、4名全員名を連ねている。最大の注目ポイントはサギ・ムキ(イスラエル)とサイード・モラエイ(モンゴル)の両世界王者の初対決なるか。かつてモラエイはイランの「イスラエルボイコット」方針のためにムキと対戦することが許されず、不本意な棄権や対戦前に自ら敗れることを強いられてきた。2019年の東京世界選手権をきっかけにモラエイがイラン国籍を抜けたことでこの障害は取り除かれたものの、その後現在に至るまで直接対決は実現していない。今大会はムキが地元開催、モラエイがイスラエル初上陸とどちらにとっても特別な大会。最近はどちらも勝ちにこだわるというよりは五輪本番に向けて新たなモードを試す、試合自体を楽しむような試合ぶりが目立つが、ここはぜひ本気の勝負モードで大会に臨み、ファンが待ち望んでいる直接対決を見せてもらいたい。両者の対戦が実現するのは、決勝だ。

それぞれの強豪との対戦予想は、ムキが初戦(2回戦)でサミ・シュシ(ベルギー)、準々決勝でルカ・マイスラゼ(ジョージア)、準決勝でフランク・デヴィト(オランダ)。モラエイの側は3回戦でアントニオ・エスポージト(イタリア)、準々決勝でドミニク・レッセル(ドイツ)、準決勝でマティアス・カッス(ベルギー)。上位戦の対戦相手は変わる可能性もあるが、誰が上がってきたとしても世界大会の決勝ラウンドクラスの相手であることは間違いない。まずは序盤戦で双方の調子と今日の試合のモードをチェックしたい。

ほか、注目選手としてはジョージアからセルビアに移籍して出場のゼベダ・レフヴィアシヴィリ(セルビア)を挙げておきたい。この選手は2017年に一時階級の上位で活躍したものの、タト・グリガラシヴィリ(ジョージア)ら国内の若手の台頭に押し出される形で最近は出場機会が減っていた。組み合わせは1回戦でウングヴァリ・アッティラ(ハンガリー)、2回戦でデヴィトと相当に過酷なもの。30歳のベテランでもあり原点でどこまで戦えるのかは未知数な部分があるが、その戦いぶりに注目だ。

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2019年東京世界選手権を制したサギ・ムキ(イスラエル)

【プールA】
第1シード:マティアス・カッス(ベルギー)
第8シード:アスラン・ラッピナゴフ(ロシア)
有力選手:シャミル・ボルチャシヴィリ(オーストリア)、ディダル・ハムザ(カザフスタン)、ウラジミール・ゾロエフ(キルギスタン)

【プールB】
第4シード:ドミニク・レッセル(ドイツ)
第5シード:サイード・モラエイ(モンゴル)
有力選手:ウラジミール・アハルカツィ(ジョージア)、アントニオ・エスポージト(イタリア)

【プールC】
第2シード:サギ・ムキ(イスラエル)
第7シード:ルカ・マイスラゼ(ジョージア)
有力選手:サミ・シュシ(ベルギー)アレクサンダー・ヴィーチェルツァク(ドイツ)、ドリン・ゴトノアガ(モルドバ)、シャロフィディン・ボルタボエフ(ウズベキスタン)

【プールD】
第3シード:フランク・デヴィト(オランダ)
第6シード:ハサン・ハルモルザエフ(ロシア)
有力選手:ゼベダ・レフヴィアシヴィリ(セルビア)、ウングヴァリ ・アッティラ(ハンガリー)ヒダヤット・ヘイダロフ(アゼルバイジャン)、ヴィクトール・ペナウベル(ブラジル)

※ eJudoメルマガ版2月19日掲載記事より転載・編集しています。

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