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【プレビュー】橋本とアンが決勝で激突、81kg級はモラエイとムキの初対戦あるか?/ワールドマスターズ・ドーハ2021第2日男子プレビュー(73kg級、81kg級)

(2021年1月12日)

※ eJudoメルマガ版1月12日掲載記事より転載・編集しています。
【プレビュー】橋本とアンが決勝で激突、81kg級はモラエイとムキの初対戦あるか?
ワールドマスターズ・ドーハ2021第2日男子プレビュー(73kg級、81kg級)
ワールドマスターズ・ドーハ2021組み合わせ(Ippon.org)

文:eJudo編集部

■ 73kg級 橋本とアンの決勝対決に注目、有望株揃ったプールBは序盤戦にみどころあり
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橋本壮市

(エントリー30名)

上位陣がずらりと揃った豪華なトーナメント。2019年東京世界選手権王者の大野将平(旭化成)と同2位のルスタン・オルジョフ(アゼルバイジャン)が出ていないが、他の有力選手はほぼ漏れなく顔を揃えた。優勝争いの軸は橋本壮市(パーク24)とアン・チャンリン(韓国)の世界王者経験者2名。橋本が第1シードとしてプールA、アンがノーシード配置ながらプールDと綺麗にトーナメントの上下に分かれて配置されており、対戦が実現するのは決勝となる。強豪たちがこの2名への挑戦権を賭けて争い、そして順に立ちはだかっていくというのが大枠の構図だ。

両者の対戦は2018年バクー世界選手権の決勝が最後となっている。この時もアンが勝利しており、生涯成績で見るとアンに分がある印象。研究熱心で戦術に長けた橋本がどのような柔道でアンに挑むのか、そして東京五輪では大野将平の最大のライバルと目されるアンが昨年2月のグランドスラム・デュッセルドルフ以来となる約1年ぶりの実戦でどのようなパフォーマンスを見せるのか。注目だ。

組み合わせでは橋本は初戦(2回戦)からいきなり階級随一の怪力選手のガンバータル・オドバヤル(モンゴル)、次いで準々決勝でムサ・モグシコフ(ロシア)とファビオ・バジーレ(イタリア)の勝者の挑戦を受けることになる。いずれも一筋縄ではいかない強敵ばかり。さらにガンバータルとモグシコフは国内の代表争いの渦中にあり、モチベーションも高いと予想される。橋本の実力と相性を考えれば勝利自体はまず堅いと思われるが、簡単に勝ち抜くことはできないはずだ。続く準決勝の相手は、実力・実績からしてラシャ・シャヴダトゥアシヴィリ(ジョージア)が勝ち上がってくる可能性が高いが、これを決めるプールBが大激戦。昨年11月の欧州選手権を制した注目の若手ヴィクトル・ステルプ(モルドバ)に10月のグランドスラム・ブダペスト決勝でオルジョフと壮絶な投げ合いを演じたニルス・ストンプ(スイス)など今がまさに旬の選手が揃っている。ステルプvsベフルジ・ホジャゾダ(タジキスタン)、トミー・マシアス(スウェーデン)vsストンプなど1回戦から注目試合が目白押し。なかでも欧州選手権決勝カードの再現となるシャヴダトゥアシヴィリvsステルプの2回戦には注目したい。ただし、誰が勝ち上がってきても大きなアクシデントが無い限り橋本の決勝進出はまず間違いないだろう。

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アン・チャンリン

一方、アンは橋本よりは戦いやすい位置におり、1回戦でエドゥアルド・バルボサ(ブラジル)、2回戦でビラル・ジログル(トルコ)、3回戦で恐らくツェンドオチル・ツォグトバータル(モンゴル)と対戦することになる。この中では運動性能が高く勝負という意味でも何をやってくるか読みにくいツェンドオチルが最も厄介だが、勝敗自体が揺れることまではないだろう。準決勝の相手を決めるプールCはアルチュール・マルジェリドン(カナダ)かデニス・イアルツェフ(ロシア)が上がって来ると思われるが、こちらも誰が上がってきてもアンの勝利が濃厚だ。また、このプールCでは1回戦に組まれているアキル・ジャコヴァ(コソボ)vsソモン・マフマドベコフ(タジキスタン)の対戦にも注目したい。マフマドベコフはまだ21歳と若く、2019年は見るたびにかなりの成長を見せていた。となれば、新型コロナウイルスのために大会が休止していたこの1年間でさらに大きく伸びている可能性もある。彼がトーナメントの台風の目となる、というサブシナリオも頭に入れておきたい。

【プールA】
第1シード:橋本壮市(パーク24)
第8シード:ムサ・モグシコフ(ロシア)
有力選手:ガンバータル・オドバヤル(モンゴル)、イゴール・ヴァンドケ(ドイツ)、ファビオ・バジーレ(イタリア)、マグディエル・エストラダ(キューバ)

【プールB】
第4シード:トハル・ブトブル(イスラエル)
第5シード:トミー・マシアス(スウェーデン)
有力選手:ラシャ・シャヴダトゥアシヴィリ(ジョージア)、ヴィクトル・ステルプ(モルドバ)、ベフルジ・ホジャゾダ(タジキスタン)、ニルス・ストンプ(スイス)、アントワーヌ・ブシャー(カナダ)、アルテム・ホムラ(ウクライナ)

【プールC】
第2シード:アルチュール・マルジェリドン(カナダ)
第7シード:アキル・ジャコヴァ(コソボ)
有力選手:ギヨーム・シェヌ(フランス)、ジャンサイ・スマグロフ(カザフスタン)、ソモン・マフマドベコフ(タジキスタン)、デニス・イアルツェフ(ロシア)

【プールD】
第3シード:ビラル・ジログル(トルコ)
第6シード:ヒクマティロフ・ツラエフ(ウズベキスタン)
有力選手:ジョヴァンニ・エスポージト(イタリア)、アン・チャンリン(韓国)、エドゥアルド・バルボサ(ブラジル)、ヴィクトル・スクヴォトフ(アラブ首長国連邦)、アンソニー・ツィング(ドイツ)、ツェンドオチル・ツォグトバータル(モンゴル)

■ 81kg級 充実グリガラシヴィビリの出来が第1トピック、モラエイとムキの初対決実現なるか?
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タト・グリガラシヴィリ

(エントリー34名)

永瀬貴規(旭化成)を除く強豪がほぼ全員顔を揃えた、と言ってしまっていい超豪華トーナメント。1国の参加枠が多い分、むしろ世界大会よりもレベルが高いとも言えるだろう。世界チャンピオンだけでも現役王者のサギ・ムキ(イスラエル)を始め、サイード・モラエイ(モンゴル)、ハサン・ハルモザエフ(ロシア)と3名が参加している。そして本来であればこの3名が優勝候補としてトーナメントの柱になるはずなのだが、今回の主役は第8シードに配されているタト・グリガラシヴィリ(ジョージア)だ。大会休止前最後の大会となった昨年2月のグランドスラム・デュッセルドルフの初戦で永瀬を破り、そのまま優勝した選手といえば覚えておられる読者も多いだろう。昨年11月の欧州選手権でも圧倒的な強さで優勝を飾っており、現時点では実力ナンバーワンではないかとの声も多い。今大会の豪華陣容はまさにこの選手の力を試す絶好の場であり、このグリガラシヴィリが果たしてどこまで、どのように勝ち上がるのかが本階級の第1トピックだ。

組み合わせは初戦でウングヴァリ・アッティラ(ハンガリー)、3回戦でエドゥアルド=ユウジ・サントス(ブラジル)とこの濃い顔ぶれにあっては比較的楽な相手を引いており、ベスト8進出まではまず間違いなさそう。最初の山場は準々決勝のマティアス・カッス(ベルギー)戦だが、欧州選手権の直接対決で完勝したばかりであり、大きなミスをしなければ敗れることはないだろう。以降は変数が多すぎるために対戦相手が読み難いが、このステージにふさわしい強豪が勝ち上がってくるということだけは間違いない。なお、準決勝の対戦相手を決めるプールBにはハルモルザエフのほか、アントワーヌ・ヴァロア=フォルティエ(カナダ)、シャロフィディン・ボルタボエフ(カザフスタン)、ドミニク・レッセル(ドイツ)と柔道自体が魅力的な選手が揃っている。なかでも攻撃型で近年投げ一発の威力を増しているヴァロア=フォルティエとハルモルザエフが対戦する2回戦は必見だ。

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サイード・モラエイ

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サギ・ムキ

グリガラシヴィビリの勝ちぶりに続く第2トピックは、ムキとモラエイの初対決なるか。かつてモラエイはイランのイスラエルボイコットの方針のためにムキと戦う事ができず、直前で自ら敗れることを強制されてきた。これがモラエイがイランを離脱する原因となったわけだが、この鎖から解き放たれて以降もまだ直接対決は実現していない。今回はムキがプールC、モラエイがプールDに配されており、対戦が実現するとすれば準決勝。夢の対決の実現に期待したい。それぞれの対戦相手は順当にいけばムキが初戦(2回戦)でアスラン・ラッピナゴフ(ロシア)、3回戦でクリスティアン・パルラーティ(イタリア)、準々決勝でフランク・デヴィト(オランダ)、モラエイが初戦(2回戦)でルカ・マイスラゼ(ジョージア)、3回戦でシャミル・ボルチャシヴィリ(オーストリア)、準々決勝でヴェダット・アルバイラク(トルコ)。もちろんこちらも初戦から全試合注目だ。

【プールA】
第1シード:マティアス・カッス(ベルギー)
第8シード:タト・グリガラシヴィリ(ジョージア)
有力選手:ロビン・パチェック(スウェーデン)、アラン・フベトソフ(ロシア)、モハメド・アブデラル(エジプト)ウングヴァリ ・アッティラ(ハンガリー)エドゥアルド=ユウジ・サントス(ブラジル)、アントニオ・エスポージト(イタリア)

【プールB】
第4シード:アントワーヌ・ヴァロア=フォルティエ(カナダ)
第5シード:ドミニク・レッセル(ドイツ)
有力選手:オトゴンバータル・ウーガンバータル(モンゴル)ハサン・ハルモルザエフ(ロシア)ディダル・ハムザ(カザフスタン)、シャロフィディン・ボルタボエフ(ウズベキスタン)、アレクシオス・ンタナツィディス(ギリシャ)、イ・スンホ(韓国)

【プールC】
第2シード:サギ・ムキ(イスラエル)
第7シード:フランク・デヴィト(オランダ)
有力選手:アスラン・ラッピナゴフ(ロシア)、クリスティアン・パルラーティ(イタリア)、サミ・シュシ(ベルギー)アンリ・エグティゼ(ポルトガル)、カモリディン・ラスロフ(ウズベキスタン)、アルファ=ウマ・ジャロ(フランス)

【プールD】
第3シード:ヴェダット・アルバイラク(トルコ)
第6シード:サイード・モラエイ(モンゴル)
有力選手:イヴァイロ・イヴァノフ(ブルガリア)、エティエンヌ・ブリオン(カナダ)、シャミル・ボルチャシヴィリ(オーストリア)

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