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【ニュース】コロナ禍収まらずも首脳陣は冷静、6月の世界選手権派遣者は総合的に判断/(井上康生・増地克之両代表監督コメント要旨)

(2021年1月5日)

※ eJudoメルマガ版1月5日掲載記事より転載・編集しています。
コロナ禍収まらずも首脳陣は冷静、6月の世界選手権派遣者は総合的に判断
(井上康生・増地克之両代表監督コメント要旨)
5日、中止となった年頭全体合宿の代替として行われた強化選手のオンライン講習会の終了後に、男子日本代表の井上康生監督、同女子代表の増地克之監督がウェブを通じて報道陣の取材に応じた。

新型コロナウイルスが再び猛威を奮う状況にあっても両監督は冷静。五輪までの強化スケジュールを問われた井上監督は「柔軟な姿勢を持った上で取り組まなければいけない。1分前のAプランが1分後のBプランになるかもしれない。それでも前に進むしかない。」とコメント。五輪については「現場としては開催を前提に1つ1つ準備をしていくしかない。単に勝負だけの五輪ではなく元気、希望、また新たな価値をお届けできるようなものにしなければならない。」と語った。五輪イヤーの6月という異例の日程で組まれたハンガリーの世界選手権の派遣選手については「五輪代表、いま現在の有力な選手、24年世代の目線も持って、トータルで判断していきたい」とこれも柔軟な姿勢を見せていた。

増地監督も強化スケジュールに関してはほぼ同様の見解。講道館杯と皇后盃を視察した感想として、どの選手も試合勘の部分に課題を残すと全体的な傾向を指摘、代表選手についても実戦の必要性を強調しながらも「社会状況と選手のコンディションを見極めて、しっかり派遣大会を選んでいきたい」と慎重な姿勢を崩さなかった。世界選手権代表については「どういう選考をしていくのかもはっきり決まっていない。2020年にほとんど大会がなく、今年もどのくらいあるかわからない。2年間(ぶん)に範囲を広げて総合的に判断していくことになる」と語った。

両監督のコメント要旨は下記。

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オンラインで取材に応じた井上康生監督

井上康生・男子代表監督のコメント

―――オンライン講習会ではどんなことを。

20201年の強化方針、ドーピング問題、インテグリティについてなど、トータル的な講習です。あらためて日本代表としての自覚を持って貰える、良い機会になったと思います。私からは2点。自分自身の目標のために精一杯努力して突き進んで欲しいということ。その上で、代表という立場は1人だけのものではない、先人が歴史を作って来た、また今も数多くのかたが応援してくださっている、伝統を継承するためにも未来に繋ぐことも、今のあなたがたの振る舞いに掛かっているとまず話しました。2点目は2021年の強化スケジュールについて。この状況下ですので柔軟な姿勢を持った上で取り組まなければいけない。1分前のAプランが1分後のBプランになるかもしれない。それでも前に進むしかないということです。80人規模、初のオンライン開催。今の時代ではこういうものも可能なんだな、と学べた機会でもありました。

―――2021年の抱負をお願いします。

あらためて昨年1年間を振り返る中で、これまで当たり前に出来ていたことが当たり前ではなかったなと強く感じた。ですから、2021年はすべてに感謝の気持ちを持って取り組むことが大事。医療従事者やエッセンシャルワーカーの方々、色々な人たちの働きがあって初めて我々は活動が出来ています。ですので、まずは「感謝」です。もう1点。これからあらたな世界、まったく新しい世界が作り上げられてくるはず。その世界を作り上げていくために、そしてその新しい世界で柔道は何をやるべきかを考えるために、色々な取り組みをしていきたいということです。

―――オリンピックに向けての強化プランは。

各々それぞれ、やるべきことを明確に考えた上で1日1日を過ごしています。これにもう1つ付け加えるべきは実戦的な取り組みです。1月から5月,6月まである程度の頻度で国際大会の開催が想定されています。環境が整えばここに選手を送り込んでいきたい。柔軟性を持って、どんなことがあっても想定内と言えるだけの準備をして、本戦に向かっていきたい。

―――五輪前に世界選手権開催との情報があります。

6月開催で準備が進んでいると聞いています。1月にマスターズ、2月にGSテルアビブ、5月にGSパリ、6月に世界選手権、ほか、グランプリ・グランドスラム級の大会がいくつか設定されるかもしれないという情報です。世界選手権の選考においては、五輪代表はもちろん、いま現在の有力な選手たちも含め、また24年世代という目線も持って、トータルで判断して決めていきたい。まだまだ何があるかわかりませんが、柔軟性をもって、臨機応変に対応していかなければいけないと思っています。

―――緊急事態宣言の再発令という報道があります。五輪開催については。

現場としては開催されることを前提に1つ1つ準備をしていくしかない。ただ、五輪が開催された暁には、勝ち負けだけではなく、柔道、スポーツを通じて社会に勇気や希望を与えられる、新たな価値を届けなければいけないと思っています。

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増地克之監督

増地克之・女子代表監督のコメント

―――講習会の内容について。また、そのねらい、手ごたえを教えてください。

毎年、年明けに全体合宿をナショナルトレーニングセンターで行うのですが、今回はそれをオンラインの講習会に切り替えた形です。コンプライアンス、アンチドーピング講習、そしてインテグリティ、いわゆる柔道の強化ではなく、人間力を高めるためにはというテーマで講師の先生にお話し頂きました、私からは今年の東京五輪はもちろん、もう我々は2024年のパリ五輪に向けてスタートしているんだという話をさせて頂きました。ねらいは、まずは我々が全日本としてなにを目指すのか共通理解をもってもらおう、選手全員で共有しようということですね。オンラインであくまで画面を通じてですが、選手の顔が見れて話が出来たことは良かったと思っています。

―――今年の抱負をお願いします。

7月にオリンピックが開催されると信じていますが、ご存じの通り予断を許さない状況です。どういう状況になっても自分を持って日々努力していこう、来る五輪に向けて突き進んでいこう、ということです。

―――今後の強化プランの流れは。

11月の講道館杯と先日の皇后盃、2大会見た限りではやはり選手のコンディションがまだまだ整っていないなという感想を持ちました。自分では練習を積んで来ているつもりでも、実戦の感覚がなかなか戻っていない選手がいる。代表は1年近く試合から遠ざかっていますので、おそらく似たことが起こるはず、国際大会の初戦はなかなかうまくいかないのではないかと思っています。そこを調整、修正しながら本番に向けてコンディションを上げていきます。

―――もっともブランクが長いのは素根輝選手。2019年11月のグランドスラム大阪を最後に、試合から遠ざかっています。

環境が変わり、母校の南筑高校で稽古しています。慣れ親しんだ土地での練習ということであまり心配していません。12月の全体合宿、その後に個別分散合宿で稽古を見ましたが、非常にいい練習をしていると思います。こちらがブレーキを掛けないとずっと練習を続ける選手ですので、オンとオフの切りかえをしっかり見極めながら、コンディションを整えていきたいと思っています。

―――素根選手の上積みを、言える範囲で教えてください。

五輪本番では自分より大きい選手と戦う場面が予想されます。これまでも取り組んで来ていましたが、いまは積極的に男子の大きな選手を相手にしながら、担ぎ技をさらに磨いていました。秋本啓之コーチの指導のもと、担ぎ技のバリエーションが増え、技術的な幅が広がっています。たとえば逆技も精度が上がって来た。特にケンカ四つの担ぎを重点的に取り組んでいます。

―――今後の派遣スケジュール、また6月の世界選手権の派遣について。

選手の中には1日も早く国際大会に出たいというものもいますので、環境さえ整えばすぐにでも参加させたい。ただ、緊急事態宣言が発令されるとの報道もありますし、状況を見極めて、選手のコンディションもにらんで、しっかり大会を選んでいきたい。世界選手権についてはどういう選考をしていくのかもまだハッキリ決まっていません。2020年にほとんど大会がなく、今年もどの大会が出来るのかわからない。2年間、あるいはもう少し範囲を広げて総合的に判断していくことになるかと思います。これから執行部、担当コーチなど含めて、話し合っていくことになると思います。

※ eJudoメルマガ版1月5日掲載記事より転載・編集しています。

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