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【eJudo’s EYE】論理と我慢、すべてを備えた羽賀の背中を最後に押した「天運」/令和2年全日本柔道選手権早出し評①

(2020年12月27日)

※ eJudoメルマガ版12月26日掲載記事より転載・編集しています。
【eJudo’s EYE】論理と我慢、すべてを備えた羽賀の背中を最後に押した「天運」
令和2年全日本柔道選手権早出し評①
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初優勝の羽賀龍之介

文責:古田英毅
Text by Hideki Furuta

■羽賀龍之介、最後に背中を押した「天運」

全日本選手権は序盤の戦いが大事。歴代優勝者には「尻あがり」「スタミナを温存」などその条件を語るものもあるが、昨年度大会で思い知らされたのは、やはり優勝する選手は端(はな)からそれを感じさせる勝ちぶりを示しているということ。数あるスター選手たちがきっちり持ち味を発揮して勝利していく中で、それでも優勝したウルフアロンの勝ちっぷりだけは出だしから群を抜いていた。格下相手の技一発でも、単に勝つだけではない「この人が最後まで行くだろう」という説得力があった。勝ち星1つ、「一本」1つの報いでは逆にフェアじゃないんじゃないかと思える圧倒的な「余り」があった。いかに本人が抑えていようと、先を見据えた暖機運転であろうと、その戦いぶりからにじみ出るものはどうしたって隠せない。コンディション、覚悟、時運、やはり勝つものには理由があり、それはどうしたって吹き出てしまうものである。いかにスコア上条件が整っているように見えても、ないものには、最初から、ない。

だから、3回戦までが終わった時点で、今日の優勝者は羽賀龍之介か佐々木健志に絞られたと思った。ここまでの勝ちぶりナンバーワンは間違いなく佐々木で、次点は初戦で体重135キロの黒岩貴信を得意の左内股で鮮やかに斬り落とし、3回戦で優勝候補筆頭の影浦心をまったく何もさせないままのまさに完封で下した羽賀龍之介であった。佐々木は続く準々決勝で体重145キロの王子谷剛志を2度投げる殊勲でさらに加速。ベスト4が揃った段階での読みは、羽賀は決勝まで進むだろう、ただしもっとも嫌な相手は佐々木、というもの。その理由はふたつ。

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※ eJudoメルマガ版12月26日掲載記事より転載・編集しています。

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