PAGE TOP ↑
eJudo

ロシアが大会席捲、パワー派優位の中「柔道」で魅せたモラエイ/グランドスラム・ブダペスト2020男子7階級評

(2020年10月29日)

※ eJudoメルマガ版10月29日掲載記事より転載・編集しています。
ロシアが大会席捲、パワー派優位の中「柔道」で魅せたモラエイ
グランドスラム・ブダペスト2020男子7階級評
eJudo Photo
ヤゴ・アブラゼとロベルト・ムシュヴィドバゼによる60kg級決勝

文責:古田英毅
Text by Hideki Furuta

→男子全試合結果

8か月ぶりのワールドツアー大会となったグランドスラム・ブダペスト2020。先に配信した総評に続き、簡単ながら各階級評をお届けする。拙速は承知、階級ごとにかなりボリュームに差が出てしまったが、全階級決勝戦評を付すということでご容赦願いたい。

■60kg級 ロシア1番手の座、名実ともにアブラゼに移る

ヤゴ・アブラゼがロベルト・ムシュヴィドバゼとのロシア対決を制して優勝。ここ1年半、誰がどう見てもロシアの実力ナンバーワンはアブラゼに移っていたのだが、建前上の1番手はあくまでバクー世界選手権2位入賞のムシュヴィドバゼ。東京世界選手権代表からもアブラゼは漏れ、ムシュヴィドバゼ1人が送り込まれていた。しかしこの大一番でムシュヴィドバゼが初戦敗退、追いかけるアブラゼにもチャンスが出て来たところでコロナ禍が世界を襲い、以降代表争いはここまで保留されていたわけである。8か月の空白を経、今大会を以て名実ともにロシアの1番手はアブラゼに移ったと言っていいだろう。巻き込み技一辺倒で柔道は幼いものの長い腕という強い身体的記号があって人間的にも底知れなさを感じさせるアブラゼ、一方実績もあって戦いぶり練れてはいるが実はこれといって濃い特徴のないムシュヴィドバゼ。外野から見て怖いのはやっぱりアブラゼのほうだ。収まるべきところに収まったなというのが正直な感想である。アブラゼ、国際大会初登場時の2018年冬に比べると、寝ては「加藤返し」、立っては隅返に、左右の巻き込みに繋ぐための構えや組み手の使い分けと着実に出来ることが増えている。頂点を極めるようなレベルまで辿り着くとはなかなか想像しがたいが、瞬間的な爆発力は相当なもの。警戒怠ってはならない。

この2020年に確変あるかと思われたダヴド・ママドソイとカラマット・フセイノフのアゼルバイジャン勢2人は働き冴えず、ママドソイは3回戦でグスマン・キルギズバエフ(カザフスタン)に「指導3」、フセイノフは初戦で3位入賞のルカ・ムヘイゼ(フランス)に腰車「技有」でそれぞれ苦杯。ただし、これはコンディションの悪さを勘案しておきたい。相手役のムヘイゼが全体として今回動きが良くかなり稽古を積んでいる印象のフランスチームの一員であることを考えると、国ごとのコンディションの差が端的に現れた結果と言えるだろう。

...続きを読む

※ eJudoメルマガ版10月29日掲載記事より転載・編集しています。

→eJudoトップページに戻る
→「ニュース・マッチレポート」に戻る
→「書評・DVD評」に戻る