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【プレビュー】これぞの「ストーリー」見出しがたいが面子は豪華、両階級とも勝負自体を楽しむべし/グランドスラム・ブダペスト2020最終日女子プレビュー(78kg級、78kg超級)

(2020年10月25日)

※ eJudoメルマガ版10月24日掲載記事より転載・編集しています。
【プレビュー】これぞの「ストーリー」見出しがたいが面子は豪華、両階級とも勝負自体を楽しむべし
グランドスラム・ブダペスト2020最終日女子プレビュー(78kg級、78kg超級)
→グランドスラム・ブダペスト2020組み合わせ(公式サイト)

■ 78kg級 主役なき混戦、個々の対戦それ自体を楽しむべし
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昨年のワールドマスターズを制したファニー=エステル・ポスヴィト。ツアーの成績はマロンガより高値安定しているくらいなのだが、現役世界王者の前では五輪出場は困難。

(エントリー19名)

豪華な選手が揃った他階級に比べれば、強豪の出場が極端に少ない。代表争いや選手同士の濃い因縁など特筆すべきテーマやストーリーも見出しがたく、ちょっと読み解きの難しいトーナメント。前者で言えばフランスとロシアが2選手を同時に派遣してはいるのだが、フランスは国内に現役世界王者のマドレーヌ・マロンガ(フランス)がいるため代表争いは実質もう終わっており、ロシアの2選手もいまのところ世界大会の表彰台を狙えるレベルではなく注目度そこまで高いとは言い難い。ここはもう割り切って個々の戦い、純粋に勝負それ自体を楽しむべきだろう。

優勝争いの軸は第1シードに座る昨年のワールドマスターズ王者のファニー=エステル・ポスヴィト(フランス)とオドレイ・チュメオ(フランス)。ただしチュメオはメンタルの状態によってパフォーマンスが大きく変わる選手のため、代表の目がなくなりモチベーションが下がっているであろう今回は早期敗退もあり得るとみておくべき。一方のポスヴィトは体の力を生かした圧殺を得意とする選手であり、昨年70kg級から階級を上げたばかりで、パワー的にはまだ伸びしろがある。今大会は全体の傾向としてフィジカルに柔道の軸がある選手が良いパフォーマンスを発揮しているということもあり(乱取りの絶対数が必要な業師タイプは苦戦している印象だ)、コロナ禍期間にトレーニングを積んでパワーアップしているとすれば今後面白い存在になる可能性もあるだろう。既に十分結果が出ている選手ではあるが、さらなる上昇あるか、今回の戦いぶりで見極めたいところ。

ほか、勝負自体を楽しむという前述の視点から、注目選手として昨年の東京世界選手権3位のロリアナ・クカ(コソボ)と同5位のパトリシア・サンパイオ(ポルトガル)の若手2名を挙げておきたい。

【プールA】
第1シード:ファニー=エステル・ポスヴィト(フランス)
第8シード:ネフェリ・パパダキス(アメリカ)

【プールB】
第4シード:ロリアナ・クカ(コソボ)
第5シード:アレクサンドラ・バビンツェワ(ロシア)

【プールC】
第2シード:パトリシア・サンパイオ(ポルトガル)
第7シード:カルラ・プロダン(クロアチア)
有力選手:アナスタシア・タルチン(ウクライナ)

【プールD】
第3シード:オドレイ・チュメオ(フランス)
第6シード:アントニーナ・シュメレワ(ロシア)

■ 78kg超級 常と変わらぬハイレベルトーナメント、ブラジル勢の代表争いに注目
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第1シードはマリア=スエレン・アルセマン。

(エントリー17名)

強豪選手がひととおり揃ったレベルの高いトーナメント。とはいえもともとこの階級は上位選手のほとんどがほぼ「皆勤」と言っても良いほどに積極的に大会に参加しており、メンバーの豪華さほどの希少感はない。面子は豪華だが、78kg超級的には平常運航だ。加えてこの階級は、素根輝とイダリス・オルティスのスーパースター2人のみが別格、他の強豪選手は実力的に極めて近いレベルに固まっており、かつ(またこのあたりが女子最重量級らしいのだが)、コンディションやメンタルによる調子の波が大きい選手が非常に多い。8か月にわたる大会中断でその「波」を読むための補助線もまったくなく、事前に勝ち上がりの予想をすることは難しい状況だ。78kg級同様勝負それ自体を楽しむというのがおそらくは正しい見方。選手は個性派揃いなので、それなりに面白い観戦体験が出来ると考える。事前に下記リストのリンクから選手紹介を読んで、キャラクターをある程度掴んでおくことをお勧めしたい。

今大会を通したテーマである東京五輪の代表争いについてすこし触れると、ブラジルがマリア=スエレン・アルセマン(ブラジル)とベアトリス・ソウザ(ブラジル)を同時派遣していることがひときわ目を引く。配置はそれぞれアルセマンが第1シード、ソウザが第2シードとなっており、直接対決があるとすれば決勝。実力的にはともに十分そこまで勝ち上がるものを持っており、もし実現した場合には、ストーリー的にこれがもっとも面白いカードと言えるだろう。

【プールA】
第1シード:マリア=スエレン・アルセマン(ブラジル)
第8シード:エリザヴェータ・カラニナ(ウクライナ)
有力選手:サンドラ・ヤブロンスキーテ(リトアニア)

【プールB】
第4シード:ラリサ・セリッチ(ボスニア・ヘルツェゴビナ)
第5シード:ニヘル・シェイフ=ルーフー(チュニジア)

【プールC】
第2シード:ベアトリス・ソウザ(ブラジル)
第7シード:アン=ファトゥメタ・ムバイロ(フランス)

【プールD】
第3シード:カイラ・サイート(トルコ)
第6シード:ホシェリ・ヌネス(ポルトガル)
有力選手:シゲトヴァリ ・メルセデス(ハンガリー)

※ eJudoメルマガ版10月24日掲載記事より転載・編集しています。

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