PAGE TOP ↑
eJudo

57kg級芳田司も前向き、「準備期間が延びたことには、いいイメージしかない」

(2020年10月1日)

※ eJudoメルマガ版10月1日掲載記事より転載・編集しています。
57kg級芳田司も前向き、「準備期間が延びたことには、いいイメージしかない」
東京五輪女子57kg級代表に内定している芳田司(コマツ)が30日、オンラインでの合同取材に応じた。

五輪延期決定直後はかなり落ち込んだという芳田だが、自粛期間も過去の自身の映像を見るなど常に具体的な場面を想定して「頭の中で柔道をしていた」とのこと。得意とするイメージトレーニングが、乱取り再開後スムーズに稽古段階を上げられている現状に繋がっていると分析してみせた。

1年延期については、「準備期間が延びたことには、いいイメージしかない」と前向きにコメント。代表決定時は手指の負傷など満身創痍だったが、この点についても「怪我の治療ということだけにフォーカスすれば、確実に良かった」とプラス面を強調していた。

芳田選手のコメント要旨は下記。

eJudo Photo
オンライン取材に応じた芳田司。自粛期間、トレーニングや読書に飽くと友人に贈られた竹笛を吹いていたとのこと。

――― 五輪延期が決まって、率直にどんな気持ちでしたか?

もしかしたら(延期になる)な、という時期が続いていたので、覚悟はしていました。延期が決まってすぐは、なかなか切り替えることが出来ませんでした。気持ちの面でもそうですし、試合に向けて体も作っていたので、そういったところで疲れみたいなものを感じていました。

――― 自粛期間の4,5月はどんな過ごし方を?

ずっと部屋にこもりっぱなしの時期がまずあって。体幹を鍛えたり、器具を使わないトレーニングをしたり、過去の自分の試合を観てビデオ研究をしたり家で出来ることをしていました。4月一杯は疲れもあったし結構落ち込みました。「ガクーン」という感じ。5月あたりになって切り替えられました。

――― 切り替えのきっかけになったことは?

きっかけは、…特になかったです。人ともあんまり話してはいけないという時期があって。ズームや電話でコミュニケーションは取れますが、基本的には本当に家にこもりっぱなし。逆に自分と向き合うというか、そういう時間でした。

――― もともと考え込むこと多いタイプではないかと思うんですが、自分と向き合ったことで発見したことや得られたものはありますか?

試合前も毎回逃げ出したくなったり、逃げ出せなくて考えこんだりというのは何度も経験しているんですが、1年まるまる準備期間という状況は初めて。同じ考えこむ時間でも、新しい向き合い方というか、ちょっと違う感覚で過ごせていたと思います。

――― ビデオや自宅トレのほか、何か新しい取り組みは?

結構ひきこもるというか、家にいるのが好きなタイプなので…。新しいことを、なにかしようなと思ったんですが特になく。友達に、笛を贈ってもらいました。竹の、こういう笛(横笛)です。特に曲を練習するというのはないんですが、映画を観たり本を読んだりと出来ることが限られる中で、時々それをピーっと吹いていました。

――― 練習が出来なかった時間、柔道への影響は?

乱取りが出来ない時間が凄く長かったのでちょっと不安な部分はあったんですけど、出来ない間も映像を見て頭の中で柔道をしていたり、映像がなくても自分の試合を想像して色々振り返ったりする時間がかなりあったので、乱取りが再開されてもすんなり入っていけたところはあります。そういうワザを身に着けておいてよかったと思います。怪我することなくどんどん稽古段階を上げられているのは、イメージトレーニングの効果が大きいと思います。

――― イメージトレーニングでは誰か相手を想定したりするんですか?

具体的にどの大会のどの相手というようなことはなく、練習の中の1コマだったり、「あの部分が気になるな」とかまだ完成し切っていない部分を思い出しながら、次はどう攻めようと考えるとか、そんな感じです。


――― 映像を見るのは、ご自身の試合ですか?それともライバルの研究?

いまは自分の柔道を振り返っている状況です。自粛期間中は結構過去まで遡って自分の試合をみて、変化している部分を観察したり、そんな感じでした。

――― どのくらい遡って見ましたか?

小学校の試合から見ました。小学生の自分の試合は、フレッシュだなーと思いました。あまり何も考えずに試合をしている感じが結構グッときました(笑)

――― 柔道そのものの稽古、乱取りはそれぞれいつから始めましたか?

7月からマスクをして柔道衣を着ました。軽量級と重量級でわかれて少人数のグループを作って、回転運動や1人で動ける練習からスタート。徐々に組み合って稽古するところまで段階を上げて、ウエイトトレーニングもその時期からしっかり再開。9月からは、マスクを外して乱取りが始まりました。

――― 柔道衣を久々に着てみて?

やったー!って感じでした(笑)

――― 現在の乱取りの強度は?

メニュー的にはかなりガツガツやっています。所属には講道館杯に出る選手もいるので、大会に向けて皆でしっかり稽古しています。

――― グランドスラム東京がなくなり、年内は国際大会がありません。実戦のプランは?

社会の状況もありますし、まだそこは未定です。自分としては少しでも早く試合に復帰できる状態になるように準備をするだけです。出来ることはたくさんあるので、(実戦から遠ざかることへの)不安はゼロ。問題ないと思っています。オリンピック1発というよりはその前に何度か試合に出たい気持ちはありますので、体と心をしっかり作っていきます。

――― 1年後に向けた強化ポイントは?

すべてです。怪我の状況が凄く良いですし、準備期間が延びたとことにはいいイメージしかない。怪我に関して言えば、治療に専念できたことは物凄くプラス。もちろん今年の7月に向けてしっかり仕上げていましたし、気持ちが高まってさらに良い状態になることもあったかもしれませんが、怪我だけにフォーカスして言うのであれば、確実にこれは良かったと思います。

――― まだ確実にオリンピックが実施されると決まったわけではないですが、あらためて思いを。

色々あっても、試合があると信じて、それに向かって準備していく。本当にそれだけです。1日1日を大切にして過ごしていきたい。

※ eJudoメルマガ版10月1日掲載記事より転載・編集しています。

→eJudoトップページに戻る
→「ニュース・マッチレポート」に戻る
→「書評・DVD評」に戻る