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「開催信じて、出来ることに励む」永瀬貴規が合同取材に応じる

(2020年9月15日)

※ eJudoメルマガ版9月15日掲載記事より転載・編集しています。
「開催信じて、出来ることに励む」永瀬貴規が合同取材に応じる
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オンラインで取材に応じた永瀬貴規

男子81kg級の東京五輪代表・永瀬貴規(旭化成)が15日、オンラインで報道陣の合同取材に応じた。

東京五輪の1年延期については「昨年まで足りなかった鍛錬期を貰った。この期間を有効活用したい」と前向きにコメント。「五輪開催が100パーセント決まったわけではないという見方もある」との質問には「開催されると信じ、いま出来ることに励んで照準を合わせるだけ」と冷静に応じていた。講道館杯(10月31日~11月1日)とグランドスラム東京(12月11日~13日)の出場については「特に考えていない。どの試合に出るかよりもまず稽古を積むことが最優先」とのこと。

永瀬選手のインタビュー要旨は下記。

――― 五輪延期が決まって。

2019年は大会続きで調整、減量が多く、なかなか鍛錬期というか、しっかり稽古を詰める期間が多くなかった。それを踏まえて考えると準備する期間が多くなったということでもあるので、延期になったからどうこうという不安はありません。自分なりにこの期間を有効活用していきます。

―――延期が決まった瞬間の気持ちは?

多少の動揺はありましたが、すぐに2021年の夏に照準を合わせなければと切り替えました。稽古が出来ず、まったく不安がないとまでは言い切れませんが、いまこの瞬間で出来ることというのは常にあったので、それをしっかりやるだけという気持ちで日々過ごしていました。

――― ここまでの期間、どのように過ごされましたか?

3月までは筑波大学で稽古が出来ていたので、そこまでは通常通り。4月から大学でも稽古が出来なくなり、そのまま6月までは柔道衣を着る稽古は出来ませんでした。走り込みやダッシュ、階段上りなどをメインに鍛えていました。ジムなどの環境もなかったので、自宅で自重トレーニング。、同じメニューでも回数で縛ったり秒数で決めたり、ランニングならコースを変えて風景に変化をつけたり、飽きないように自分なりにメニューを考えて工夫してやっていました。7月になって延岡に移動し、所属の旭化成の道場で柔道衣を着て組み合う稽古が出来るようになりました。旭化成のチームメイトはほとんど集まっていたので、良い稽古が出来たかと思います。7月一杯はそのまま延岡でトレーニングと稽古を続け、8月に大学の課外活動が認められて、以降は大学で稽古。いまでも継続してやっています。通常通りに乱取りもやっています。

――― 普段と違う取り組みは?

映像を見る時間は増やしました。相手の研究というよりは、自分の過去の動画を見て、反省したり考えたりですね。怪我から復帰してからの試合や今年のドイツの試合はもちろん、いつの時期のどの試合ということはなく、まんべんなく見ています。

――― 稽古に復帰したときの気持ちは。

単純に、やっと稽古が出来るなという喜び。それだけでした。柔道衣を来たときに自然と笑みが出て、あらためて自分は柔道が好きなんだなと思いました。

――― 稽古が出来ない期間があった影響を感じましたか?

ある意味新鮮な気持ちで稽古に取り組むことが出来ました。これは良い部分ですね。乱取りを開始したときは、もちろん多少動きもスタミナも落ちていましたし、感覚のズレもありました。ただ、3か月柔道衣を着ていなければ当然そういったことが起きるというのは予想していましたし、少しづづ取り戻していけばいいかなと思いました。想定内に収まっていると思います。

――― 2017年に膝を手術して1年以上実戦から遠ざかりました。その経験が生きているのでは?

柔道人生であれだけ長い期間稽古が出来なかったことはなかった。やっぱり不安でしたし、たいへんな時期を過ごした。仰る通り、その経験があるからこそ、特に不安を感じずにいられた部分はあると思います。これからしっかり作って、強くなっていけばいい。

――― 柔道以外の時間で、新しいことに取り組んだりということはありましたか?

これまであまり読書の習慣がなかったので、この期間は継続的に本を読もうと試みました。アスリートや指導者の本を読んで、自分の価値観や発想のバリエーションを増やそうとしていました。印象的だったのは、サッカーの内田篤人選手の「僕は自分が見たことしか信じない」。自分と性格的に似ている部分があるなと共感する部分も多く、周りの目がどうこうよりも自分を貫き通す姿は、自分も見習わなければいけないなと思いました。

――― “Stand up judo” など、この期間の柔道界全体の活動についてはどう感じましたか?

色々な方が取り組んでいる姿を見せてもらいました。反響の大きさに、スポーツや武道の影響力の高さをあらためて感じました。自分も大野将平先輩と一緒にオンラインの柔道教室をやらせて頂いたのですが、子どものまなざしは昔の自分を見るようで、頑張らなければいけないなという思いを新たにしました。凄く良い経験をさせて頂いたと思っています。

――― 五輪に向けて、残りの期間でイメージされていることや課題を教えてください。

まずはこの3か月で衰えている部分や感覚のズレをしっかり戻すこと。そうして自分の軸をしっかり作った上で、新しい技にも挑戦したいと思っています。いま少しづつ取り組んでいる状況です。課題に向き合いつつ、自分のスタイルを磨くことに重きを置きたい。相手の研究というよりは、地力を高めることだったり、自分の弱さをなくすことが大事と思っています。

――― 新しい技について、差し支えない範囲で教えてください。

いままでやって来たものはもちろん、相手の意表を突くような技に取り組んでいます。もっと力をつけて使える技にしていきたい。まだまだ練習中なので、しっかり作って試合で見せられればいいと思います。

――― いま仰った「自分の弱さ」について、もう少し具体的に言うと?

メンタルの部分ですね。グランドスラム・デュッセルドルフでは、残り時間が少なくなって下がってしまったことが敗因になった。あそこで下がるということは自分に自信がなかったり、精神的に弱い部分があったということ。技術面はもちろんのこと、プレッシャーが掛かる場面でもしっかり戦えるように、精神的に逞しくならなければならない。

――― 講道館杯にグランドスラム東京と、国内で大きな大会が控えています。実戦参加のプランはありますか?

しっかり準備した上で大会に出ることが大事だと思っているので、今の段階でどの大会に出たいというようなことはありません。とにかくしっかり稽古を積むことが最優先、あとはその時の状況によって決めたいと思います。ただ、もちろん五輪本番までに実戦は積んでおきたい。一発本番ということではなく、なにがしかの試合を積むことは考えています

――― 東京五輪について、あらためて思いを。

オリンピックで優勝するというのは自分の昔からの夢ですし、日本代表にとっては金メダルを獲ることが使命です。使命を果たして、絶対に金メダルを獲りたい。

――― 五輪の開催は100パーセントではないという声もありますが、それに対しては。

自分としては開催されると信じて、いまやれることをやるだけ。稽古やトレーニングに励んで、オリンピックに照準を合わせるだけだと思っています。

※ eJudoメルマガ版9月15日掲載記事より転載・編集しています。

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