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東京五輪柔道競技・男子日本代表内定者談話(60kg級、73kg級、81kg級、90kg級、100kg級、100kg超級)

(2020年3月12日)

※ eJudoメルマガ版3月12日掲載記事より転載・編集しています。
東京五輪柔道競技・男子日本代表内定者談話
(60kg級、73kg級、81kg級、90kg級、100kg級、100kg超級)
東京五輪柔道競技の日本代表選手に内定した男子6名の、発表会見と直後の囲み取材におけるコメント要旨は下記。

■ 60kg級 髙藤直寿(パーク24)
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髙藤直寿(パーク24)


――代表が決まりましたね?
リオからずっと悔しい気持ちでやってきて、今はまず一番近くで支えてくれた家族に、そしてサポートしてくれた会社に感謝の気持ちでいっぱいです。また、自分と同じようにライバルの周りにも彼を助けてくれた人たちがいる。その人たちの思いも持って、オリンピックをしっかり戦いたい。

――この4年間を振り返って?
永山(竜樹)が出て来たときには『4年間やれないんじゃないか』とも思ったが、家族に支えてもらってひたすらにやってきた。柔道の面では、それまでになかった『手堅さ』を手に入れたと思っています。リオの時よりは強い髙藤直寿がいる、と自信を持って言えます。

――あらためて、東京五輪とは?
夢舞台であり、僕の悔しさを晴らす舞台でもある。オリンピックの悔しさはオリンピックでしか晴らせない。東京でやるということについては、モチベーションはあがりますが、自分は柔道を始めたときからオリンピックのことをずっと考えていたので、『どこで』勝つかよりも、とにかく夢を叶えたい気持ちのほうが大きいです。絶対に勝ちたい。
――どんな柔道を見せたいですか?
もちろん金メダルを取ることが目標ですが、自分は初日なので、いつも勝っても最終的には目立たない。だから、投げるだけの柔道ではない、こういうものが柔道なのか、というものを見せたい。豪快さは大野に任せて(笑)、柔道って素晴らしいなと思われる戦いをします。

――番苦しかったときは?
リオが終わって、初めて、それも豪快に負ける相手が出てきた。それも2回も。これまでの柔道人生でそんな負け方をする相手に会ったことがなかった。もうやれないんじゃないかと思ったけど、でも家族は東京で金を取ってほしいと言ってくれた。それで続けることが出来ました。

――常々、柔道を進化させてきたとおっしゃっています。2013年からの自分の柔道がどんなもので、どう変化して来たか自分の言葉で教えてください。
2013年に世界選手権で初めて優勝したときは、勢いがあり、『一本』を取る柔道。そのままリオまで行って、リオでああいう負け方をして、永山というライバルが出て来て、2017年からは取りこぼしをしない手堅さを得た。それが1度完成したのが2018年の世界選手権。先日のグランドスラム・デュッセルドルフでは2013年モードと2018年の戦い方をミックスした、最高の形が出来たと思っています。

――選抜体重別を前に代表が決まりましたね?
そう思う人もいるだろうなと思います。テレビ東京(のライブについたコメントを)を見ていたら『なんで60kg級はここで決まってしまうの?』というのがあって、まだ自分の強さを認めてもらえていないなと感じました。金メダルを取って『髙藤で良かった』と思ってもらいたいです。

――強化陣が「大一番で勝って来た」ことを高く評価していましたね?
世界選手権のチャンピオンとして試合をしているので、まだチャンピオンになっていない選手と比べられるのは悔しい。だから、強化にここが勝負と言われたグランドスラム大阪では絶対に勝たなければという気持ちはありました。

――先ほどの、手堅く、無難に試合を進められるようになったというところをもう少しお願いします。
客観的に試合を見られるようになりました。僕は柔道が好きで試合を凄く見る。審判の心境や相手の心、その大会の審判傾向などを素早く理解して、瞬時に判断して動けるように自分を特化して来ています。リオまでは、自分のやりたい柔道に嵌めて勝って来たのですが、それだけではここまでは来れない。今はすべての要素を持っていると思っています。

――内定が早く出ました。リオとは違う準備が出来ますか?
リオでは代表に決まってすぐに本番が来てしまったという印象。今回は頂いた時間をしっかり有効に使いたい。リオでは、代表が決まってから本番まで『強くなる』ことはなかったが、今回はもう一段自分を変えられると思っています。

――リオの時と、今の自分の違いは?
メンタル面もあります。リオでは金メダルを取ったらなんと言おうか、と考えたりしていたのですがそういうところはもうありません。(ちなみに、なんというつもりでした?)実は、それが飛んでしまうほど緊張していました(笑)。

――60kg級のここ一番のピーキングは異常。リオではそれがひときわ顕著でした。あれを受けて今回はどのようなアプローチを考えていますか?
リオでの、あの海外選手たちの異常な気持ちの高さ、あの空間を体感した経験を生かして、それを上回る安定感、強さを求めてやっていきます。

――最後にあらためて。
見ていて「これが柔道だ」という試合をします。ぜひそこを見てください。

■ 73kg級 大野将平(旭化成)
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大野将平(旭化成)

――五輪代表が決まりました。
秋本啓之選手、中矢力選手、海老沼匡選手、橋本壮市選手という4人の世界チャンピオンと代表を争えたことが自分の誇りです。あとは最高の準備をして臨むだけです。

――1回目に決まったときとの違いは?
1回目の心境は覚えていないですが、今はなんとも言えない気持ち。あらためて気が引き締まります。

――五輪に臨むにあたり、背負うものとは?
背負うもの・・・。背負ってしまうと重くなるので、背負うというより、全てのものを力に換えて戦いたいです。

――リオからの取り組みは?
2度目の集大成。リオまでの4年間とはまったく違います。

――いま恐れているものは?
恐れていたら戦えない。覚悟を持って、思い切って戦いたい。

――あなたにとってオリンピックとは?
・・・なんでしょうね。なぜか目指しますね。自分の柔道を証明する場所かなと思います。

――日本武道館で戦うことについて?
全日本選手権、世界選手権で経験しましたが、あそこで戦う機会はそう多くない。それを噛み締めたいと思うし、あのなんとも言えない雰囲気の中で良い柔道を見せたい。

――良い柔道とはどんな柔道?
・・・そういう色気は一切殺して戦いたい。勝負は何があるかわからない。基本のスタンスは変えず、持って投げ切る柔道を目指しますが、結果として勝っていればいい。

――東京で連覇したら凄いことです。
思っている以上に連覇は難しいはず。だからといって特別なことをやるわけではなく、変わらず、自分の柔道を見つめて、稽古で嫌なこと、自分自身が嫌がるものを選んでやっていきます。『稽古』とは本来そういうものだと思いますので。本来の意味での稽古をするだけです。

――リオでは5試合戦って4つの一本勝ちでした。今回目指すのは?
内容には満足していません。今回も、満足はしないと思う。完璧な試合、思い通りの試合などまず出来ないと思っています。その中でミスを最小限にして戦いたい。

――世界チャンピオン4人と戦ってきたことについて、あらためてもう少しお願いします。
73kg級は体重の平均からも、1番人数が多くてレベルが高い階級だと思います。そして、そこで日本人が強い。2013年から日本人の世界チャンピオン4人と切磋琢磨してきた。その誇りをしっかり持って戦いたい。

――連覇は難しい?
連覇したことがないのでわかりません。ただ、その難しさを感じながらやっていきたい。そういうものだと思います。

――天理大の先輩の野村忠宏さんにその難しさは聞いたりしますか?
聞いていません。誰かが真似できるような話ではないです。見えないものを手探りでやっていく。真っ暗なところを歩いて、一筋の光を目指して歩いていく。そういう作業だと思っています。その中で大野将平という柔道家を作っていきたい。

――どんな準備をしますか?
軽いコメントは避けたい。決められた時間で、最高の準備をして、最高の結果を出すこと。それだけです。

――リネール選手が敗れましたね?
私と全く違う、雲の上の存在。自分より高いところ、高い境地で戦っている。その境地に一つでも近づけるようにやっていきます。

――以前、「首を狙われる」という表現がありましたね?どんなときにそれを感じますか?
技術的なところは言えませんが、精神的な部分です。同じ階級はもちろん、海外では他の階級のすべての柔道家が自分の柔道をじっと見ている。それをひしひしと感じます。引き続き、自分も柔道の魅力を、日本でも伝わるよう尽力していきたい。

――最後にあらためて、連覇を狙うことについて。
自分が思っている以上に難しいことだと思っています。自国開催のオリンピックで連覇を目指せることは、この上ないモチベーション。覚悟を持ってやりたい。

■ 81kg級 永瀬貴規(旭化成)
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永瀬貴規(旭化成)

――五輪が決まりました。
ここはゴールではない。気が引き締まります。

――2017年に怪我をして、大変な3年間でした。あの負傷は、自分にとってどんな意味がありましたか?
怪我してしまったことは変えられないので、強くなれるきっかけにすぎないとプラスになるような考え方をしてきました。怪我して、柔道から離れて。まったくの一からではないですが、しっかり作り上げてくる時間ができたので、それは良かったことだと思っています。

――代表争いはある意味、ゼロからのスタートでしたが、あの頃、焦りは?
まったくなかったというとウソになりますけど、その間に、佐々木(健志)選手や藤原(崇太郎)選手というライバルが活躍したことがモチベーションになりましたし、彼らの存在があったからこそ、今の自分があると思います。

――国際大会で4連勝していたときは、負けられないという気持ち?
オリンピックに向けて重要な試合だということで、まずは目の前の大会に勝つということだけ考えていました。

――あらためて、永瀬選手の強みは?
しつこい、粘り強い。競れば競るほど、後半になればなるほど強さが出てくるのではないかと思っています。

――大野選手が、永瀬選手は投げられないと評していました。
技には、一つ一つ技により受け方があるというか、掛けられる前に、どういう対応をするか、対応することで投げられることは防げると思います。

――あらためて、東京五輪に出場できることに関してお願いします。
現役の時、自国開催のオリンピックがあることなんてそうそうないと思います。前回の悔しさを晴らすためにも。今までいろんな方に支えられてオリンピック内定まで来られたので、恩返しできるようなパフォーマンスをしたいと思います。

――デュッセルドルフでの敗戦については?
いろいろな要因があるとは思いますが、最後、延長戦を意識して、隙が出来てしまったのが敗因だと思います。前回のオリンピックが終わってから、いち早く気持ちを切り替えてスタートして、いろんなケガだったり勝たない時期があったり、厳しい時間のほうが多かったですけど、結果としては得られるもののほうが多かった。同じように、今回負けたことで得られることのほうが大きいと思いますし、次にどう活かすかで真価が問われると思います。この負けを生かして本番で勝てばいいと思っていますし、必ず生かせるようにしていきたいと思います。

――ここからどんな準備を考えていますか?
土台をしっかりと作り直して、足元を固めなおし、やるべきことをやっていきたい。監督には、おまえ自身でリオの悔しさを晴らさなくてはいけないし、それだけの力があると言っていただいていたので、その言葉が自信と力にもなります。今回、選んでいただいた、その気持ちにも応えたい。
怪我をして、復帰してすぐに結果が出るような甘い世界ではないと思っていましたし、負けを重ねることで少しずつ良くなってきた自分もありますし、1年後どうなっているかは考えていなかった。しかし、自分が東京オリンピックに出場するために最後まであきらめずにやるという事はぶれずにやってこられたので。この先もあきらめず、やるべきことをやるだけです。

――いけそうだと思ったのは、どのくらいの時期ですか?
ずっと結果が出ていなかったので、(2019年4月の)選抜体重別で優勝したことは自分にとって自信になりました。4年前はあまりライバルという選手もいなかったし、ケガもなかったですし、挫折というものもこれといってなかった。怪我をして、いろいろと考える時間も増えましたし、技術どうこうよりも考え方という点で、挫折を乗りこえて成長できたとは思います。考え方が変わったというのはあります。試合に対する準備の仕方も変わりました。

――81kg級で優勝するには何が必要?
81㎏級は強豪選手が多くて、誰が勝ってもおかしくない階級だと思います。もちろん彼ら強豪選手を倒していかなくてはならないとは思うんですけど、自分との戦いというのもある。自分としては、より、そちらのほうが大事になってくると思っています。

――最後にあらためて。
経験をどう生かすかが大事だと思います。リオが終わってからケガがあり、なかなか勝てない時期があり、色々な挫折を経験した。4年前にはなかったこの経験を生かして、本番で、強い自分の柔道を見せたい。

■ 90kg級 向翔一郎(ALSOK)
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向翔一郎(ALSOK)

――初めてのオリンピック?
90kg級は厳しい階級で、向に務まるかどうかと思っている方もいるかもしれませんが、金メダルを取って見返したいと思います。

――今の気持ちを聞かせてください。
自分の中では、オリンピックで優勝することは決めていたこと。リオが終わってから、ずっと自分の中で出られたらいいな、とか、本当に出られるのかな、と思っていたのですが、それがだんだん、年々近づいてきて、自分でも実感できるようになった。クリスマス前にお祖母ちゃんが亡くなって。より一層自分の中でオリンピックで優勝したいという思いが強くなりました。天国で観てくれているとは思うので、絶対に優勝しようと思っています。

――初出場の東京五輪、意気込みは?
いつも通りやります。オリンピックという名前があるだけで、自分のなかでは、グランドスラムとか世界選手権と何も変わらないと思っています。

――具体的に、どういう柔道を見せたいですか?
あいつまた柔道が変わったなと言われるような柔道をしたい。例えば、背負投は掛からなくなってきているので違う技。自分ならオリンピックまでの期間で新しい技は十分出来ると思っています。180度違う柔道が出来たらいいなと思っています。

――富山県としては、最初のオリンピック内定です。県民の方に何かお願いします。
富山県で応援してくれている人がいっぱいいるので、とりあえず代表になれたことは凄く良かったと思うし、応援してくれている人に感謝の気持ちを持って、これから頑張っていきたいと思います。ますずし、シロエビ、ブリなど、富山の良さをアピールしていきたい。
ただ、たまたま最初なだけで、これから富山の選手たちがどんどん決まってくると思う。富山代表として、富山県民の一人としてもっと貢献できたらいいなと思います。

――学生体重別で優勝したときに、インタビューで言った言葉を覚えていますか?
はい。ベイカーさんを倒すと。実際には勝っていないんですが。

――でも、日本代表としてオリンピックに出場することになりました。
あの人がオリンピックチャンピオンである、その存在が本当に大きかった。背中を追いかけ続けて、それを越えようと思って頑張ってきました。オリンピックに出ることが目標ではなく、優勝して、やっとあの人に追いつくんだなと思っています。

――井上監督から内定の連絡を受けた時は、なにか言われましたか?
出られなかった選手がいるということを言われました。そこをしっかりと考慮して発言しなかればいけないと思いました。

――いけるなと思った瞬間は?
いけるなんて全く思わなかったです。ただ、このタイミングだったから決まっただけだと思います。自信が深まったなんてこともまったくなかった。90kg級は横一線だと思っていましたし。ただその中で、オリンピックという大舞台で、結果を残せるのは、自分くらいのメンタルがないと駄目だろうとは思っていて、最終的に出るのは自分だと思っていました。

――リオからここまでで、変わったと思うことは?
いっぱいありますけど、まずは感謝する気持ちではないかと思います。日大を一回破門になったことが自分のなかでは大きなターニングポイントでした。それがあったからこそ、人に感謝するとか、何かがあって当たり前じゃないということを学んだので。その気持ちが出てきたことで今の自分がいると思っています。金野先生にも、本当に感謝しています。学生時代は何か言われても「うざい」としか思えなかったが、今は、全ての言葉が耳に入って来ますし、あの時に言われたことはそういう意味だったのかと感じることが出来るようになりました。

――ここから五輪までどんな準備をしますか?
オリンピックまでの時間はあるようでないと思うので、今から始めないといけない。柔道をいまは、いっぱいしたいなと思っています。

――どんな技を作っていくのですか?
大外刈や内股。大野将平という選手がいるんですけど、あの人の内股の、引き出す力は凄い。ドイツでも調子が悪いと言いながらあの勝ち方。あのくらいの力がないと五輪では勝っていけないと思います。

――大野選手から何かアドバイスは?
アドバイスはないですけど、あの人は面倒見が良いんです。自分は中学2年まで講道学舎にいたのですが、その時は付き人をやっていました。大野さんは一学年上ですが、洗濯をやらしたり、後輩を使うとかしない人でしたね。

――ネクタイが決まっていますね。その模様(虎)は何か意味が?
虎になろうかと。世界のウサギどもを食ってやろうと思っています(笑)

――海外勢の強い階級です。あらためて五輪に向けて。
90kg級は、もう弱い選手など1人もいないと思えるくらい海外勢が強い。背負投が掛からなくなってきているので、まったく違う大外刈や内股を使って投げられるようにしたら、今度は背負投も掛かってくると思います。器用貧乏な自分の良さを生かして戦いたいです。

■ 100kg級 ウルフアロン(了徳寺大職)
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ウルフアロン(了徳寺大職)

――五輪が決まりました。今の気持ちは?
4年前は補欠という立場でした。今は内定が出てホッとしています。最高の準備をしたいと思います。

――怪我で出ていない間の国際大会についての印象は?また階級の傾向をどう捉えていますか。
100kg級は、もともと強かった選手はもちろんですが、新しい選手もちらほら出てきているので、そういう選手の対策もしっかりとしないといけないと思っています。傾向については、やはり投げて勝つ試合が多くなってきているのかなと。ルール自体も少しずつ変わってきているので、そこに適応している選手が勝ってきているとは思いますね。ウズベキスタンの選手が最近は力をつけてきているなと思います。

――五輪に向けての準備は?
まずは、新しくなった、少し変わったルールのなかでの試合を1回経験したいですね。あとは、負けない準備。一本背負投で投げられてしまうという試合が少し多かったので。受けの強化だったり、相手がどういうことをしてくるのか、この選手にはどういう対策が必要だとか考えながら、準備をしていきたいと思っています。「指導」も早いので、反則を取られないようにすることはもちろん、自分がこれをうまく使って試合を優位に進めていくことが大事だと思います。無駄に「指導」をとられないような戦い方、とくに序盤に失点をなくすような戦い方ができるように考えます。あとは試合が長くなってもならなくても、勝てる力を身に付けること。スタミナだけではオリンピックは勝てないですから、技の精度も高めていきたいと思っています。

――オリンピックはどんな結果、どんな目標を?
それはもちろん、優勝しか考えていないです。

――奥さんには代表が決まったことはもう伝えましたか?
すぐに伝えました。おめでとう、はありましたね。自分からは、代表になることがゴールじゃない。これからだという話をしました。

――地元、東京での五輪ということに関して。
僕自身、東京生まれの東京育ち。地元開催のオリンピックは一生に一度だと思いますし、数多くの知り合いや友達も見てくれるなかで、このタイミングで代表になれるというのは、力だけでなく運もないといけない。本当に幸運なこと。負けない準備をして、周りの人のためにも頑張らないといけないと思っています。

――三冠(世界選手権、全日本選手権、オリンピック)の挑戦権を得ましたね?
残すはオリンピックだけなので、ぜひ金メダルを獲って、歴史に名を刻みたいですね。

――世界選手権とオリンピックの違いは?
4年に一度というのがいちばん大きな違い。世界選手権のほうが数多く選手が出ているぶん勝つのが難しいという人もいますけど、4年に1度というのは大変なこと。1200日の中の1日にピークを持ってくることが出来る選手が優勝出来る、ということを考えるとそれだけでも価値のあることだと思いますし、出場する選手の力の入れ方も全然違ってくるのかなと思います。

――五輪での柔道のイメージは?
負けない柔道、相手が嫌なところ嫌なところを突いていきたいと思います。要所要所をしっかりと押さえて、気付いた時には優勝しているというのが理想です。

――この時期での内定は大きい?
そうですね。準備期間が十分にとれるという点でも、僕にとっては非常に大きいですね。

――負傷について現在の状態を教えてください。
ちょっと良くなって、トレーニングや乱取りもやっていたのですが、追い込み過ぎて水が溜まって炎症を起こしてしまったので、乱取りは一度炎症を抑えてから再開しようと思っています。

――5か月でやりたいこと、これをして本番に臨みたいということは?
組み手もそうですし、足技も。やりたいことという話になるといっぱい、数え切れないくらいあります。技も勿論ですし、(長所と思われている)スタミナもまだ伸ばせるところはあるので、終わりはない。伸ばせるところまで伸ばしていきたい。3月はしっかりと練習して、五輪前に1度は国際大会に出場して、そこで感覚を戻してからオリンピックに臨みたいと思っています。

――100kg級は日本の花形階級と言われています。
2000年の井上康生先生以来金メダルがないので、僕がとって、日本の花形の地位を取り戻したいと思っています。オリンピックに絞って戦いたいので、全日本選手権には出ないつもりです。4月末に出た時の疲労度を考えると、出ることは得策ではないのかなと思います。

――羽賀龍之介選手、飯田健太郎選手についてお願いします。
今まで切磋琢磨してきた二人。二人がいたから今の僕があるので、「あいつが出て良かった」と思ってもらえるよう、感謝の思いも込めて優勝したいです。

――今の状態と、五輪に向けてあらためて。
怪我は、今のところ溜まった水を抜いたりリハビリしたりの繰り返し。ただ怪我自体はもう治っています。五輪に向けては、勝つ準備よりは負けない準備をします。そうすれば本番は勝てると思っています。

■ 100kg超級 原沢久喜(百五銀行)
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原沢久喜(百五銀行)

――代表が決まりました。
代表争いはあくまで過程。やることは変わらないので、先を見てしっかり準備していきます。

――怪我の具合は
順調に回復して、出来ることも増えてきたので、本番は問題ないと思います。国際大会を挟んで、本番を迎えたい。

――グランドスラム・デュッセルドルフではテディ・リネール選手がついに敗れました。
1回戦から見ていましたけど、今日は影浦選手が勝つなと思っていました。1回戦か2回戦で他の選手に負けるかなと思ってみていました。ただ、ああいう勝ち方というのは影浦選手しか出来ないと思います。

――あの状態のリネール選手であれば自分にも勝機があるとは思いましたか?
相四つなので違った展開になるとは思うのですが、身体の仕上がりや状態を見ると、大いにチャンスはあったと思います。ただ、逆に地元パリでの大会にあの仕上がりで出て来たということは、なにか意図があったのか、あるいはケガがあったのかと思っています。いずれにせよ、東京では間違いなく完璧な状態で出てくると思います。

――もう少し、デュッセルドルフ大会のリネール選手についてお願いします。
身体自体に切れがなかったですし、掛けたあとも潰れていましたし、いつも徹底している組み手も甘くなっているという印象はありました。自分と戦ったグランプリ・モントリオールやグランドスラム・ブラジリアの試合でもやはりある程度サイズのある状態ではありましたが、それでも組み手も厳しかったし、「指導」の取り方も徹底していました。コンディションの悪さだと思います。

――自分が勝ちたかったという気持ちは?
そうですね。本当は、東京オリンピックの舞台で自分が勝ちたかったというのはあります。

――2回目の五輪、あらためて目標は?
もちろん金メダルですけど、それまでの過程が大事。最高の準備をしてきたいと思っています。

――リオからの4年間。振り返ってここまで来られたことに関してどう感じていますか?
色々なことがありましたが、オリンピックで金メダルをとるという気持ちがブレなかったのでここまで来られたと思いますし、これまでの経験をすべて力にしたいと思います。そして何より、大切なのはここからだと思っています。

――リオの時と今の心境を比べると?
前回は、オリンピックを目指してというよりは、目の前の大会を勝って結果的にオリンピックに出たという状況だったと思っていますが、今回は最初からオリンピックに出て金メダルをとることだけを狙ってきた。そこが違います。

――4年間で成長したと感じることは?
4年前は若さや勢いが力になった。今回に関しては、柔道にいろいろな面で向き合い、どうすれば勝てるかといったことを考えてやって来た。そういった面で成長できたのかなと思います。

――内定の連絡はどちらで?
午前中はふつうにトレーニングしていまして、家に帰ってボーっとしていた時に連絡がありました。僕はデュッセルドルフも出ていないですし、結果を待つだけでしたので。とくにいつもと変わりない状況でした。

――前回は選抜、そして4月末の全日本選手権を経ての代表決定でした。今回の早期内定についていかがですか?
オリンピックだけに集中することができるので、疲労も取れるし、そういう意味では嬉しいです。今年の全日本選手権に関しては、これから監督、コーチと相談します。

――リオ五輪のメンバーが4人代表に入りました。
一緒に戦ったメンバーとともに戦えることは嬉しく感じます。新しく出場する選手たちには、自分の経験を伝えていきたいと思います。

――今後の練習について教えてください。
国内だとサイズのある選手が少ないので、海外への練習も考えています。国内での練習も、ただ練習するのではなく、ライバルになってきそうな選手を想定して練習していきたいと思っています。特別どこかの1つの国に行くというよりは、国際合宿が行なわれる国に行って、ロシアやジョージアの選手とは積極的にやるという形をイメージしています。本番でのリネール選手は完璧な仕上がりで出てくることと思いますが、メンタル的にはチャンスが大いにあると感じています。彼が敗れたことで、少なくとも最重量級は「一強の時代」ではなくなった。クルパレク選手やツシシヴィリ選手、色々な選手をマークしながら強くなっていきたい。

――最重量級、注目度も高い。
自国開催の五輪に出られることに誇りを感じ、喜びに感じ、それを力に変えたいと思います。

※ eJudoメルマガ版3月12日掲載記事より転載・編集しています。

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