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【eJudo’s EYE】戦術変更で持ち味減殺、鍋倉那美再度のアグベニュー超えはならず/グランドスラム・パリ女子7階級評

(2020年2月20日)

※ eJudoメルマガ版2月17日掲載記事より転載・編集しています。
【eJudo’s EYE】戦術変更で持ち味減殺、鍋倉那美再度のアグベニュー超えはならず
グランドスラム・パリ女子7階級評
文責:古田英毅
Text by Hideki Furuta

グランドスラム・パリ大会、男子に続いて女子の評をお届けする。日本代表で、選考に関わる「ミッション」(優勝)を達成したのは70kg級の大野陽子(コマツ)のみ。1番手田代未来の不調と自身のワールドマスターズにおける絶対王者クラリス・アグベニュー(フランス)狩りで今回一気に差を詰める可能性があった63kg級の鍋倉那美(三井住友海上)は2位、同じく1番手芳田司の停滞を受けた57kg級の玉置桃(三井住友海上)は3位でいずれも不首尾に終わった。ワールドマスターズで初戦敗退している大野はもはやほとんど可能性のない状況でありながら集中を切らさず、しっかり自分の為すべきことを為した。敬服に値する。

3階級を制した地元フランス勢の出来が素晴らしかった。アグベニューの強さはもちろんだが、昨秋煮え切らない戦いを繰り返していた78kg級王者マドレーヌ・マロンガのここ一番での変貌ぶり、そして何よりついにブレイクのフランスの至宝・78kg超級のホマーヌ・ディッコのスケール感の高さが印象的。57kg級を制した出口クリスタ(カナダ)、52kg級優勝のディストリア・クラスニキ(コソボ)と併せて、チャンピオンが他を大きく引き離すパフォーマンスを見せた大会であったと言える。戴冠者のうち唯一隙を見せたのが48kg級の絶対王者ダリア・ビロディド(ウクライナ)。コンディション最悪の様子ながらしっかり勝ったあたりはさすがだが、噂にあがっていた減量の厳しさを自身のパフォーマンスで裏付けてしまった形となった。

■ 48kg級 ビロディド優勝も、減量調整の厳しさくっきり
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ダリア・ビロディド。大苦戦も終わってみれば4一本勝ちとスコアは抜群であった。

日本代表選手:古賀若菜(南筑高3年) 優勝

絶対王者ダリア・ビロディド(ウクライナ)が優勝も、内容に絶対性は薄し。序盤戦こそ得意の「横三角」で早い時間の「一本」量産、長い脚を突っ込めばその時点で勝負ありという圧倒的な出来であったが、3試合目(準々決勝)から急激にスタミナが切れる。この試合はカン・ユジョン(韓国)を相手に小内刈「技有」リードも、横落崩れの右小外掛を食って意外な「技有」失陥。延長45秒に横三角からの崩上四方固に抑え込んで事なきを得たが、準決勝では世界ジュニア2位のシリーヌ・ブクリ(フランス)を相手に総試合時間8分を超える苦戦。「指導2」まで失い、肩で息をし、「待て」が掛かると顔を歪めるその様はちょっと衝撃的ですらあった。GS4分7秒に小外掛「一本」で勝ち抜けると、まるで優勝したかのような喜びよう。悪コンディションの中、観客席の大声援を受ける地元選手を相手に「指導2」失陥で徳俵に足を掛けたまま続いた3分余の攻防。よほど苦しかったのだろう。

この山場を越えると、決勝は日本の古賀若菜を払巻込「技有」優勢で退けて優勝決定。終わってみれば5戦して4つの一本勝ちに1つの「技有」優勢勝ちとスコアはむしろ良好。このコンディションでここまで勝てるのだからやはり頭1つも2つも抜けた存在であるが、173センチという高身長からささやかれていた減量苦が、誰にもわかる形で顕在化した大会であった。

古賀はビロディドにはかなわなかったが、5つの一本勝ち(うち3つが「指導3」の反則)をマーク。準々決勝ではグランドスラム大阪に続いてもと世界王者ムンフバット・ウランツェツェグ(モンゴル)から勝利も得た。得意の大内刈が知れ渡って一発の取り味は減じつつあるが、現時点では体の強さと連続攻撃でしぶとく勝ち上がることが出来ている。この後何を上積みするか、柔道自体の設計図が問われる。

余談ながらビロディド式の横三角。特異な入射角から脚を突っ込んだり、立ち際を狙って絡みつき返すあの技法は、今大会男女問わず多くのフォロワーが見られた。間違いなく今後の技術トレンドの一翼を担うかと思われる。

■ 52kg級 「出戻り」クラスニキ圧勝、常人離れしたパワー見せつける
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決勝、クラスニキの膝車「技有」

日本代表選手:志々目愛(了徳寺大職) 3位

1階級下の48kg級でワールドマスターズを制したばかりのディストリア・クラスニキ(コソボ)が、今度は52kg級でなんとグランドスラム・パリというスーパーメジャー大会を制するという快挙を成し遂げた。まずファイザ・アイッサイン(アルジェリア)を浮落「技有」優勢、続いてペネロープ・ボナ(フランス)を1分16秒内股「一本」、そして準々決勝ではなんと52kg級のワールドマスターズ王者志々目愛をGS延長戦「指導2」対「指導3」で本戦トーナメントから弾き出す。こうなるともはや勢いは止まらない。準決勝ではサラ・メネゼス(ブラジル)を「指導3」、決勝ではオデット・ジュッフリダ(イタリア)を膝車「技有」を奪った末の「指導3」で踏みつぶし、ついに優勝までたどり着くこととなった。

ドロー直前までのコソボのシフトは、48kg級にクラスニキ、52kg級にマイリンダ・ケルメンディという常と変わらぬ布陣。ケルメンディが休んだ枠に急遽クラスニキが入り込んだ形だが、この明らかに「腰掛け」の調整出場で優勝を飾ってしまったのだから凄いというほかはない。もともと52kg級でもパワー派で鳴らしていたとはいえ、ちょっと想像を超える働きだった。スタイルはケルメンディばり、これぞ欧州パワーファイターという腰技系。これが再び階級を下げてくるのだから恐ろしい。48kg級をリードするのはビロディドに渡名喜風南、そしてこのクラスニキという形になるだろう。

ジュッフリダは五輪に向けてじわじわ調子を上げて来ているが、今大会は常の出来からすれば光が鈍かった印象。それでもしっかり2位入賞、確実に地力が増している。

日本の志々目愛は前述の通りクラスニキに苦杯もしっかり3位は確保。とはいえ優勝を逃したことで代表争いは後退と考えるべき。デュッセルドルフで阿部詩が平均的な成績を残せば、その時点で五輪代表争いは決着するのではないかと観測する。

■ 57kg級 出口クリスタ圧勝、玉置桃は3位に終わる
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決勝を戦う出口クリスタ。この日は巴投が冴えた。

日本代表選手:玉置桃(三井住友海上) 3位

人材ぎっしりの最激戦階級の勝者は、東京世界選手権金メダリストの出口クリスタ(カナダ)。ロレダナ・オフイ(ルーマニア)を2分31秒横四方固「一本」、サンネ・フェルハーヘン(オランダ)を1分31秒小外刈と大外刈の合技「一本」、ティムナ・ネルソン=レヴィー(イスラエル)を1分24秒横四方固「一本」とプールファイナルまでをノーダメージで勝ち上がると、本日最大の勝負どころと目された準決勝サハ=レオニー・シジク(フランス)戦も2分掛からず圧勝。巴投で2度体側から落とし「技有」2つの一本勝ちで一蹴。まとめの決勝はようやく復活気配のドルジスレン・スミヤ(モンゴル)をこれも巴投「技有」で退けてこの大会3連覇を飾った。「強い」と思わず一人ごちてしまうシーン多々、さすがの戦いぶりだった。この日は巴投が冴えていたが、ワールドマスターズで苦杯を喫したキム・ジンア(北朝鮮)との再戦にはどんなモードを持ち込んでくれるのか。今から非常に楽しみだ。

代表争いで出口を追撃するジェシカ・クリムカイト(カナダ)は7位に沈んだ。準々決勝でドルジスレン・スミヤに「指導3」、続いてノラ・ジャコヴァ(コソボ)との敗者復活戦も「指導3」で落とすという失態。客観的にはどう見ても勝負ありだが、しかし、それでも、制度上五輪代表決めは出口との直接対決に掛かる。まだ望みを捨てるわけにはいかない。

女子らしからぬ「グルジアスタイル」で世界ジュニアを席捲したエテリ・リパルテリアニ(ジョージア)は山場と目されたシジク戦に辿り着けなかった。2回戦、背中の掴み合いからティムナ・ネルソン=レヴィーが右釣腰「技有」先制、抗したリパルテリアニが右釣込腰「技有」奪回という激しい打ち合いの末に、ネルソン=レヴィーが釣り手で首、引き手で腰を抑えての左小外掛「技有」を得て勝ち越し。やはり57kg級の層は厚い。ジュニアで通じたパワーファイトがそのまま通用するというわけにはいかないようだ。

この大会の優勝に五輪代表争い生き残りが掛かる玉置桃は、勝負どころの準々決勝で地元シジクに完敗。内股巻込で放られるも逆に肩固で抑え込んだが、肩を抜かれて崩袈裟固に移ったところをひっくり返されノーポイントのまま「解けた」を許してしまう。これが運命の分かれ目、シジクの技にあらためて「技有」が宣せられると残り時間は僅か45秒。焦って強引に仕掛けた袖釣込腰を引き落とし返され2つ目の「技有」も失い、ここで終戦となった。最終結果は3位。1番手芳田司は確かに不調だが、玉置のほうもワールドマスターズに続く2大会連続V逸で到底差を詰めたとまでは言い難い。芳田の出来がこの先どうあれ、結果、内容ともに「争う権利」を堂々主張できるようなものではなかった。五輪直前にして、日本の57kg級の混迷は深まりつつある。

■ 63kg級 アグベニュー圧勝、鍋倉はリミッター掛けた柔道でワールドマスターズの再現ならず
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決勝、アグベニューの小外掛「一本」

日本代表選手:鍋倉那美(三井住友海上) 2位、土井雅子(JR東日本) 3位

絶対王者クラリス・アグベニュー(フランス)が圧勝。全試合一本勝ちで余裕をもって勝ち上がると、決勝ではワールドマスターズで苦杯を喫した鍋倉那美を試合終了間際の小外掛「一本」で畳に沈めた。1回戦のアミナ・ベルカディ(アルジェリア)戦などはもはやエンタテインメント。背中から抱えるとしばしの間を作り、敢えて前に粘った相手とは逆方向の裏投で真裏に引っこ抜く。高い軌道の一撃は豪快「一本」。耐えさせる間、期待を高める数秒間を作った上でもっとも派手な形で投げつける。自らの強さの演出として文句なしの一撃だった。

鍋倉の柔道は意外なほど大人しく、そしてワールドマスターズで見せた融通無碍ぶりはまったく鳴りを潜めた。自ら角を矯めて柔道スタイルになんらか制限を掛けているのか、それとも大一番で金縛りにあったのか。全ての持ち技をフラットな選択肢に置いたあの泥臭く、そして選択肢豊かであること自体ですべての技が効くという好スパイラルにあった戦いぶりを、そもそも論として志向していないと感じた。あれだけ効果のあった足技もほとんど狙わず、アグベニューを倒した担ぎ技もほとんどまったく繰り出さない。あるいは「今回は取っておけ」との指示でもあったのかと首を捻らざるをえない変貌ぶり。右内股に、右内股で左脚をつついておいての右払腰とこれぞ本来の鍋倉という豪快な技も決めては見せたが、決定的に力感が足りない。稽古を詰め過ぎたのかそれとも減量に苦労したのか。コンディションも良くないと見受けられた。この大一番に対するチューニングとしては、少々くたびれすぎていた。個人的には、三井住友海上の選手全体に感じられる少々不思議な自己肯定感の低さが、もっとも大事なところで、もっとも悪い形で噴出したと感じられた。五輪代表争いで「権利」を主張できる成績には届かず。最大の敵である土井雅子が直接対決を前に本戦から脱落するという良い流れも生かしきれなかった。ひとこと、残念である。

■ 70kg級 大野陽子意地の優勝、決勝は新添左季を豪快「一本」
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決勝、大野陽子の素晴らしい右一本背負投「一本」

日本代表選手:大野陽子(コマツ) 優勝、新添左季(自衛隊体育学校) 2位

ともにワールドマスターズでは初戦敗退に終わった日本勢2人が決勝で対決。GS延長戦の末に、大野陽子が打点の高い右一本背負投で新添左季を放って鮮やか「一本」。見事優勝を飾ることとなった。中途の勝ち上がりのインパクトで言えば、現役世界王者マリー=イヴ・ガイ(フランス)から内股で「技有」「一本」と連取してみせた新添の方が派手であったが、決勝で大野がその成果を「総取り」した格好となった。代表選出の望み薄い状況で、ここまでのハイパフォーマンスを見せられる大野の意地と気持ちの強さには、敬服するしかない。

大野はこれで、昨年のグランドスラム・パリ(優勝)からの1年間で、全日本選抜体重別を含めて4つのタイトルを獲得。ただしその道程は、選抜体重別(5月)優勝、グランプリ・ザグレブ(7月)初戦敗退、講道館杯(11月)初戦敗退、グランドスラム大阪(11月)優勝、ワールドマスターズ(12月)初戦敗退とあまりに極端な乱高下。4つのタイトルに挟まって実に3度の初戦敗退があり、しかも残した成績は優勝と初戦敗退の2通りのみである。

この、ここぞという大会と平時で電圧がまったく変わらない大野の戦いぶりは一種頼もしくもあるが、さすがにここまで波があり過ぎると1人代表としてベットするのは難しいだろう。1番手新井千鶴不調の中、強化がどのような判断を為すか。注目である。

3位入賞のアンナ・ベルンホルムの寝業師ぶりが際立った。グルノザ・マトニヤゾワ(ウズベキスタン)から腕挫十字固「一本」、メリッサ・エレイン(フランス)から腕挫十字固「一本」、そしてなんといってもマリー=イヴ・ガイ(フランス)から腕挫十字固「一本」とこの日戦って挙げた3勝(※+不戦勝ち1勝)はすべてこの技。結果として決まり技は1種類になったがそのシナリオは多岐、展開の勘所を抑えて的確に次のルートを選択し、着々終着点へと歩を進めるその寝技の練度は相当なものである。かつては典型的な「状況に関わりなく1つだけの得意技を狙い続ける選手」であり、ある時期から海外女子柔道界に大量に沸いた「寝技が好きだが寝勝負自体は強くないタイプ」の代表格であった。それが稽古を続けるうち(個人的な観察では2018年冬くらいから突然レベルが上がったように感じている)に手札を増やし、要所を抑えながら複数のシナリオから最善策を選んで決め技に辿り着くという、「寝業師」と呼んで恥ずかしくないレベルへと羽化を遂げた。国際柔道の水準は、確実に上がっている。

■ 78kg級 王者マロンガ強し、フランス1番手の座はこれで安泰
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決勝のフランス勢対決はマロンガが圧倒した。

日本代表選手:梅木真美(ALSOK) 3位

東京世界選手権の覇者マドレーヌ・マロンガと、ワールドマスターズを制したファニー=エステル・ポスヴィトのフランス2強が決勝で激突。マロンガは準決勝でもと世界王者の先輩オドレイ・チュメオ(フランス)を大内刈「一本」、ポスヴィトは唯一フランス勢以外でベスト4に食い込んだクララ・アポテカー(スロベニア)を腕挫膝固「一本」で屠っており、ともにここまで全試合一本勝ち。どんな激しい試合が展開されるかと思われたが、様相は一方的なマロンガペース。これが序列というものか、組むとポスヴィトは意外なほどに弱気。スコア差はさほど開かずGS延長戦に至っても「指導2」ずつのタイであったが、ちょっとポスヴィトの勝ち目が見えない状況。結局3つ目の「指導」が入り、マロンガ全試合一本勝ちでの優勝が決まった。世界選手権の後は煮え切らない試合が続いていたマロンガだが、やはりここ一番は強い。これで五輪代表の座も安泰だろう。

梅木真美は上記2強との対戦に辿り着けず、準々決勝でチュメオに大内刈「技有」で敗退。3位決定戦のアポテカー戦は不戦勝ちで表彰台に上がったが、ワールドマスターズに続くV逸で五輪代表の可能性は極めて小さくなった。

■ 78kg超級 ディッコが本格ブレイク、全試合一本勝ちでツアー2連勝果たす
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準決勝、ディッコの大外返「一本」

日本代表選手:冨田若春(コマツ) 2回戦敗退

負傷でほぼ1年近く戦列を離れていたフランス期待の20歳、ホマーヌ・ディッコがついに一本立ち。全試合一本勝ちで1月のグランプリ・テルアビブに続くツアー2連勝を飾った。

勝ち上がりはガリーナ・タラソワ(ウクライナ)から36秒小内刈と縦四方固の合技「一本」、テッシー・サフェルコウルス(オランダ)から負傷による棄権勝ち、マッケンジー・ウイリアムス(アメリカ)から12秒大内刈「一本」。一気に対戦相手のレベルが上がったプールファイナル以降も勢いは止まらず、ラリサ・セリッチ(ボスニア・ヘルツェゴビナ)から26秒足車「一本」、準決勝はベアトリス・ソウザ(ブラジル)からGS延長戦大外返「一本」、そして決勝はマリーナ・スルツカヤ(ベラルーシ)から大外巻込「一本」。貫禄すら感じさせる柔道で表彰台の真ん中に立った。まだ技は粗く、決めの精度も決して高くないが、明らかに負傷前より強くなっている。いわゆる「大型の本格派選手」としては既に階級随一と考えていいだろう。五輪で素根とイダリス・オルティス(キューバ)に割って入りうるスケール感を備えた大物だ。

ちなみに素根は2017年の世界ジュニア選手権で対戦歴があり、この際は左体落「技有」、崩袈裟固「技有」、横四方固「一本」と立て続けに奪って(※この年のルールは合技なし)一蹴している。ケンカ四つゆえ上背のディスアドバンテージも消しやすく、現状の素根であれば遅れを取ることはないと思われるが、今の勢いはやはり怖い。しっかりマークしておくべきだろう。

ワールドマスターズ優勝でついにブレイクしたテッシー・サフェルコウルス(オランダ)には辛い大会となった。ディッコの強引な払巻込を受け損ない、倒れたときには脚が曲がってはいけない方向にぐにゃり。悲鳴を上げてその場に悶絶、畳外に搬送されることとなった。LIVEカメラの真前で起こった事故ゆえ目撃された方も多いのではないかと思われるが、一見して、キャリアの存続が疑われるレベルの怪我であった。なんとか畳に戻って来られるよう祈りたい。

日本の冨田若春は2回戦敗退。第1シードのマリア=スエレン・アルセマン(ブラジル)との2回戦をGS延長戦の内股巻込「一本」で失い、入賞に絡むことが出来なかった。アルセマンは続く3回戦でソニア・アッセラー(アルジェリア)に「指導3」を奪われ敗戦、こちらも入賞にはまったく絡めず。アルセマンは確かにビッグネームだが78kg超級の一線は明らかに世代交代のさなかにあり、日本代表としてのし上がっていくのであればもはや遅れを取ってはならないレベルの選手。冨田が力を出し切ったとは思えない。残念な結果だった。

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