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女子日本代表が合宿公開、柔術家中井祐樹氏が寝技指導

(2020年1月7日)

※ eJudoメルマガ版1月7日掲載記事より転載・編集しています。
女子日本代表が合宿公開、柔術家中井祐樹氏が寝技指導
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講習する中井祐樹氏

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選手の質問に応える

女子日本代表が7日、味の素ナショナルトレーニングセンター(東京都北区)で強化合宿の様子を報道陣に公開。この日は4年続けて、日本ブラジリアン柔術連盟の中井祐樹氏を講師に招き、寝技の研究稽古に取り組んだ。

「警戒されて、取り逃す場面が増えてきた」(増地克之監督)との見立てを踏まえ、稽古ではまず国際大会で実際に取り切れなかった場面の動画を全員で確認。その上で増地監督が掲げた「立ち技と寝技の移行の際」という大テーマに沿って、相手の担ぎ技の処理、立ち技から移行した「腕緘返し」からのシナリオ分岐、片手絞(ボーアンドアローチョーク)からの連絡、相手の肩車の処理、など具体的な場面での手立てを中井氏が複数例示し、それを研究するという形で稽古が進められた。一方通行の授業ではなく、選手やコーチの質問に中井氏が応え、また共通の課題が見つかった場合にはいったん稽古を止めてポイントを指導しなおすといった有機的な形での、本質的な技術講習だった。

最後は「肩車で潰れた場合」「片足を絡まれたところから」「潰した相手の横についたところから」など状況を決めての乱取りで締め。52kg級の阿部詩は「昨年よりも出来た感触があった」と手ごたえを感じた様子。中井氏も「4年前に比べると、どの選手も強くなっているなと感じる」と女子代表の取り組みを高く評価していた。

囲み取材に応じた増地監督と中井氏のコメントは下記。

※撮影写真はinstagramにても紹介します。

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囲み取材に応じた増地克之監督

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世界王者同士のコラボ。阿部詩には世界柔術選手権王者の湯浅麗歌子選手が付きっきりだった。

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湯浅選手の指導のもと、肩車の対応を研究する阿部詩。

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中井祐樹氏

増地克之監督のコメント
「(-今年のスローガンは?)『極める』です。色々な意味がありますが、頂点を『極める』、目標に向けて準備を『極める』。準備もサポートもとにかくすべてをやりきって極め、そして頂上を極めるという1年にしたいと思います。昨年は怪我に泣いた1年というところもありますし、今も怪我を抱えている選手が数名。不可抗力の怪我を防ぐのは難しいかもしれませんが、自分のコンディションと状態をしっかり理解させて、不要な怪我を防いで、とにかく一番良い状態で畳に上がれるようサポートしていきたい。(-選手の表情、どんな印象ですか?)昨年12月まで厳しい戦いでしのぎを削ってきた選手たちですが、年末年始にリラックスできたのか、とてもいい表情で出て来てくれたと思います。(-本日の講習のねらいは?)中井先生の講習は4年連続になります。全日本女子の最大の武器である寝技をしっかり浸透させよう、そして新たな技術も身に着けてもらいたいという思いからです。特に立ち技から寝技の以降、試合を見ていてももう少しで抑え込めるところで逃げられる場面が散見されましたので、このNTCのオリンピック本番と同じ畳の上で、その『際』を重点的にやっていきたいというのが今日の目当てです。2017年、2018年と日本の女子は国際大会の半数を寝技で勝っていますが、徹底警戒される中で、徐々にその数が減ってきています。警戒される中であきらめてしまうケースも増えてきた。寝技は日本女子の最大の武器ですから、そこをひとつ、乗り越えていきたい。 (-この先の代表争い、選手のどんなところを見ていきますか?)2月の国際大会に出る選手が代表候補となっていくわけですが、これは人生を左右するくらいの大事な大会。そのプレッシャーが掛かる中でどういう戦いをするか、気持ちを前面に出すことはもちろん、それを行動と態度で示してもらいたいです。(-いよいよ2020年、東京五輪がやってきますね?)地元開催のオリンピック、今後あるかどうかもわからない大きな舞台です。とにかく悔いのないよう、自分の力を最大限に出せるように準備してもらいたい。我々も全力でサポートしていきます。(-監督として五輪に参加する思いは?)本当にこの3年間山あり谷あり、色々なことがありました。本当に早かったなと思いますが、後ろを振り返るより前を向いて全力で戦いたい。その気持ちだけです。オリンピックは自分にとっても未知の世界ですが、『戦う』ということはかわらない。とにかく前向きに、コーチと一緒に全力で戦い抜きます。」

中井祐樹氏のコメント
「(-4回目の指導ですが、女子代表に変化は感じられますか?)初年度は『外国人のこういう技が怖い』というようなところがありましたが、今は自信があり、この機会を使って自分の技術に何かを足そうという姿勢。強くなってるなと感じました。攻撃、守り、いろいろな場面で自分のやり方を確立しており、その上で『ここで出来ない』というポイントが明確に出てくる。そこに処方箋を与えるとうまく嵌るということもいくつかありました。自分の弱点をよくわかっているし、それがわかっていること自体が成長のあかしです。(-今年も阿部詩選手と乱取りをしました。印象は?)持ち手が増えている印象です。ある場面で出来る技が増えている。もちろん乱取りですから掛かる、掛からないはあるのですが、これがダメなら次はこれ、としっかり手が用意されていると感じました。(-日本人は寝技に向いている?)ざっくり言って、日本人は器用。細やかな技術がフィットしやすい体質がありますので、柔術などマーシャルアーツの要素がぴたりとはまる場面がある。総合格闘技も日本発祥という部分があり、もともと柔道の技も多いので、その部分で取り入れやすいところがあります。交流の良さが生かせる、お互いの技術を持ち酔って新しい文化を作る土壌があると感じます。(-東京オリンピックについて、柔道出身者として日本代表に関わることについての思いは?)生きているうちにあるかどうかわからなかったもの(東京五輪)が実現することになって、選手は大変だと思いますが、だからこそ東京五輪という舞台に誇りを感じていると思いますし、その一助になれるのはうれしい。精一杯やらせてもらいました。(-どんな試合を期待しますか?)二度とないかもしれない舞台を意気に感じて、自分の色に染めてもらって、臆することなく仕掛けて、表彰台のてっぺんにのぼって欲しいと思います。」

※ eJudoメルマガ版1月7日掲載記事より転載・編集しています。

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