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【プレビュー】両階級とも史上に残る豪華陣容、66kg級は絶好調ロンバルドに注目・ワールドマスターズ青島2019第1日男子プレビュー(60kg級、66kg級)

(2019年12月11日)

※ eJudoメルマガ版12月11日掲載記事より転載・編集しています。
両階級とも史上に残る豪華陣容、66kg級は絶好調ロンバルドに注目
ワールドマスターズ青島2019第1日男子プレビュー(60kg級、66kg級)
■ 60kg級 王者チフヴィミアニ筆頭に史上稀に見る豪華キャスト集結
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東京世界選手権の覇者ルフミ・チフヴィミアニ

(エントリー32名)

現役世界王者のルフミ・チフヴィミアニ(ジョージア)が王座を獲得してから初めて試合に出場する。これを迎え撃つ第1シードの永山竜樹(了徳寺大職)を筆頭に、イェルドス・スメトフ(カザフスタン)、ディヨルベク・ウロズボエフ(ウズベキスタン)ら世界大会のメダリストがずらりと顔を揃えた。誇張抜きに、髙藤直寿(パーク24)を除いた強豪がほぼすべて顔を揃えたと言い切ってしまって良いだろう。実績ある選手の多い60kg級だが、世界大会以外でこれだけのメンバーが揃うのはワールドツアーシステムの成立後初めてではないだろうか。

チフヴィミアニは長くジョージアの2番手扱いであったが、国内のライバルであるアミラン・パピナシヴィリ(ジョージア)は世界選手権後まだ試合を行っておらず(11月の欧州クラブ選手権にエントリーも出場はなし)、今大会にもエントリーしていない。年齢(31歳)を考えれば引退の可能性もあり、東京五輪にはまずチフヴィミアニが出場すると考えておくべきだろう。
今大会の組み合わせは第3シードながら1回戦でウロズボエフ、準々決勝でおそらくキム・ウォンジン(韓国)とプールを抜けるまでに世界大会のメダルクラス2名を倒さねばならぬ厳しいものとなっている。まずはここを勝ち上がれるかに注目だ。

8月の東京世界選手権では圧倒的な地力と優れたバランス感覚を生かして、このカウンターによるポイントを量産していたチフヴィミアニ。その戦いぶりは世界王者にふさわしいものだったが、まずはあの強さが再現性のあるものなのか、それとも1日限りの「確変」であったのか、今大会でその真価が問われることとなるだろう。

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東京世界選手権では銅メダル獲得の永山竜樹

日本代表の永山は国内1番手の髙藤との距離を少しでも詰めるための戦い。11月のグランドスラム大阪では直接対決で小内刈「技有」で敗れ、代表争いで髙藤に大きなリードを許してしまった。現状自力での五輪代表獲得は厳しくなってしまったが、もし2月の欧州シリーズで髙藤が勝ち切れなかった場合に今大会の結果は大きなアピールポイントとなる。再びチャンスが訪れるときのために、今大会はなにがなんでも優勝したいところ。世界選手権で敗れたチフヴィミアニとの再戦は決勝、1回戦からヤゴ・アブラゼ(ロシア)と対戦せねばならない、これぞワールドマスターズとでもいうべきタフな組み合わせだが、実力的には平均値さえ出せれば決勝進出が見込めるはずだ。

【プールA】
第1シード:永山竜樹(了徳寺大職)
第8シード:エリック・タカバタケ(ブラジル)
有力選手:ヤゴ・アブラゼ(ロシア)、イ・ハリン(韓国)、ヤニスラフ・ゲルチェフ(ブルガリア)、ラグワジャムツ・ウヌボルド(モンゴル)、レニン・プレシアド(エクアドル)、ルカ・ムヘイゼ(フランス)

【プールB】
第4シード:シャラフディン・ルトフィラエフ(ウズベキスタン)
第5シード:ロベルト・ムシュヴィドバゼ(ロシア)
有力選手:アドニス・ディアス(アメリカ)、フェリペ・キタダイ(ブラジル)、ヨーレ・フェルストラーテン(ベルギー)、アルテム・レシュク(ウクライナ)、ダシュダワー・アマルツヴシン(モンゴル)

【プールC】
第2シード:イェルドス・スメトフ(カザフスタン)
第7シード:グスマン・キルギズバエフ(カザフスタン)
有力選手:アルベルト・オグゾフ(ロシア)、ガンバット・ボルドバータル(モンゴル)、モリッツ・プラフキー(ドイツ)、ワリード・キア(フランス)、フェリペ・ペリム(ブラジル)

【プールD】
第3シード:ルフミ・チフヴィミアニ(ジョージア)
第6シード:フランシスコ・ガリーゴス(スペイン)
有力選手:ディヨルベク・ウロズボエフ(ウズベキスタン)、ダヴィド・プルクラベク(チェコ)、アシュリー・マッケンジー(イングランド)、イスラム・ヤシュエフ(ロシア)、ヤン・ユンウェイ(台湾)、キム・ウォンジン(韓国)

■ 66kg級 様相は日本人抜きの世界選手権、「海外勢ナンバーワン決定戦」
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もっか絶好調のマニュエル・ロンバルド。

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今季躍進のデニス・ヴィエル。東京世界選手権では銅メダルを獲得した。

(エントリー34名)

2016年リオデジャネイロ五輪後は日本勢が3連覇している本階級。現役世界王者の丸山城志郎(ミキハウス)と2017年、2018年の世界選手権連覇者・阿部一二三(日本体育大4年)は、ともに今大会の出場を回避した。いずれも実績面はすでに申し分なく、余計なリスクをおかして大会に出場するよりも、恐らく2月の欧州遠征で設定されるであろう直接対決に備えることを優先したと予想される。

階級の軸である日本人2名を欠くこととなった今大会だが、一方で海外勢は60kg級同様強豪がほぼ全員参加しており、まことに見どころの多いトーナメントとなっている。「海外勢ナンバーワン決定戦」と捉えてまず間違いない陣容だ。長い停滞期にあったこの階級だが、もっかリオデジャネイロ五輪後に登場したマニュエル・ロンバルド(イタリア)やデニス・ヴィエル(モルドバ)らの新興勢力がメキメキ力をつけてきており、いまやたとえ丸山や阿部でも簡単には優勝できないハイレベルな環境へと変貌を遂げつつある。果たして誰が対日本勢1番手となるのか、興味はつきない。長くこの地位にあったアン・バウル(韓国)は徴兵制のスキャンダルによる長期離脱と足首の負傷による不調が長引いており、今大会で新たな序列の形成が一気に進む可能性が高いのではないか。

この「対日本人新1番手」、最有力選手は間違いなくロンバルド。今年2月のグランドスラム・パリでは阿部から肩車「技有」2つを得て勝利、直後のグランドスラム・デュッセルドルフでは丸山城志郎を相手に一時「指導2」をリードする接戦を演じている。8月の東京世界選手権3位決定戦で阿部から抱分「一本」(直後に不可解な判定で取り消し)を得たことを記憶している方も多いだろう。かつては肩車一辺倒のイメージがあったが、10月のグランドスラム・アブダビでは一本背負投に相手の腰を持つ変形の「丸山スペシャル」など多彩な技を見せてオール「一本」で優勝。間違いなく今一番乗っている選手だ。今大会は2回戦でアン・バウル(韓国)との対戦が組まれている。前述のアブダビ大会ではロンバルドが大外落「一本」で勝利しているカードだが、ここが序盤戦最大の山場。見逃さずにチェックしたい。

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2015年アスタナ世界選手権の覇者アン・バウル

【プールA】
第1シード:デニス・ヴィエル(モルドバ)
第8シード:ゲオルギー・ザンタライア(ウクライナ)
有力選手:タル・フリッカー(イスラエル)、バグラチ・ニニアシヴィリ(ジョージア)、アドリアン・ゴンボッチ(スロベニア)、オルハン・サファロフ(アゼルバイジャン)、シャフラム・アハドフ(ウズベキスタン)、ミハイル・プルヤエフ(ロシア)

【プールB】
第4シード:ダニエル・カルグニン(ブラジル)
第5シード:マニュエル・ロンバルド(イタリア)
有力選手:キリアン・ルブルーシュ(フランス)、ヨンドンペレンレイ・バスフー(モンゴル)、モハメド・アブデルマウグド(エジプト)、アン・バウル(韓国)イェルドス・ジューマカノフ(カザフスタン)、アラム・グリゴリアン(ロシア)

【プールC】
第2シード:バルチ・シュマイロフ(イスラエル)
第7シード:イェルラン・セリクジャノフ(カザフスタン)
有力選手:アブドゥラ・アブドゥルジャリロフ(ロシア)、マッテオ・メドヴェス(イタリア)、サルドル・ヌリラエフ(ウズベキスタン)、アルベルト・ガイテロ=マルティン(スペイン)、ズミトリー・シェルシャン(ベラルーシ)、キム・リマン(韓国)

【プールD】
第3シード:ヴァジャ・マルグヴェラシヴィリ(ジョージア)
第6シード:ガンボルド・ヘルレン(モンゴル)
有力選手:ヤクブ・シャミロフ(ロシア)、オスニエル・ソリス(キューバ)、セバスティアン・ザイドル(ドイツ)、ニジャット・シハリザダ(アゼルバイジャン)、ボグダン・イアドフ(ウクライナ)

※ eJudoメルマガ版12月11日掲載記事より転載・編集しています。

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