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【プレビュー】過酷なトーナメント組まれた70kg級、王者新井千鶴の出直しに注目・グランドスラム大阪2019第2日女子プレビュー

(2019年11月22日)

※ eJudoメルマガ版11月22日掲載記事より転載・編集しています。
【プレビュー】過酷なトーナメント組まれた70kg級、王者新井千鶴の出直しに注目
グランドスラム大阪2019第2日女子プレビュー(63kg級、70kg級)
■ 63kg級 トルステニャク欠場、国際基準のトーナメント評価は「田代未来一強」
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優勝候補は田代未来

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講道館杯を制した鍋倉那美

(エントリー30名)

当初エントリーしていた2016年リオデジャネイロ五輪金メダリストのティナ・トルステニャク(スロベニア)が出場を取り止め、結果として田代未来(コマツ)の一強とでも呼ぶべきトーナメントとなった。世界選手権2年連続銅メダリストのユール・フランセン(オランダ)ら海外の強豪が多数参加しているが、田代に伍するような選手はおらず、仮に敗れるとしても苦手としている日本勢相手以外には考えられない。

東京五輪の代表争いに関しても田代とそれ以外の選手の実績は大きく離れているため、今大会の結果がそれに与える影響はほとんどないと考えられる。そもそも田代以外の代表3名で東京五輪を目指す有資格者は鍋倉那美(三井住友海上)のみであり、その鍋倉も現状序列逆転のシナリオを見つけることが困難な状況。日本勢にとっての今大会は、2024年のパリ五輪を視野に入れた出世争いという意味合いの方が強いだろう。各選手プール内にそれなりの壁は設定されているものの、実力的には全員ベスト4進出が十分に可能なはずだ。

ほか、トーナメントの中で面白いのは土井雅子(JR東日本)が配されているプールB下側の山。土井のほか、チョ・モッキ(韓国)、渡邊聖未(フィリピン)と日本育ちの海外選手が詰め込まれている。組み合わせでは土井が1回戦で渡邊、次いでその勝者が2回戦でチョと戦う予定。なお、チョには初戦にキャサリン・ブーシェミン=ピナード(カナダ)という大きな山場が設定されている。実力的には土井の勝ち上がりが濃厚だが、勝敗は別にしても是非チェックしたい注目ブロックだ。

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ヤン・ジュインシア(中国)

【プールA】
第1シード:田代未来(コマツ)
第8シード:ルーシー・レンシャル(イギリス)
有力選手:エドウィッジ・グウェン(イタリア)、タン・ジン(中国)

【プールB】
第4シード:マイリン・デルトロ=カルバハル(キューバ)
第5シード:キャサリン・ブーシェミン=ピナード(カナダ)
有力選手:チョ・モッキ(韓国)、キヨミ・ワタナベ(フィリピン)
日本代表選手:土井雅子(JR東日本)

【プールC】
第2シード:ユール・フランセン(オランダ)
第7シード:ヤン・ジュインシア(中国)
有力選手:ハン・ヒジュ(韓国)
日本代表選手:幸田奈々(帝京科学大4年)

【プールD】
第3シード:鍋倉那美(三井住友海上)
第6シード:ダリア・ダヴィドワ(ロシア)
有力選手:アリス・シュレシンジャー(イギリス)、ボルド・ガンハイチ(モンゴル)

■ 70kg級 隙間なく強豪が配置、新井千鶴の「出直し」に注目
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出直しを図る新井千鶴

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新添左季が過酷な配置を引いた

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キム・ポリング

(エントリー30名)

東京世界選手権でまさかのメダルなしに終わった新井千鶴(三井住友海上)が、東京五輪に向けた出直しに臨む。新井は同大会の3回戦で伏兵のバルバラ・ティモ(ポルトガル)に外巻込「技有」を奪われ敗退。最終日の団体戦では新王者のマリー=イヴ・ガイ(フランス)を破って面目を保ったが、大会出場は今回が以降初である。組み手の強化など課題はあるものの今回求められるのは何よりも結果。確実に優勝して国内1番手の立ち位置を補強するとともに、新井は強し世界に改めて示したい大会だ。

新井に挑む海外勢は、今季好調のキム・ポリング(オランダ)を筆頭に、前述の通り世界選手権で新井に黒星を付けたティモ、アンナ・ベルンホルム(スウェーデン)、マリア・ポルテラ(ブラジル)ら非常に豪華なメンバーが揃った。ここに新添左季(自衛隊体育学校)、大野陽子(コマツ)、田中志歩(環太平洋大3年)の日本勢3名も加わり、トーナメントの優勝難度は超ハイレベル。それに加えて日本勢はこの機に乗じて新井を追い落とさんと腕を撫しているはずであり、この包囲網の中で優勝することができるのか、新井の真価が問われることになるだろう。

新井はプールBに置かれており、準々決勝で新添、キム・ソンヨン(韓国)、ポリング、ティモの地獄の潰し合いを生き延びた選手を迎え撃つことになる。誰が勝ち上がってきてもここが決勝までで最大の山場になることは間違いなく、絶対に見逃せないトーナメントの最注目ポイントだ。純戦力で考えるならば新添と対戦する可能性が高いだろう。

それ以外の日本勢2名は大野がプールCに置かれて2回戦でマリア・ベルナベウ(スペイン)、準々決勝でサンネ・ファンダイク(オランダ)と、田中がプールDで1回戦で東海大に留学しているエルビスマル・ロドリゲス(ベネズエラ)、次戦でジェンマ・ハウエル(イギリス)、準々決勝でポルテラと対戦予定となっている。いずれも力的にはベスト4進出の可能性十分だが、どこでつまづいてもおかしくない過酷な組み合わせだ。ここまで読んでおわかりのとおり、今大会の70kg級は楽な位置などどこにもない極めて過酷なトーナメントとなっている。序盤戦から注目カードが目白押しであり、会場、webともに観戦する際には常にコンテストオーダーのチェック怠りなきよう。見るべきカードを見逃さないよう心掛けたい。

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アンナ・ベルンホルム

【プールA】
第1シード:アンナ・ベルンホルム(スウェーデン)
第8シード:ジョヴァンナ・スコッチマッロ(ドイツ)
有力選手:ロクサーヌ・タエイモンス(ベルギー)

【プールB】
第4シード:新添左季(自衛隊体育学校)
第5シード:新井千鶴(三井住友海上)
有力選手:キム・ソンヨン(韓国)、キム・ポリング(オランダ)、バルバラ・ティモ(ポルトガル)、オニクス・コルテス=アルダマ(キューバ)、エリザヴェト・テルツィドゥ(ギリシャ)

【プールC】
第2シード:サンネ・ファンダイク(オランダ)
第7シード:マリア・ベルナベウ(スペイン)
有力選手:アレナ・プロコペンコ(ロシア)、ミリアム・ブートケライト(ドイツ)、イーファ・コーグラン(オーストラリア)
日本代表選手:大野陽子(コマツ)

【プールD】
第3シード:マリア・ポルテラ(ブラジル)
第6シード:ジェンマ・ハウエル(イギリス)
有力選手:アリーチェ・ベッランディ(イタリア)、エルビスマル・ロドリゲス(ベネズエラ)
日本代表選手:田中志歩(環太平洋大3年)

※ eJudoメルマガ版11月22日掲載記事より転載・編集しています。

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