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【プレビュー】モラエイら強豪密集の81kg級に注目、絶好調永瀬貴規の一番手返り咲きなるか・グランドスラム大阪2019第2日男子プレビュー

(2019年11月22日)

※ eJudoメルマガ版11月22日掲載記事より転載・編集しています。
モラエイら強豪密集の81kg級に注目、絶好調永瀬貴規の一番手返り咲きなるか
グランドスラム大阪2019第2日男子プレビュー(73kg級、81kg級)
→グランドスラム大阪2019組み合わせ(IPPON.ORG)
文責:eJudo編集部

■ 73kg級 テーマ分散も厚みのあるトーナメント、橋本壮市の出来に注目
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優勝して五輪に臨みをつなぎたい橋本壮市

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海老沼匡

(エントリー48名)

東京世界選手権王者の大野将平(旭化成)が左手指の怪我のために出場を回避、これによって最大のトピックであった今大会での大野の五輪代表内定はなくなった。注目度が一段下がってしまったことは否めないが、日本勢だけでも橋本壮市(パーク24)、海老沼匡(パーク24)の世界王者経験者2名に、若手1番手の立川新(東海大4年)、講道館杯で豪快な投げ技を決めまくって今まさに売り出し中の原田健士(日本体育大3年)と魅力的な4名がエントリーしており、これだけでも見どころとしては十分すぎるほど。加えて海外勢も第1シードのラシャ・シャヴダトゥアシヴィリ(ジョージア)、ガンバータル・オドバヤル(モンゴル)ら骨太の実力者が多数参加しており、8月の東京世界選手権でともに5位入賞を果たして大きな存在感を示したソモン・マフマドベコフとベフルジ・ホジャゾダのタジキスタン勢2名もトーナメントに名を連ねている。

国内の代表レースに関しては大野の内定がなくなったことで形上それ以外の選手にも可能性が残ったことになるが、この階級は大野がほぼ独走といってもよい状態、今大会で他の選手が優勝したとしても序列が変わることはないと思われる。しかし、少しでも可能性に賭けるのであれば、今大会も優勝するに如くはなし。特に現在序列2番手につけている橋本としてはなんとしても優勝して望みを繋ぎたいところだ。日本勢4名は全員ベスト8前に強豪との対戦が設定されており、立川が2回戦でシャヴダトゥアシヴィリ、橋本が3回戦でファビオ・バジーレ(イタリア)、海老沼が3回戦でトミー・マシアス(スウェーデン)、原田が2回戦でホジャゾダと対戦予定となっている。それぞれここが序盤戦の山場であり、この段階で各選手の調子を見極めたい。

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第1シードはラシャ・シャヴダトゥアシヴィリ

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ソモン・マフマドベコフ

【プールA】
第1シード:ラシャ・シャヴダトゥアシヴィリ(ジョージア)
第8シード:マグディエル・エストラダ(キューバ)
有力選手:ゲオルギオス・アゾイディス(ギリシャ)
日本代表選手:立川新(東海大4年)

【プールB】
第4シード:橋本壮市(パーク24)
第5シード:ガンバータル・オドバヤル(モンゴル)
有力選手:ファビオ・バジーレ(イタリア)、ディルク・ファンティシェル(ベルギー)

【プールC】
第2シード:トミー・マシアス(スウェーデン)
第7シード:ソモン・マフマドベコフ(タジキスタン)
有力選手:ベンジャマン・アクスス(フランス)、エフゲニー・プロコプチュク(ロシア)、エドゥアルド・バルボサ(ブラジル)
日本代表選手:海老沼匡(パーク24)

【プールD】
第3シード:アルチュール・マルジェリドン(カナダ)
第6シード:ベフルジ・ホジャゾダ(タジキスタン)
有力選手:ジャンサイ・スマグロフ(カザフスタン)
日本代表選手:原田健士(日本体育大3年)

■ 81kg級 永瀬貴規の一番手返り咲きなるか?
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選抜体重別に続きワールドツアー3大会連続優勝中の永瀬貴規

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世界選手権代表を務めた藤原崇太郎

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昨年度ワールドマスターズの覇者佐々木健志

(エントリー50名)

強豪の参加多く非常に見ごたえのあるトーナメントが組まれた。見どころは数多くあるが、最大の注目ポイントは永瀬貴規(旭化成)の国内序列1位返り咲きなるかだ。国内のこの階級は8月の東京世界選手権で藤原崇太郎(日本体育大3年)がまさかの初戦敗退に終わっており、実質的に序列1位の座は空位になっている。過去1年程の成績を考えればそこに座る権利を持つのは藤原と永瀬の2名であり、このどちらかが優勝した場合にはそのままその選手が代表争いのトップに立つことになるだろう。藤原がどのように立て直してきているのかは未知数ながら、永瀬は現在ワールドツアー3大会連続優勝と全盛期を彷彿させる絶好調。名実ともにトップに返り咲くことを狙って相当な気合いで大会に臨んでくるはず。トーナメントの柱は間違いなくこの2名、両者の勝ち上がりに注目だ。

両者の配置はトーナメントの上下に分かれており、永瀬が東京世界選手権2位のマティアス・カッス(ベルギー)、藤原が2018年世界王者のサイード・モラエイ(IJF)といずれも準々決勝で対戦予定となっている。両者ともにここが勝ち上がりにおける最大の山場。特に藤原は過去モラエイに2敗、今回もタフな戦いを強いられるはずだ。ただしこの組み合わせは世界選手権の失態を汚名返上する大チャンスでもある。藤原には是非ともこのチャンスをモノにしてもらいたい。

昨年王者の佐々木健志(ALSOK)は比較的戦いやすいプールDに置かれており、順当に行けばベスト4以上の進出が濃厚。ただし佐々木は足首に負傷を抱えており、講道館杯では十分なパフォーマンスを発揮できていなかった。それがどこまで癒えているのか、そしてそれ以上にかねてからの課題である、常人離れした反応速度と身体能力ゆえに度々起こしている「自爆」をどれだけ自制することができるのか。初戦では7月のグランプリ・ブダペストの初戦で敗れたシャミル・ボルチャシヴィリ(オーストリア)との対戦が組まれており、まずはこの試合を前述の2点に注意しながら観察したい。

また、講道館杯王者の友清光(国士舘大3年)はプールBに置かれ、3回戦で今期好調のアントワーヌ・ヴァロア=フォルティエ(カナダ)と対戦予定となっている。友清はこれまで階級トップクラスの海外勢との対戦はなく、この試合は現在の力を測る格好の機会となるはずだ。

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2018年バクー世界選手権金メダルのサイード・モラエイ

海外勢ではやはりモラエイに注目したい。ご存じの方も多いと思うが、モラエイはイラン当局の所謂「イスラエルボイコット」のために棄権を強要され、それに反したことで結果として国を追われることとなった。国を失ったモラエイは今回難民選手団としてIJFの所属で大会に参加している。今回は新たなスタートとなる大会。果たしてどのような戦いぶりを見せてくれるのか、見逃すことなくチェックしたい。なお、この選手の技術にはレスリングをベースとしたものが多く、代名詞でもある通称「モラエイ」(変則肩車)は世界中で流行の兆しを見せている。今回もこの技をどこかで用いると思われ、競技者の方には特に注目していただきたい。

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第1シードはマティアス・カッス

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今季前半戦素晴らしい活躍を見せたアントワーヌ・ヴァロア=フォルティエ

【プールA】
第1シード:マティアス・カッス(ベルギー)
第8シード:永瀬貴規(旭化成)
有力選手:アレクシオス・ンタナツィディス(ギリシャ)、ウラジミール・ゾロエフ(キルギスタン)、レアンドロ・ギヘイロ(ブラジル)、アンリ・エグティゼ(ポルトガル)

【プールB】
第4シード:アントワーヌ・ヴァロア=フォルティエ(カナダ)
第5シード:イヴァイロ・イヴァノフ(ブルガリア)
有力選手:カモリディン・ラスロフ(ウズベキスタン)、オトゴンバータル・ウーガンバータル(モンゴル)
日本代表選手:友清光(国士舘大3年)

【プールC】
第2シード:サイード・モラエイ(IJF)
第7シード:藤原崇太郎(日本体育大3年)
有力選手:エマニュエル・ルセンティ(アルゼンチン)、ルスラン・ムッサエフ(カザフスタン)、イ・スンホ(韓国)、ニャムスレン・ダグワスレン(モンゴル)

【プールD】
第3シード:フランク・デヴィト(オランダ)
第6シード:佐々木健志(ALSOK)
有力選手:ヴィクトール・ペナウベル(ブラジル)、ロビン・パチェック(スウェーデン)、アレクサンダー・ヴィーチェルツァク(ドイツ)、エティエンヌ・ブリオン(カナダ)

※ eJudoメルマガ版11月22日掲載記事より転載・編集しています。

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