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【プレビュー】シェラザディシヴィリら豪華陣容の90kg級に注目、100kg級は世界選手権不首尾の欧州王者アダミアンが出直し図る・グランドスラムアブダビ2019最終日男子プレビュー

(2019年10月26日)

※ eJudoメルマガ版10月25日掲載記事より転載・編集しています。
【プレビュー】シェラザディシヴィリら豪華陣容の90kg級に注目、100kg級は世界選手権不首尾の欧州王者アダミアンが出直し図る
グランドスラムアブダビ2019最終日男子プレビュー(90kg級、100kg級、100kg超級)
→グランドスラム・アブダビ2019組み合わせ(公式サイト)

■ 90kg級 シェラザディシヴィリらスター揃った超激戦階級、注目はまたもや躍進期作りつつあるニーマン
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2018年世界選手権の覇者ニコロス・シェラザディシヴィリ。

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注目はマーカス・ニーマン。

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2017年世界王者ネマニャ・マイドフ。

(エントリー44名)

ニコロス・シェラザディシヴィリ(スペイン)にネマニャ・マイドフ(セルビア)、ガク・ドンハン(韓国)と世界王者3名が参加、これに加えてイワン=フェリペ・シルバ=モラレス(キューバ)、マーカス・ニーマン(スウェーデン)らの実力者が多く顔を揃え、豪華陣容だった今月頭のブラジリア大会以上のハイレベルトーナメントが組まれた。今年の世界選手権ファイナリストのノエル・ファンテンド(オランダ)と向翔一郎(ALSOK)は出場していないものの、それ以外の強豪は一通り揃っており、大会のレベルとしては世界選手権と比較してもほとんど遜色がない。大会随一の激戦階級である。

あまりにも豪華なメンバーが揃っているゆえに注目選手1名をピックアップするのは難しいのだが、敢えてこの人という選手を選ぶならば、ニーマンの名前を挙げたい。この選手はリオデジャネイロ五輪直前期に急激に成績を伸ばした来歴があるのだが、今回もその例に漏れず今年2月に突如、2年ぶりに試合に現れると徐々に調子を上げて8月の世界選手権では5位入賞。続いて9月のグランプリ・タシケントで優勝、と大会ごとにその存在感を増している。巴投や隅返といった捨身技と足技を巧みに使い分ける玄人好みのスタイルのため派手さはないが、東京五輪の主役候補の1人であることは確実。ここであらためてチェックしておきたい。

世界選手権「評」で書かせて頂いた通り、この階級の有力選手はシェラザディシヴィリやシルバ=モラレスらの柔道自体が強いタイプと、マイドフやニーマンら試合が強い勝負師タイプに大別することが出来、8月の東京世界選手権では勝負師タイプが表彰台を独占した。しかし直近のブラジリア大会ではシェラザディシヴィリとシルバ=モラレスが決勝を争っており、以前両陣営が激しく勢力争いを繰り広げている状況が続いている。果たして東京五輪はどのような流れのなかで迎えることになるのか、いずれのタイプの選手が勝ち上がっているのかという点にも注目して観戦したい。

最後にあらためて強調させていただくが、今大会にはここに名前を挙げていない選手にも優勝候補クラスが多くおり、予備知識なしに見るのはもったいない豪華なトーナメントとなっている。下記に東京世界選手権時の有力選手紹介へのリンクを貼ってあるので、こちらである程度復習をして観戦していただきたい。

→[参考]90kg級有力選手名鑑

■ 100kg級 実績ナンバーワンはチョ・グハン、最注目選手はロシアの1番手争うアダミアン
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2018年の世界王者チョ・グハン。

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欧州王者アルマン・アダミアンは五輪出場に向けてもはや負けられない状況。

(エントリー39名)

2018年バクー世界選手権王者のチョ・グハン(韓国)を筆頭に、同大会3位のルハグヴァスレン・オトゴンバータル(モンゴル)、東京世界選手権3位のマイケル・コレル(オランダ)らトップクラスの実力者がエントリー。シャディー・エルナハス(カナダ)、ゼリム・コツォイエフ(アゼルバイジャン)、アルマン・アダミアン(ロシア)ら生きのよい若手も参加しており、見どころの多いトーナメントとなっている。

注目したいのはプールAに置かれた今年のヨーロッパ王者アダミアン。優勝争いに絡むのではとの観測のなか出場した東京世界選手権では2回戦でエルマー・ガシモフ(アゼルバイジャン)の老獪さの前にほとんど持ち味のパワーを発揮する前に敗れており、今回が出直しの大会となる。同国のライバルであるニヤズ・イリアソフ(ロシア)は同大会で銀メダル獲得と華々しい結果を残しており、東京五輪を目指すのならば今回は腰まで水に漬かった背水の陣。この選手らしい密着からの豪快な一発が見られるかに注目したい。組み合わせ上最大の山場は、準々決勝のチョ・グハン戦。本格派やパワーファイターを嵌めるのが上手いチョを相手にどのような戦いを見せるのか、見逃さずにチェックしておきたい。

→[参考]100kg級有力選手名鑑

■ 100kg超級 注目はロイ・メイヤー、グランドスラム初優勝なるか
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東京世界選手権銅メダルのロイ・メイヤー。

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同大会では喜びのダンスを披露して喝采を浴びた。

(エントリー30名)

世界大会で優勝を狙うクラスの選手は出場しておらず、同日に行われる他階級と比べるとこの一点を以てやや見劣りするトーナメント。それでも東京世界選手権3位のロイ・メイヤー(オランダ)にバクー世界選手権2位のウシャンギ・コカウリ(アゼルバイジャン)、もと100kg級のヘンク・フロル(オランダ)など魅力的な選手が多数参加しており、スーパースター不在という状況に反してかなり見どころの多いトーナメントである。

最注目はやはり第1シードのメイヤー。映画「ロッキー3」の敵役クラバー・ラングを思わせるいかつい風貌と意外にも陽気なキャラクター、これぞ「気合い」というような発声とともに仕掛ける力強い担ぎ技が印象に残る好選手だ。燃費の悪さゆえ後半戦で息切れしてなかなか表彰台まで辿り着けない選手でもあるのだが、前述のとおり東京世界選手権では3位決定戦で前年の世界王者グラム・ツシシヴィリ(ジョージア)を破ってみごと世界大会のメダルを獲得。この際は前日に100kg級で優勝したジョルジ・フォンセカ(ポルトガル)のダンスに負けじと退場しながらダンスを披露し、日本武道館の観客の心をがっちり掴んだ。メダリストの称号を得て初めて臨む今大会は、出場者の顔ぶれ的にも十分に優勝が狙えるはず。まだグランドスラムでのタイトルがない(グランプリは3度優勝歴あり)メイヤー、初優勝を飾っての再びの「メイヤーダンス」に期待したい。

→[参考]100kg超級有力選手名鑑

※ eJudoメルマガ版10月25日掲載記事より転載・編集しています。

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