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【レポート】2019年度全日本学生柔道体重別選手権大会・男子7階級マッチレポート

(2019年10月4日)

※ eJudoメルマガ版10月4日掲載記事より転載・編集しています。
2019年度全日本学生柔道体重別選手権大会・男子7階級マッチレポート
日時:2019(R1)年10月19日~20日
会場:秋田県立武道館
取材:古田英毅/eJudo編集部 撮影:eJudo編集部

■ 60kg級 納庄兵芽抜群の出来、天理大の上げ潮示す圧勝V
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準決勝、長谷川一八が樋口裕太から移腰「一本」

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準決勝、納庄兵芽が松村将輝から大外返「一本」

(エントリー49名)

決勝に進んだのは長谷川一八(国士舘大4年)と納庄兵芽(天理大3年)の2人。

長谷川は1回戦で関西地区大会2位の徳本千大(大阪体育大)をGS延長戦「指導3」(GS1:23)で下し、2回戦は大岡京聖(北陸大)を3分32秒上四方固「一本」。3回戦は半田颯(桐蔭横浜大)からGS延長戦4分23秒巴投「技有」で勝ち抜け、準々決勝では福田大悟(鹿屋体育大)と大激戦。大腰「技有」リードも一本背負投「技有」で追いつかれてGS延長戦という激しい競り合いをGS2分2秒一本背負投「技有」で突き放して合技の一本勝ち。準決勝は連覇を狙う樋口裕太(天理大)から試合終了間際の3分52秒に「やぐら投げ」で「一本」(決まり技名は移腰)を奪って決勝進出決定。徳本、半田、福田、樋口と強豪4人を下して堂々、初の決勝進出。

関西地区の覇者・納庄の勝ち上がりは抜群、会場全体を通しても一段違う光を放っていた。2回戦は長谷晃希(中京大)を相手に残り20秒で奪った隅落「技有」による優勢勝ちだったが、3回戦は増本優彦(国際武道大)を相手に開始55秒豪快な帯落「一本」。この珍しい技で周囲の度肝を抜くと、準々決勝は小西誠志朗(国士舘大)から1分55秒に肩車「技有」、2分43秒に内股「一本」と連取する快勝。準決勝は松村将輝(国士舘大)を1分47秒小外刈「技有」、3分21秒大外返「一本」と立て続けに投げつけてこの試合も圧勝、みごと決勝へと駒を進めることとなった。

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決勝、納庄が長谷川の「韓国背負い」の決めを捌いて隅落「技有」

【決勝】
納庄兵芽〇合技[隅落・内股](2:50)△長谷川一八

長谷川が右、納庄が左組みのケンカ四つ。納庄釣り手で背中を抱いて接近すると長谷川潰れ、納庄が寝勝負を挑んで「待て」。納庄、試合が再開されると持つなり隅返に飛び込み積極的に試合を動かす構え。1分31秒には長谷川が片手の右内股から「韓国背負い」に繋ぐ良い攻めを見せるが、背中で押し込もうとした段で納庄が跨いで捌き、あたかも横三角を狙うような形で制し落とす。納庄の体の強さと際の巧さが凝集した一撃、これは隅落「技有」となる。

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納庄が左内股、長谷川は内股透を狙って押し込む

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納庄が左前隅に捩じって引っ張り出し、「一本」

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60kg級入賞者。左から2位の長谷川一八、優勝の納庄兵芽、3位の樋口裕太と松村将輝

リードを得た納庄は珍しくやや守りに意識が傾き、追ってくる長谷川を前に両袖の巴投、隅返と捨身技で展開を切ることが続く。2分3秒には隅返で潰れた納庄に偽装攻撃の「指導」。これを受けて長谷川は加速、釣り手で奥襟を掴んで迫り、右腰車の大技を見せて一気に取り返しに掛かる。

しかしこの攻撃姿勢、実は納庄にとっては望むところ。長谷川が釣り手で背中を抱いて間合いを詰めると待ってましたとばかりに上から背中を抱え返しての左内股。いち早く察知した長谷川跨いで透かさんとするがこれが致命傷、うまく相手の釣り手側にもたれ掛かって崩し、かつ引き手を自身の側に引き込んでこの内股透は決まるかと思われたが、納庄は左前隅の空間に引っ張り出すことでこれを突破。軸足を踏ん張って一段強く回旋を呉れると長谷川の体は深い軌道で一回転。主審は「一本」を宣告。映像確認の結果、おそらく長谷川の体が回り過ぎたことで技の効果は「技有」に引き下げられたものの勝敗は変わりなし。合技「一本」で試合終了、納庄は素晴らしい出来で全日本学生体重別大会初優勝決定。

この日の納庄は投げ一発の威力をテコに、MVP級の勝ちぶりの良さであった。前述の通り準々決勝では豪快極まりない帯落「一本」も披露。伝統の投げの強さと穴井隆将監督の論理的な指導が融合した天理大のこのところの上げ潮を象徴するような、素晴らしい柔道だった。

【成績上位者】
優 勝:納庄兵芽(天理大)
準優勝:長谷川一八(国士舘大)
第三位:樋口裕太(天理大)、松村将輝(国士舘大)
第五位:板本広大(日本大)、福田大悟(鹿屋体育大)、小西誠志朗(国士舘大)、渡邉勇(東海大)

納庄兵芽選手のコメント
「いやもう、嬉しいです。決勝の相手は強い選手で、高校時代も近畿大会の決勝で負けている。勝ててうれしいです。今日は1日通して自分の柔道が出来たことが良かったと思います。優勝に満足せず、講道館杯では挑戦者として上を狙います。」

【準々決勝】
樋口裕太〇優勢[技有・一本背負投]△板本広大
長谷川一八〇GS合技(GS2:02)△福田大悟
納庄兵芽〇内股(2:43)△安達乃真
松村将輝〇優勢[技有・大腰]△渡邉勇

【準決勝】
長谷川一八〇移腰(3:52)△樋口裕太
納庄兵芽〇大外返(3:21)△松村将輝

【決勝】
納庄兵芽〇合技[隅落・内股](2:50)△長谷川一八

■ 66kg級 内村光暉が決勝の同門対決制す
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66kg級準決勝、内村光暉が野原広夢に隅返、両脚で片脚を挟んで回し切り「技有」

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準決勝、鈴木練が堤大輝から釣腰「技有」

(エントリー53名)

大本命なき混戦階級を決勝まで勝ち抜いたのは内村光暉と鈴木練。ともに東海大の4年生、いずれも東京地区大会ではベスト8に終わっている同門同期による戦いとなった。

内村は1回戦で秋山翼(国際武道大)からGS29秒送襟絞「一本」という立ち上がり。2回戦は足立啓(徳山大)を34秒背負投「一本」に仕留め、3回戦は茂木才跡(中央大)から2分0秒に奪った背負投「技有」をテコに優勢勝ち。準々決勝は前戦で東京地区の覇者井上拓茉(日本体育大)を横分「技有」で下している川上武士(山梨学院大)から2分3秒に奪った内股「技有」で勝ち抜け、準決勝は野原広夢(日本大)を序盤に奪った隅返「技有」で退けて決勝まで勝ち残った。

一方の鈴木はここまで全試合一本勝ち。まず1回戦で須藤一積(仙台大)に1分28秒大内刈「一本」で勝利、2回戦も篠﨑唯人(国際武道大)から1分23秒大内刈「一本」。3回戦は杉浦冬唯(愛知大)を1分44秒大外刈「一本」で下して快調な勝ち上がり。準々決勝は1回戦で全日本ジュニア2位の新井雄士(國學院大)を一本背負投「一本」で破った羽山健太(近畿大)に「指導2」を先行されたが、2分30秒に体落「技有」、3分26秒に出足払「技有」と連取して合技の一本勝ち。準決勝はこちらもこの日の台風の目となった堤大輝(慶應義塾大)を釣腰と横四方固の合技「一本」で破り、みごと決勝まで勝ち進んだ。

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決勝、内村が片手を着いて右内股

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這いずるように横移動して詰め、回して「技有」

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【決勝】
内村光暉〇GS技有・内股(GS3:47)△鈴木練

同門対決は内村が右、鈴木が左組みのケンカ四つ。引き手争いが続き、ときおり鈴木が背中を抱えて試合を壊そうと探るものの大枠の構図は変わらず。58秒双方に消極的との咎で「指導」。
以後も引き手争いがベース、釣り手を組み替える中で互いが加速のきっかけを探るという様相。内村は釣り手を上から入れての左内股を2連発、さらに隅返と探りを入れ、1分30秒過ぎに放った片手の膝車が効ありと見るや2分27秒には引き手を持ちあったところから再び一段良いタイミングで膝車を見せる。鈴木もこのあたりから応じて加速、引き手を持ちながらの左大外刈に相手に突進を嫌わせておいての隅返と良い攻めを見せる。残り15秒から鈴木が一方的に組み手を作ったまま離さずチャンスを作り掛けるが、具体的な仕掛けには至らぬままタイムアップ。試合はGS延長戦へ。

以後も互いをよく知る両者の駆け引きは細かい。切られた鈴木が深く持たんと踏み込めば内村この機を捉えて右体落、一方内村が釣り手を持ち替えんとわずかに動きを起こせばそこに鈴木が小外刈と、互いが加速のきっかけを探りながらの引き手争いが続く。GS2分36秒、内村の側にのみやや唐突に片手の咎による「指導2」。

直後内村が隅返、続く展開で鈴木が浮技という捨身技の攻防一段を経て、GS3分37秒に内村が片手の右内股。仕掛けた段階では引き手の掌を畳に着いた完全な「崩し技」という印象であったが外側に崩れた相手が膝を着くと見るや這いずるように横移動、股下を膝と腰で押して詰め、最後は転がり込んで無理やり回して「技有」。これで内村の優勝が決まった。

国際舞台において、投げられかけた相手の回転回避や「後の先」を事前に想定した上での「詰める」決めがこれから注目されていく(既に大野将平や丸山城志郎の技術にはこれが組み込まれている)のではないかという評を提示したばかりだが、この咄嗟の横移動による押し込みは、普段から「詰める」決めを稽古していなければなかなか出ない発想。この1試合前の60kg級決勝における納庄兵芽の「相手の背中による押し込みを前提とした返し技」や「隅落の襲来を前提とした決め」と併せて、国際舞台における技術トレンドがきちんと国内に降りて来ていることを感じさせる一撃だった。

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66kg級入賞者。左から2位の鈴木練、優勝の内村光暉、3位の野原広夢と堤大輝。

【成績上位者】
優 勝:内村光暉(東海大)
準優勝:鈴木練(東海大)
第三位:野原広夢(日本大)、堤大輝(慶應義塾大)
第五位:澁沢純(慶應義塾大)、川上武士(山梨学院大)、奥田将基(日本大)、羽山健太(近畿大)

内村光暉選手のコメント
「去年はこの大会に出ることすらできず、苦しい1年でした。自分の弱さとしっかり向き合うことでここまで来ることが出来たと思います。決勝はいつも練習している相手。4年生同士で複雑な思いもありましたが、昨日から『決勝で戦おう』と話していたので、戦えたことは嬉しかった。最後まで気持ちで負けずに前に出ようと思っていました。今後はまず1つ1つ。尼崎の団体戦でチームとして優勝して、個人戦に繋げていきたい。」

【準々決勝】
野原広夢〇GS反則[指導3](GS6:50)△澁沢純
内村光暉〇優勢[技有・内股]△川上武士
堤大輝〇GS技有・大外刈(4:16)△奥田将基
鈴木練〇合技(3:26)△羽山健太

【準決勝】
内村光暉〇優勢[技有・隅返]△野原広夢
鈴木練〇合技[釣腰・横四方固(3:15)△堤大輝

【決勝】
内村光暉〇GS技有・内股(GS3:47)△鈴木練

■ 73kg級 昨年2位の島田隆志郎が優勝、足技の冴えで大吉賢を振り切る
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73kg級準決勝、大吉賢が石郷岡秀征との投げ合いを制し浮落「技有」

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準決勝、島田隆志郎が西園航太から背負投「一本」

(エントリー54名)

昨年度の覇者で出場権のある古賀颯人(日本体育大4年)はエントリーせず。決勝には大吉賢(日本体育大3年)と島田隆志郎(國學院大4年)が勝ち上がった。

大吉は1回戦で轟拓磨(北陸大)を1分5秒、裏投と横四方固の合技「一本」に仕留める会心の立ち上がり。2回戦は結城汰一(天理大)から1分37秒に小外刈「技有」、続いて2分30秒には腕挫十字固で「一本」を奪う快勝、続く3回戦は深沢亮太(国士舘大)をGS延長戦4分31秒体落「技有」で下してベスト8入り。準々決勝は石田克行(日本文理大)を残り2秒に得意の裏投「一本」で葬り去り、勝負どころの準決勝は石郷岡秀征(筑波大)と5分29秒の熱戦の末に「やぐら投げ」に捉え、挙げた脚を下ろしながら捩じって浮落「技有」。みごと決勝への勝ち上がりを決めた。

昨年度準優勝の島田は第2シード配置。2回戦は大西希明(埼玉大)を1分1秒内股「一本」、3回戦は東京地区3位の石岡裕樹(帝京科学大)から3分26秒支釣込足「技有」を得ての優勢勝ちでベスト8入り決定。準々決勝は地元・秋田での入賞に燃える佐藤晃輔(筑波大)を2分10秒出足払「一本」に仕留め、準決勝は3回戦で原田健士(日本体育大)を大内刈「一本」に仕留めるなどここまで全試合一本勝ちの西園航太(明治大)を残り15秒豪快な背負投「一本」で退ける。4試合を戦って3つの一本勝ち、いずれも投技による勝利とこちらも大吉同様素晴らしい内容での決勝進出。

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決勝、延長戦で大吉が島田の右内股を捌いて叩き落とすがノーポイント

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島田の送足払が決まり「技有」で試合決着

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【決勝】
島田隆志郎〇GS技有・送足払(GS2:17)△大吉賢

決勝は大吉が左、島田が右組みのケンカ四つ。袖の絞り合いから島田が両足の巴投で先制攻撃、大吉が背中を抱く得意の形で寄せると島田は先に「出し投げ」の形で展開を壊し、攻防継続。大吉は再び背中を抱いて内股、島田が深く抱き返して応じるとしかし「サリハニ」の形で離れて脚を突っ込んだまましばし試合を止めてしまい、主審はこの行為を見逃さず1分4秒大吉に「指導」を宣告。

以降、組み手争いが続くが試合の主導権は投げ一発をさらす大吉の側にある印象。1分37秒には背中を抱いた大吉十分間合いを整えて左内股、島田が透かす形で跨いで「待て」。島田は鋭い出足払を度々見せ、さらに右内股と繋ぐ良い攻めで抗するが大吉の前進をやや持て余し、袖を折り込んで防御した2分31秒には袖口を絞り込んだ咎で「指導」を受ける。
直後の組み際に大吉が左内股を放って崩れた島田は膝から着地。以後も大吉が優位を取り島田が鋭い出足払で時折楔を入れるという体で試合が進む。残り21秒、島田が背を抱えての鋭い送足払で会場を沸かせるが投げ切るには至らず、試合はGS延長戦へ。

大吉気合いの一声とともに思い切った隅返も島田が耐えて「待て」。島田が内股、さらに鋭い出足払から再度の右内股と繋ぐが、大吉またいで捌くと腕挫十字固の形で叩き落とし「待て」。映像チェックが行われるがこの一撃にはポイントは与えられず。あと一歩で試合を決められると手ごたえを得た大吉は加速、背中を深く抱えて得意の裏投の気配を撒き散らしながら左内股に隅返と思い切った技を連発し、GS1分59秒には島田に消極的との咎で「指導2」。このままの展開であれば大吉の「指導3」の勝利が濃厚と思われる情勢。

しかし続く展開、島田は引き手を争って相手の右側に一瞬意識を集中させると、相手を歩かせながら引き手を得て左足に向かって送足払一撃。体を吸い込まれた大吉が崩れるとみるやそのまま足を支え続けて押し込み、劇的「技有」獲得。

大枠大吉の優位で進んだ試合だが、幾度も叩き入れ、手ごたえを掴んでいた足払が最後に生きた。島田、逆転で全日本学生体重別初制覇決定。

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73kg級入賞者。左から2位の大吉賢、優勝の島田隆志郎、3位の石郷岡秀征と西園航太。

【成績上位者】
優 勝:島田隆志郎(國學院大)
準優勝:大吉賢(日本体育大)
第三位:石郷岡秀征(筑波大)、西園航太(明治大)
第五位:塚本瑠羽(東海大)、石田克行(日本文理大)、佐藤晃輔(筑波大)、桑原宏典(山梨学院大)

島田隆志郎選手のコメント
「まず、指導してくださる先生方に感謝したいです。決勝の相手は高校時代から何度も戦っていて、いつも負けていた選手。こういう大会の決勝の場で戦えて、勝つことが出来たのはうれしいです。徹底して釣り手から2つ持て、と監督にアドバイスを頂いて、それをしっかり出来たことがポイントだったと思います。個人で勝てたので次は団体戦。尼崎では一致団結して頑張ります。」

【準々決勝】
石郷岡秀征〇送足払(3:06)△塚本瑠羽
大吉賢〇裏投(3:58)△石田克行
島田隆志郎〇出足払(2:10)△佐藤晃輔
西園航太〇体落(0:32)△桑原宏典

【準決勝】
大吉賢〇優勢[技有・浮落]△石郷岡秀征
島田隆志郎〇背負投(3:45)△西園航太

【決勝】
島田隆志郎〇GS技有・送足払(GS2:17)△大吉賢

■ 81kg級 渡邊神威が優勝、決勝は岡虎との同門同期対決を制す
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81kg級準決勝、渡邊神威が笠原大雅から左内股「技有」

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岡虎と前濵忠大の準決勝。この直後、前濵の立ち上がり際に岡が食いつき谷落「技有」。

(エントリー58名)

昨年3位で第1シードに配された山中堅盛(東海大)が初戦(2回戦)で敗退。笠原大雅(天理大)から終盤裏投「技有」を奪ったが、立て続けに場外で2つの「指導」を失い、「指導3」で反則負けとなった。

決勝に進んだのは渡邊神威(東海大3年)と岡虎(東海大3年)。66kg級に続いて東海大の同門同期による戦いである。

渡邊は1回戦で釜崎雄河(札幌大)から58秒袖釣込腰「一本」で勝利して大会をスタート。最初の山場、黒田拳伍(中央大)とマッチアップした2回戦はともに「指導2」ずつを失ったGS2分54秒に横落「技有」を得て競り勝ち。3回戦は中村優斗(日本体育大)を1分13秒浮落「一本」で下し、準々決勝は池田直輝(順天堂大)から「指導」2つを先行すると残り11秒に与えられた双方への「指導」で試合を決める。準決勝は笠原大雅と激戦、GS32秒に場外際で思い切った左内股、相手が内股透を狙ったところを左前隅に引っ張り出し、相手の上体を伸ばすようにして回し切って「技有」。見事決勝まで駒を進めることとなった。

一方の岡は1回戦でまず上田泰成(城西国際大)から浮落「技有」の優勢で勝利。2回戦は山口良太(鹿屋体育大)からGS延長戦3分35秒「指導3」で勝ち抜け、3回戦の杉村晃希(慶應義塾大)戦はともに「指導2」を失ってのGS延長戦3分42秒に横落「技有」を得て競り勝つ。準々決勝は山本康生(明治大)から2分55秒に大内刈「技有」を奪って優勢勝ち、迎えた大一番の準決勝、前濵忠大(日本大)戦は攻防が切れた後の相手の立ち上がり際に後から食いついて谷落「技有」奪取。GS延長戦26秒に繰り出したこの執念の一撃で決勝進出を決めた。

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決勝、渡邊が開始早々に出足払を絡ませ「技有」

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【決勝】
渡邊神威〇優勢[技有・出足払]△岡虎

66kg級に続く東海大の同門対決は渡邊、岡ともに左組みの相四つ。渡邊試合が始まるなりまっすぐ手を伸ばして引き手で前襟を掴むと、一息で体を寄せながら左釣り手を掴みながら左出足払。虚を突かれた岡後退するが渡邊足を絡みつかせたまま崩し、伏せ掛けた岡の体を乗り越えて回旋を与え「技有」。ここまで僅か8秒の早業。

以降は互いに横変形で組み合い、落とされた釣り手の肘を上げあう形で攻防。渡邊は足を出し続けてきっかけを探し、岡は大外刈を見せるが持ち技を心得た渡邊には通じず。渡邊の足技で下げられた岡が思わず畳を割った1分35秒には岡に場外の「指導」。

リードを背にした渡邊は引き手で腋、釣り手で奥襟を得て横変形の立ち位置をキープしたまま腰を切る牽制を続け、手堅く試合を進める。岡は時折肘を上げての大外刈を見せるが渡邊は動ぜず。最終盤に岡が巻き込み様に左腕を抱き、後帯を握っての強引な技を期すが渡邊これも弾き返して最後まで相手に見せ場を与えない。そのままタイムアップ、渡邊の全日本学生体重別初制覇が決まった。

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81kg級入賞者。左から2位の岡虎、優勝の渡邊神威、3位の笠原大雅と前濱忠大。

【成績上位者】
優 勝:渡邊神威(東海大)
準優勝:岡虎(東海大)
第三位:笠原大雅(天理大)、前濱忠大(日本大)
第五位:溝口琢海(桐蔭横浜大)、池田直輝(順天堂大)、山本康生(明治大)、本田一将(帝京大)

渡邊神威選手のコメント
「勝てて、今は安心しています。(-決勝は同門対決でしたね?)66kg級と一緒で、昨日から『決勝で戦おう』と話をしていました。勝てて良かったです。校内予選で負けていてもうこれ以上は負けられないと、気持ちで戦いました。(-この先の目標は?)怪我がとにかく多いので、この先は怪我をしないように頑張りたいです。」

【準々決勝】
笠原大雅〇GS体落(GS0:21)△溝口琢海
渡邊神威〇反則[指導3](3:49)△池田直輝
岡虎〇優勢[技有・大内刈]△山本康生
前濱忠大〇合技[体落・縦四方固](1:35)△本田一将

【準決勝】
渡邊神威〇GS技有・内股(GS0:32)△笠原大雅
岡虎〇GS技有・谷落(GS0:26)△前濱忠大

【決勝】
渡邊神威〇優勢[技有・出足払]△岡虎

■ 90kg級 増山香補が圧勝V、得意の背負投冴えわたる
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準決勝、増山香補が枇杷木勇樹から大内刈「一本」

(エントリー55名)

決勝に進んだのは増山香補(明治大3年)と岩渕晃大(国士舘大3年)。本命とダークホースが学生タイトルを掛けて相まみえることとなった。

2週間前に全日本ジュニアを連覇したばかりの増山はこの日も好調。2日目の開会直後に組まれた梶本祐揮(静岡産業大)との1回戦はGS延長戦20秒「指導3」による勝利だったが、以後は得意の背負投が冴えわたる。2回戦は呉島将輝(天理大)から2分25秒背負投「技有」、3分19秒背負投「技有」と2度立て続けにこの技を決めて合技「一本」の快勝。3回戦も岡田英志(順天堂大)を28秒背負投「技有」、47秒背負投「一本」と2度投げる圧巻の内容で勝ち抜け、準々決勝は杢康次郎(東海大)から54秒袖釣込腰「技有」、1分38秒背負投「技有」と奪って合技の一本勝ち。枇杷木勇樹(日本体育大)との準決勝も僅か53秒で決着、無造作に動作を起こした左大内刈をケンケンで追い切って決め切りあっという間の「一本」。他を寄せ付けない強さで堂々の決勝進出決定。

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準決勝、岩渕晃大が清崎竜平から払腰「技有」

今年に入って進境著しい岩渕はまず1回戦で加藤慎之助(山梨学院大)からGS延長戦1分23秒払巻込「技有」で勝利。2回戦は宮城慧也(札幌大)からGS延長戦48秒肩車「技有」を得て勝ち抜け、3回戦は森部篤知(天理大)に「指導2」を先行されたが、残り51秒に大外刈「技有」で勝ち越し、そのまま優勢勝ちを果たす。勝負どころの準々決勝は神鳥剛(明治大)とマッチアップ、スコアレスのままGS延長戦に入ってから3つの「指導」を奪ってGS3分6秒「指導3」の反則で勝利。準決勝は清崎竜平(明治大)から1分4秒に奪った払腰「技有」で勝利を決めた。ここまでの5試合、もっとも面倒な神鳥からは「指導3」、他4試合はすべて優勢勝ち。試合巧者ぶりを発揮してみごと決勝の畳まで辿り着いた。

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決勝、増山香補が岩渕晃大から背負投「一本」

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90kg級入賞者。左から2位の岩渕晃大、優勝の増山香補、第3位の枇杷木勇樹と清崎竜平

【決勝】
増山香補〇背負投(1:20)△岩渕晃大

決勝は増山が左、岩渕が右組みのケンカ四つ。岩渕増山の担ぎ技を警戒し、閂の形で釣り手を殺す巧い組み手で対峙。しかし増山動きを止めずに力を逃がし、片手状態からの「韓国背負い」で剥がして「待て」。増山は両襟の小内刈から左大内刈、さらに膝を着いて打点を沈めた左大内刈と技を積み、ペースを崩さず一発を放つチャンスを伺い続ける。

増山は引き手で襟、相手が応じれば袖と持ち替えながら間合いを探り、袖を得た1分19秒に左背負投。打点高く腰に引っ掛けて一瞬で抜き上げ、そのまま外側で縦回転させて叩き落とすと岩渕両足を天井に向ける勢いで吹っ飛び豪快「一本」。増山、全日本ジュニアに続き圧勝でこの全日本学生体重別も制した。

増山の一瞬で抜き上げてしまう「立ち背負い」はこの日も凄まじい切れ味だった。独特の間合いとリズムがあり、かつ体の力も技の威力も抜群。全日本ジュニアに続きこの日は「技に入ればそこで勝ち」と言って過言ではない、無人の野を行く強さだった。出世中の選手の例にもれずこの後は国体、世界ジュニアと過密スケジュールであるが、注目すべきはなんと言っても11月の講道館杯。この出来であればシニアカテゴリでも大暴れ間違いなし、代表戦線の版図を書き換える可能性すらある。

【成績上位者】
優 勝:増山香補(明治大)
準優勝:岩渕晃大(国士舘大)
第三位:枇杷木勇樹(国士舘大)、清崎竜平(明治大)
第五位:杢康次郎(東海大)、奥田將人(日本大)、神鳥剛(明治大)、阿部拓馬(筑波大)

増山香補選手のコメント
「ここ1年、あまり勝てていない。今年全日本ジュニア、そしてこの試合と勝てて良かったと思います。(-得意の背負投が良く決まっていましたね?)今日はセオリーを意識せず入れるときに入ろう、と考えていました。それが良く効いたと思います。決勝は相手がくっついてくるので、距離が詰まらないうちに攻めようと心掛けました。これからも国体、尼崎の団体戦、世界ジュニアと試合が続くので怪我なくやっていきたいと思います。」

【準々決勝】
増山香補〇背負投(1:38)△杢康次郎
枇杷木勇樹〇内股返(3:26)△奥田將人
岩渕晃大〇GS反則[指導3](GS3:06)△神鳥剛
清崎竜平〇袖釣込腰(2:02)△阿部拓馬

【準決勝】
増山香補〇大内刈(0:53)△枇杷木勇樹
岩渕晃大〇優勢[技有・払腰]△清崎竜平

【決勝】
増山香補〇背負投(1:20)△岩渕晃大

■ 100kg級 山口貴也優勝、決勝は技一撃の強さで不利はね返す
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準決勝、山口貴也が山下魁輝を攻める

(エントリー49名)

人材揃った超激戦トーナメントを決勝まで勝ち上がったのは山口貴也(日本大2年)と後藤龍真(東海大3年)の2名。ハイレベル階級にふさわしい強豪同士の対決となった。

ともに登場は2回戦から。山口はまず片山誠也(岡山商科大)から1分55秒に内股「技有」、3分9秒には3つ目の「指導」を得て快勝。3回戦は西村貫太(天理大)から2分13秒大内刈「一本」で勝利し、準々決勝は畠山竜也(山梨学院大)から2分44秒に奪った大内刈「技有」で優勢勝ち。勝負どころの準決勝は前戦で関根聖隆(筑波大)をGS延長戦払腰「技有」で破った山下魁輝(国士舘大)と大熱戦。本戦は1分掛からず「指導2」までリードして視界良好に思われたが、以後決定打が出ず、GS1分20秒には自身も「指導」を失い先の見えない長時間試合。しかし先に攻める姿勢を貫いて試合を作り続け、GS7分0秒双方に「指導」が与えられて決着。総試合時間11分0秒という競り合いを「指導3」対「指導2」で制して決勝まで勝ち進んだ。

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準決勝、後藤龍真が北山達也から内股「一本」

一方の後藤は激戦ブロックに配置。初戦から佐々木卓摩(筑波大)と戦う厳しい組み合わせだったが、この試合を終盤奪った内股「技有」による優勢で勝ち抜けると、3回戦は安田拓洋(日本大)から「指導2」を奪った末、GS延長戦33秒に内股「一本」を決めて快勝。準々決勝は第2シード配置の石山潤平(天理大)を2分14秒内股「一本」で下し、準決勝は同門の先輩北山達也(東海大)とマッチアップ。「指導1」対「指導2」のリードで本戦4分間を終えると一段加速、GS1分3秒に鮮やかな左内股を決めて「一本」。初戦以降は全試合一本勝ちという、さすがの内容で決勝進出決定。

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決勝、後藤が大内刈で攻めこむ

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延長戦、背を抱き合ったまま山口の内股と後藤の裏投がかち合い、投げ合いとなる。

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拘束から抜け出した山口が左払腰で捩じり投げ「一本」

【決勝】
山口貴也〇GS払腰(GS3:38)△後藤龍真

決勝は左相四つ。後藤は引き手で前襟を掴んで蹴り崩しながら前進、山口組み手を持ち替えながら抗するがなかなかその前進を止められない。1分37秒には双方に消極的との咎で「指導」が与えられるが、後藤有利の構図はどうやら明確。引き手で襟を持って前に出ると山口はこれを止め切れず苦しい進退が続く。刹那的に良い形を作ることは出来るのだが、後藤の技術と力を組み合わせた前進を止める明確な手立てが見いだせない。後藤がほぼ全局面で前に出、苦しくなった山口が周囲を回りながらなんとか一瞬でも良い形を作って技を入れようと凌ぎ続けるという構図。山口組み手を切り離したところから3分5秒に思い切って前に出るが後藤はこれを「やぐら投げ」に変換して動ぜず。最終盤、横変形から山口が一方的に引き手で袖を掴んで前進も後藤は敢えて持たせたまま自身の左内股に変換。山口が崩れてこの攻防は収束し、試合はGS延長戦へ。

延長に入ると後藤は加速、引き手で袖、釣り手で前襟を握って圧を掛けると山口頭を下げたまま場外に出、すかさず戻ったものの頭を上げることができない。GS39秒、山口に極端な防御姿勢の咎で「指導2」。

奮起した山口背中を掴んでの左内股で後藤を浮かせるがこれもあくまで散発、構図自体を変えることは出来ず以後は後藤が畳を支配。組み際の左内股で崩し、横変形から場外に押し出し、GS1分58秒には左大外刈フェイントからの大内刈で山口をアドボードに突っ込むところまで追い込む。続く展開では出足払から内股フェイントの巴投、GS3分4秒には組み際の大内刈で場外まで追い、GS3分14秒には大外刈でまたも場外に弾き出す。一方の山口はこの間横落に片襟の左背負投掛け潰れと仕掛けた技はいずれも展開を切るものに留まる。「指導3」が与えられても仕方がないというシークエンスが3度、4度と積み重なったが主審は動かず、GS3分21秒に持たれた合議も反則裁定には至らず、試合は続行となる。

しかし続く展開、山口の大内刈を後藤が組んだまま受けたところから長い投げ合い。首を抱えることに成功した山口が脚を突っ込んで内股を狙うと後藤が背を抱いて裏投の形で踏ん張り、このまま両者が畳に降りて形を変えずに2歩、3歩とバランスを取り合う平均台上の攻防となる。後藤が一歩背に回り込もうとした反時計回りの動きを利用して山口は僅かに相手の拘束を外し、思わず一歩下がった後藤の動きに合わせて左払腰をねじ込む。後藤の後退に時計回りのこの捩じりがかち合い、首をしっかり制した山口が左前隅にその体を叩き落として豪快「一本」。これで山口の優勝が決まった。

9割がた後藤が支配していた試合。特にGS延長戦はいつ「指導3」で試合が終わってもおかしくなかったが、自らの投げの威力が生きるワンチャンスを確実にものにした山口は見事。まさに「我慢勝ち」という試合であった。

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100kg級入賞者。左から2位の後藤龍真、優勝の山口貴也、第3位の山下魁輝と北山達也。

【成績上位者】
優 勝:山口貴也(日本大)
準優勝:後藤龍真(東海大)
第三位:山下魁輝(国士舘大)、北山達也(東海大)
第五位:関根聖隆(筑波大)、畠山竜也(山梨学院大)、石山潤平(天理大)、髙橋佑人(日本大)

山口貴也選手のコメント
「準決勝、決勝とGS延長戦が続いて正直しんどかったです。ただ、長い戦いになっても必ずチャンスがあると信じていました。決勝は自分の苦手なタイプ、組み手の巧い選手が相手でしたが、ワンチャンスを決められて良かったです。」

【準々決勝】
山下魁輝〇GS技有・払腰(GS1:30)△関根聖隆
山口貴也〇優勢[技有・大内刈]△畠山竜也
後藤龍真〇内股(2:34)△石山潤平
北山達也〇GS内股(GS3:13)△髙橋佑人

【準決勝】
山口貴也〇GS反則[指導3](GS7:00)△山下魁輝
後藤龍真〇GS内股(GS1:03)△北山達也

【決勝】
山口貴也〇GS払腰(GS3:38)△後藤龍真

■ 100kg超級 木元拓人が全試合一本勝ちで初優勝
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準決勝、中野寛太が久野壱虎から支釣込足「技有」

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準決勝、木元拓人がツェツェンツェンゲル・オドフーから払巻込「一本」

(エントリー46名)

激戦を決勝まで勝ち残ったのは中野寛太(天理大1年)と木元拓人(日本大4年)。ともに既に全日本柔道選手権出場経験のある大物2名の対決となった。

関西地区大会を制している中野は1年生ながら堂々第1シード配置。2回戦は清水祐希(早稲田大)と「指導2」を取り合って迎えたGS延長戦30秒に大内刈を決めて一本勝ち。3回戦は強敵山田伊織(国士舘大)とマッチアップ、隅落「技有」を得るとそのまま横四方固に抑え込んで2分52秒合技「一本」で勝ち抜け。準々決勝は蓜島剛(慶應義塾大)から1分58秒大内刈「一本」で快勝、準決勝は久野壱虎(国士舘大)を相手に冷静に試合を進め、GS延長戦に入ると「指導」2つを立て続けに得た上で一気に加速。GS1分42秒支釣込足「技有」で勝負を決めて決勝へ勝ち上がることとなった。

一方の木元は1回戦で成澤登夢(星槎道都大)から2分31秒払巻込と後袈裟固の合技「一本」で快勝スタート。2回戦は佐藤貴也(近畿大)から「指導2」を得た末に3分35秒足車「一本」で完勝、3回戦は川合康平(筑波大)から1分54秒、3分30秒、GS1分2秒と一方的に「指導」を3つ得て勝利し、準々決勝は中島大貴(東海大)との長時間試合に GS4分43秒払腰「一本」で競り勝ち。ツェツェンツェンゲル・オドフー(天理大)との準決勝は1分20秒豪快な払巻込「一本」で勝利し、全試合一本勝ちで決勝まで進むこととなった。

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決勝、中野が木元の払腰の戻り際に小外刈を当てる

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終盤、木元の小外刈が決まって「一本」

【決勝】
木元拓人〇小外刈(3:49)△中野寛太

決勝は中野が左、木元が右組みのケンカ四つ。木元右払腰で先制攻撃、中野はその戻り際に小外刈を当てて崩すが投げ切るには至らず「待て」。以後は中野が下から、木元が上からそれぞれ交互に圧を掛ける形で引き手争いが続く。2分3秒には双方に消極的との咎で「指導」。

以後は圧の掛け合いで見た目は静かも、息詰まる展開。残り1分になったところでは木元が右大外刈から払腰に連絡する大技を見せるが、これは中野がしっかり切って「待て」。中野が体を寄せると木元は膝裏を狙って右大外刈、これは投げきれず。中野はいつでも足技を繰り出す体勢で圧を掛け、試合は終盤へ。

残り12秒、互いに引き手で袖を持ちあったところから木元が腰を切るフェイントを入れて右小外刈。一段目で引っ掛け、相手が下がるや二段目を絡ませたまま釣り手を絞りながら突進すると中野の巨体崩れて一回転。飛び込んだ木元を上に、中野がその下敷きとなってもろとも畳をバウンド、主審は「一本」を宣告。木元は全試合一本勝ちで全日本学生体重別初優勝。

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100kg超級入賞者。左から2位の中野寛太、優勝の木元拓人、第3位の久野壱虎とツェツェンツェンゲルオドフー。

【成績上位者】
優 勝:木元拓人(日本大)
準優勝:中野寛太(天理大)
第三位:久野壱虎(国士舘大)、ツェツェンツェンゲルオドフー(天理大)
第五位:蓜島剛(慶應義塾大)、東部直希(日本大)、中島大貴(東海大)、松井海斗(日本体育大)

木元拓人選手のコメント
「いやもう、最高です(笑)。中野選手は1回練習試合をやったことがあって手ごわい相手と知っていましたので、『気持ちの面で負けない』と試合の前に決めて臨みました。講道館杯では上位目指して頑張ります。」

【準々決勝】
中野寛太〇大内刈(1:58)△蓜島剛
久野壱虎〇内股(0:32)△東部直希
木元拓人〇GS払腰(GS4:43)△中島大貴
ツェツェンツェンゲルオドフ〇隅落(1:40)△松井海斗

【準決勝】
中野寛太〇GS技有・支釣込足(GS2:42)△久野壱虎
木元拓人〇払巻込(1:20)△ツェツェンツェンゲルオドフー

【決勝】
木元拓人〇小外刈(3:49)△中野寛太

※ eJudoメルマガ版10月4日掲載記事より転載・編集しています。

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