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ツシシヴィリ優勝、ベイカー茉秋は3位に留まる・グランプリタシケント2019最終日

(2019年9月24日)

※ eJudoメルマガ版9月26日掲載記事より転載・編集しています。
ツシシヴィリ優勝、ベイカー茉秋は3位に留まる
グランプリタシケント2019最終日(男子90kg級、100kg級、100kg超級、女子78kg級、78kg超級)
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3位決定戦、ベイカー茉秋がラシャ・ベカウリを右背負投で崩して抑え込みに繋ぐ

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100kg超級決勝、グラム・ツシシヴィリがベクムロド・オルティボエフの背中を抱えた支釣込足から押し込んで「一本」

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78kg級決勝、ベルナデッテ・グラフがアントニーナ・シュメレワから出足払「技有」

東京世界選手権(8月25日~9月1日)終了後最初のワールドツアー大会となるグランプリ・タシケント2019は22日、最終日の男子3階級、女子2階級の競技が行われた。日本からは90kg級にベイカー茉秋(日本中央競馬会)が出場し、3位だった。

90kg級は東京世界選手権5位のマーカス・ナイマン(スウェーデン)が優勝。準々決勝ではベイカーからいずれも隅返で「技有」、「一本」と連取して快勝。決勝はフセン・ハルモルザエフ(ロシア)を横四方固「一本」で破った。敗者復活戦に回ったベイカーは3位決定戦でラシャ・ベカウリ(ジョージア)と対戦、前週欧州ジュニアを制したばかりの19歳に小外掛「技有」を先行されたが、相手のミスに付け込んで横四方固「技有」で追いつき、GS延長戦で片襟の背負投から横四方固に繋いで合技の一本勝ち。3位を確保した。

100kg級は世界選手権に出場叶わなかったカズベク・ザンキシエフ(ロシア)が全試合一本勝ちで優勝。初戦はシェラリ・ジュラエフ(ウズベキスタン)戦に「指導3」での勝利だったが、以後は小外掛を軸に連続一本勝ち。決勝はゼリム・コツォイエフ(アゼルバイジャン)を大外刈「一本」に仕留めた。

100kg超級は第1シードの昨年度世界王者グラム・ツシシヴィリ(ジョージア)が優勝。決勝は地元のベクムロド・オルティボエフ(ウズベキスタン)からまず払釣込足で「技有」リード、その後ポイント級の裏投を取ってもらえなかったあたりからやや集中を欠き、膝着きの釣込腰を隅落に切り返されて「技有」失陥。しかしこれで却って落ち着きを取り戻し、最後は背中を抱いての支釣込足「一本」で試合を決めた。

78kg級はベルナデッテ・グラフ(オーストリア)が全試合一本勝ちで優勝。決勝はアントニーナ・シュメレワ(ロシア)を出足払と横四方固の合技「一本」で下した。78kg超級はクセニーア・チビソワ(ロシア)がこれも全試合一本勝ちで優勝。決勝はキム・ハユン(韓国)を僅か22秒の大外返「一本」で退けた。

寸評と各階級の入賞者と決勝結果、日本代表選手全試合の結果は下記。

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3位決定戦、ベイカーはラシャ・ベカウリのミスを見逃さず横四方固「技有」確保

【寸評】

ベイカーはコンディション不良か動きが重く、受けも軽かった。本来であれば、圧倒的な体力をテコに相手とのやり取りの隙間に圧を刷り込み、相手が見せた隙を見逃さずに具体的なポイントに繋いでいくのだが、「体力」という羽を捥がれ、勝負勘のみの片肺飛行という印象。3位決定戦ではベカウリの連続技に置き去りにされ「技有」失陥、若いベカウリが左大腰からの右小外掛という素晴らしい動きを見せたぶん、ベイカーの重さが余計に際立った。2週連続でビッグゲームに臨んだベカウリの判断ミス(無謀な谷落に食いついてそのまま抑えられた)に助けられたが、この状態での3位確保はむしろ幸運というべきだろう。

今大会の男子はロシア勢が3階級、地元ウズベキスタン勢が2階級を制したのだが、優勝したロシア勢3名はいずれも世界選手権に出場出来なかった選手。僅かに可能性が残る五輪出場に向けていずれもモチベーション高く、覚悟の感じられる試合ぶりだった。然るに、同じ立場にあるはずのベイカーの、客観的には準備不足と解釈されても仕方がないこの低速飛行は少々残念。

そもそも7月のグランプリ・モントリオールに優勝して、講道館杯前に為すべきことは為したはずのベイカーのこの時期の派遣は疑問。世界選手権の結果を睨んで色々思惑があったのかもしれないが、代表を務めた向が銀メダルという素晴らしい戦果を残した一方で、5位の選手に2度投げられて敗退というこの結果は厳しく評価されなければならない。本人は「収穫があった」とコメントを残したとのことだが、外から試合を見る限りでは「収穫」は見出しがたい。結果を正当に評価するのであれば代表争いから一歩後退、内容まで含めれば二歩後退、との評が妥当かと思われる。五輪へのモチベーション自体を疑われかねない内容だった。

文責:古田英毅

■ 90kg級
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90kg級メダリスト。左から2位のフセン・ハルモルザエフ、優勝のナイマン、3位のベイカー茉秋とペテル・ジルカ。

(エントリー39名)
【入賞者】
1.NYMAN, Marcus (SWE)
2.KHALMURZAEV, Khusen (RUS)
3.BAKER, Mashu (JPN)
3.ZILKA, Peter (SVK)
5.BEKAURI, Lasha (GEO)
5.SHEROV, Erlan (KGZ)
7.MATIJASS, Martin (GER)
7.PETGRAVE, Jamal (GBR)

【決勝】

マーカス・ナイマン(スウェーデン)〇GS横四方固(GS1:58)△フセン・ハルモルザエフ(ロシア)

【日本代表選手勝ち上がり】

ベイカー茉秋
成績:3位


[1回戦]
ベイカー茉秋〇支釣込足(3:08)△イタイ・ゴラン(イスラエル)

[2回戦]
ベイカー茉秋〇合技[内股・崩袈裟固](3:02)△マルコ・ブバンヤ(オーストリア)

[3回戦]
ベイカー茉秋〇GS技有・隅落(GS0:37)△ダフラト・ボボノフ(ウズベキスタン)

[準々決勝]
ベイカー茉秋△隅返(1:44)〇マーカス・ナイマン(スウェーデン)

[敗者復活戦]
ベイカー茉秋〇合技[隅落・横四方固](2:33)△マーティン・マティアス(ドイツ)

[3位決定戦]
ベイカー茉秋〇合技[横四方固・横四方固](4:00)△ラシャ・ベカウリ(ジョージア)

■ 100kg級
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100kg級メダリスト。左から2位のコツォイエフと優勝のザンキシエフ。

(エントリー28名)
【入賞者】
1.ZANKISHIEV, Kazbek (RUS)
2.KOTSOIEV, Zelym (AZE)
3.MUKETE, Daniel (BLR)
3.SVIRYD, Mikita (BLR)
5.DEMYANENKO, Viktor (KAZ)
5.DOSEN, Bojan (SRB)
7.SCHOENEFELDT, Domenik (GER)
7.SMITH III, L.A. (USA)

【決勝】
カズベク・ザンキシエフ(ロシア)〇大外刈(1:44)△ゼリム・コツォイエフ(アゼルバイジャン)

■ 100kg超級
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100kg超級メダリスト。左から2位のオルティボエフ、優勝のツシシヴィリ

(エントリー29名)

【入賞者】
1.TUSHISHVILI, Guram (GEO)
2.OLTIBOEV, Bekmurod (UZB)
3.HEGYI, Stephan (AUT)
3.KHAMMO, Yakiv (UKR)
5.RAKHIMOV, Temur (TJK)
5.YUSUPOV, Alisher (UZB)
7.SHERRINGTON, Christopher (GBR)
7.TOKTOGONOV, Bekbolot (KGZ)

【決勝】
グラム・ツシシヴィリ(ジョージア)〇支釣込足(3:36)△ベクムロド・オルティボエフ(ウズベキスタン)

■ 78kg級
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78kg級メダリスト。左から2位のシュメレワと優勝のグラフ。

(エントリー23名)
【入賞者】
1.GRAF, Bernadette (AUT)
2.SHMELEVA, Antonina (RUS)
3.POWELL, Natalie (GBR)
3.PRODAN, Karla (CRO)
5.PAPADAKIS, Nefeli (USA)
5.YOON, Hyunji (KOR)
7.LANIR, Inbar (ISR)
7.LEON, Karen (VEN)

【決勝】
ベルナデッテ・グラフ(オーストリア)〇合技[出足払・横四方固](3:56)△アントニーナ・シュメレワ(ロシア)

■ 78kg超級
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78kg超級メダリスト。左から2位のキム・ハユン、優勝のチビソワ。

(エントリー17名)
【入賞者】
1.CHIBISOVA, Kseniia (RUS)
2.KIM, Hayun (KOR)
3.ADLINGTON, Sarah (GBR)
3.ZABIC, Milica (SRB)
5.ALVAREZ, Sara (ESP)
5.HERSHKO, Raz (ISR)
7.GUSHCHINA, Anna (RUS)
7.TSAI, Jia Wen (TPE)

【決勝】
クセニーア・チビソワ(ロシア)〇大外返(0:22)△キム・ハユン(韓国)

※ eJudoメルマガ版9月26日掲載記事より転載・編集しています。

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