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【即日レポ―ト】第50回全国中学校柔道大会・男子個人戦8階級マッチレポート

(2019年8月21日)

※ eJudoメルマガ版8月20日掲載記事より転載・編集しています。
【即日レポ―ト】第50回全国中学校柔道大会・男子個人戦8階級マッチレポート
日時:2019年8月20日
会場:兵庫県姫路市「ウインク武道館(兵庫県立武道館)」

取材:eJudo編集部
撮影:坂口美貴、eJudo編集部

■ 50kg級 近藤耀聖が圧勝、細身の体から威力ある投げを連発
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準決勝、近藤耀聖が今岡仁大からまず背負投「技有」。近藤はこのあと大外刈「一本」を追加する。

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2回戦、福田大和が後藤大翔から合技「一本」

【決勝まで】

決勝に進んだのは近藤耀聖(千葉・山武中)と福田大和(兵庫・夙川中)の2名。長身痩躯の近藤、筋肉質で重心の低い福田と対照的なタイプの2人だがここまでの勝ち上がりは両者とも抜群。

ともにブロック大会を制している2人の登場は2回戦から。近藤は本田陣(奈良・春日中)をGS1分6秒小内刈「一本」で破って大会をスタート。3回戦は堀江峻平(広島・西条中)を32秒大外刈「一本」、準々決勝は二宮健輝(大分・戴星学園中)を「技有」優勢で下してベスト4入り。準決勝は今岡仁大(岡山・中道中)を1分42秒大外刈「一本」で突破し決勝に駒を進めることとなった。

福田はここまで全試合一本勝ち。2回戦は後藤大翔(三重・大池中)を1分6秒合技「一本」、3回戦は伊波世右(沖縄・南風原中)を32秒縦四方固「一本」で下し、準々決勝は佐藤星衣(東京・日本学園中)を2分29秒送襟絞「一本」。準決勝は僅か38秒、田窪剛共(島根・開星中)を隅落「一本」に斬り落とし、圧倒的な強さを見せての決勝進出。

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決勝、開始早々に近藤の大内刈が決まって「一本

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50kg級優勝の近藤耀聖

【決勝】

近藤耀聖〇大内刈(0:15)△福田大和

左相四つ。手先の組み手争いを経て、近藤引き手で襟を掴むと奥襟を叩くなり左大内刈。福田反応良く反転して逃れようとするが、近藤の飛び込みの深さと拘束の強さに首が回り切らない。近藤乗り込んで背中を着かせ「一本」。第50回全国中学校柔道大会決勝、オープニングの最軽量級は僅か15秒、豪快な一本勝ちで勝負が決した。

【入賞者】
優 勝:近藤耀聖(千葉・山武中)
準優勝:福田大和(兵庫・夙川中)
第三位:今岡仁大(岡山・中道中)、田窪剛共(島根・開星中)
第五位:佐藤星衣(東京・日本学園中)、土山貴裕(熊本・鏡中)、横井蓮(開催地・夙川中)、二宮健輝(大分・戴星学園中)

近藤耀聖選手のコメント
「とてもうれしいです。決勝は自分でもビックリ。相手が強そうなので、ゴールデンスコアを覚悟していたので、こんなに早く決まるとは思っていませんでした。得意技は特にないんですが、敢えて言えば背負投とか大外刈とか。(-凄い技の威力ですが、稽古で気を付けていることは?)打ち込みで、正確さと速さを特に意識しています。(-試合で心掛けていることは?)相手によって違います。例えば、自分から先、先に攻めていこうとか、相手のペースに付き合わずにやろうとか。次は全日本カデで優勝を狙います。55kg級からなので、まずは一杯食べて、筋トレして体を作ります。将来はオリンピックで金メダルを獲りたい。ガッツがある阿部一二三選手と丸山城志郎選手の2人が好きです。」

【準々決勝】
福田大和〇送襟絞(2:29)△佐藤星衣
田窪剛共〇縦四方固(1:01)△土山貴裕
今岡仁大〇優勢[技有]△横井蓮
近藤耀聖〇優勢[技有]△二宮健輝

【準決勝】
福田大和〇隅落(0:38)△田窪剛共
近藤耀聖〇大外刈(1:42)△今岡仁大

【決勝】
近藤耀聖〇大内刈(0:15)△福田大和

■ 55kg級 顕徳海利が全試合一本勝ちの圧勝、決勝は松本翔太郎との同県対決を制す
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3回戦、顕徳海利が越智博也から内股「一本」

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準決勝、松本翔太郎が松永烈から大外落「一本」

【決勝まで】

決勝に勝ち進んだのは顕徳海利(兵庫・望海中)と松本翔太郎(開催地・夙川中)、兵庫県大会で決勝を争った2人。

昨年も決勝まで進んでいる顕徳は優勝候補の筆頭、ここまで全試合一本勝ち。2回戦は伊波加偉目(沖縄・南風原中)を2分15秒大内刈「一本」、3回戦は越智博也(愛媛・今治南中)を1分16秒内股「一本」、準々決勝は下平清哉(長野・緑ケ丘中)を1分58秒横掛「一本」と他を寄せ付けず。準決勝は田中龍雅(佐賀・昭栄中)を2分59秒隅返「一本」で下して決勝に駒を進めることとなった。

一方の松本は2回戦で戸田雅博(石川・北辰中)を2分12秒大腰「一本」に仕留めて大会を滑り出す。3回戦は向原聖大(東京・国士舘中)を僅差の優勢で破り、準々決勝は岩井拳心(広島・大成館中)を1分22秒の間に3つの「指導」を得て勝利。激戦となった松永烈(福岡・福岡中)との準決勝はGS延長戦3分24秒という長丁場の戦いを大外落「一本」で制して決勝進出決定。県大会に引き続き、再び顕徳に挑む場を得た。

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決勝、顕徳が松本から左体落「一本」

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55kg級優勝の顕徳海利

【決勝】

顕徳海利〇体落(0:51)△松本翔太郎

松本が右、顕徳が左組みのケンカ四つ。双方なかなか組み合えず、松本右背負投を見せるが準決勝の長時間試合による疲労ゆえか威力なく潰れてしまう。顕徳はケンケンの左大内刈で先制攻撃、流れを得ると相手の右袖を掴み、両手を纏めるようにして時計回りに反転。ケンケンの左内股で追い、またいで耐えた相手をそのまま背中に乗せるところまで深く進んで外足に左体落。既に大きく崩れていた松本耐え切れず一回転「一本」。顕徳、全試合一本勝ちの圧勝で中学日本一の座を手にすることとなった。

【入賞者】
優 勝:顕徳海利(兵庫・望海中)
準優勝:松本翔太郎(開催地・夙川中)
第三位:田中龍雅(佐賀・昭栄中)、松永烈(福岡・福岡中)
第五位:鎌倉啓太郎(千葉・蘇我中)、岩井拳心(広島・大成館中)、小林弥祐(埼玉・埼玉栄中)、下平清哉(長野・緑ヶ丘中)

顕徳海利選手のコメント
「うれしいです。(-優勝候補と言われてプレッシャーは?)そう言われていると聞いてはいましたが、必ず優勝すると決めていたので、プレッシャーにはなりませんでした。勝つための準備は十分出来ていたと思っています。得意技は、まだあまりこれというものがない。背負投や足技を磨いて、本当の得意技を作っていきたいです。相手の投げに対して、入られたときにまだ踏ん張りがきかないところがあって、まず一生懸命トレーニングしてここを鍛えたい。技の切れもまだまだです。優勝は家族や先生の応援のおかげ。感謝しています。次の次の、オリンピックを狙って頑張ります。」

【準々決勝】
松永烈〇GS技有(GS1:12)△鎌倉啓太郎
松本翔太郎〇反則[指導3](1:22)△岩井拳心
田中龍雅〇大内刈(1:34)△小林弥祐
顕徳海利〇横掛(1:58)△下平清哉

【準決勝】
松本翔太郎〇GS大外落(GS3:24)△松永烈
顕徳海利〇隅返(2:59)△田中龍雅

【決勝】
顕徳海利〇体落(0:51)△松本翔太郎

■ 60kg級 小野日向が圧勝、他をまったく寄せ付けず
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準決勝、小野日向が石川大真から内股「一本」

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準決勝、井出凱王が高森和から小外刈「技有」

【決勝まで】

決勝に進んだのは小野日向(東京・足立学園中)と井出凱王(福岡・明星中)のふたり。

小野は大会前から優勝候補の筆頭として前評判の非常に高い選手。関東ブロック大会でも全試合一本勝ちの圧勝で優勝を攫っている。この日も素晴らしい強さを披露、2回戦は西郷隆道(宮崎・都城西中)を1分15秒支釣込足「一本」、宇都宮暖(岩手・宮古第一中)を20秒小外刈「一本」、準々決勝は大坪奨武(佐賀・三日月中)を2分0秒内股「一本」と他を寄せ付けず。準決勝も石川大真(石川・高尾大中)を開始25秒の内股「一本」に斬り落とし、余裕をもっての決勝進出。

一方の井出は2回戦で磯野隆太郎(埼玉・埼玉栄中)を38秒合技「一本」に仕留める素晴らしいスタート。3回戦は長瀬拳悟(徳島・阿南中)に僅差の優勢で勝利し、準々決勝は竹市裕亮(愛知・東海中)との大消耗戦をGS1分28秒に3つ目の「指導」をもぎ取って制する。準決勝も高森和(開催地・望海中)と総試合時間6分を超える熱戦を繰り広げ、GS3分23秒に「技有」を得て決勝への勝ち上がりを決めた。

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決勝、小野は左一本背負投で引き抜きながら縦に回転を強い、まず「技有」

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井出の横落を制して押し込み、2つ目の「技有」

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60kg級優勝の小野日向

【決勝】

小野日向〇合技[一本背負投・隅落](2:30)△井出凱王

左相四つ。小野が袖と奥襟を掴んで一方的に組む。続いて左内巻込に飛び込むが深く入り過ぎて投げ切れず、30秒「待て」。続く展開も小野が一方的に組み、支釣込足で蹴ると井出はたまらず潰れて50秒「指導」。井出奮起して左釣り手から持っての右一本背負投に打って出るが小野は鋭い左内股で切り返して自分のチャンスに変換。井出、小野に奥襟を掴まれるとすぐに絞り落とすが、小野は引き手で袖を折り込むとあっというまに釣り手も奥襟を持ち直し、井出にはもはや打つ手なし。1分5秒、ふたたび膝を屈して潰れてしまい2つ目の「指導」。

井出組み際勝負に活路を見出し横落に座り込むが、小野は崩れずに無理やり引き起こし、打点高く左一本背負投。投げ切って1分38秒「技有」。

井出組み立てを変えて敢えて釣り手から持つも小野あっという間に絞り落とす。もはや一発勝負に掛けるしかない井出、思い切って左内股に打って出るが組み手の不利ゆえ作りがまったく行えず、明らかに粗い。小野潰して縦四方固を狙い、井出が足を絡んで耐えて「待て」。残り時間は37秒。

窮した井出、組み際に左へ走って横落に座り込むが小野は崩れず。落ち着いて透かし、体を浴びせて背中を押し付け「技有」。2分30秒合技「一本」で試合が終わった。小野は全試合一本勝ち、圧倒的な強さで大会を駆け抜けた。

小学生時代から攻撃型で質の高い柔道を見せていたが、方向性を見失わずその成長ぶり順調。高校では1年生から全国大会の主役となる可能性も十分、注目である。

【入賞者】
優 勝:小野日向(東京・足立学園中)
準優勝:井出凱王(福岡・明星中)
第三位:石川大真(石川・高尾大中)、高森和(開催地・望海中)
第五位:大坪奨武(佐賀・三日月中)、古川葉結(兵庫・二見中)、竹市裕亮(愛知・東海中)、清水福虎(茨城・城北中)

小野日向選手のコメント
「うれしいです。(-優勝候補の筆頭との前評判、プレッシャーがあったのでは?)プレッシャーはありましたけど、それに負けてはダメだなと。そう言われるからには優勝したいと自分の力に換えました。『一本』を獲り切る、ポイントをとっても最後まで妥協をせずに取り切ることを考えて試合をしました。(-自己採点は?)80点くらい。もっと安定感も出していかないといけない。受けが悪く、ガンガン攻めないといけないタイプなのに、相手の技を受けてしまう場面があった。この先は足技ももっと上手くなりたいし、寝技もまだまだ出来ると思います。(-全国小学生学年別大会の2位から、悲願の全国制覇?)小学校の時もそうだし、中1、中2と都大会2位で3年間本当に悔しい思いをしてきた。優勝出来て良かったです。将来はオリンピックで金メダルを獲りたい。(-好きな選手は?)丸山城志郎選手です。技の一発一発が重い。自分もそうなりたいです。」

【準々決勝】
小野日向〇内股(2:00)△大坪奨武
石川大真〇内股(2:23)△古川葉結
井出凱王〇GS反則[指導3](GS1:28)△竹市裕亮
高森和〇GS技有(GS3:17)△清水福虎

【準決勝】
小野日向〇内股(0:25)△石川大真
井出凱王〇GS技有(GS0:23)△高森和

【決勝】
小野日向〇合技[一本背負投・隅落](2:30)△井出凱王

■ 66kg級 藤村心大が優勝、V候補服部辰成はベスト8で苦杯
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藤村心大(右)と末次晴倫による決勝戦

(エントリー48名)

【決勝まで】

昨年60kg級で準優勝、優勝候補筆頭と前評判の高かった関東ブロックの覇者・服部辰成(神奈川・東海大相模高中等部)が準々決勝で脱落。全試合一本勝ちで勝ち上がったが、この試合は福田悠真(石川・北辰中)を幾度か投げ掛かるもいずれも落ち際でポイントには至らず、「指導2」の僅差優勢で屈した。

決勝に進んだのは藤村心大(兵庫・小野中)と末次晴倫(福岡・沖学園中)の2人。

藤村は近畿ブロックの王者。2回戦で村田萌(鳥取・箕蚊屋中)から2分40秒合技「一本」で勝利して大会をスタート。3回戦は大庭清嵩(富山・五位中)から「技有」優勢で勝利を収め、準々決勝は?松﨑彪貴(茨城・結城中)を僅差の優勢で突破。準決勝は相手の西村夢人(島根・松江第二中)が棄権し、戦わずして決勝進出決定。

末次は2回戦で川端倖明(千葉・山武中)を「技有」優勢で下すと、以降は全試合に一本勝ち。3回戦は川口勇気(広島・中広中)を2分56秒横四方固「一本」、準々決勝は鬼塚勇芯(開催地・報徳学園中)を2分21秒合技「一本」、準決勝は福田悠真を2分23秒内股透「一本」で破って決勝の舞台まで勝ち残った。

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藤村が右大内刈を差し込む

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体捌き良くコントロール、末次に背中を着かせて「技有」

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66kg級優勝の藤村心大

【決勝】

藤村心大〇優勢[技有・大内刈]△末次晴倫

藤村が右、末続が左組みのケンカ四つ。末次左背負落に座り込み、藤村がまたいで避けて「待て」。以後は引き手争いでなかなか技が出ないが、1分過ぎに組み手を争う中で末次畳を割ってしまい、場外の「指導」。
ここから藤村が右大内刈と出足払で連続攻撃。試合時間2分が近づくところでは前に出、末続が左小外掛に体を捨てたところに得意の右大内刈を合わせる。一瞬体が浮きかかったが軸足をしっかりついて身を切ってバランス、巧みにコントロールして背中を押し付け「技有」。

奮起した末続は組み際の肩車に飛び込むが藤村は潰して縦四方固。これは4秒で解けて「待て」となったが、以後もその優位は変わらず。右大内刈に左出足払、右小外刈と立て続けに打ったまま残り時間を戦い切ってタイムアップ。「技有」優勢で藤村の勝利が決まった。

【入賞者】
優 勝:藤村心大(兵庫・小野中)
準優勝:末次晴倫(福岡・沖学園中)
第三位:西村夢人(島根・松江第二中)、福田悠真(石川・北辰中)
第五位:樋口大翔(高知・香長中)、大松﨑彪貴(茨城・結城中)、服部辰成(神奈川・東海大相模高中等部)、鬼塚勇芯(開催地・報徳学園中)

藤村心大選手のコメント
「将来は世界で活躍出来る選手になりたい。大内刈が得意ですがそれだけでは通用しなくなっていくと思うので、大外刈や足技、あとは特に寝技をレベルアップさせていきたい。決勝は絶対勝つという気持ちを出して戦いました。うれしいです。」

【準々決勝】
西村夢人〇GS技有(GS1:08)△樋口大翔
藤村心大〇優勢[僅差]△大松﨑彪貴
福田悠真〇優勢[僅差]△服部辰成
末次晴倫〇合技(2:21)△鬼塚勇芯

【準決勝】
藤村心大〇棄権△西村夢人
末次晴倫〇内股透(2:23)△福田悠真

【決勝】
藤村心大〇優勢[技有・大内刈]△末次晴倫

■ 73kg級 2年生木原慧登が優勝、勝負度胸の良さ光る
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準決勝、伊澤直乙斗が小幡礼希に左小内刈。振り返そうとした相手を隅落で転がして「技有」。

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3回戦、木原慧登が奥村慶史から小外刈「一本」

(エントリー48名)

【決勝まで】

決勝に進んだのはともに関東勢。伊澤直乙斗(千葉・山武中)と木原慧登(神奈川・東海大相模高中等部)の2名である。ブロック大会では準決勝で伊澤が勝利しているカード。

伊澤は2回戦で安田和真(三重・明和中)を43秒背負落「一本」で一蹴、3回戦は秋山大季(香川・太田中)を僅差の優勢で下す。準々決勝は南出健槙(石川・鶴来中)を1分54秒大内刈と隅落の合技「一本」で下し、準決勝はこの世代の全国小学生学年別大会の覇者・小幡礼希(宮崎・日吉台中)にGS延長戦57秒「技有」を得て勝利。今大会も決勝まで駒を進めることとなった。

木原も2年生ながら素晴らしい勝ち上がり。1回戦は佐々木康太(岩手・宮古西中)を僅か12秒の内股「一本」に斬り落とし、2回戦は秋田ハル(滋賀・田上中)を21秒送襟絞「一本」、3回戦は奥村慶史(岐阜・境川中)をこれも21秒小外刈「一本」と早い時間の一本勝ちを連発。準々決勝は坪根武志(福岡・福岡中)を僅差の優勢で下し、山場の準決勝は鈴木恵介(愛知・大成中)から「技有」を得て勝利。伊澤との再戦に辿り着いた。

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決勝、組み負けた木原は一か八かの「やぐら投げ」を挑む

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投げ合いを制して右大腰「一本」

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73kg級優勝の木原慧登

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準決勝、木原は鈴木恵介の小外掛に空中で被り返して隅落「技有」。身体能力の高さが際立った。

【決勝】

木原慧登〇大腰(2:22)△伊澤直乙斗

左相四つ。互いに引き手で袖を欲しがり、手先の組み手争いが続く。伊澤時折一方的に袖を得るが、数合後には逆に木原の方だけが引き手一本で袖を抑えて前に出る。まことに巧み。しかし攻防はこの段階から発展せず、39秒双方に消極的との咎で「指導」。

続く展開、伊澤持たせて持つことを狙って敢えて釣り手から組み手を開始、奥襟を得て良い形を作る。木原は釣り手で相手の腋を突いての守備を強いられ、この展開で相手の組み力に危機を感じたがこれを切り離して以後はまたしても厳しく組み手に気を遣う。伊澤も木原に良いところを持たせるのは危ないと判断したか妥協なく、極めて厳しい手先の組み手争い。主審は1分53秒双方に消極的との咎で「指導2」を宣告。

後のなくなった2人はもはや勝負するしかない状況、ともに試合を動かさんとの構え。やや相手の組み手を受け入れた木原に対し、伊澤は釣り手で奥襟をガッチリ持って組み勝つ。木原は引き手で腰を突く苦しい姿勢だが、この右で後帯を握ると、背中に抱き替えて乾坤一擲の「やぐら投げ」で勝負に出る。伊澤も低い体勢で腹を出して応じ、首を抱えた左釣り手を時計回りに捩じり返して一瞬優位。しかし先に腰を入れた木原はいったん相手の股中に右脚を落として踏ん張り、ふたたび「やぐら」様に右膝を持ち上げると腰を切って右大腰。あくまで左に捩じり返そうという伊澤と再びの投げ合いになったが、空中でバランスすると相手の力をくるりと前に変換し、叩き落とす。伊澤右手を突いて耐えるが木原はその体を乗り越えるように飛び込んで「一本」。一か八かの投げ合いを挑み、そこに勝利した木原が2年生にして見事全国中学校大会制覇を成し遂げた。

【入賞者】
優 勝:木原慧登(神奈川・東海大相模高中等部)
準優勝:伊澤直乙斗(千葉・山武中)
第三位:鈴木恵介(愛知・大成中)、小畑礼希(宮城・日吉台中)
第五位:南出健槙(石川・鶴来中)、中里侠斗(兵庫・夙川中)、坪根武志(福岡・福岡中)、若谷快(愛媛・松山西中)

木原慧登選手のコメント
「びっくりしました(笑)。優勝出来るとは思っていましたが、実力がしっかり出せた大会。二本持って、相手を置き去りにして足技から投げに繋ぐ自分の柔道が出来たと思います。決勝は組み負けていたので一か八か、思い切って勝負に行きました。親元を離れて2年、柔道に掛けて来たのはこの日、日本一を獲るため。寂しい思いをしてやってきた甲斐がありましたし、父も母も喜んでくれると思います。(-広島から東海大相模にやってきて、変わったことは?)前は相手を動かさずにいきなり掛けるところがありましたが、今は相手をまず動きで置き去りにすることを心掛けるようになりました。次の目標は連覇。将来はオリンピックで金メダルを取るのが目標です。(-尊敬する選手などはいますか?)・・・あまり。自分のことを考えるので精いっぱいです。」

【準々決勝】
伊澤直乙斗〇合技(1:54)△南出健槙
小畑礼希〇優勢[技有]△中里侠
木原慧登〇優勢[僅差]△坪根武志
鈴木恵介〇大外刈(0:56)△若谷快

【準決勝】
伊澤直乙斗〇GS技有(GS0:57)△小畑礼希
木原慧登〇優勢[技有]△鈴木恵介

【決勝】
木原慧登〇大腰(2:22)△伊澤直乙斗

■ 81kg級 関東王者長谷川環が優勝、得意の足技に冴え見せる
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準々決勝、長谷川環が四元羅生に大内刈を押し込んで「技有

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準決勝、粂田和樹が小泉孝介から釣込腰「技有」

(エントリー48名)

【決勝まで】

決勝に勝ち残ったのは関東ブロック王者の長谷川環(群馬・新治中)と、団体戦の優勝メンバー粂田和樹(埼玉・埼玉栄中)の2名。ブロック大会では準決勝で対戦、長谷川が内股「一本」で勝利を収めているカード。

長谷川は2回戦で石屋侑大(岩出第二中)に1分16秒合技「一本」、3回戦は谷脇弦起(高知・仁淀中)に1分22秒小内刈「一本」と連続一本勝ち。勝負どころと目された準々決勝は四元羅生(福岡・大蔵中)を大内刈を押し込んでの「技有」確保で下し、準決勝は滝浪昭嘉(開催地・姫路市立灘中)からこれも「技有」を奪って優勢勝ち。一段違う強さを見せつけて決勝へと駒を進める。

一方の粂田は1回戦で竹内滝馬(奈良・御所中)をGS延長戦2分58秒「技有」で下して大会をスタート。以降は2回戦で伊藤一冴(秋田・大曲西中)を1分29秒小外掛「一本」、3回戦で宗広泰川(福井・福井工大福井中)を2分44秒合技「一本」、準々決勝で山科啓容(愛知・大成中)を1分7秒払腰「一本」と3試合連続の一本勝ちでベスト4入り。準決勝は小泉孝介(神奈川・六角橋中)からGS延長戦1分1秒「技有」を得て決勝への勝ち上がりを決めた。

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決勝、延長戦で長谷川が出足払から支釣込足に連絡

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投げ切って「技有」

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81kg級優勝の長谷川環

【決勝】

長谷川環〇GS技有・支釣込足(GS2:39)△粂田和樹

粂田が左、長谷川が右組みのケンカ四つ。粂田左体落で先制攻撃。その後も半身のまま釣り手で左奥襟を持って組み勝ち、頭が下がる長谷川は守勢。1分過ぎに粂田左大内刈を放つが長谷川耐えてポイントには至らず。以後攻防がやや止まり、両者に消極的との咎で「指導」。終盤は粂田が釣り手で奥襟を引き寄せて左大外刈を連発、流れを取ったまま試合はGS延長戦へ。

延長戦も試合を引っ張るのは粂田。左大内刈に左大外刈で攻め、延長1分40秒には左大外刈から左内股に繋いで見せ場を作る。しかし以後はお互い組まず、組み際を狙っての打ち合いとなる。二本持っていないためにともにその技は効かず、攻め合いも試合はやや膠着。

延長2分半を超えたところで長谷川が左出足払。ここからそのまま反時計回りの支釣込足に変化する。虚を突かれた粂田クルリと回ってしまい、激しく畳に落下「技有」。これで長谷川の優勝決定。得意の足技に救われた形、見事な一撃だった。

【入賞者】
優 勝:長谷川環(群馬・新治中)
準優勝:粂田和樹(埼玉・埼玉栄中)
第三位:滝浪昭嘉(開催地・姫路市立灘中)、小泉孝介(神奈川・六角橋中)
第五位:山科啓容(愛知・大成中)、カフレジュリアーノ(茨城・土浦第四中)、上田夏也人(大阪・放出中)、四元羅生(福岡・大蔵中)

長谷川環選手のコメント
「足払いが得意です。支釣込足よりも出足払のほうが得意なんですが、決勝は支えが上手く効きました。誰よりも稽古して来たと思うので、体力には自信があります。GS延長戦に入ってもスタミナ負けするとは思わなかったし、動揺もありませんでした。優勝して、感謝したい人がいっぱいいます、特に父はいつも言葉を掛けて励ましてくれて、あらためてお礼を言いたいです。好きな選手は永瀬貴規選手。自分は似たタイプだと思っているんですが、足技が上手い。ああいう選手になりたいです。将来はオリンピックに出てメダルを取りたいです。」

【準々決勝】
粂田和樹〇払腰(1:07)△山科啓容
小泉孝介〇優勢[技有]△カフレジュリアーノ
滝浪昭嘉〇合技(2:46)△上田夏也人
長谷川環〇優勢[技有]△四元羅生

【準決勝】
粂田和樹〇GS技有(GS1:01)△小泉孝介
長谷川環〇優勢[技有]△滝浪昭

【決勝】
長谷川環〇GS技有・支釣込足(GS2:39)△粂田和樹

■ 90kg級 直接対決でライバル次々撃破、三並壮太が全試合一本勝ちで戴冠
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3回戦、三並壮太が遠藤大城から内股「一本」

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2回戦、中村乾渡がカフレガブリエルから裏投「一本」

(エントリー48名)

【決勝まで】

決勝に進んだのは三並壮太(愛知・大成中)と中村乾渡(兵庫・望海中)。ともに団体戦ではエースとしてチームを引っ張り、非常な存在感を見せていた本格派2名による頂点対決となった。

三並はここまで全試合一本勝ち。2回戦は井上勝太(熊本・白川中)から1分57秒合技「一本」、3回戦はこの世代の全国小学生学年別大会重量級の優勝経験者・遠藤大城(千葉・市川第七中)を開始22秒の内股「一本」、準々決勝は田中詩音(神奈川・東海大相模高中等部)をGS延長戦32秒大外返「一本」で退け、勝負どころの準々決勝は齋五澤凌生(栃木・足利第一中)を1分22秒小外刈「一本」に斬り落とす、堂々たる勝ち上がり。

中村は2回戦でカフレガブリエル(茨城・土浦第四中)を1分54秒裏投「一本」に仕留めて大会をスタート。3回戦は長友洸樹(宮崎・妻中)をGS延長戦36秒「技有」に仕留め、勝負どころと目された準々決勝は新井道大(埼玉・埼玉栄中)に「技有」優勢で勝利。準決勝は佐藤晴輝(福岡・北九州城南中)を23秒裏投「一本」で破って決勝まで勝ち進んだ。

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決勝、三並の小外掛が「技有」

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90kg級優勝の三並壮太

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準々決勝、三並が田中詩音から大外返「一本」

【決勝】

三並壮太〇合技[小外掛・崩上四方固](0:37)△中村乾渡

三並が左、中村が右組みのケンカ四つ。まずは三並が釣り手を下から持ち、中村が上から入れる形での引き手争い。双方投げる気十分、ここからがっぷり組み合う形となる。引き手で袖を高い位置で得た中村が先に動き、呼吸を整えるなり前技フェイントを入れての左小外掛。深く入ったこの技に中村吹っ飛んで「技有」。三並そのまま崩上四方固に抑え込んで37秒合技「一本」。ともに攻撃型ゆえ、がっぷり組みあったがゆえの派手な決着。短い時間ながら見ごたえのある試合であった。三並は全試合一本勝ちでの日本一達成。

【入賞者】
優 勝:三並壮太(愛知・大成中)
準優勝:中村乾渡(兵庫・望海中)
第三位:齋五澤凌生(栃木・足利第一中)、佐藤晴輝(福岡・北九州城南中)
第五位:田中詩音(神奈川・東海大相模高中等部)、田中竜之介(広島・崇徳中)、鈴木大空(静岡・静岡学園中)、新井道大(埼玉・埼玉栄中)

三並壮太選手のコメント
「凄く嬉しいです。稽古でやっていることを普通に出せれば十分勝てると思って大会に臨みました。(-自己採点は?) 100点です。目指していた全試合一本勝ちで優勝出来ましたし、やりたいことがかなり出来た大会でした。 (-決勝、ガッチリ組み合いましたね?) 自分は組み合いが得意。組んで『これは強いな』と思いましたがそれでも思い切っていきました。(-稽古で気を付けている点は?)組み手と、受けです。(-組み手は組み勝つこと、組み合うこと?) 組み合うこと、もう少し言うと組み負けたところからでもしっかり柔道が出来ることを考えて稽古しています。将来はオリンピックで金メダルを取ることが目標です。(-尊敬している選手はいますか?) 柔道も、人間的にも1学年上の中山康先輩を尊敬しています。」

【準々決勝】
三並壮太〇GS大外返(GS0:32)△田中詩音
齋五澤凌生〇内股(0:16)△田中竜之介
佐藤晴輝〇GS指導2(GS2:07)△鈴木大空
中村乾渡〇優勢[技有]△新井道大

【準決勝】
三並壮太〇小外刈(1:22)△齋五澤凌生
中村乾渡〇裏投(0:23)△佐藤晴輝

【決勝】
三並壮太〇合技[小外掛・崩上四方固](0:37)△中村乾渡

■ 90kg超級 坂口稜が優勝、団体戦との2冠獲得なる
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2回戦、坂口稜が宮平匡一郎から内股「一本」

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3回戦、高原健伸が村瀬浩樹から払巻込「技有」

(エントリー48名)

【決勝まで】

坂口稜(埼玉・埼玉栄中)と高原健伸(広島・崇徳中)の2名が決勝まで勝ち残った。

チームの団体戦連覇を引っ張った坂口は粘り強く、そして落ち着いた戦いで決勝に進出。まず2回戦で宮平匡一郎(沖縄・与那原中)から17秒内股「一本」で勝利。以降3回戦は表野銀次(和歌山・紀見北中)からGS延長戦42秒「技有」、準々決勝は牧野泰晟(熊本・九州学院中)を粘り強く攻めてGS延長戦3分23秒「指導3」で勝利。準決勝は藤井達也(茨城・古河第二中)との消耗戦をGS1分2秒「指導」1つを得て勝ち抜け、3戦連続の延長戦を制しておの個人戦も決勝まで辿り着いた。

一方の高原は2回戦で久禮田蒼太(高知・香長中)を19秒合技「一本」で破り、以降はこちらも強豪と連戦。3回戦は村瀬浩樹(兵庫・望海中)からGS延長戦4分23秒「技有」、準々決勝は金杉元太(神奈川・東海大相模高中等部)からGS延長戦59秒「指導2」を得て勝利。準決勝は熊谷諒也(福岡・大蔵中)を「技有」優勢で破って決勝の畳に勝ち残った。

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口と高原の決勝対決。これが今年度全国中学校柔道大会全日程の最終戦。

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延長戦、坂口の左払巻込が決まり「技有」

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90kg超級優勝の坂口稜。団体戦と併せて今大会は2冠獲得となった。

【決勝】

坂口稜〇GS技有・払巻込(GS0:38)△高原健伸

身長174センチ体重103キロの坂口、同174センチ110キロの高原ともに左組みの相四つ。公式情報では同身長のはずだが、高原が上背でもひとまわり上回る印象。

序盤は坂口が左奥襟を取って高原の頭を下げさせて攻勢も、やがて試合は組み手争いの様相に変化。奥襟を叩き合い、切り合い、なかなか技が出ない。中途で高原が奥を得るなり素早く体落を放つ場面があったが潰れてしまう。1分過ぎからはまたもや叩き合い、切り合い、絞り合いで1シークエンスが消費され、主審は双方に「指導」。しかし様相は変わらず。最終盤、坂口が思い切った左払巻込を見せるが高原耐え切り、試合はGS延長戦へ。

本戦終盤からの、双方切り合い、直し合い、潰れ合う展開は継続。特に高原には相手に弾き返され二本放して掛け潰れてしまう場面も目立つ。しかし本戦終盤で「指導」裁定を躊躇し続けたためか、それとも技による決着を期待してか、今さら軽々に「指導」を出すわけにはいかないという体で反則は与えられず、この展開のまま時間が流れる。

30秒過ぎ、左奥襟を掴んだ坂口がグイと引き付けて大きな高原の頭を下げさせ、力が伝わる形を作る。そこから思い切って左払巻込。高原の巨体がふわりと浮き、次いで激しく転がり落ちて「技有」。熱戦ついに決着となった。坂口はこれで団体、個人と全国中学校大会2冠獲得。小学6年時の全国小学生学年別大会に続き、中学でも日本一の座に就くこととなった。

【入賞者】
優 勝:坂口稜(埼玉・埼玉栄中)
準優勝:高原健伸(広島・崇徳中)
第三位:藤井達也(茨城・古河第二中)、熊谷諒也(福岡・大蔵中)
第五位:五十嵐大陸(北海道・伊達中)、牧野泰晟(熊本・九州学院中)、牧野夢希(静岡・東海大翔洋中)、金杉元太(神奈川・東海大相模高中等部)

坂口稜選手のコメント
「団体、個人と2冠を獲れて本当に嬉しいです。決勝は、組んだ瞬間にこれは強いな、簡単には勝てないなと思いましたが、良いところを持って先に先に掛けようと考えていました。襟を持つと切られるので、襟以外のところでもいいからまず持って掛けようと思いました。小学、中学とタイトルを取ったので高校でも大学でも勝って、最後はオリンピックで金メダルを取りたい。大野(勝浩・埼玉栄中監督)先生には小学校の頃から鍛えて頂いて、本当に感謝しています。」

※ eJudoメルマガ版8月20日掲載記事より転載・編集しています。

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