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【レポート】国士舘ら優勝候補順当に勝ち上がり、シード外からは市立習志野がベスト8入り・第93回金鷲旗高校柔道大会男子マッチレポート①1回戦~6回戦

(2019年8月6日)

※ eJudoメルマガ版8月6日掲載記事より転載・編集しています。
国士舘ら優勝候補順当に勝ち上がり、シード外からは市立習志野がベスト8入り
第93回金鷲旗高校柔道大会男子マッチレポート①1回戦~6回戦
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選手宣誓は国士舘高・鈴木郷生が務めた

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初戦(2回戦)に臨む国士舘高の面々

→男子プレビュー
→当日速報ニュース
→男子結果(5回戦以降対戦詳細・eJudoLITE)

大会日時:2019年7月22日~24日
会場:福岡市総合体育館・照葉積水ハウスアリーナ(福岡市東区)
取材・文・撮影:古田英毅/eJudo編集部

高校生の夏、開幕。「高校三冠」ふたつめの大会、配列固定の5人制勝ち抜き戦、大将戦が引き分けの場合そのまま延長戦という過酷なレギュレーションで行われる「地獄の金鷲旗」こと第93回金鷲旗高校柔道大会が今年も九州・福岡の地で全国の強豪317チームが集って開催された。

会場を福岡市総合体育館・照葉積水ハウスアリーナ(福岡市東区)に変えて最初の大会となる今年度の優勝候補筆頭は連覇を狙う国士舘高(東京)。絶対のエース斉藤立を軸に3月の高校選手権を制し、今大会で悲願の「三冠」への一里塚、今年度2つ目のタイトル奪取を狙う。

これを止めんと、高校選手権2位の地元・大牟田高(福岡)が腕を撫し、ここまでが「二強」。以降は高校無差別王者高橋翼を擁する作陽高(岡山)、日体大荏原高(東京)、木更津総合高(千葉)、東海大相模高(神奈川)らがあとを追うというのが今年度の構図。まずは予選8パートそれぞれの様相を簡単に追いかけてみたい。

■ Aパート
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4回戦、磯田が関西高の先鋒上野弘行から内股「一本」

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4回戦、国士舘高の次鋒長谷川碧が関西高の副将竹野新太朗から内股「一本」

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5回戦、磯田が高松商高の次鋒松本星哉から大外刈「一本」

シード校:国士館高(東京)、白鴎大足利高(栃木)
パート決勝カード:国士館高(東京) - 福井工大福井高(福井)

優勝候補筆頭、国士舘高の登場は2回戦から。大阪産業大附高(大阪)を畳に迎えた初戦のオーダーは先鋒から磯田海成、長谷川碧、道下新大、藤永龍太郎、斉藤立。補欠には岡田陸と林将太郎を残した。行けるところまで磯田に仕事をさせ、どこかの時点で岡田、林と先鋒をリレーさせんとの意図と読み取れる。

磯田は緊張ゆえか動きが硬く、「秒殺」連発とはいかなかったがそれでも片手絞「一本」、小内刈と袈裟固の合技「一本」、内股「一本」、内股「一本」、大外刈「技有」による優勢と5人を抜いて国士舘は大過なく初戦を突破。磯田は作りと詰めの甘さはあるものの地力の差で解決を続けたという印象。3回戦の北筑高(福岡)戦でも磯田は内股「一本」、大外刈「一本」、払巻込「一本」、内股「一本」と順調に星を積む。消耗もあり、大将荒木健也には粘られたがそれでも隅返「技有」をもぎ取ってこれで10人抜き達成。国士館は第1日目、2日目と全試合を磯田のみで賄い、最終日へと駒を進めることとなった。

明けた24日、難易度が一段上がった4回戦の相手は岡山県2位の関西高。磯田が内股「一本」で勝利した後、次鋒小山佑斗と引き分け。3戦目にして初めて畳に上がった次鋒長谷川碧が中堅大田原優斗から払腰「一本」、副将竹野新太朗から内股「一本」と連勝、大将河本侑大とは引き分けて手堅く不戦3人でこの試合を突破する。

続く5回戦の高松商高(香川)戦は磯田が藏本仁からわずか8秒の内股「一本」、松本星哉から開始早々の大内返「技有」に28秒の大外刈「一本」と連勝も、中堅忍川尚汰の袖釣込腰「一本」に沈んで通算15試合目にしてついに黒星。国士舘は再び次鋒長谷川が出動し、畳に残った忍川を内股と袈裟固の合技「一本」、副将宮本海優人を内股「一本」と立て続けに抜く。続いて大将三谷雄大と引き分けて、国士舘はこの試合も不戦3人で突破決定。パート決勝進出まで、前衛2枚のみで戦い切ったということになる。

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2回戦、鳥取東高の副将小林岳が白鴎大足利高の中堅津端洸の小内刈を透かして2つ目の「技有」

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2回戦、福井工大福井高の先鋒宗廣杜頼が小倉高の中堅山田敬太から内股で2つ目の「技有」

逆側のパートではシード校の栄を受けた白鴎大足利高(栃木)が早々に陥落。2回戦の鳥取東高(鳥取戦)は副将杉之内暁が出動して3勝1敗2分けの不戦1人で勝ち抜けたが、3回戦の浜松商高(静岡)戦は1人差ビハインドで副将杉之内が出動する大苦戦。杉之内は1人を抜き返したが、大将福田力斗に払腰「一本」で敗戦。福田はそのまま大将同士の対決でエース澤口宗志をも払腰と袈裟固の合技「一本」で下し、主戦2人を抜き去る大活躍。一気に勝負を決めてしまった。

昨年度はインターハイでベスト4入り、3月の高校選手権でも印象的な戦いを見せていた白鴎大足利だが、この夏は県予選決勝で國學院栃木高に大敗を喫してインターハイ本戦への出場はなし。この金鷲旗に懸けているはずであったが、上位対戦に進むことなく畳を去ることとなった。白鴎大足利の戦いぶりはいったいに元気なし。柔道自体はむしろ巧くなって組み勝つことが増えたが、逆になかなか技が出ないという印象。破天荒な一発勝負が売りの杉之内や澤口までこの丁寧過ぎる戦いに嵌り、魅力を失っているように見受けられた。

この山からのパート決勝進出校は、福井工大福井工高(福井)。2回戦は小倉高(福岡)を相手に先鋒宗廣杜頼の3勝1敗、次鋒五十嵐翔也の2勝による不戦3人で勝ち抜け、3回戦は国東高(大分)を相手に大乱戦。最後は1人差ビハインドで登場した大将酒井晃輝がここまで3人を抜いた副将瀧石靖弘を「指導3」の反則、続いて大将大杉鴻燿を大内刈「一本」と2人を抜き、引き分けなしの5勝4敗という乱打戦を制して勝利決定。4回戦の福岡大大濠高(福岡)戦は4勝3敗1分け、これも大将同士の対決で酒井が、ここまで2人を抜いた森山幸喜を大外刈「一本」で退けて勝負を決めた。

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6回戦、国士舘高の次鋒長谷川碧が福井工大福井の先鋒井上翔太郎から浮落「技有」

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長谷川は続く次鋒五十嵐翔也から内股「一本」、2人を抜く

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乱戦気配の漂い始めた試合を国士舘の中堅道下新大が3人抜きで収拾、最後は大将酒井晃輝から大内返「一本」

【Aパート6回戦(パート決勝)】

国士舘高〇不戦2人△福井工大福井高
(先)磯田海成△反則[指導3]〇井上翔太郎(先)
(次)長谷川碧〇合技[浮落・小外掛]△井上翔太郎(先)
(次)長谷川碧〇内股△五十嵐翔也(次)
(次)長谷川碧△小外掛〇古場幸能(中)
(中)道下新大〇足車△古場幸能(中)
(中)道下新大〇小外刈△冨田赳司(副)
(中)道下新大〇大内返△酒井晃輝(大)
(副)藤永龍太郎
(大)斉藤立

戦い易い配置に置かれていた国士舘、ここからが明らかに本番。この日既に6試合を戦った磯田は力尽きるかのように井上翔太郎に「指導3」で敗れ、前戦に続き2連敗。続いて畳に上がった次鋒長谷川碧がこの井上を浮落と小外掛の合技「一本」、さらに次鋒五十嵐翔也を内股「一本」で抜き去って場は落ち着いたかに思われたが、長谷川は切所の後退という悪い癖が出てしまい、続く古場幸能との対決を小外掛「一本」で落としてしまう。ここまで国士舘は4戦して2勝2敗、一気に場が荒れてしまった。

しかし中堅道下新大が粘り強く、かつ状況を良く理解した戦いを披露。畳に残った古場を得意の足車「一本」に仕留め、さらに副将冨田赳司を小外刈「一本」で抜き去る。あとは3試合目、福井工大福井のエース酒井晃輝を止めれば合格であるが、道下は引き分けに甘んじず、攻めるしかない酒井の大内刈を捉え返して見事大内返「一本」。国士舘は不戦2人で準々決勝進出を決めた。

組み合わせに恵まれた国士舘であるが、シード校級の力を持つ福井工大福井には2敗を喫してやや苦戦。しかし道下の頑張りで、自身を含めた後衛の主戦3枚は傷つかず。藤永龍太郎、斉藤立の2人を温存したままベスト8以降の戦いに臨む。

■ Bパート
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4回戦、大将同士の対決で東海大仰星高の中村雄太が羽黒高・五十嵐勁太から大外刈「技有」

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5回戦、延長戦で中村雄太が埼玉栄高・山野井爽を攻める

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4回戦、大将対決で市立習志野高・桒田真雄が四日市中央工高の伊藤栄都に僅差の優勢勝ち

シード校:東海大仰星高(大阪)、四日市中央工高(三重)
パート決勝カード:東海大仰星高(大阪) - 市立習志野高(千葉)

全国高校選手権ベスト8の東海大仰星高が、大将中村雄太の活躍をテコにパ―ト決勝進出。2回戦で塩田工・嬉野高(佐賀)を先鋒仲南央斗の5人抜きで一蹴、3回戦は大原高(千葉)を相手に2勝1敗分け、最後は副将本原颯人の1勝1分けの不戦1人で退けて勝利決定。

最初の勝負どころと目された4回戦の羽黒高(山形)戦は大将同士の対決で、中村雄太が五十嵐勁太を大外刈「技有」優勢で退けて勝ち抜け。迎えた大山場の5回戦、埼玉栄高(埼玉)との決戦は前衛が2勝2敗、ここから柏野亮太と松本弾の中堅対決が引き分け、本原颯人と田川聖の副将同士の戦いも引き分けとなり、勝負は中村雄太と山野井爽の大将対決に持ち込まれる。本戦4分では勝負がつかず、そのまま突入した延長戦では残り1分から、疲労した山野井に対して中村がこちらも疲労困憊ながら大内刈に小外刈、背負投まで繰り出して必死の攻めを見せる。この攻撃姿勢が買われ判定は中村に旗が揃った。

逆側の山は激戦区。最大の山場となったシード校・四日市中央工高(三重)と市立習志野高(千葉)の4回戦はともに相譲らず、3勝1敗1引き分けで勝敗の行方は大将同士の対決へと持ち込まれる。ここで桒田真雄が伊藤栄都に僅差優勢で勝利し、市立習志野の勝利が決まった。

高校選手権では優勝した国士舘高に敗れたが、素晴らしい戦いを披露していた四日市中央工高。県予選でライバル名張高に屈してインターハイ出場は叶わず、これが今代最後の晴れ舞台であったが、市立習志野の練度の高さを前に惜しくも星を落とした。

市立習志野は勢いをそのままに、5回戦では沖学園高(福岡)を突破。副将同士の対決で73kg級の強者市川晃次郎が多保敬志から肩車「技有」で勝利。続く大将中村峻平には僅差の優勢で屈したが、この粘りを受けた大将桒田真雄が大外刈「技有」を奪って勝利。見事パート決勝進出を決めた。

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6回戦、リードを背にした市川晃次郎が体格差に怖じず中村雄太を攻める

【Bパート6回戦(パート決勝)】
市立習志野高〇不戦1人△東海大仰星高
(先)飯塚大貴〇内股△永竿慶弥(先)
(先)飯塚大貴×引分×嘉村悦王(次)
(次)黒川響×引分×柏野亮太(中)
(中)岩下幹人×引分×本原颯人(副)
(副)市川晃次郎×引分×中村雄太(大)
(大)桒田真雄

ともに後重心のチームであるが、ゆえに市立習志野の先鋒・飯塚大貴の一撃の価値比類なし。初戦の内股「一本」で試合の趨勢は決まってしまった。最終戦は市川晃次郎と中村雄太のエース対決だが、大型同士の対戦が本領の中村は軽量、かつ捨身技も巧い市川を追いかける展開で詰め切れず。市川が試合をしっかりまとめた形でこの一番は引き分けに終わり、市立習志野は栄光のベスト8進出決定。シード校外からのベスト8入りは結果としてこの市立習志野のみ。柔道どころ・千葉の競技レベルの高さを見せつけた形となった。

■ Cパート
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作陽高は初戦からほぼベストオーダーでの布陣

シード校:作陽高(岡山)、北海高(北海道)
パート決勝カード:作陽高(岡山) - 東海大相模高(神奈川)

全国高校選手権でベスト4まで進んだ作陽高の山に國學院栃木高(栃木)と修徳高(東京)、そして北海高の山に東海大相模高(神奈川)が詰め込まれた大会最激戦区。特に、高校無差別王者高橋翼が突出し、周辺戦力の陣容決して厚いとは言えない作陽にとっては試練の組み合わせと言っていい。上位対戦に備えて少しでも高橋の出番を減らすのが課題だが、それよりなにより、まずは勝ち上がることを考えねばならない厳しい配置だ。

その作陽は2回戦から登場、相手は金沢高(石川)である。スターティングは先鋒から佐藤良平、高橋寛、笠原勇馬、嵐大地、高橋翼。高橋寛に笠原と1年生が2人入っているが、事前に川野一道監督に話を聞いた限りではこれがほぼベストメンバー。1試合たりとも油断している場合ではないという、自軍の戦力特性を良く弁えたオーダーだ。

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2回戦、次鋒高橋寛が金沢高の中堅竹田永遠から大外巻込「技有」

全国高校選手権でもレギュラーを務めた佐藤は66kg級石川県代表の関軒楽生とマッチアップ。関軒は組み際がうるさい好選手、巧みな足技に一本背負投と触れるなり鋭い技を連発。佐藤が深く追えないままあっという間に時間が過ぎ去り、残り25秒の時点で双方に「取り組まない」咎による「指導」が与えられたのみでこの試合は引き分け。他強豪チームが5人抜き、10人抜きと序盤戦を余裕を持って戦う中にあって、がっぷり取りに来る強いチームには強いがそれがどの相手にも発揮されるわけではないという作陽の特徴がいきなり出てしまった形だが、次鋒の高橋寛は投げ一撃の威力はないものの、組み手技術の高さと柔らかさ、そして独特の「噛み合わなさ」を駆使して、井本郷を振り回すなりそのまま覆いかぶさって横四方固に捉えて一本勝ち。次戦の竹田永遠に対しても一種煮え切らぬ試合で消極の「指導」を失いながら残り36秒、少々無茶な大外巻込で「技有」を奪って2人抜き。3戦目、副将橋高義人を畳に迎えた試合でもペースを変えずに、抱き着きにはいくが一種煮え切らぬ戦いぶり。ここまで一貫して鷹揚に試合を見つめていた川野監督が「疲れている場合じゃないんだ!」と一瞬激高する場面もあったが、高橋はあくまでマイペースを貫いてそのまま引き分け。中堅笠原勇馬が大将草間康生と引き分けて、この試合は不戦2人で勝ち抜け決定。

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4回戦、高橋翼が國學院栃木高の佐藤烈から「脚三角」からの縦四方固「一本」

続く龍谷大平安高(京都)との試合も、初戦に引き続いて中堅までで5人を賄うことに成功。スコアは2勝3引き分け、挙げた点は先鋒佐藤の一本背負投「技有」優勢と次鋒高橋の僅差優勢で「一本」はゼロという地味なものであったが、非常に今代の作陽らしい、しぶとい戦いぶりであった。

日を最終日に移し、作陽は続く4回戦から強豪とまさに連戦。まず今年の栃木県代表の座を勝ち取って意気揚がる國學院栃木高(栃木)との一番は先鋒から中堅までが引き分け。初めて副将嵐大地が畳に上がったが、これも決定打ないまま引き分けとなり、この段階から早くも大将高橋翼が登場。大将同士の対戦で高橋が佐藤烈を手順通りの縦四方固「一本」に仕留めて、修徳高が待ち受ける5回戦への勝ち上がりを決めた。

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5回戦、佐藤良平と中村和真の先鋒戦は引き分け

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高橋寛は田中佑也に粘着、裏投で体を捨てる相手に足を差し込んで「一本」

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笠原勇馬が竹下博隆から大外返で2つ目の「技有」

【Cパート5回戦】
作陽高(岡山)○大将同士△修徳高(東京)
(先)佐藤良平×引分×中村和真(先)
(次)髙橋寛○大内刈△田中佑也(次)
(次)髙橋寛×引分×岡田尚樹(中)
(中)笠原勇馬○合技[大外刈・大外返]△竹下博隆(副)
(中)笠原勇馬△背負投○小嶋洸成(大)
(副)嵐大地△反則[指導3]○小嶋洸成(大)
(大)髙橋翼○反則[指導3]△小嶋洸成(大)

東京都予選準決勝で王者・国士舘をあと一歩まで追い詰めた強豪修徳高(東京)との一番。修徳としては相手方のエース髙橋翼に1人でも多く当てて消耗を強い、自軍の大将に座る関東無差別王者の小嶋洸成の一撃に賭けたいところ。リード必須の一番だ。ここまでは初戦からオーダーを固定して愛知桜丘高(愛知)を4勝1敗1分けの不戦2人、鹿児島工高(鹿児島)を5勝1敗0分けの不戦3人、群馬常磐高(群馬)を3勝2敗2分けの大将同士で下し、決して厚いとは言えないその戦力に比して、戦いぶりはまずまず。特に先鋒中村和真はここまで7勝1敗2分けと出色の働き。1敗は鹿児島工高戦で4人を抜き、最後は相手の内股を典型的な横車に捉えて一本勝ちと思われたところ、主審が技を見極められず相手に手を挙げられてしまうという不運によるもので実質的には8勝無敗。この試合も「前衛でリード」のミッション達成のためには中村の活躍が不可欠。

しかしこの試合、修徳のポイントゲッター役として先鋒に送り込まれた中村はケンカ四つの佐藤良平との引き手争いに嵌ってしまいチャンスを作れず、双方に片手の咎による「指導」ひとつが与えられたのみで第1試合は引き分けに終わる。続く第2試合では作陽・高橋寛が執拗に抱き勝負を続け、防衛ポジションの田中佑也にプレッシャーを掛け続ける。投げ切る力には欠けるが、ゆえに田中は生殺し状態のまま抱かれ続け明らかにこれを嫌気。高橋がスローカーブのような出足払を打った直後田中に「指導」。1分44秒には我慢できなくなった田中が裏投に打って出るが高橋振り返って大内刈に切り返し「一本」。高橋はこの「投げることも投げられることもない、しつこく柔らかい密着」で続くポイントゲッター岡田尚樹をもペースに乗せぬまま引き分け、1人差リードを保ったまま畳を降りる。

続く中堅笠原勇馬も竹下博隆から開始早々に大外刈「技有」リード、以後攻められて「指導」を失ったが、直後の2分8秒に大外返「技有」を追加して快勝。前戦まで煮え切らなかった作陽の前衛はこの勝負どころとなるやまったく違う戦いぶり。リード必須の覚悟を持って立ち向かって来た修徳を前に、逆に2人差をリードして大将小嶋洸成を引っ張り出す。

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巨漢小嶋洸成が意外な一撃、笠原勇馬から背負投「一本」

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高橋翼が小嶋を圧し、3つの「指導」を確保

小嶋は今シーズンここまでの単調さを脱し、工夫のある戦いぶり。まず笠原を鮮やかな「立ち背負い」で引っこ抜いて1分0秒左背負投「一本」。続く嵐大地との試合は50秒双方への「指導」を貰ったが、以後は手立てを変えながら前に出続け2分に「極端な防御姿勢」による「指導2」、そして残り19秒に消極的試合姿勢による「指導3」をもぎ取って2人抜き達成。高橋翼との大将対決に辿り着く。

この試合は高橋が右、小嶋が左組みのケンカ四つ。高橋が抱いて前に出ると小嶋ほぼまっすぐ下がって場外に出、14秒早くも場外の「指導」。以後も高橋が前に出ると小嶋横滑りするように下がってしまい、これまでの2試合とはまったく印象異なる戦いぶり。しかし小嶋がそれでも背負投を仕掛けると、技自体は可能性のないまま潰れたものの46秒形上技の出ていない高橋にも消極の「指導」。高橋これで厳しさを一段増し、背中を抱いては前へ。小嶋が潰れると見るや今度は腰を切り返しての牽制で容易にこれを許さず攻勢を演出、1分32秒には小嶋に「極端な防御姿勢」の「指導2」。高橋は下から背中を抱いては浮腰様の崩しを続け、残り29秒に大腰を仕掛けたところで主審が合議を招集。小嶋に3つ目の「指導」が宣せられて作陽の勝利が決まった。作陽は大将同士の戦いを2試合続け、パートファイナル進出決定。

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2回戦、東海大相模高の先鋒金子竜士が近大福山高の次鋒福田秀斗から内股「一本」

逆側の山からは形上ノーシード扱いの東海大相模高(神奈川)がパートファイナルへ。スターティングは先鋒から金子竜士、藤島将太、工藤海人、山本銀河、菅原光輝。補欠には有馬雄生と近藤那生樹を取り置いた。

2回戦の近大福山高(広島)戦は金子が高原大武からの送襟絞「一本」を皮切りに、内股「一本」、内股「一本」、大外刈「一本」と4連勝。大将岡田賢弥とは引き分けて5人抜きはならなかったが、不戦4人で順当に初戦を突破。3回戦は東海大星翔高(熊本)を相手に今度こそと奮起した金子が5人を抜き去り、不戦4人でこれも快勝。

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5回戦、東海大相模高の次鋒有馬雄生が約50キロの体重差を跳ね返し、北海高の工藤夕馬から片手の袖釣込腰「一本」

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引き分け目前の残り数秒、北海高の大将杉本将一朗が東海大相模高の中堅工藤海人から大内刈「技有」

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東海大相模は副将山本銀河が畳に残った杉本から払巻込で2つ目の「技有」、これで勝負を決めた。

柴田高(宮城)を畳に迎えた4回戦は金子が僅差の優勢と内股「技有」で2人を抜き、次戦を引き分けて3人を賄う形で退場。次鋒藤島将太が副将小畑詩音と引き分け、最後は中堅工藤海人が相手方のエース菅原幸大にチャンスを与えぬまま手堅く引き分けて5回戦進出決定。

5回戦はここまで前評判通りの強さを発揮、エース杉本将一朗を座らせたまま松山聖陵高(愛媛)、足立学園高(東京)、長崎日大高(長崎)を下して順調に勝ち上がって来たシード校・北海高(北海道)とマッチアップ。

東海大相模はこの試合から近藤那生樹を先鋒に、有馬雄生を次鋒に入れて本命オーダーを完成。負傷明けの近藤だが体重110キロの丸山弘貴を内股「技有」で抜くと、次鋒竹下徹と引き分けて退場。続いて登場した次鋒の73kg級県代表有馬雄生は工藤夕馬との体格差に苦しめられたが、片手の右袖釣込腰から頭を突っ込んで横回転で投げ切る手練れの技で「一本」奪取。さすがの一撃であったが、しかし続く副将高階裕斗の圧力は克服出来ず「指導3」を奪われて1勝1敗で退場。

ここからは抜き合いとなり、畳に残った高階を東海大相模の中堅工藤海斗が小外掛と隅落の合技「一本」で破り、続いて今大会初めて畳に上がった北海の大将杉本将一朗が工藤を大内刈「技有」で抜き返す。試合終了間際、工藤は引き分け直前であったが杉本の激しい攻めに集中力を削がれたか不用意に抱きに出てしまい、ここに大内刈を合わせられてしまった。東海大相模としては勝利を目前にしての不首尾、北海が追いすがられてしまうという難しい展開である。

しかし1人差リードで登場した東海大相模の副将山本銀河が気合いの入った試合を披露、杉本に角度のないところから左大内刈を突っ込み、後襟を四指で制して回し切ってまず「技有」。さらに足車から払巻込に連絡して強引に投げ切り、あっという間に2つ目の「技有」を奪うまさに快勝。これで北海を突き放した東海大相模が、不戦1人(2人残し)で作陽の待つパートファイナルへと勝ち上がりを決めた。

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先鋒戦、近藤那生樹が内股で攻め続け「指導2」を得る

【Cパート6回戦(パート決勝)】
作陽高〇大将同士△東海大相模高
(先)佐藤良平△優勢[僅差]〇近藤那生樹(先)
(次)高橋寛×引分×近藤那生樹(先)
(中)半田壮×引分×有馬雄生(次)
(副)嵐大地×引分×工藤海人(中)
(大)高橋翼〇横掛(1:34)△山本銀河(副)
(大)高橋翼〇合技[大内返・袈裟固](3:30)△菅原光輝

先鋒戦は佐藤良平が右、近藤那生樹が左組みのケンカ四つ。近藤は体を寄せて鋭い内股を2連発。佐藤は手先を絡ませて間合いを作っては右一本背負投に潰れて試合を流さんとするが、近藤はまず足を差し入れての内股、さらに手順を変えて引き手から持っての内股と手を休めず、佐藤の頭を掌で押し下げる巧い動きも見せてこの内股一択で主導権を掌握。佐藤は1分50秒「指導2」を失うが、畳に立ち続けることこそ仕事とばかりに手先を絡ませて間合いを取り、右背負投に潰れ続ける。残り30秒を過ぎると近藤疲労の色が急激に濃くなり、このままこの試合は終了。僅差の優勢で近藤が畳に残り、東海大相模が1点先制。

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第3試合、有馬雄生は半田壮の圧力を捌きかねて苦しい試合

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作陽の大将高橋翼は右小外刈を当てるなり高く差し上げて体を捨て、山本銀河から「一本」

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高橋は東海大相模の大将菅原光樹も大内返で「丸のみ」、「技有」を得る。

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高橋そのまま抑え込んで合技「一本」

第2試合は左相四つ、高橋は癖のある小外刈で踵に触り続けて牽制。相手の「癇に触れる」ようなこの技にも近藤集中を切らず、要所で鋭い左内股と大内刈の連携でこれぞという場面を作るが高橋いずれもぎりぎりで柔らかく腹這いに落ち、決して得点を許さない。抱き、絡むうちにやがて近藤の刃から光が失せはじめ、残り18秒には双方に消極的との咎で「指導」。この試合はそのまま引き分けとなった。

第3試合はこの試合から投入された半田壮が左相四つの有馬雄生に圧力を掛け続け、むしろ有利。組み負ける有馬は横落に逃れ、膝を屈して潰れてと苦しい時間が続く。余裕の出て来た半田は有馬のクロス組み手からの大外巻込を待ち構えて返さんとするなどペースを完全掌握。しかし有馬残り1分半からはもはや引き分けで良しと無事畳を降りることに腐心の構え。半田以後も組み勝ち続けるがこうなると逆に詰め切るだけの取り味はなく、この試合もそのまま引き分けに終わった。続く副将嵐大地と中堅工藤海人の対戦は互いの属性が噛み合う形で手堅い展開のまま引き分けとなり、東海大相模のリードは継続。作陽は1人差ビハインドで大将高橋翼が出動することとなる。

この第5試合は高橋が右、東海大相模の副将山本銀河が左組みのケンカ四つ。今大会好調気配の山本は背筋を伸ばして強敵高橋に対峙、圧をまともに食わぬようにうまくいなしながら前に出、高橋の左一本背負投も立ったまましっかり捌く。しかし1分34秒、高橋がゆったりと右小外刈。あまりのスローさに山本が思わず接触を許すと、高橋いきなり体を捨てて横掛に連絡。「スローカーブでバットを折る」とでも言おうか、捕まえて捨てればすべては解決。作りや崩しなどおかまいなしの型破りの発想とその圧倒的なパワーの前に山本いきなり吹き飛ばされて「一本」。場内をどよめきが包む。

続く大将対決は畳に残った高橋、菅原光輝ともに右組みの相四つ。今年度全日本カデ90kg超級王者の本格派・菅原はこれも非常に上手く高橋に対峙。まず釣り手から襟を持ち、高橋の奥襟来襲は顔を横に向けることでこれを許さず、1分30秒には両襟の右大外刈で高橋を仰け反らせて腹這いに叩き落とす。続く展開でも脇を突き、高橋のクロス組み手を抜け出し、再び両襟の右大外刈一撃。これは待ち構えた高橋が大外返を試みて菅原腹這いに落ちるが、ここまでは菅原が高橋に捕まらぬまま、健闘。

菅原は続いて「ケンカ四つクロス」の形で相手の左を抱く形を経て、両襟の相四つ横変形に構えを変える。ここまでは非常に巧かったが技の選択に色気を出し、待ち構える高橋に対して右大内刈を一撃。これまで大外刈が効いていたことで、これを餌に技を変えたか。初めて放たれた、掴まえやすいこの「体の内側への技」を高橋は逃がさず、瞬間スピードアップして豪快大内返一閃「技有」。そのまま袈裟固に抑え込むともはや菅原動けず3分30秒「一本」。熱戦ここに決着し、作陽がベスト8入り決定。高橋に繋ぎ、高橋を生かす。今代作陽の必勝パターン見事に嵌った、会心の戦いであった。

■ Dパート
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2回戦、先鋒戦で木更津総合高の松本匡平が専大玉名高の北村優真から内股「一本」

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4回戦、京都学園高の次鋒櫻井秀虎が木更津総合高の次鋒森海南杜から燕返「技有」

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4回戦、中堅同士の対決で木更津総合高の飯田空翔が京都学園高・金山剛史から小外掛「技有」

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5回戦、次鋒同士の第2試合で木更津総合高の北條嘉人が阿波高・天羽翼から小外刈「技有」

シード校:木更津総合高(千葉)、鹿児島情報高(鹿児島)
パート決勝カード:木更津総合高(千葉) - 延岡学園高(宮崎)

シード校木更津総合高のスターティングは先鋒から松本匡平、森海南杜、飯田空翔、稲辺嵩斗、金澤聡瑠。補欠には決戦兵力として66kg級高校選手権王者の唯野己哲と73kg級の北條嘉人の軽量2枚を残した。

2回戦の専大玉名高(熊本)戦は先鋒松本が3勝1分けで4人を賄い、次鋒森が残る1人を抜いて不戦3人で勝利。続く玉野光南高(岡山)戦は奮起した松本がまず内股、次いで小外掛、続いて浮落と隅返の合技、さらに背負投2つの合技、そして大腰と5つの「一本」を並べて5人抜きを達成。一気に対戦相手のレベルが上がった京都学園高(京都)との4回戦もこのオーダーを継続、先鋒松本が山田晃輝と引き分け、続く次鋒森が櫻井秀虎に燕返「技有」で敗れて前衛2枚で1人差のビハインドとなったが、今大会初めて畳に上がった中堅飯田空翔が櫻井を「指導3」の反則で抜いて追いつき、続く中堅金山剛史を小外掛「技有」で退けて1人差リード。飯田は3戦目の副将阿部侑太戦を引き分けてリードを保ったまま退場。続いて畳に上がった副将稲辺嵩斗も大将上田泰介と手堅く引き分け、1人差リードを保ったまま2勝1敗3分けの不戦1人で勝利を決めた。

阿波高(徳島)を畳に迎えた5回戦は、決戦兵力2枚のうちからまず次鋒に北條嘉人を投入。先鋒松本の引き分けを受けて登場した北條は次鋒天羽翼を小外刈と横四方固の合技「一本」、中堅宗石聖音を内股「一本」と2人を抜くが、副将堀田孝起には内股「技有」を奪われた末に「指導」3つを失っての反則負け。スコアは木更津総合の1人差リードに戻る。ここからは中堅飯田が畳に残った堀田を引き分けで止め、続いて登場した稲辺も大将西岡輝とそれぞれ大外巻込「技有」に払腰「技有」を取り合ってこれも引き分け。ここで阿波は戦力が尽き、木更津総合が不戦1人でパートファイナル進出を決めた。

逆側の山からは延岡学園高(宮崎)が九州勢との連戦を制してパートファイナル進出。2回戦の五條高(奈良)戦、3回戦の広島学院高(広島)戦は先鋒長澤樹と次鋒小川剛生までで10人を賄って大過なし。勝負どころの4回戦は先鋒を吉野天成に入れ替えて全九州大会2位のシード校・鹿児島情報高(鹿児島)とマッチアップ、4試合連続の引き分けを受けて畳に上がった大将戸高淳之介が田中航太から延長戦の末に腕緘「一本」を奪うという劇的展開でこの大山場を乗り越えた。続く九州大会3位の九州学院高(熊本)との一番は次鋒対決で小川が濵﨑龍真から挙げた僅差優勢の1点をテコに優位に試合を進め、最後は副将中西隆翔が岩永洸輔から足車「一本」で勝利。2勝0敗3引き分けの手堅いスコアで試合をまとめ、木更津総合の待つ6回戦へと駒を進めることとなった。

【Dパート6回戦(パート決勝)】

木更津総合高〇大将同士△延岡学園高
(先)唯野己哲〇優勢[技有・袈裟固]△吉野天成(先)
(先)唯野己哲△大内返〇小川剛生(次)
(次)北條嘉人〇裏投△小川剛生(次)
(次)北條嘉人〇裏投△久保田大樹(中)
(次)北條嘉人△反則[指導3]〇中西隆翔(副)
(中)飯田空翔△大外刈〇中西隆翔(副)
(副)稲邉嵩人×引分×中西隆翔(副)
(大)金澤聡瑠〇袈裟固△戸高淳之介(大)

木更津総合は満を持して先鋒に唯野己哲を投入、ベストオーダーで臨んだが、この唯野と北條の攻撃力の高さ、そして軽量ゆえの防壁の脆さという木更津総合前衛の属性がこれも小川、中西と攻撃型を揃えた延岡学園の布陣と噛み合ってしまう形で、試合は副将同士の対決に至る6戦で引き分けがゼロ、ともに3勝を挙げるという大乱戦。迎えた大将同士の対決で、金澤聡瑠が戸高淳之介を袈裟固「一本」に仕留めてついに激戦に終止符が打たれた。シード校木更津総合、総力戦を制して全国高校選手権に続くベスト8入り決定。

■ Eパート
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2回戦、大牟田高の先鋒廣吉弘樹が松本第一高の副将内堀太貴から小外掛「一本」

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4回戦、大牟田高の次鋒松尾伊織が成田高の副将荘司英寿から内股透「一本」

シード校:大牟田高(福岡)、沖縄尚学高(沖縄)
パート決勝カード:大牟田高(福岡) - 宮崎日大高(宮崎)

地元の大声援を背に、優勝候補の大牟田高が登場。スターティングは先鋒から廣吉弘樹、松尾伊織、石本慎太郎、服部大喜、森健心。上位対戦に備えて補欠に竹市大祐と久保田皓晴を取り置いた。

組み合わせは初戦から松本第一高(長野)との対戦というここだけ見ればなかなかタフな配置。この2回戦は廣吉が小外掛「一本」、小外掛「一本」、内股「一本」、小外掛「一本」と順調に4連勝。大将角田丈とは「技有」を取り合って引き分けたため5人抜きはならなかったが、チームとしては順調な滑り出し。続く3回戦の横浜修悠館横須賀高(神奈川)戦は廣吉が前戦の悔しさを晴らすかのように「一本」を5つ並べて5人抜き達成。4回戦の成田高(千葉)戦は廣吉が1勝1敗で退場、初めて出番が巡って来た松尾伊織が畳に残った次鋒高橋怜仁を大内刈「一本」、縦四方固2回の合技「一本」、内股透「一本」と3人を抜き、最後は大将赤間翔太と引き分けてフィニッシュ。不戦2人でこの試合も大過なし。迎えた5回戦の明大中野高(東京)戦も廣吉の2勝1分け、松尾の2連勝とすべて「一本」の4勝1分けという圧勝。山場はないが見せ場は十分、前衛2人のみでここまでを賄ってパート決勝進出を決めた。

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6回戦、大牟田高の次鋒竹市大祐が宮崎日大高の中堅都甲崇将からわずか11秒の袖釣込腰「一本」

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宮崎日大高は副将染矢兼玖が竹市大祐から意地の大内刈「一本」奪取

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大牟田は副将石本慎太郎が畳に残った染矢を内股「一本」で抜き返す

九州地区の有力校対決の様相となった逆側の山からはインターハイ県予選2位の宮崎日大高(宮崎)がパート決勝へ。2回戦で水戸葵陵高(茨城)を3勝0敗2分けの不戦3人、3回戦は関西創価高(大阪)を先鋒宮崎雅大の「一本」5つの不戦4人で下し、4回戦は東海大諏訪高(長野)との打ち合いを5勝3敗0分けの不戦1人で突破。シード校沖縄尚学高(沖縄)との5回戦は大将同士の対決で北島凌が山里健太から払巻込「一本」で勝利し、大牟田への挑戦権を得ることとなった。

【Eパート6回戦(パート決勝)】

大牟田高〇不戦2人△宮崎日大高
(先)久保田皓晴×引分×白波大喜(先)
(次)竹市大祐〇小外掛△中村洸晟(次)
(次)竹市大祐〇袖釣込腰△都甲崇将(中)
(次)竹市大祐△大内刈〇染矢兼玖(副)
(中)石本慎太郎〇内股△染矢兼玖(副)
(中)石本慎太郎×引分×北島凌(大)
(副)服部大喜
(大)森健心

大牟田はここで決戦兵力である久保田皓晴と竹市大祐を投入し、本命オーダーを完成。久保田の引き分けを受けて登場した竹市は動き極めて良く、中村洸晟を小外掛「一本」、都甲崇将を袖釣込腰「一本」とあっという間に2連勝。

しかし宮崎日大の好選手・染矢兼玖の鋭い大内刈を食ってひっくり返りまさかの「一本」失陥。文句なしの鮮やかな一撃に、竹市思わず天を仰ぐ。試合自体は今大会初登場の2年生中堅石本慎太郎が畳に残った染矢を内股「一本」で抜き、そのまま大将北島凌と引き分けて大牟田の勝利に終着。スコアは不戦2人の圧勝であった。自身の高い機動力ゆえに食った竹市の一発が今後に一抹不安を感じさせたが、大牟田は前衛3枚まででベスト8に勝ち残り、ここまでの道のりはまことに順調。十分力を残して、準々決勝以降の対戦に備える。

■ Fパート
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3回戦、前戦1戦1分けに奮起した桐蔭学園高の先鋒山本成寿が杵築高の西水洸介から内股「一本」。山本はこのまま4連勝。

シード校;桐蔭学園高(神奈川)、大成高(愛知)
パート決勝カード:桐蔭学園高(神奈川) - 大成高(愛知)

それぞれに山場となる対戦はあったが、シード扱いを受けた桐蔭学園高と大成高の2チームが順当にパート決勝に勝ち残った。

桐蔭学園のスターティングは先鋒から山本成寿、中野智博、持田龍己、町方昂暉、安藤健志。ポイントゲッター2枚の配置を割って、中野に抜き役を、安藤に最後の砦を担わせようという構え。2回戦の東海大札幌高(北海道)戦はいきなり先鋒山本成寿が瀬部晟也と引き分けるという難しいスタートであったが、ここから中野が大外巻込「一本」、大外巻込と内股の合技「一本」、払巻込「技有」優勢と3人を抜く活躍。しかし中野はこの副将中村亮介との3戦目の時点で既に消耗し切っており、この試合も引き分けを目前にした最終盤に「技有」を「取れてしまった」という印象。続いて戦わねばなくなってしまった大将小林修斗との4試合目はそれでもなんとか相手を消耗させんと粘ったが、大内刈を食うと力なく転がってしまい一本負け。この中野の頑張りを受けた2年生中堅持田龍己の小外刈と袈裟固の合技「一本」で抜き返して試合自体は勝利したものの、桐蔭学園は決して万全とは言えない立ち上がり。続く3回戦の杵築高(大分)戦は奮起した先鋒山本が4勝1分け、1人でこの試合を賄って快勝。

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4回戦、桐蔭学園高の次鋒中野智博が加藤学園高の中堅渡邉爽偉から内股「技有」

勝負どころと目された加藤学園高(静岡)との4回戦は、先鋒を佐々木光太朗に入れ替えて対峙。佐々木の引き分けを受けた次鋒中野が宇佐美一誠と渡邉爽偉をいずれも「技有」優勢で抜くが、続く副将小田春樹に「指導3」で抜き返されるという緊迫の展開。持田が畳に残った小田を合技「一本」で抜き返し、勝ち残った持田を加藤学園の大将深井大雅が内股巻込「一本」で破ってと以後は打ち合いの形となったが、ここで桐蔭学園は副将町方昂暉がしぶとく戦い、深井をしっかり引き分けで止める。結果、大将安藤健志1人を残して桐蔭学園の勝利が決定。

山場を越えた桐蔭学園は5回戦で新田高(愛媛)とマッチアップ、中野の2勝(1敗)、持田の2勝をテコに不戦2人で手堅く勝利を決めた。持田は大将竹本舜を相手に小外刈に払釣込足と得意の足技2発による合技「一本」という快勝。チームが一段勢いづいた形で、パート決勝へと駒を進めた。

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勝負どころの4回戦、大成の中堅佐々木健翔が東海大高輪台高の副将柴野明紀を攻める

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東海大高輪台高は大将石村健真が攻めまくるが、大成の副将三浦啓瑚は揺るがず

一方の大成は序盤から1年生先鋒の中山康が出色の働き。初戦(2回戦)から神港学園高(兵庫)という簡単ではない相手を畳に迎えたが、この中山が小外刈「一本」、大内刈「一本」、大内刈と内股の合技「一本」、大内刈「技有」優勢に同じく大内刈「技有」優勢と圧巻の5人抜き。中山は続く3回戦の北陸高(福井)戦もオール「一本」で5人を抜き去り通算10人抜きを達成。次鋒以下に仕事をさせぬまま最初の勝負どころである東海大高輪台高(東京)戦までチームを導く。

この試合も中山は牧口拓夢を小外刈2発の合技「一本」で破って快調なスタート。しかし続く次鋒石間勇斗に小内巻込「一本」で敗れ、大成はここで初めて次鋒以下が畳に姿を現すこととなる。小林大輝が畳の残った石間と引き分けて展開を繋ぎ、中堅同士による第4試合では中堅佐々木健翔が的場光太朗を力強い大外刈「一本」で破る。この1勝が非常に大きかった。東海大高輪台はここから副将柴野明紀、大将石村健真とポイントゲッターを連続で配置しているが、ともに相手が勝負に来てこそ力を発揮するタイプ。強豪・大成を相手にビハインドを追いかける展開は厳しく、柴野は佐々木が、続く石村は副将三浦啓瑚ががっちり止めて終戦。大将大竹龍之介を座らせたまま、不戦1人で大成の勝ち抜けが決まった。

5回戦の西日本短大附高(福岡)戦は先鋒戦で中山が山城悠雅に優勢負けを喫したが、ここから小林大輝がいずれも「一本」で3連勝という大活躍。副将出口優斗を相手に引き分けてしっかり襷を繋ぐと、最後は中堅佐々木が髙崎楓馬から支釣込足「一本」。不戦2人の快勝で桐蔭学園の待つ6回戦へと駒を進めることになった。

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6回戦、大将同士の対決で大成の大竹龍之助が桐蔭学園・安藤健志から内股「技有」

【Fパート6回戦(パート決勝)】

大成高〇大将同士△桐蔭学園高
(先)中山康〇大外刈△佐々木光太朗(先)
(先)中山康△合技[一本背負投・横四方固]〇中野智博(次)
(次)小林大輝△内股〇中野智博(次)
(中)佐々木健翔×引分×中野智博(次)
(副)三浦啓瑚〇大外刈△持田龍己(中)
(副)三浦啓瑚×引分×町方昂暉(副)
(大)大竹龍之助〇優勢[技有・内股]△安藤健志

総戦力と、大将に座るエースの取り味を比べれば大成高が上。桐蔭学園の勝利には次鋒の2年生ポイントゲッター中野の複数枚抜きと、相手方の大将大竹を迎える際の数的優位が必須という一番。勝敗の重心は前半戦にあるはず。

大成はこの試合も先鋒に残った1年生中山が佐々木を大外刈「一本」で抜くという最高のスタート。しかし1点ビハインドの桐蔭学園は中野が中山を合技「一本」で抜き返し、続く次鋒小林をも内股「一本」で抜き去って逆にリードを作り出す。中野は中堅佐々木を引き分けで潰して退場、前衛戦のシナリオは桐蔭学園が獲った形。

しかし続く第5試合は、大成の副将三浦啓瑚が持田龍己を大外刈「一本」で退ける。この1勝は非常に効いた。三浦は続く副将同士の対決で町方昂暉と引き分け、タイスコアのままエース大竹に襷を繋ぐ。

大将同士の対決は大竹龍之介が右、安藤健志が左組みのケンカ四つ。これぞの試合は抱き勝負しかない一発屋大竹に対し、粘戦タイプの安藤が得意の一本背負投連発攻撃に打って出れば試合は縺れるやに思われたが、意外にも安藤は逐一奥襟を叩き返して大竹の密着勝負につきあう策。あるいは体格的なアドバンテージを信じ過ぎたか、この戦術選択が致命傷。大竹得意の内股をまともに食らって「技有」失陥。このまま試合は終了となり、大竹の「技有」優勢により大成の勝利が確定した。

桐蔭学園は持田龍己の成長により1枚計算できる駒が増えたが、攻撃カードあと1枚の不足が最後まで補えなかった。とはいえこの苦しい1年を高校選手権ベスト8、金鷲旗ベスト16という成績で乗り切ったことは立派。チーム結成時の駒と総体戦力から考えれば、大健闘の代であったと言える。

■ Gパート
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2回戦、日体大荏原高の次鋒山城和也が同朋高の副将中島臣哉から背負投「技有」

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2回戦、日体大荏原は中堅平山才稀が出動、同朋の大将小池倫太朗から小外掛「一本」

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4回戦、開星高の中堅下田雄太が藤原秀奨から出足払「一本」

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5回戦、日体大荏原高の中堅平山才稀が名張高の副将新井総馬から払巻込「一本」

シード校:日体大荏原高(神奈川)、田村高(福島)
パート決勝カード:日体大荏原高(神奈川) - 天理高(奈良)

全国高校選手権3位の日体大荏原高のスターティングは先鋒から木下颯王、山城和也、平山才稀、海堀陽弥、グリーンカラニ海斗。補欠には藤原秀奨と島本真司郎を残した。ダブルエースのうち平山を敢えて中堅に前出しして抜き役、あるいは波に乗った相手への防壁を担わせるという、なかなか野心的な布陣である。

他チームに比べれば序盤戦の組み合わせには恵まれたが、73kg級の木下と81kg級の山城の2枚を押し立てて戦うこの段階は決して圧勝続きとはいかなかった。同朋高(愛知)とマッチアップした2回戦は木下が袖釣込腰で一本勝ちも続く次鋒小林幹太に敗れて退場、続く山城はここから小外刈「一本」、合技「一本」、合技「一本」と3人を抜いたが大将小池倫太郎には大腰「一本」で敗れる不首尾で結局初戦から主戦が登場することとなる。中堅平山才稀が畳に残った小池を小外掛「一本」に斬り落として勝利決定。続く3回戦の宇和島東高(愛媛)戦は先鋒戦で木下が竹長政弥に小内巻込「一本」を食って黒星スタート。山城が2勝1分けでスコアを整え、1人差リードで登場した中堅平山が副将土井大騎を小外掛「一本」、次いで大将大森寛太と引き分けてこの試合も不戦2人で勝利を決める。

4回戦は中堅に100kg超級の強者下田雄太を配する開星高(島根)とマッチアップ。この試合から先鋒に藤原秀奨、次鋒に島本真司郎を投入していよいよベストオーダー完成。藤原は新井匠を大外刈「一本」、西垣紫穏を内股「一本」と順調に星を積んだが、中堅下田には鮮やかな出足払を食って一本負け。続く駒が軽量の島本であることもあって下田がこのまま一気に走る展開も想起されたが、島本が粘りに粘って引き分けをもぎ取ると試合の行方はほぼ見えた印象。続いて登場した平山が副将田窪成将を「指導3」、大将清水颯真を小外刈「一本」に仕留めて終戦、終わってみれば失点は藤原が下田に喫した1点のみでこの試合も最終スコアは不戦2人、圧勝で5回戦進出決定。

5回戦の相手は、県予選で全国大会上位候補の四日市中央工高を倒した強豪・名張高(三重)。先鋒藤原は伊藤好誠と引き分け、次鋒島本は宮藤健太郎から内股「一本」、中村将大から背負投「一本」と2人を抜く素晴らしい仕事ぶり。続く副将新井総馬には小外刈「一本」で敗れたが、続いて登場した中堅平山がこの新井を払巻込「一本」、大将山本亮我を浮落と後袈裟固の合技「一本」で仕留めて終戦。日体大荏原はここまでの4戦すべて不戦2人、いずれも中堅平山までで勝負を決めている。平山の前出し策がこの時点ではしっかり嵌ったということになるが、パート準決勝が終わったこの段階で既に7試合(最終日に限れば4試合)を戦った平山の残存体力が一抹不安というところ。

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4回戦、大将同士の対決で天理高の井上直弥が東海大浦安高・山口璃空から大外刈「一本」

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5回戦、副将同士の対戦で天理高の池田凱翔が田村高・橋本健太を激しく攻める

下側の山はシード校田村高と天理高(奈良)の2強によるマッチレース、両校の激突は5回戦で組まれた。

田村は先鋒佐井川陽舜が初戦(2回戦)から13人抜きを果たし、4回戦の慶應義塾高(神奈川)戦では相手方のエース秦七伎に2勝を献上したものの副将橋本健太までで試合を収めて順調な勝ち上がり。天理も先鋒平見陸の8人抜きをテコに2回戦と3回戦は圧勝、4回戦の東海大浦安高(千葉)との試合は取って取られての大激戦、副将池田凱翔が大将山口璃空に袖釣込腰「一本」で敗れて大将戦までもつれることとなったが、延長戦で井上直弥がこの山口から大外刈「一本」を奪って勝利。田村との決戦に辿り着いた。

この5回戦は先鋒戦と次鋒戦が引き分け。中堅鈴木太陽が片山雄心を大内刈「一本」で破って天理がリードを得るも、田村は副将橋本健太が内股返「技有」で抜き返して譲らず。しかし副将同士の対決で池田凱翔が橋本を執念の「指導3」で破り、これが事実上の決勝点。リードを得た天理は畳に残った池田が大将鈴木直登をも引き分けで止め、不戦1人でパート決勝へ駒を進めることとなった。

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6回戦、中堅同士の対戦で天理・鈴木太陽が大外刈。平山才稀裏投で返そうとするが、裁定は鈴木の「一本」

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海堀陽弥が池田凱翔から合技「一本」、殊勲の2人抜きで日体大荏原は1人差をリード。

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大将同士の対決、グリーンカラニ海斗が井上直弥から大内刈「一本」

【Gパート6回戦(パート決勝)】

日体大荏原高〇大将同士△天理高
(先)藤原秀奨×引分×小原龍太郎(先)
(次)島本真司郎△優勢[技有・払腰]〇佐藤輝斗(次)
(中)平山才稀〇反則[指導3]△佐藤輝斗(次)
(中)平山才稀△大外刈〇鈴木太陽(中)
(副)海堀陽弥〇反則[指導3]△鈴木太陽(中)
(副)海堀陽弥〇合技[内股・袈裟固]△池田凱翔(副)
(副)海堀陽弥△反則[指導3]〇井上直弥(副)
(大)グリーンカラニ海斗〇大内刈△井上直弥(副)

先鋒戦以降の7試合で引き分けがゼロという大熱戦。日体大荏原の平山才稀、海堀陽弥、グリーンカラニ海斗の後衛3枚、天理の佐藤輝斗、鈴木太陽、井上直弥がそれぞれ持ち味を発揮したことで、取って取られての乱戦となった。

盤面を眺めれば、大将の力比べでは高校選手権無差別2位のグリーンカラニ海斗が勝るという読みが全体を支配した試合と観察される。大型同士の対戦が得手のグリーンに対し、天理としては出来れば副将の池田凱翔を当てて止めに掛かりたいはずであったが、この意図を日体大荏原の2年生副将海堀陽弥が打ち砕いた。ビハインドで襷を受けながら、中堅鈴木太陽と副将池田のポイントゲッター2枚を立て続けに抜く大活躍。そのまま大将井上直弥を畳に迎えることとなる。

この試合は海堀に「指導2」が与えられての残り20秒、井上が相手の徹底した袖絞りを嫌ってこれを叩き切ってしまうミス。本来ならばここで井上に「指導1」が与えられて、引き分けで終戦である。天理高ベンチもこの事態やむなしと判断し「行くしかないぞ!」との絶叫が響いたが、しかし審判団はわざわざ合議を招集しながら事象を噛み砕けず、なぜか両者に消極的の「指導」を与えるという不可解な裁定。これで「指導3」を失った海堀の負けが決まり、井上は命拾い。

この意外な裁定を経て迎えた大将同士の対決は、しかしグリーンの大内刈「一本」による勝利に終着。日体大荏原、総力戦を制してベスト8入り決定。

■ Hパート
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5回戦、崇徳高の次鋒徳持英隼が東海大福岡高の中堅大坪澪弥から内股「一本」

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5回戦、崇徳高の中堅福本佑樹が東海大福岡高の大将斎藤滉翔から支釣込足「一本」

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5回戦、大将同士の対決で佐賀商高・小畑大樹が東福岡高・中村建人を相手に、「やぐら投げ」からの内股で一本勝ち。

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6回戦、小畑大樹を福本佑樹がしっかり止めて、崇徳のベスト8入りが決定。

シード校:崇徳高(広島)、長崎南山高(長崎)
パート決勝カード:崇徳高(広島) - 佐賀商高(佐賀)

上側の山はシード校崇徳が順当に勝ち上がり。スターティングは先鋒から萩俊祐、徳持英隼、福本佑樹、毛利允弥、福永夏生。補欠に飯田恒星を残したのみのベストオーダーに近い構成である。2回戦の鹿児島実業高(鹿児島)戦は萩の1勝1分けを受けた徳持が2勝1敗でリードを「2」に広げて退場。畳に残った大将山元隆一を中堅福本佑樹が合技「一本」で抜き、スコア2人残しで勝利決定。続く3回戦は早鞆高(山口)を相手に、1引き分けを受けた次鋒徳持が残る4人を抜き去って不戦3人の快勝。先鋒を飯田恒星に入れ替えて本命オーダーで臨んだ4回戦の東海大甲府戦は4連続引き分けを受けた大将同士の対決で福永夏生が米山正剛を内股「一本」で抜いて勝ち抜き、5回戦の東海大福岡高(福岡)戦は次鋒徳持の2勝1分け、中堅福本佑樹の一本勝ちをテコに3勝0敗2分け、不戦2人の手堅い戦いで勝利を得た。

下側の山からは全九州大会3位の佐賀商高(佐賀)が勝ち上がり。2回戦は石巻工高(宮城)を先鋒宮﨑應輔の4人抜きをテコに、5勝2敗0分けの不戦2人、日大高(神奈川)との3回戦は代わって入った先鋒田中龍馬の5人抜きで快勝。続くシード校長崎南山高(長崎)との4回戦、東福岡高(福岡)との5回戦はいずれも大将同士の対決でエース小畑大樹が一本勝ち。堂々のベスト16入りを決めた。

【Hパート6回戦(パート決勝)】

崇徳高〇不戦2人△佐賀商高
(先)飯田恒星〇優勢[技有・内股]△田中龍馬(先)
(先)飯田恒星△内股〇岩本敬太(次)
(次)徳持英隼〇反則△岩本敬太(次)
(次)徳持英隼×引分×寺戸将大(中)
(中)福本佑樹〇大外刈△岩瀬勝斗(副)
(中)福本佑樹×引分×小畑大樹(大)
(副)毛利允弥
(大)福永夏生

崇徳の陣容は手堅い。佐賀商が勝利を得るとしたら相手が勝負に来る展開で大将小畑が出動するシナリオ以外にないはずだが、先鋒戦で飯田恒星がジョーカーになり得る66kg級の強者・田中龍馬を潰したことで試合の流れは決まった印象。佐賀商は次鋒岩本敬太が内股「一本」で飯田を抜き返してタイスコアに持ち込むが、以後は崇徳の次鋒徳持が1勝1分け、さらに福本佑樹が大外刈「一本」で勝利してリードを「2」に広げる。最終戦は畳に残った福本が小畑をしっかり止めて引き分け。崇徳は副将毛利允弥と大将福永夏生を座らせたままベスト8入りを決めた。

この段階で、317の参加校は実に僅か8校までに絞られたわけである。
準々決勝カードは以下の通り。

国士舘高(東京) - 市立習志野高(千葉)
作陽高(岡山) - 木更津総合高(千葉)
大牟田高(福岡) - 大成高(愛知)
日体大荏原高(東京) - 崇徳高(広島)

※ eJudoメルマガ版8月6日掲載記事より転載・編集しています。

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