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【プレビュー】戦力分厚い富士学苑が優勝候補の大本命、大型ずらり揃えた地元敬愛が唯一最大の対抗勢力・第93回金鷲旗高校柔道大会女子展望

(2019年7月21日)

※ eJudoメルマガ版7月21日掲載記事より転載・編集しています。
戦力分厚い富士学苑が優勝候補の大本命、大型ずらり揃えた地元敬愛が唯一最大の対抗勢力
第93回金鷲旗高校柔道大会女子展望
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全国高校選手権を制した富士学苑高。この時は3人制体重別であったが、実は金鷲旗レギュレーションに合わせてチームを作ったのではと思われるほど、登録7枚の戦力は分厚い。

優勝候補の大本命は全国高校選手権の覇者・富士学苑高(山梨)。高校選手権は体重別3人制だったが、むしろこの金鷲旗に合わせてチームを構成したのではないかというほど、7枚の総合戦力で図抜けている。

加えて今大会ではエースでもっとも攻撃力のある黒田亜紀を中堅に「前出し」するという色気のある配列を採用した。その後を固めるのは平野友萌と瀬戸亜香音。全戦線にわたってしぶとく、手堅い選手を揃えているのが富士学苑の特徴、ただでさえこのチームにビハインドを取り返すことは困難だが、その勝敗の決定的要素と言える「リード」を作り出すために最強の駒を中堅まで前出ししたということになる。戦力の優位に戦略のアドバンテージも得て、これを乗り越えることが出来るチームを挙げるのは、かなり難しい。

桑形萌花を擁する夙川高(兵庫)、朝飛真実が絶対の得点力を誇る桐蔭学園高(神奈川)と有力校数あれど、現実的に富士学苑と伍することが出来るチームは敬愛高(福岡)以外に見当たらない。下記パート展望であらためて紹介するが、大将松澤祐栞を軸に副将丸山みかの、中堅野地川友里の重量級3枚は強力。ロースコアゲームで後半まで試合を進め、松澤の攻撃力で富士学苑の後衛を抜き去る、くらいしか今大会富士学苑の牙城を崩すシナリオは見出しがたい。地元の大声援を得て、もっともこのチームのレギュレーションに向く金鷲旗で頂点に辿り着くことが出来るか。その戦いぶり、注目である。

【Aパート】
シード校:富士学苑高(山梨)
有力校:沖縄尚学高(沖縄)

富士学苑高の勝ち上がりが確実。登録は先鋒から藤城心、田井知亜季、黒田亜紀、平野友萌、瀬戸亜香音、補欠は谷朱音と小齊穂奈美。豪華オーダーである。黒田を副将どころか2ポジション前に出して「先に抜く」ことを志向した積極配置、軽い藤城で頑張らせて谷に繋ぎ、しかも上位対戦に小齊を起用できるという分厚い戦力。やはり一段大きく抜けている。沖縄尚学は最重量級の外間蘭らを立てて、横須賀学院高(神奈川)とマッチアップ。ここを勝ちぬいてパート決勝で富士学苑に挑戦したい。

【Bパート】
シード校:藤枝順心高(静岡)
有力校:国士館高(東京)

藤枝順心高には米川明穂という大駒があり、高校選手権では元気のなかったこの選手がどこまで本来のパフォーマンスを発揮できるかがそのまま同校の成績を決める。三浦学苑高(神奈川)、国分中央高(熊本)などパート内に強者数あれど、勝ち上がりを揺らすレベルのチームとしては国士舘高を挙げておくしかない。今年もあと一歩でインターハイには出場ならなかったが、57kg級全国中学大会2連覇者・五十嵐日菜を軸に全員が良く鍛えられている。ただし周辺戦力の差とエースの体格を考えて、ここは藤枝順心を推しておきたい。五十嵐は重量選手を投げるだけの技を持っているか、米川の壁は厚いと見る。

【Cパート】
シード校:夙川高(兵庫)
有力校:桐蔭学園高(神奈川)

夙川vs桐蔭学園という魅力的なカード実現を期した、トーナメント全体を通じた最注目ブロック。夙川には桑形萌花、桐蔭学園には朝飛真実という絶対のエースがおり、桑形の脇には畑田暁菜や新名彩乃、朝飛には1年生レギュラーの江口凛という脇を固められる役者も揃っている。全体的な戦力構成からは夙川を推すべきだが、夙川は桐蔭学園を相手にするとなぜか柔道が委縮する傾向があり、取り口が良くない印象。朝飛1枚とこの相性に鑑みると桐蔭学園勝ち抜けの目も十分ありうる。パート決勝は前半戦の山と呼べる一番。

夙川の登録は先鋒から若林恵莉香、畑田暁菜、田中優希、新井万央、桑形萌花、補欠が新名彩乃と新井友那。桐蔭学園は荒川音子、長友瑠奈、猪川そよ、江口凛、朝飛真実、補欠が山北朱莉と田中はな。

【Dパート】
シード校:熊本西高(熊本)
有力校:渋谷教育学園渋谷高(東京)

熊本西は52kg級の全国高校選手権王者・白石響を補欠に取り置き、勝負どころで投入の構え。対抗馬は高校選手権57kg級王者中水流りりに63kg級関東王者谷岡成美と軽量ながら投げ一発の利く駒を2つ揃えた渋谷教育学園渋谷高。戦力の平均値の高い熊本西に、軽量ながら鋭い刃を持つ渋谷教育学園渋谷がどう立ち向かうかが見もの。

【Eパート】
シード校:埼玉栄高(埼玉)

高校選手権ではその勝負力の高さを存分に発揮、決勝まで駒を進めて再び業界をあっと言わせた埼玉栄高がシードの栄を得た。総合戦力としては厚みに欠けるが、エース佐藤星麗七を大将に座らせ、副将に体重100キロの比嘉萌、中堅に渋谷萌々音を置く後衛の布陣はなかなかの迫力。勝ち上がりを揺らすレベルのライバルはおらず、話題のチームとしては昨年度の覇者で、先月グランプリ・モントリオールでワールドツアー初優勝を遂げたばかりの48kg級選抜体重別王者・古賀若菜を擁する南筑高(福岡)を挙げておきたい。

【Fパート】
シード校:大成高(愛知)
有力校:創志学園高(岡山)、東大阪大敬愛高(大阪)、帝京高(東京)

世界カデ70kg級3位の松本りづを大将に置く大成高がシード。しかし熱いのは逆側の山。今年もインターハイ出場の栄を得た帝京高に東大阪大敬愛高、創志学園高と名門校が詰め込まれた激戦区だ。ただし、最終的には帝京と大成の一騎打ち構図と見て良いはず。

【Gパート】
シード校:敬愛高(福岡)

地元優勝を狙う敬愛高の1強ブロック。登録は先鋒から宮崎七海、辻野瑠流伽、野地川友里、丸山みかの、松澤祐栞。中堅からの重量級3枚は迫力十分、おそらく補欠の有瀬心里と貫目伶亜を決戦兵力として先鋒と次鋒に入れて最後は「重量5枚」で勝負を掛けるものかと思われる。決勝進出ほぼ確実と見ておきたい。

【Hパート】
シード校:長崎明誠高(長崎)
有力校:藤村女子高(東京)、大牟田高(福岡)

練度高い選手を揃えた長崎明誠高がシード。逆側の山は全九州大会3位の大牟田高が勝ち上がり有力の九州ブロックである。対抗馬はなかなか見当たらないが、長崎明誠が藤村女子高と戦う4回戦は山場である。

※ eJudoメルマガ版7月21日掲載記事より転載・編集しています。

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