PAGE TOP ↑
eJudo

大荒れ81kg級は19歳グリガラシヴィリがツアー初V、73kg級海老沼匡は2敗喫して5位・グランプリブダペスト第2日男子

(2019年7月14日)

※ eJudoメルマガ版7月14日掲載記事より転載・編集しています。
大荒れ81kg級は19歳グリガラシヴィリがツアー初V、73kg級海老沼匡は2敗喫して5位
グランプリ・ブダペスト第2日男子(73kg級、81kg級)
eJudo Photo
81kg級決勝、タト・グリガラシヴィリがジョアオ・マセドから左釣腰で2つ目の「技有」

ハンガリーで行われているグランプリ・ブダペスト大会は13日、大会第2日の男女合わせて4階級の競技が行われた。

サギ・ムキ(イスラエル)、ハサン・ハルモルザエフ(ロシア)、佐々木健志(ALSOK)にフランク・デヴィト(オランダ)と主役級がずらりと並んで今回こそは上位入賞者の顔ぶれ堅いと思われた男子81kg級は、それでもやはり大荒れ。この4選手全員が予選ラウンドで姿を消して入賞(7位以内)に絡めないという極端な展開の中、19歳の新鋭タト・グリガラシヴィリ(ジョージア)が優勝した。決勝はジョアオ・マセド(ブラジル)を合技「一本」で破った。

グリガラシヴィリはこれがツアー初優勝。まだまだ粗削りで前半2戦で2度「技有」を失うなど不安定さも垣間見えるが、ピンチはすべて投げて解決。投げに対する貪欲さと抜群の投げ勘の良さは、強者居並ぶジョージア勢にあっても出色。新たな主役級誕生を予感させる優勝劇であった。

日本代表の佐々木健志は前述の通り入賞なし。初戦で無名のシャミル・ボルチャシヴィリ(オーストリア)に、僅か17秒の肩車「一本」で敗れた。

eJudo Photo
73kg級3位決定戦、海老沼匡は伏兵テルマン・ヴァリエフの俵返を食って一本負け。

73kg級は第2シードのアキル・ヤコヴァ(コソボ)が優勝。決勝はダークホースのゲオルギー・エルバキエフ(ロシア)を圧倒、大内返と支釣込足の合技「一本」で勝利した。

日本代表の海老沼匡(パーク24)は山場の準々決勝でヤコヴァに苦杯。右組みのヤコヴァが組み際に引き手で右襟を握りながら鋭い右出足払、同時に釣り手で左袖を掴んで肘を送り込む理にかなった一撃に根こそぎ体を持っていかれ、一本負けを喫した。優勝候補同士の一番でもありここまではありえる範疇であったが、3位決定戦では伏兵テルマン・ヴァリエフ(アゼルバイジャン)にも俵返を食って意外な一本負け。おそらくは、胴を抱いて首裏を掌で押し下げるアゼルバイジャン式浮落の変形と思われるこの奇襲を食って表彰台も逃した。最終結果は5位だった。

各階級の入賞者と決勝の戦評、日本代表選手全試合の結果は下記。


文責:古田英毅

■ 73kg級
eJudo Photo
73kg級メダリスト。左から2位のゲオルギー・エルバキエフ、優勝のアキル・ヤコヴァ、3位のヒクマティロフ・ツラエフとテルマン・ヴァリエフ。

(エントリー59名)
【入賞者】
1.GJAKOVA, Akil (KOS)
2.ELBAKIEV, Georgii (RUS)
3.TURAEV, Khikmatillokh (UZB)
3.VALIYEV, Telman (AZE)
5.BOBOEV, Giyosjon (UZB)
5.EBINUMA, Masashi (JPN)
7.AZOIDIS, Georgios (GRE)
7.WONG, Alonso (PER)

eJudo Photo
73kg級決勝、ヤコヴァが体を捨てながらの支釣込足「一本」。

【決勝】

アキル・ヤコヴァ(コソボ)〇支釣込足(2:28)△ゲオルギー・エルバキエフ(ロシア)

エルバキエフが左、ヤコヴァが右組みのケンカ四つ。エルバキエフは奥襟を叩いて左内股で攻め、ヤコヴァは背中を抱えて対抗。38秒ヤコヴァが体を捨てる浮技様の技法で支釣込足、鋭い一撃だったがエルバキエフなんとか耐えて「待て」。これに手ごたえを得たか、ヤコヴァの進退には自信が溢れる。1分24秒、ヤコヴァが奥襟を叩くとエルバキエフ背中を抱え込んで左大内刈。しかしヤコヴァ好機とばかりに脚を高く揚げて時計回りに捩じり返し、たたらを踏んだ相手を追いかけて投げ切り1分14秒大内返「技有」。焦ったエルバキエフはタックルする形で抱きつきに掛かるが相手が良く見えているヤコヴァは一歩下がって弾き落とす。そのまま横三角を試み、捲り、腕を取り、と粛々手順を進めていつ「一本」に繋がっれもおかしくない形を連続させるが、中途で時間を掛けられ「待て」。しかしエルバキエフはこの攻防で相当に消耗した様子。続く展開、ヤコヴァ背中を握って「出し投げ崩し」で反時計回りにたたらを踏ませると、相手が体を戻す方向めがけて支釣込足。またもや体を捨てほとんど浮技という形で、しかし足裏をしっかり足首に当てたまま投げ切り「一本」。ヤコヴァ、圧勝であった。

【日本代表選手勝ち上がり】

海老沼匡(パーク24)
成績:5位


[1回戦]
海老沼匡〇GS背負投(GS2:40)△ジョヴァンニ・エスポージト(イタリア)
[2回戦]
海老沼匡〇GS大外刈(GS3:30)△フリゲシュ・サボ(ハンガリー)
[3回戦]
海老沼匡〇大内刈(0:18)△ジェフェルソン・サントス=ジュニオール(ブラジル)
[準々決勝]
海老沼匡△出足払(2:07)〇アキル・ヤコヴァ(コソボ)
[敗者復活戦]
海老沼匡〇小外刈(1:23)△ゲオルギオス・アゾイディス(ギリシャ)
[3位決定戦]
海老沼匡△俵返(1:39)〇テルマン・ヴァリエフ(アゼルバイジャン)

■ 81kg級
eJudo Photo
81kg級メダリスト。左から2位のジョアオ・マセド、優勝のタト・グリガラシヴィリ、3位のイヴァイロ・イヴァノフとアッティラ・ウングヴァリ。シード選手8名のうち表彰台に上がったのは第3シードのイヴァノフのみだった。

(エントリー66名)
【入賞者】
1.GRIGALASHVILI, Tato (GEO)
2.MACEDO, Joao (BRA)
3.IVANOV, Ivaylo (BUL)
3.UNGVARI, Attila (HUN)
5.BORCHASHVILI, Shamil (AUT)
5.DEL ORBE CORTORREAL, Medickson (DOM)
7.KHAMZA, Didar (KAZ)
7.MUSSAYEV, Ruslan (KAZ)

【決勝】

タト・グリガラシヴィリ(ジョージア)〇合技[大内刈・釣腰](2:33)△ジョアオ・マセド(ブラジル)
グリガラシヴィリが左、マセドが右組みのケンカ四つ。グリガラシヴィリ右手で相手の右袖をいったん引き寄せると釣り手を背中に叩き入れ、ベアハグの形で深く抱く。危機を感じたマセドたまらず伏せて展開を切り「待て」。試合が再開されるとグリガラシヴィリ今度は釣り手を上から背中に叩き入れ、組み際の左大内刈。マセド一瞬で転がって「技有」、ここまで僅か21秒。この判定はなぜか取り消されてしまったが、序盤からグリガラシヴィリの強さ際立つ展開。以後もグリガラシヴィリが背中を抱く強気の組み手で圧倒的優勢、マセドは寝勝負に活路を見出さんと巻き込み潰れた相手の腕を引き出して腕挫十字固を狙うがこれも通じず、開始40秒余で早くも為すべきことがなくなってきた印象。マセドの横落の掛け潰れ1回を経て、グリガラシヴィリ再び釣り手で背中を抱くと右出足払に左小内刈と素早く触り、返す刀で本命の左大内刈。マセドまったくついていけず後方遠くに吹っ飛び「技有」。ここからの寝技はマセドの必死の粘りの前に取り切れなかったが、やはり実力差は明らか。あとはどうやって試合が決まるかのみが焦点。
続く展開、グリガラシヴィリは背中を浅く得るとまずケンケンの右大内刈。たたらを踏ませる間に握りどころを後帯に変え、袖を握った引き手を腹に収めて左釣腰。低く入り、相手を前に引きずり出すと足を揚げて回旋をフォロー、体を伸ばされたマセド逆らえず緩やかに回転「技有」。合技「一本」で試合が決した。19歳の注目株グリガラシヴィリ、素晴らしい出来でワールドツアー初制覇。

【日本代表選手勝ち上がり】

佐々木健志(ALSOK)
成績:2回戦敗退


[2回戦]
佐々木健志△肩車(0:17)〇シャミル・ボルチャシヴィリ(オーストリア)

※ eJudoメルマガ版7月14日掲載記事より転載・編集しています。

→eJudoトップページに戻る
→「ニュース・マッチレポート」に戻る
→「書評・DVD評」に戻る