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土井雅子優勝、混戦70kg級はハウエルが悲願のツアー初V飾る・グランプリブダペスト第2日女子

(2019年7月14日)

※ eJudoメルマガ版7月14日掲載記事より転載・編集しています。
土井雅子優勝、混戦70kg級はハウエルが悲願のツアー初V飾る
グランプリ・ブダペスト第2日女子(63kg級、70kg級)
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ケトレン・クアドロスとの決勝を戦う土井雅子

ハンガリーで行われているグランプリ・ブダペスト大会は13日、大会第2日の男女合わせて4階級の競技が行われた。

女子63kg級は日本代表の土井雅子(JR東日本)が優勝。昨年11月のグランドスラム大阪に続くワールドツアー2つ目のタイトルを獲得した。土井は代名詞の寝技が冴え、山場のカトリン・ウンターヴルツァハー(オーストリア)との1回戦を抜き上げるような小外刈「技有」で勝ち抜くと、以後決勝まではすべて寝勝負、それも得意の横三角一択。3回戦、準々決勝、そして寝技ファイターのヤン・ジュインシア(中国)を畳に迎えた準決勝とすべてこの技術から抑え込みに繋いで一本勝ち。横三角に適していない状況でも、手順進行の節目節目で形を整えなおして最後は取り切ってしまう、熟練の技が光った。決勝は結果を得んと構え過ぎたかケトレン・クアドロス(ブラジル)を相手にほぼすべて組み手の絞り合いという慎重な試合となったが、GS延長戦「指導2」対「指導3」で勝ち抜いて優勝を決めた。

70kg級はジェンマ・ハウエル(イギリス)が優勝。勝負ところと目された準決勝のマリア・ポーテラ(ブラジル)戦を横三角からの崩上四方固「一本」で勝ち抜くと、決勝はマリア・ベルナベウ(スペイン)を合技「一本」で破った。これまで銅メダル8回、銀メダル1回獲得のハウエルは29歳にして悲願のワールドツアー初優勝達成。

各階級の入賞者と決勝の戦評、日本代表選手全試合の結果は下記。


文責:古田英毅

■ 63kg級
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63kg級メダリスト。左から2位のケトレン・クアドロス、優勝の土井雅子、3位のマイリン・デルトロ=カルバハルとヤン・ジュインシア。

(エントリー33名)
【入賞者】
1.DOI, Masako (JPN)
2.QUADROS, Ketleyn (BRA)
3.DEL TORO CARVAJAL, Maylin (CUB)
3.YANG, Junxia (CHN)
5.AWITI ALCARAZ, Prisca (MEX)
5.OZBAS, Szofi (HUN)
7.LIVESEY, Amy (GBR)
7.POHL, Dena (GER)

【決勝】

土井雅子〇GS指導3(GS1:08)△ケトレン・クアドロス(ブラジル)

右相四つ。手先の組み手争いが続き、両袖の絞り合いとなる。11秒土井に袖口を絞った咎による「指導」。42秒クアドルスの牽制の足技が相手を蹴ったものとして「指導」が与えられるがこれはすぐに取り消し。以後も引き手で先に袖を絞り込まんとする両者の意図がかち合い、ほぼ組み手争いのみで時間が推移する。土井は先に引き手で袖を折り込んだ際には片襟の右背負投を見せるが、クアドロスも妥協せず袖を絞り、両袖の膠着が続く。土井が「ケンカ四つクロス」の形で崩し技の右内股に掛け潰れた1分59秒、クアドロスに消極的との咎で「指導」。しかし直後土井にも袖口を絞り込んだ咎で「指導2」。土井が両袖から大内刈を放って腹這いに落とした直後の3分18秒クアドロスに「指導2」。試合はタイスコアのままGS延長戦へ。延長40秒、土井が引き手で袖口を握り込むと主審試合を止め、あるいは「指導3」の宣告あるかとも思われたが、さすがにこれで試合を終わらせるわけにはいかなかったのか、これはスルー。直後土井が引き手で袖を得て支釣込足、さらに両脚の蹴り上げを効かせて巴投を放つと、主審はもはやこれまでと見てクアドロスに3つ目の「指導」を宣告。これで土井の優勝が決まった。双方絶対に負けられないと慎重になったか、大枠組み手争いだけで終わった試合であった。

【日本代表選手勝ち上がり】

土井雅子(JR東日本)
成績:優勝


[2回戦]
土井雅子〇優勢[技有・小外刈]△カトリン・ウンターヴルツァハー(オーストリア)
[3回戦]
土井雅子〇横四方固(1:24)△ヴァレンティーナ・コステンコ(ロシア)
[準々決勝]
土井雅子〇GS横四方固(GS1:16)△マイリン・デルトロ=カルバハル(キューバ)
[準決勝]
土井雅子〇GS崩上四方固(GS1:06)△ヤン・ジュインシア(中国)
[決勝]
土井雅子〇GS反則[指導3](GS1:06)△ケトレン・クアドロス(ブラジル)

■ 70kg級
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70kg級メダリスト。左から2位のマリア・ベルナベウ、優勝のジェンマ・ハウエル、3位のケリタ・ズパンシックとエリザヴェト・テルツィドゥ。

(エントリー35名)
【入賞者】
1.HOWELL, Gemma (GBR)
2.BERNABEU, Maria (ESP)
3.TELTSIDOU, Elisavet (GRE)
3.ZUPANCIC, Kelita (CAN)
5.BUTKEREIT, Miriam (GER)
5.PORTELA, Maria (BRA)
7.BELLANDI, Alice (ITA)
7.LANDOLSI, Nihel (TUN)

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70kg級決勝、ハウエルが右一本背負投「技有」先取。

【決勝】

ジェンマ・ハウエル(イギリス)〇合技[一本背負投・横四方固](3:16)△マリア・ベルナベウ(スペイン)

右相四つ。ベルナベウ両襟で前進、引き手で右襟を持ったハウエルは腕を抱え込み後隅めがけてもたれかかるように右一本背負投を押し込む。押し込む時間は長かったが投げ切れず、ベルナベウが背中を抱えて止め「待て」。続いてハウエルは再び引き手で襟、釣り手は肩越しに後帯を持ち右小内巻込。これは引っ掛けきれず自ら崩れて「待て」。この小内巻込以後、ハウエルの技はほとんどすべてが右一本背負投。相手とのやりとりを拒否してひたすら一方的に右腕を抱き、右一本背負投を放ち続ける。ベルナベウ崩れながらも捌き続けるが、1分50秒、ハウエルこの形から一度右小内刈で蹴るとひときわ深く右一本背負投に座り込む。ハウエルの眼前に相手の腕が引き落とされる形となり、前に大きく崩れたベルナベウ転がって「技有」。ベルナベウなんとか打開を試みんと腕を抱えに来たハウエルの釣り手の袖を抑え、窮したハウエルが腰に手を回した瞬間思い切りよく支釣込足を閃かせるが、有効打はこの一発くらい。続いて放った横落が潰れてしまい、ハウエルは右肘を引っ張り出して強引に横三角に入り込む。状況に適った技の選択ではなく無理やり自分の得意な形に持って行った体だがベルナベウにはこれを止める技術の引き出しがなく、ハウエル脚で頭をロックすると右腕を抱え込んで上体を横断。抑え込みの形を作る。不十分であるが、ベルナベウは逆らえず10秒が過ぎ去り合技「一本」。

※ eJudoメルマガ版7月14日掲載記事より転載・編集しています。

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