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古賀若菜が五輪王者パレト破る衝撃のデビュー、57kg級のカナダ対決は出口クリスタが会心の「一本」・グランプリモントリオール2019第1日女子

(2019年7月6日)

※ eJudoメルマガ版7月6日掲載記事より転載・編集しています。
古賀若菜が五輪王者パレト破る衝撃のデビュー、57kg級のカナダ対決は出口クリスタが会心の「一本」
グランプリ・モントリオール2019第1日女子(48kg級、52kg級、57kg級)
→女子全試合結果(eJudoLITE)

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48kg級決勝、古賀若菜がカタリナ・コスタを左体落で幾度も崩す

カナダで初めてのワールドツアー大会となるグランプリ・モントリオール2019が5日に開幕。初日の女子は48kg級、52kg級、57kg級の3階級の競技が行われた。

48kg級はこれがワールドツアーデビューの高校3年生、4月の選抜体重別を制した古賀若菜(南筑高3年)が驚きの優勝を飾った。準決勝ではリオ五輪王者パウラ・パレト(アルゼンチン)と対戦。力自慢のパレトが左右の担ぎ技を打ちまくる得意の攻めを見せるも古賀は背筋を伸ばしてまったく揺るがず、切り離さんと絞っても襟を握ったその手は離れず。最後はやるべきことがなくなって消耗し切ったパレトから3つの「指導」をもぎとって勝利を決めた。決勝も階級屈指のパワーファイター、カタリナ・コスタ(ポルトガル)を振り回し、GS延長戦に左背負投「技有」を奪って優勝決定。かつては反射神経とスピードで注目を集めた古賀だが、今大会はまず体の強さで周囲を寄せ付けなかった。

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57kg級決勝、出口クリスタがジェシカ・クリムカイトから片手絞「一本」

地元カナダの強豪対決が話題を呼んだ57kg級は、予想通り出口クリスタとジェシカ・クリムカイトが決勝でマッチアップ。東京五輪代表決定に大きく影響すると目されたこの一番は僅か1分37秒、出口が片手絞「一本」で快勝。代表争いのライバルにあらためて力の差を見せつけることとなった。出口は全試合一本勝ちで、2月のグランドスラム・パリ、3月のグランドスラム・エカテリンブルクに続く今季3つ目のタイトル奪取。

各階級の入賞者と決勝の戦評、日本選手全試合の結果は下記。


文責:古田英毅

■ 48kg級
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48kg級メダリスト。左から2位のコスタ、優勝の古賀、3位のシラ・リショニーとパレト。

(エントリー15名)

【入賞者】
1.KOGA, Wakana (JPN)
2.COSTA, Catarina (POR)
3.PARETO, Paula (ARG)
3.RISHONY, Shira (ISR)
5.PERAFAN, Keisy (ARG)
5.SENTURK, Gulkader (TUR)
7.CHAKIR, Aziza (MAR)
7.SIDEROT, Maria (POR)

【決勝】

古賀若菜〇GS技有・背負投(GS4:16)△カタリナ・コスタ(ポルトガル)

古賀が左、コスタが右組みのケンカ四つ。古賀前へ前と体を運び、左体落でつんのめらせること数度。古賀の体の強さに振り回されるコスタは片手の右袖釣込腰、巴投、右袖釣込腰に横落と刹那的な技を繰り出し続けるが、古賀背筋を伸ばしたまままったく揺るがず。2分5秒に古賀がいったん左体落、続いてこの技のフェイントから左大内刈で転がし主審は「技有」を宣告。しかし映像チェックの結果これは取り消され、試合は続行となる。以降も古賀は大内刈、小内刈に体落、右一本背負投も繰り出して攻め続けるが、コスタは担ぎ技で手数を稼いで必死に畳に残る。GS延長戦3分40秒、ようやく主審が動いてコスタに「指導1」。古賀、ここで今までと組み立てを変えて右襟を両手で握っての左背負投。崩れたコスタを体で押し込んで回し切り、GS4分16秒「技有」。パワー自慢のコスタが紙のように見えた、古賀の体の強さが印象的な一番だった。

【日本代表選手勝ち上がり】

古賀若菜(南筑高3年)
成績:優勝


[1回戦]
古賀若菜〇GS反則[指導3](GS1:13)△ガブリエラ・チバナ(ブラジル)
[2回戦]
古賀若菜〇片手絞(3:19)△マリア・シデロット(ポルトガル)
[準決勝]
古賀若菜〇GS反則[指導3](GS1:23)△パウラ・パレト(アルゼンチン)
[決勝]
古賀若菜〇GS技有・背負投(GS4:16)△カタリナ・コスタ(ポルトガル)

■ 52kg級
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52kg級メダリスト。左から2位のデルガド、優勝のプリモ、3位のサラ・メネゼスとジョン・ボキョン。

(エントリー15名)
【入賞者】
1.PRIMO, Gefen (ISR)
2.DELGADO, Angelica (USA)
3.JEONG, Bokyeong (KOR)
3.MENEZES, Sarah (BRA)
5.KORKMAZ, Irem (TUR)
5.PERENC, Agata (POL)
7.EASTON, Tinka (AUS)
7.GUICA, Ecaterina (CAN)

【決勝】

ジェフェン・プリモ(イスラエル)〇GS技有・小外掛(GS1:29)△アンジェリカ・デルガド(アメリカ)

プリモが左、デルガドが右組みのケンカ四つ。ともに大腰と腰車を狙う腰技の打ち合いも、時間経過とともにデルガドの力がじわじわ展開を浸食する印象。プリモに袖口を握り込んだ咎で「指導」、続いて消極的との咎で「指導2」が与えられてデルガドが優勢。プリモは掛け潰れが増え始めて苦しい状況となる。しかしGS延長戦になると疲労ゆえかデルガドの組み手と技が粗くなり、その奥襟の叩き際を狙って背中に食いつき返したプリモが左小外掛。腰の浮いたデルガドをそのまま制し落として「技有」。ともに決定打を欠く中、執念と集中力の有無が勝敗を分けた一番だった。

■ 57kg級
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57kg級メダリスト。左から2位のクリムカイト、優勝の出口、3位のジュリア・コワルチクとティムナ・ネルソン=レヴィー。

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57kg級決勝、出口は大内刈で崩すとすかさず寝勝負への移行を開始

(エントリー11名)
【入賞者】
1.DEGUCHI, Christa (CAN)
2.KLIMKAIT, Jessica (CAN)
3.KOWALCZYK, Julia (POL)
3.NELSON LEVY, Timna (ISR)
5.LIBEER, Mina (BEL)
5.MUELLER, Johanna (GER)
7.PODOLAK, Arleta (POL)
7.TAYLOR, Kelly (CAN)

【決勝】
出口クリスタ(カナダ)〇片手絞(1:37)△ジェシカ・クリムカイト(カナダ)

右相四つ。出口の力を怖れるクリムカイトは敢えて浅く持って間合いを取るが、48秒袖口を握り込んだ咎で「指導」。続く展開、出口が引き手で袖、釣り手で前襟を持って上下に揺するとクリムカイトたまらず潰れ「待て」。予想以上に力の差がある印象。
「はじめ」が掛かると出口持つなり袖釣込腰様の右大外刈を一発。続いてまったく同じ形で一瞬大外刈に踏み込むとこれをフェイントに鋭い動きで右大内刈に連絡する。クリムカイトたまらず反転して腹ばいに落ちるがこれは既に出口の術中。あっというまに右を襟に食い込ませて片手絞、クリムカイトたまらず「参った」。大技を撒き、これを意識させておいてフェイントの後技。崩しながら既に次の行動を起こし、狙い通りのフィニッシュ。すべてがプログラムされた、意図的な行動。地力、練度ともに代表争いのライバル・クリムカイトをまったく寄せ付けなかった。

※ eJudoメルマガ版7月6日掲載記事より転載・編集しています。

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