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【即日レポート】日体大荏原高が3年ぶり2度目の優勝、決勝は連覇狙う木更津総合高を振り切る・第67回関東高等学校柔道大会

(2019年6月2日)

※ eJudoメルマガ版6月2日掲載記事より転載・編集しています。
日体大荏原高が3年ぶり2度目の優勝、決勝は連覇狙う木更津総合高を振り切る
第67回関東高等学校柔道大会男子
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男子優勝の日体大荏原高

第67回関東高等学校柔道大会は5月31日から6月2日までALSOKぐんまアリーナ(前橋市)で開催され、体重別5人制(先鋒から中堅まで73kg以下、以降無差別)で競われる男子団体戦は日体大荏原高(東京)が優勝した。同校の優勝は藤原崇太郎らを擁した64回大会以来3年ぶり2度目。

日体大荏原は軽量級枠の前衛3枚で凌ぎ、グリーンカラニ海斗と平山才稀の無差別ブロック2枚で突き放すパターンを全戦で徹底。決勝は木更津総合高(千葉)を2-1で下した。

3位には埼玉栄高(埼玉)と東海大高輪台高(東京)が入賞した。埼玉栄は桐蔭学園高(神奈川)を4-0の大差で下すなど地力を一段上げた印象、東海大高輪台は東海大相模高(神奈川)との乱戦を代表戦で制してのベスト4入り。全国高校選手権の覇者・国士舘高(東京)は課題の軽量級枠で我慢が利かず、3回戦で埼玉栄に0-2で敗れた。

決勝の戦評、入賞者と日体大荏原高・小久保純史監督のコメント、3回戦から決勝までの対戦詳細は下記。

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先鋒戦、伊藤隆祐が木下颯王を抑え込むも4秒で「解けた

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次鋒戦、島本真司郎が唯野己哲から引込返「技有」

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中堅戦、北條嘉人が小野里洋紀から大内刈「技有」

【決勝戦評】

日体大荏原高(東京) 2-1 木更津総合高(千葉)
(先)木下颯王×引分×伊藤隆祐
(次) 島本真司郎〇優勢[技有・引込返]△唯野己哲
(中) 小野里洋紀△腕挫十字固(1:42)〇北條嘉人
(副) グリーンカラニ海斗〇反則[指導3](2:37)△金澤聡瑠
(大) 平山才稀×引分×飯田空翔

先鋒戦は木下颯王、伊藤隆祐ともに右組みの相四つ。双方厳しく組み手の形を直し、木下の右背負投、伊藤の両袖を抑えての右体落と取り味のある攻防はあるものの得点の気配は漂わず。1分過ぎに木下が挑んだ寝勝負から伊藤が縦四方固で「抑え込み」の宣告を引き出す場面もあったが4秒で木下が逃れ「待て」。以降は攻めの姿勢を揺るがせず、しかし試合を壊すわけにはいかない、という両者の意図がぶつかる形でこの試合は引き分けとなる。

次鋒戦は日体大荏原前衛の中核島本真司郎に、全国高校選手権66kg級王者唯野己哲がマッチアップ。唯野相手を前に歩かせながらもろとも転がる巴投で先制攻撃。出だしは唯野にこの先の展望見える印象であったが、1分33秒に島本が唯野の足元を蹴り崩して潰し、寝技からの立ち際に引込返一発。唯野一瞬対応が遅れて背中から落ち、これは「技有」。以降唯野は猛攻、2分38秒には両脚の巴投で島本を転がす場面があったが、しかしその攻めの手立てを十分心得た島本は膝から畳に落ちてノーポイント。3分1秒島本に場外の「指導」、最終盤に「指導2」と反則ポイントが重なるがこのまま試合終了。日体大荏原が貴重な先制点を得る。

中堅戦は小野里洋紀が右、北條嘉人が左組みのケンカ四つ。陣形からも力関係からも北條は得点必須の使命を追っての登場。小野里臆せず前に出るが、北條はその前進に合わせて一瞬早く動いて抱き勝負を試みるなど極めて冷静、かつ攻撃的。50秒小野里に消極的との咎で「指導」。北條出足払に両足の巴投と技を積み、1分40秒には左内股で追いかけて大内刈に連絡、決定的な「技有」を得る。そのまま寝技に移行して、腕挫十字固「一本」。完璧な仕事ぶりでスコアは1-1、木更津総合の内容差リードで軽量級ブロックは終了となる。

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グリーンカラニ海斗と金澤聡瑠による、息詰まる「抱き勝負」

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平山才稀が飯田空翔を攻める

副将戦のエース対決はグリーンカラニ海斗が左、金澤聡瑠が右組みのケンカ四つ。引き手争いのさなかグリーンが左内股で攻め、29秒金澤にのみ「指導」。続いて1分16秒にも金澤にのみ片手の咎で「指導2」が与えられる。グリーンは一気に試合を決めんと抱き勝負を挑み、後のない金澤もこれに応じて2分過ぎから約20秒にわたって互いが腰を寄せて抱き合ったまま、ノーガードの投げからバランスを取り合う緊迫の場面が現出。これが終息した次の展開、グリーンが左大内刈で金澤を腹ばいに落とすと主審はここで合議を招集。2分37秒「指導3」が宣告されて金澤敗退決定、グリーンが勝利を得て日体大荏原は2-1と勝ち越し。

大将戦は平山才稀、飯田空翔ともに左組みの相四つ。ここまで5戦4勝の平山は体も大きくなって一段逞しさが増した印象だが、飯田の腰の太い体躯とパワーにややその攻撃は減速。1分23秒には飯田するりと左内股に入り込んで会場を沸かし、続いて左内股巻込を放つと1分57秒平山に消極的との咎で「指導」。
平山、ここまでは準決勝までと同様直線距離で勝利を求めて来た印象であったが、方針変更の気配。丁寧な組み手に足元の蹴り崩しと手堅い柔道に切り替えるとかえって優位を取り戻し、残り30秒では技が止まった飯田の側にも「指導」。このまま試合は引き分けで終了となり、トータルスコア2-1で日体大荏原の勝利が決まった。

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優勝決定の瞬間、会心の表情を浮かべる日体大荏原の選手たち

【入賞者】
(エントリー62校)
優 勝:日体大荏原高(東京)
準優勝:木更津総合高(千葉)
第三位:東海大高輪台高(東京)、埼玉栄高(埼玉)
成績優秀校:市立習志野高(千葉)、東海大相模高(神奈川)、白鴎大足利高(栃木)、桐蔭学園高(神奈川)

日体大荏原高・小久保純史監督のコメント
「後ろの2枚には自信がありました。どこも軽量級枠が強いのですが、そこを凌げれば全体では十分戦えると考えていました。決勝は島本が頑張って繋ぎ、後ろでグリーンが決めるというまさにこの良い形が出来たかと思います。(-インターハイ予選を前にひとつ良い結果が出ましたね?)いやもう、まったく(レギュレーションが)違う大会ですから。これはまた別の話です。ただ、この優勝でメンタル的に上向いたのではないかと思うので、この勢いでなんとかひっくり返してやりたい。相手(国士舘高)は日本一、全力を尽くして挑みます。」

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準々決勝、日体大荏原の副将がグリーンカラニ海斗が市立習志野高・桒田真雄から払巻込でまず「技有」。

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準々決勝、木更津総合高の副将金澤聡瑠が白鴎大足利高・澤口宗志から内股「技有」

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準々決勝、東海大高輪台高の先鋒石間勇斗が東海大相模高・滝本大翔から巴投「一本」

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準々決勝、「技有」ビハインドを負った東海大相模高の次鋒有馬雄生が東海大高輪台高・中村徳将から大内返「技有」

【三回戦】

日体大荏原高(東京) 4-0 横浜高(神奈川)
(先)木下颯王〇上四方固(0:40)△白井岳
(次)島本真司郎〇合技(2:40)△横山慶成
(中)小野里洋紀〇小内刈(0:39)△下里成巳
(副)グリーンカラニ海斗〇反則(2:48)△ニャンババカル
(大)平山才稀×引分×髙橋真輝

習志野高(千葉) ②代-2 東海大甲府高(山梨)
(先)子安麟太郎〇優勢[技有]△古川要
(次)後藤颯太△内股(0:18)〇新井大翔
(中)市川晃次郎〇内股(2:54)△渡邊光輝
(副)桒田真雄×引分×米山正剛
(大)飯塚大貴△優勢[技有]〇近森聖悟
(代)市川晃次郎〇優勢[技有]△米山正剛

東海大高輪台高(東京) 2-0 市立船橋高(千葉)
(先)石間勇斗〇大外刈(0:26)△中野旭
(次)中村徳将×引分×伊藤康貴
(中)牧口拓夢×引分×佐藤隆
(副)石村健真×引分×石井隆太郎
(大)柴野明紀〇優勢[技有]△御園涼平

東海大相模高(神奈川) 3-1 東海大浦安高(千葉)
(先)滝本大翔〇合技(2:44)△酒谷天馬
(次)有馬雄生〇肩車(2:37)△菊川純平
(中)笠康介△優勢[技有]〇平野颯人
(副)山本銀河×引分×髙橋輝大
(大)尼田光志朗〇優勢[僅差]△岡本泰崇

白鴎大足利高(栃木) 5-0 甲府工高(山梨)
(先)滝澤琉貴弥〇大外刈(2:09)△佐藤翼
(次)木村力也〇合技(1:35)△鈴木憲太
(中)岡崎竜丸〇横四方固(3:06)△家次健
(副)津端洸〇内股(2:41)△中込良基
(大)杉之内暁〇横四方固(1:33)△坂本悠誠

木更津総合高(千葉) 2-0 修徳高(東京)
(先)伊藤隆祐×引分×山城暁仁
(次)唯野己哲〇小外刈(1:19)△藤越悠太
(中)北條嘉人〇小外刈(0:14)△長尾光真
(副)金澤聡瑠×引分×小嶋洸成
(大)飯田空翔×引分×中村和真


埼玉栄高(埼玉) 2-0 国士舘高
(先)猪瀬真司〇優勢[技有]△齋城龍世
(次)岡田悠之介×引分×小田桐美生
(中)杉野光星〇優勢[僅差]△須山健介
(副)松崎渡×引分×道下新大
(大)山野井爽×引分×藤永龍太郎

桐蔭学園高(神奈川) 2-1 前橋商高
(先)須永陸也〇大外刈(2:16)△武井佑磨
(次)佐々木光太郎〇背負投(0:52)△髙橋昇大
(中)酒井清爽△内股(0:19)〇石原樹
(副)中野智博×引分×君田浩気
(大)持田龍己×引分×諸田大河

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準々決勝、代表戦で東海大相模高の有馬雄生が東海大高輪台高・石村健真から背負投「技有」

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石村が有馬から大内刈「一本」、逆転勝ち。

【準々決勝】

日体大荏原高(東京) 3-1 市立習志野高(千葉)
(先)木下颯王〇裏投(0:28)△子安麟太郎
(次)島本真司郎×引分×後藤颯太
(中)小野里洋紀△横四方固(2:32)〇市川晃次郎
(副)グリーンカラニ海斗〇合技(2:41)△桒田真雄
(大)平山才稀〇反則(2:56)△飯塚大貴

東海大高輪台高(東京) ②代-2 東海大相模高(神奈川)
(先)石間勇斗〇巴投(0:55)△滝本大翔
(次)中村徳将△合技(3:49)〇有馬雄生
(中)牧口拓夢△反則(2:42)〇椙本真玄
(副)石村健真〇不戦△
(大)柴野明紀×引分×尼田光志朗
(代)石村健真〇大内刈(2:47)△有馬雄生

木更津総合高(千葉) ②-2 白鴎大足利高(栃木)
(先)伊藤隆祐△優勢[技有]〇萩原龍聖
(次)唯野己哲〇引込返(3:23)△木村力也
(中)北條嘉人×引分×岡崎竜丸
(副)金澤聡瑠〇反則(2:56)△澤口宗志
(大)飯田空翔△優勢[技有]〇杉之内暁

埼玉栄高(埼玉) 4-0 桐蔭学園高(神奈川)
(先)猪瀬真司〇袈裟固(2:45)△須永陸也
(次)岡田悠之介〇優勢[技有]△佐々木光太郎
(中)杉野光星〇優勢[僅差]△酒井清爽
(副)松崎渡〇合技(3:42)△中野智博
(大)山野井爽×引分×持田龍己

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準決勝、グリーンカラニ海斗が石村健真から払腰「一本」

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準決勝、平山才稀が的場光太朗から小外掛「一本」

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準決勝、唯野己哲が岡田悠之介を裏投で持ち上げる。取り切れなかったが素早く腕挫十字固に入り込んで「一本」。

【準決勝】

日体大荏原高(東京) 3-1 東海大高輪台高(東京)
(先)木下颯王×引分×石間勇斗
(次)島本真司郎〇反則(2:24)△中村徳将
(中)小野里洋紀△送襟絞(2:11)〇牧口拓夢
(副)グリーンカラニ海斗〇払腰(1:37)△石村健真
(大)平山才稀〇小外掛(2:02)△的場光太朗

木更津総合高(千葉) 3-1 埼玉栄高(埼玉)
(先)伊藤隆祐×引分×猪瀬真司
(次)唯野己哲〇腕挫十字固(2:09)△岡田悠之介
(中)北條嘉人〇優勢[技有]△杉野光星
(副)金澤聡瑠〇優勢[僅差]△松崎渡
(大)飯田空翔△優勢[技有]〇山野井爽

【決勝】

日体大荏原高(東京) 2-1 木更津総合高(千葉)
(先)木下颯王×引分×伊藤隆祐
(次)島本真司郎〇優勢[技有・引込返]△唯野己哲
(中)小野里洋紀△腕挫十字固(1:42)〇北條嘉人
(副)グリーンカラニ海斗〇反則[指導3](2:37)△金澤聡瑠
(大)平山才稀×引分×飯田空翔


取材・文:古田英毅
撮影:eJudo編集部

※ eJudoメルマガ版6月2日掲載記事より転載・編集しています。

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