PAGE TOP ↑
eJudo

【レポート】日本代表が優勝、決勝で実力者揃えた韓国を破る・アジアパシフィック選手権大会2019男女混合団体戦

(2019年5月19日)

※ eJudoメルマガ版5月19日掲載記事より転載・編集しています。
【レポート】日本代表が優勝、決勝で実力者揃えた韓国を破る
アジアパシフィック選手権大会2019男女混合団体戦
アジア・パシフィック選手権大会2019が、4月20日から23日までの4日間、アラブ首長国連邦のフジャイラで開催された。この大会はこれまで個別に行われていたアジア選手権大会とオセアニア選手権大会を統合して、今年から新設されたもの。最終日となる23日には男女混合団体戦が行われ、日本代表チームが優勝を飾った。

概況と結果、決勝の戦評は下記。

文責:小林大悟/eJudo編集部

■ 男女混合団体戦
(エントリー7チーム)

【入賞者】
1.JAPAN (JPN)
2.KOREA (KOR)
3.CHINA (CHN)
3.MONGOLIA (MGL)
5.KAZAKHSTAN (KAZ)
5.UZBEKISTAN (UZB)
7.CHINESE TAIPEI (TPE)

【決勝まで】

日本代表は準決勝から登場すると、まずはモンゴルと対戦。第1試合の女子57kg以下で富沢佳奈(東海大2年)が個人戦に続いて2017年世界王者のドルジスレン・スミヤを「指導3」の反則(3:29)で破り先制する。これを受けて畳に上がった男子73kgk以下の野上廉太郎(筑波大3年)は個人戦優勝者のツェンドオチル・ツォグトバータルにわずか42秒の片手絞「一本」で敗れてしまうが、続く第3試合の女子70kg以下では田中志歩(環太平洋大3年)がボルド・ガンハイチを腕緘「一本」(0:46)で「秒殺」、再び1勝のリードを得る。相手の得点ポジションが並んだ序盤戦をリードで終えたことで、ここからは一方的な内容。第4試合で90kg以下の増山香補(明治大3年)がエルデネフー・ムンフジャルガルに背負投「技有」優勢、第5試合で70kg以上の井上あかり(JR東日本)がオトゴン・ムンフツェツェグに肩固「一本」(4:00)で勝利してスコアは4-1。この時点で勝敗が決したため、第6試合は行われず日本の決勝進出が決まった。

[準決勝]
日本 4-1 モンゴル
[女子57kg以下]富沢佳奈○反則[指導3](3:29)△ドルジスレン・スミヤ
[男子73kg以下]野上廉太郎△片手絞(0:42)○ツェンドオチル・ツォグトバータル
[女子70kg以下]田中志歩○腕緘(0:46)△ボルド・ガンハイチ
[男子90kg以下]増山香補○優勢[技有・背負投]△エルデネフー・ムンフジャルガル
[女子70kg以上]井上あかり○肩固(4:00)△オトゴン・ムンフツェツェグ
[男子90kg以上] - ルハグヴァスレン・オトゴンバータル

【決勝】

日本 - 韓国
[男子73kg以下]野上廉太郎 - アン・チャンリン
[女子70kg以下]田中志歩 - ハン・ヒジュ
[男子90kg以下]増山香補 - ガク・ドンハン
[女子70kg以上]井上あかり - キム・ミンジョン
[男子90kg以上] - キム・ミンジョン
[女子57kg以下]富沢佳奈 - キム・ジャンディ

決勝の相手は各ポジションに実力者をずらりと並べた韓国。日本は男子90kg以上が不戦敗となるため既に1失点が決定。勝利に必要な4点を得るには、相手がトップ選手を配置している男子73kg以下、男子90kg以下、女子70kg以上の3ポジションのうちいずれかで必ず得点せねばならない厳しい戦い。

前戦から試合順が1つ前にずれるため、第1試合は73kg以下からのスタートとなる。最初の勝負ポジションであるこの試合、日本は今大会絶不調の野上、対する韓国は昨年の世界王者アン・チャンリンと非常に厳しいカードが組まれた。しかし、野上がここで意地を見せる。消極的との咎で「指導2」を失った直後の1分15秒、ここが勝負どころと肚を決めた野上が組み手争いから急加速して脇を差し、一気に相手を抱え上げて「やぐら投げ」。体を捨てて決め切り「技有」を得る。残り時間は2分以上残されており、アンはギアを1段上げてここから猛チャージ。しかし野上、集中力を切らすことなくこれを凌ぎ切り、値千金の先取点を日本にもたらす。

続く第2試合の女子70kg以下は田中がハン・ヒジュを実力どおりに「指導3」の反則(GS1:22)で下して日本が2連勝。2つめの勝負ポジションである第3試合の男子90kg以下を迎える。この試合は日本が増山、韓国が2015年世界王者のガク・ドンハン。前日の個人戦では増山が背負投「技有」で勝利しているカードだ。最終日に団体戦が行われる現在の大会日程では個人戦で敗れた選手が団体戦で気持ちを切り替えリベンジを果たす例が多く見られるが、この日のガクは元気がなく最後まで組み手争いに執心。結果3分7秒にガクに「指導3」が与えられ、増山の相手の反則による勝利が決まった。日本はここまで3連勝。

第4試合の70kg以上は日本が井上、韓国が2017年ブダペスト世界選手権銅メダリストのキム・ミンジョン。ここを獲れば日本の勝利が決定する場面だったが、実力者キムが格の違いを見せつけ、一方的に井上に「指導」3つが積み重なる。2分31秒、井上の反則負けによりキムが勝利。韓国が1点を取り返す。第5試合の男子90kg以上は日本の不戦敗となり、勝負は女子57kg以下の第6試合へ。この時点でスコアは3-2、日本の1点リード。

この試合は日本が富沢、韓国がキム・ジャンディ。個人戦では富沢が小内刈「技有」優勢で勝利しているカード。前回対戦反省を生かしてか、キムは左右の手をガチャガチャと出し入れする「指導」狙いの戦法を展開。富沢、序盤はこれに付き合ってしまい、先に「指導2」まで失ってしまう。キム、そのまま3つ目の「指導」を得ようと組み手争いによる膠着を狙うが、富沢は両袖を絞っての前身圧力でこれに対抗。これが見事に嵌り、一転してキムが押し込まれる展開が続く。組み手争いによる「指導」奪取戦法を封じられたキムはもはや為す術なし。ここからあっという間にキムに反則が積み重なり、3分29秒、キムに偽装攻撃による「指導3」が与えられて決着となる。最終スコアは4-2。日本代表が試合開始の時点で1点のビハインドを追う、それも相手に世界王者が2名いるという厳しい状況を覆して、見事優勝を飾った。この試合のMVPは間違いなく野上。ここまで大会通じて不調であったが、決勝では最重要ポジションである第1試合で現役世界王者を破り、名誉挽回を果たした。

【決勝】
日本 4-2 韓国
[男子73kg以下]野上廉太郎○優勢[技有・内股]△アン・チャンリン
[女子70kg以下]田中志歩○GS反則[指導3](GS1:22)△ハン・ヒジュ
[男子90kg以下]増山香補○反則[指導3](3:07)△ガク・ドンハン
[女子70kg以上]井上あかり△反則[指導3](2:31)○キム・ミンジョン
[男子90kg以上]△不戦○キム・ミンジョン
[女子57kg以下]富沢佳奈○反則[指導3](3:29)△キム・ジャンディ

※ eJudoメルマガ版5月19日掲載記事より転載・編集しています。

→eJudoトップページに戻る
→「ニュース・マッチレポート」に戻る
→「書評・DVD評」に戻る