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【プレビュー】激戦90kg級に向翔一郎と村尾三四郎が挑戦・グランドスラムバクー2019最終日男子プレビュー

(2019年5月11日)

※ eJudoメルマガ版5月11日掲載記事より転載・編集しています。
激戦90kg級に向翔一郎と村尾三四郎が挑戦
グランドスラムバクー2019・最終日男子プレビュー(90kg級、100kg級、100kg超級)
→グランドスラム・バクー2019組み合わせ
文責:小林大悟/eJudo編集部
日時:2019年5月12日(日)
場所:アゼルバイジャン・バクー

■ 90kg級・世界王者シェラザディシヴィリが参戦、向翔一郎と村尾三四郎は配置の明暗分かれる
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今年の世界選手権で日本代表を務める向翔一郎

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グランドスラム・デュッセルドルフで世界を驚かせた村尾三四郎は今大会からが勝負

(エントリー43名)

現役世界王者のニコロス・シェラザディシヴィリ(スペイン)を中心に実力者が大量エントリー。厳密な意味でのトップ選手は少ないものの、階級全体のレベルの高さに押し上げられる形で、相当に密度の高いトーナメントが出来上がった。

ここに挑む日本代表選手は、東京世界選手権代表の向翔一郎(ALSOK)と、同大会団体戦代表の村尾三四郎(東海大1年)の2名。ともにノーシード位置から大会をスタートすることとなる。

向は組み合わせに恵まれ、1、2回戦はいずれも無名選手との対戦。しかし以降は、3回戦でママダリ・メディエフ(アゼルバイジャン)とアヴタンディル・チリキシヴィリ(ジョージア)の勝者、準々決勝でコムロンショフ・ウストピリヨン(タジキスタン)とイェスパー・シュミンク(オランダ)の勝者と、いきなり対戦相手のレベルが上がることとなる。序盤の2試合で良い流れを作り、勢いに乗って勝ち上がりたい。向の魅力は「何かを起こしてくれそう」と感じさせる意外性と勝負度胸の良さ。それゆえに抱き勝負での自滅も多く、自分自身の手綱を握り続けられるか、アクセルを踏むべき勝負どころを見極められるかがポイントとなるだろう。それさえ出来れば実力的には十分に優勝も可能なはずだ。

一方の村尾は2月のグランドスラム・デュッセルドルフに続いて非常に厳しい位置を引いてしまった。対戦相手は初戦(2回戦)からフセン・ハルモルザエフ(ロシア)。これに勝利しても、以降は3回戦でノエル・ファンテンド(オランダ)、準々決勝でネマニャ・マイドフ(セルビア)とラシャ・ベカウリ(ジョージア)の勝者と、休む間もない強豪との連戦が待ち構えている。いずれの試合も序列的には格上が相手だが、特に注目したいのは準々決勝で対戦の可能性があるベカウリ。昨年の世界ジュニア選手権決勝で敗れたあの選手だ。もし対戦が実現した場合には、なんとしてもリベンジを果たして世代ナンバーワンは自分だということを示したいところ。また、ベスト4に進出すれば世界王者シェラザディシヴィリへの挑戦権を得ることが出来る。東京五輪を目指すうえでは是非ともここで戦っておきたい相手だ。デュッセルドルフでトップ選手を次々撃破してみせた、あの快進撃の再現に期待したい。

【プールA】
第1シード:ニコロス・シェラザディシヴィリ(スペイン)
第8シード:ラファエル・マセド(ブラジル)
有力選手:クエジョ・ナーバリ(ウクライナ)、ダヴィド・クラメルト(チェコ)、ミカイル・オゼルレル(トルコ)

【プールB】
第4シード:ノエル・ファンテンド(オランダ)
第5シード:ネマニャ・マイドフ(セルビア)
有力選手:ザッカリー・バート(カナダ)、フセン・ハルモルザエフ(ロシア)、ヤホル・ヴァラパエウ(ベラルーシ)、ラシャ・ベカウリ(ジョージア)、ガンツルガ・アルタンバガナ(モンゴル)
日本代表選手:村尾三四郎(東海大1年)

【プールC】
第2シード:クリスティアン・トート(ハンガリー)
第7シード:エドゥアルド・トリッペル(ドイツ)
有力選手:マーカス・ナイマン(スウェーデン)、ツラル・サフグリエフ(アゼルバイジャン)

【プールD】
第3シード:ママダリ・メディエフ(アゼルバイジャン)
第6シード:コムロンショフ・ウストピリヨン(タジキスタン)
有力選手:アヴタンディル・チリキシヴィリ(ジョージア)、イェスパー・シュミンク(オランダ)
日本代表選手:向翔一郎(ALSOK)

■ 100kg級・強豪多く参加のハイレベルトーナメント、ガシモフとコツォイエフの地元アゼルバイジャン勢に注目
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地元で力を見せたいベテランのエルマー・ガシモフ

(エントリー36名)

90kg級と同様、階級のレベルの高さを反映してなかなか骨の太いトーナメントが組まれた。形上は試合出場が多く成績の安定しているペテル・パルチク(イスラエル)が第1シードとなってはいるが、世界選手権表彰台クラスの選手が多く顔を揃えており、誰が勝ち上がるのかをこの時点で予想するのは難しい。

このなかで特定の注目選手を難しいが、敢えて名前を挙げるということになれば地元選手でリオデジャネイロ五輪銀メダリストのエルマー・ガシモフ(アゼルバイジャン)ということになるだろう。ロンドン-リオ期には世界ランク1位が定位置であったが、最近は徐々に力が落ちてきており、なかなか表彰台に上がれていない。今大会には2017年世界ジュニア選手権王者で、今年2月のグランドスラム・デュッセルドルフで3位入賞を果たすなど近頃成績を伸ばしているゼリム・コツォイエフ(アゼルバイジャン)も参加しており、両者が勝ち上がれば準決勝で対戦予定となっている。直接対決が実現するかはともかく、ガシモフとしては現在強烈な突き上げを食らっている状況であり、ここは地元の観衆の前で結果を残して改めてその力を示しておきたいところ。組み合わせは3回戦でトマ・ニキフォロフ(ベルギー)、準々決勝でジョルジ・フォンセカ(ポルトガル)と対戦する非常に過酷なものとなっており、ここ最近のガシモフの出来で勝ち上がることは困難だと思われる。果たしてガシモフにこれを突破するだけの力がまだ残っているのか、その戦いぶりに注目だ。

【プールA】
第1シード:ペテル・パルチク(イスラエル)
第8シード:カズベク・ザンキシエフ(ロシア)
有力選手:ゼリム・コツォイエフ(アゼルバイジャン)、ラウリン・ボーラー(オーストリア)

【プールB】
第4シード:ジョルジ・フォンセカ(ポルトガル)
第5シード:エルマー・ガシモフ(アゼルバイジャン)
有力選手:ヨアキム・ドファービー(スウェーデン)、トマ・ニキフォロフ(ベルギー)

【プールC】
第2シード:マイケル・コレル(オランダ)
第7シード:アレクサンドル・イディー(フランス)
有力選手:イェフゲニース・ボロダフコ(ラトビア)、ラファエル・ブザカリニ(ブラジル)、グリゴリ・ミナシキン(エストニア)

【プールD】
第3シード:ルハグヴァスレン・オトゴンバータル(モンゴル)
第6シード:ベンジャミン・フレッチャー(アイルランド)
有力選手:ニイアズ・ビラロフ(ロシア)、ダニエル・ムケテ(ベラルーシ)

■ 100kg超級・強豪の参加は少なめ、最注目はメイヤーとザアリシヴィリの2回戦
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第1シードの栄を受けたロイ・メイヤー
写真提供:judoinside.com

(エントリー23名)

他の2階級と比べると少々メンバーの寂しいトーナメント。ここのところ主役を張っていた選手たちは参加しておらず、中堅選手が中心となっている。第1シードはロイ・メイヤー(オランダ)。優勝争いの圏内は、ここに第2シードのマチェイ・サルナツキ(ポーランド)と第3シードのヤキフ・ハモー(ウクライナ)を加えたところまでがと考えて差し支えないだろう。

面白い存在という意味では、メイヤーの初戦の相手であるゲラ・ザアリシヴィリ(ジョージア)の名前が挙がる。昨年の世界ジュニア選手権で斉藤立(国士舘高3年)とステファン・ヘギー(オーストリア)を破り優勝した若手注目株だ。シニア参戦後は抱き勝負が中心の極端なパワー型であるがゆえに壁にぶつかっている感があるものの、素材自体は一級品。今回も担ぎ技主体のメイヤーが相手と相性的に勝利は厳しいと予想されるが、今後伸びてくることは間違いなく、継続してチェックしておきたい選手だ。

ほか、リオデジャネイロ五輪後の長い不調から抜け出しつつあるハモーに注目。出世期には担ぎ技と捨身技によるトリッキーなスタイルが売りであったが、最近は組み手の左右が利くことや、小回りの良さを生かして巧みに間合いを出入りして足技で仕留めるスタイルへと変貌を遂げている。東京五輪に向けてこれから調子を上げてくることが予想され、ここで一度確認しておきたい。

【プールA】
第1シード:ロイ・メイヤー(オランダ)
第8シード:ザルコ・クルム(セルビア)
有力選手:ゲラ・ザアリシヴィリ(ジョージア)

【プールB】
第4シード:ヴラダト・シミオネスク(ルーマニア)
第5シード:アントン・クリヴォボコフ(ロシア)
有力選手:ダニエル・アレルストルフェル(オーストリア)、ウラジスラウ・ツィアルピツキ(ベラルーシ)

【プールC】
第2シード:マチェイ・サルナツキ(ポーランド)
第7シード:スヴェン・ハインル(ドイツ)
有力選手:ルスラン・シャハバゾフ(ロシア)

【プールD】
第3シード:ヤキフ・ハモー(ウクライナ)
第6シード:アリアクサンドル・ヴァハヴィアク(ベラルーシ)
有力選手:バトトルガ・テムーレン(モンゴル)

※ eJudoメルマガ版5月11日掲載記事より転載・編集しています。

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