PAGE TOP ↑
eJudo

男子日本代表が練習公開、リネール、ツシシヴィリら豪華メンバー参加の国際合宿で腕を磨く

(2019年5月4日)

※ eJudoメルマガ版5月4日掲載記事より転載・編集しています。
男子日本代表が練習公開、リネール、ツシシヴィリら豪華メンバー参加の国際合宿で腕を磨く
eJudo Photo
テディ・リネールと、2018年バクー世界選手権王者グラム・ツシシヴィリの乱取り。リネールは「40%」の仕上がりながら、内股と谷落でツシシヴィリを畳に叩きつけた。

eJudo Photo
大野将平は得意の内股を幾度も決めて好調の様子

全日本男子日本代表チームが4日、味の素ナショナルトレーニングセンター(東京都北区)にて今年度2回目となる強化合宿の様子を公開した。今回は国際合宿として強豪国の選手を受け入れ、国内の8大学のほか、ロシア、モンゴル、フランス、ジョージア、ベルギー、ウズベキスタンの6か国66人の海外選手が参加しての大規模稽古となった。

ロシアはハサン・ハルモルザエフ、ニヤズ・イリアソフ、ミハエル・プルヤエフらほぼ全階級にわたって一軍を投入。ジョージアもバクー世界選手権100kg超級金メダリストのグラム・ツシシヴィリやヴァーラム・リパルテリアニら一線級をずらりと送り込んでおり、日本代表の面々はめったにない豪華メンバー相手の乱取りで存分に汗を流していた。

この日もっとも注目を集めたのは、シリル・マレら数名の同僚とともに参加したフランスのテディ・リネール。稽古に復帰してから4か月、「まだ40%くらい」という本人の言葉通り体が大きくなりすぎている印象で動きは決して切れていなかったが、現役世界王者のツシシヴィリを内股、谷落と余裕をもって立て続けに投げつけ、さすがの強さを見せていた。

囲み取材に応じたリネール、藤原崇太郎(日本体育大3年)、橋本壮市(パーク24)の3選手、および井上康生監督のコメントは下記。

eJudo Photo
復帰して4か月のテディ・リネール

テディ・リネール選手のコメント
「今はオリンピックに向けた準備の途中。日本には強い選手がたくさんいるのでとてもいい練習が出来ます。今回は最重量級の選手がちょっと少なく感じましたが、そのぶん他の国からも強い選手がたくさん来ていて、とても充実した合宿になっていると思います。(今の状態は?)仕上がりを数字で言えば、40%か50%。自分の目標はあくまで来年のオリンピックで、他の選手と比べると急いでいないのでゆっくり準備しています。(-この後の大会の出場予定は?)特にありません。自分自身がベストまで仕上がってから出る大会を決めます。(-世界選手権にも出ない?)自分の一番の目的は、来年のオリンピックで、柔道のふるさとである日本で勝つこと。世界選手権がどうかというのはオリンピックの後で考えます。(-不在の間の100kg超級の状況はどう捉えていますか?)チャンピオンになった選手はいますが、その理由は(私が)いなかったから、ですね(笑)。私の目標はあくまで東京五輪で、全部の世界選手権に出ていたらそれが出来なくなってしまう。だから準備のために休んでいたということです。(-その後はパリ五輪?)東京で勝ったら、長い休憩を取って、それからパリに出るという気持ちはあります。実際にどうなるかわかりませんが、ただ、もしパリに出たら間違いなくそれが最後になるでしょうね。(-かなり体が大きくなっているように見えますが、今の体重は?)150キロくらいです。(-前回の世界選手権では足技を多用する、ちょっと今までとは違う印象の試合でした。次も何か上積みを?)勝負は来年なので、足技はもちろん、色々な技術を練習していますよ。(-2015年の来日の際に、「1回1回絶対に勝つ」稽古をしているとおっしゃっていました。いま、40%の仕上がりで臨む稽古ではどんなことを目当てにしていますか?)その時の状態で目的を変えています。今日はやってみてあまり動きが切れていなかったので、遊びながら、楽しみながらやりました。(-繰り返しになりますが、五輪に向けて出場ポイントを取りに行かなければいけない時期でもあります。やっぱり世界選手権は出ない?)今の時点では出ません。まあ、どうしても出たくなったらわかりませんが(笑)、監督とも話して、出ないことにするでしょうね。とにかく目標は五輪で、そういう意味では(世界選手権でなくても)試合に出てポイントだけ取れればいいわけです。極端に言えば、準備ですから負けてもいいわけです。負けませんけどね(笑)。(-年齢を重ねて、衰えは気になりませんか?)年齢のことは心配していません。凄く自信があるのは、私にとって東京大会が4度目の五輪であること。どんな雰囲気なのか、どんな準備をすればいいのか、全てを知っている。仮に次で負けたとしても、もう私は既に金メダルを取っているわけだし、気持ち的には(年齢を重ねることは)自分にとって良いことしかありません。あと1年、頑張ります。」

eJudo Photo
東京世界選手権は団体戦の代表で参加する73kg級の橋本壮市

橋本壮市選手のコメント
「次の試合が決まったのでひたすら練習です、何を考えるというよりはひたすら練習をしています。選抜体重別は東京五輪に向けて本当に大事な試合だったので、そこで負けてしまって、正直今回は気持ちを切り替えるのに時間が掛かりました。ただ、『まだ可能性はないわけではない』という言葉を貰って、その通りだな、可能性がある限り頑張ろうと思いなおしました。(-選抜の決勝を振り返って?)日本のルールと海外のルールが違う、というのはありますが、勝負なので、負けたことには変わらないです。受け入れて、どう次に生かすかが大事だと思っています。(-大野将平選手と戦ってみて?)予想通り、強い選手でした。来年オリンピックに勝つには、大野選手云々でなく、自分自身がもう一回り、二回り強くならなければいけない。(-世界選手権は団体戦の代表ですね?) 個人戦しか考えてなかったので、正直最初は出たくないと思いました。ただ、(同じく団体の代表になった)村尾三四郎選手が『団体で選んで頂いた』と言っていて、そういう気持ちを忘れていたなと気づかされました。自分は男子代表の中では最年長。選んでいただいたという気持ちで、しっかり点を取ってきて、日本の勝利に貢献します。(-大野選手との試合を経て、この後自分の柔道にどんな上積みを考えますか?)戦い方としては悪くなかったと思うので、今の柔道を継続してやっていきたいです。変えたいと思うことはありません。お互いの柔道を良く知っているので『指導』の取り合いになると思いますが、どんなことをしても勝つ、それが出来る柔道を作っていきたい。」

eJudo Photo
東京世界選手権で81kg級代表を務める藤原崇太郎

藤原崇太郎選手のコメント
「代表が決まって、今は準備の期間。しっかり追い込んで体を作って、気合いを入れて練習しています。ガシガシ、ウエイトトレーニングもやっています。(-世界選手権で銀メダルを取った後の上積みは?)怪我もあって満足に練習出来ない期間があったのですが、その時期にウエイトトレーニングで力をつけたこと、気持ち的には『無理をしない』ということを覚えたこと、技術的には、力がついたこともあって密着戦に積極的になってきたことです。自分の組み手になったときには、ひっついた方がやりやすい。海外の選手に力負けしなくなってきたので、状況を見て密着して投げにいくことが出来るようになったと思います。あとは、世界選手権で決勝までいけたことは、それ自体が自信になりました。(-以前はオールラウンダーという印象。密着もひとつのオプションですが、次に積む技は?)仰る通り、スーパーオールラウンダーというか、何でも出来るようになりたい。今は担ぎ技を増やして練習しています。(-密着という言葉が出ましたが、密着の谷落を切り返された永瀬貴規戦はどう振り返っていますか?)やっていい場面と、悪いところがあるわけですが、あの場面はやるべきではなかったということだと思っています。(-世界選手権に向けて?)皆、この東京世界選手権が一番大事だと思っているし、ここで勝つことでオリンピックが近づくと何より自分自身が強く思っています。やれることをすべてやって、準備万端、自信満々で世界選手権に臨みたいです。(-五輪を意識したのはいつ?)あまり先のことを考えるタイプではないので、本当に意識したのはグランドスラム・デュッセルドルフが終わってからです。(-81kg級はまだ戦っていない選手も含めて強い選手が沢山います。いま一番試合をしてみたい選手は?)1度やっている選手ですが、世界選手権決勝で戦ったサイード・モラエイ選手です。去年組み合った相手の中では間違いなく一番強かった。この1年間の自分の成長を確かめる意味でも、もう1度組んで戦ってみたい。技はもちろん、モラエイ選手に負けないような体を作って、次は勝ちます。」

eJudo Photo
井上康生監督

井上康生監督のコメント
「(-金メダル級の選手がたくさん来日しています。これだけの選手をナショナルトレーングセンターという施設で受け入れるのはハードルが高かったのでは?)仰る通りなかなか厳しいのですが、これだけの選手たちが日本に来てくれるのはありがたいし、何より我々も成長することが出来る。色々な方々にご理解を頂いて、受け入れることが出来ました。(-こういう場合、稽古は全力でやるものですか?)見ていると、全力でやっていましたね。激しい稽古です。もちろん対人競技ですから駆け引きはありますが、ただ、見ている限り、非常に激しい稽古ではあったとは言えます。(-戦い方など情報流出の心配は?)これだけ情報が簡単に入手できる時代ですので、あまり気にしていません。稽古を見られるということではお互い様です。むしろ、『見られている』と警戒されないような、やりやすい環境を作ろうと思っていますね。(リネール選手の対策は?出来れば五輪までになるべく多くの選手を当てたいのでは?)世界選手権に出てくる、出てこないに限らず、常にあらゆる状況、最悪の状況を考えて準備はしています。仰る通り対戦出来る環境があれば対戦したいですね。ただ、日本選手と稽古はしていますよ。昨日は斉藤立選手とも稽古していました。皆さん見たかったでしょうね(笑)。」

取材・文:古田英毅
撮影:eJudo編集部

※ eJudoメルマガ版5月4日掲載記事より転載・編集しています。

→eJudoトップページに戻る
→「ニュース・マッチレポート」に戻る
→「書評・DVD評」に戻る